Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

remo

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おまけBlue.

04.

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私の手を引いて、再びバイクに乗せながら、奏くんが淡々と話してくれた。

今日、ブルーレインの事故で亡くなった円谷さんの彼女が、上京したついでに奏くんの会社を訪ねて来たこと。

彼女は進行性の視覚障害を患っていて、視力を失う恐れがあり、その前に倒壊したウィンエンターテイメントのビル跡を見ておきたかったのだという。

うん。 …確かにバカだわ。

のいのバカ―――っっ

醜い嫉妬して、ごめんなさい―――っっ‼︎

自分がバカで幼稚で穴が無くても埋まりたい気分だったのに、奏くんは怒らなかった。

「…いいよ」

ヘルメットをかぶせる前に私の両頬をつまんで軽く笑うと、

「クソ可愛いから」

もう一度、キスしてくれた。

バイクを巧みに操って、山道を走る奏くんの背中は優しい。

醜く泣いても、くだらないことで騒いでも、全部受け止めてくれる。

強くて優しい背中を後ろから抱きしめた。

…大好き。

頰をすり寄せると背中から振動が伝わって、奏くんが笑っているのが分かった。

山道を登ると、空が近づく。
街の明かりが届かない夜空に、満天の星が見えた。

奏くんが、木立の間にそびえるコテージの前でバイクを停めた。

「ここ、俺の隠れ場所」

ダークブラウンの木材に彩られた三角屋根が印象的な、童話に出てくる森の家のようなコテージは、外観も内装もおしゃれで、広々としている。

「じいちゃんのホテルが管理してて、昔から1人になりたい時に来てた」

木の温もりに満ちた部屋にはキッチンもバスルームも何でも揃っていて、
ランタンや天体望遠鏡が置かれた屋根裏は、広いベッドから天井を仰ぐと、一面ガラス張りの窓から降るような星空が見えた。

「きれい、…」

いやでも普通。
1人になりたい時には、家の中で唯一鍵のかかる個室であるトイレにこもるよね⁇
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