123 / 124
おまけBlue.
05.
しおりを挟む
間近に見える星空に圧倒されて立ち尽くしていたら、
ふいに後ろから抱き寄せられて、背中に優しいぬくもりを感じた。
「のい」
奏くんの甘い吐息が柔らかく髪をくすぐる。
「俺の手も脚も心臓も。…心も全部、お前だけのためにあるから」
胸の前で、奏くんの長い腕が交差して、耳元で甘い美声が優しくささやく。
「…1人で泣くなよ」
甘くかすれた声。優しく沁みる声。
胸の奥がぎゅうってなって、目の奥が熱くなる。
がなでぐん…
こんなの絶対泣いちゃうじゃん。
込み上げる涙を噛みしめて振り仰ぐと、優しく笑う奏くんのきれいな顔が、涙の膜の向こうで揺れていた。
「…妬いてもいいけどな」
後ろから私をのぞき込みながら、奏くんの滑らかな唇が頰をかすめて瞼に降りる。
「教えてやるから」
軽やかに鼻の上をたどって涙を舐める。
「俺はお前しかいらないって」
柔らかく唇を食んで甘い舌を差し入れる。
不安も涙もヤキモチも、全部甘く溶かされる。
頭も身体も心の中も、全部奏くんでいっぱいになる。
奏くんに注ぎ込まれた甘い甘い蜂蜜が、
身体の奥の奥まで沁み込んで心地よく満たされる。
奏くんが甘すぎて。…立っていられなくて。
「…もっとバカになる」
奏くんにしがみつくと、奏くんは口の端をもたげて楽しそうに笑った。
「まあな」
ちょっと!?
そこは認めてくスタイル!?
抗議しようにも身体中の力が抜けてしまった私を、奏くんが軽々と抱き上げる。
「でも俺、…」
木の温もり漂う広いベッドの上にふわりと私を降ろすと、
「このバカ、愛してるから」
青と淡褐色の美しい瞳を甘く揺らめかせて、奏くんが私を優しく包み込んだ。
奏くんの柔らかい髪が頬をくすぐる。
美しすぎる奏くんの向こうで、満天の星がきらめいていた。
「…のい」
奏くんの滑らかな手と優しい指と艶やかな唇が、
頭の上からつま先まで、身体中至るところに触れて震える。
「寝かさなくていいか?」
奏くんの瞳に声に唇に、快感が溢れ出て、
跳ねて潤んで身体の奥がきゅうきゅう鳴く。
「奏くん、…」
とろとろに溶かされて、何度も何度も甘く弾ける。
どこまでも昇りつめて、とめどない恍惚に落とされる。
奏くんの美しい瞳が私を映す。
宇宙に浮かぶ地球みたいな不思議な色のアースアイが、
愛しさで溢れている。
月の雫になって奏くんと深く深くつながって
ゆらゆら揺られてきらめく星空に漂い出す。
奏くんの全部を独り占めした。
滑らかな素肌に隙間なくくっついて
絡まって絡み合って溶け合って境界線がなくなる。
奏くん。
バカでどうしようもなくて早食いしか特技がない私のこと、
好きになってくれてありがとう。
世界で一番幸せにしてくれてありがとう。
きらめきの中でまどろんで、揺らされて溶かされて
注がれて満たされて、ずっとずっと奏くんと一緒にいた。
「大好き、…」
奏くん。
どんな時でもそばにいてくれて本当にありがとう。
ふいに後ろから抱き寄せられて、背中に優しいぬくもりを感じた。
「のい」
奏くんの甘い吐息が柔らかく髪をくすぐる。
「俺の手も脚も心臓も。…心も全部、お前だけのためにあるから」
胸の前で、奏くんの長い腕が交差して、耳元で甘い美声が優しくささやく。
「…1人で泣くなよ」
甘くかすれた声。優しく沁みる声。
胸の奥がぎゅうってなって、目の奥が熱くなる。
がなでぐん…
こんなの絶対泣いちゃうじゃん。
込み上げる涙を噛みしめて振り仰ぐと、優しく笑う奏くんのきれいな顔が、涙の膜の向こうで揺れていた。
「…妬いてもいいけどな」
後ろから私をのぞき込みながら、奏くんの滑らかな唇が頰をかすめて瞼に降りる。
「教えてやるから」
軽やかに鼻の上をたどって涙を舐める。
「俺はお前しかいらないって」
柔らかく唇を食んで甘い舌を差し入れる。
不安も涙もヤキモチも、全部甘く溶かされる。
頭も身体も心の中も、全部奏くんでいっぱいになる。
奏くんに注ぎ込まれた甘い甘い蜂蜜が、
身体の奥の奥まで沁み込んで心地よく満たされる。
奏くんが甘すぎて。…立っていられなくて。
「…もっとバカになる」
奏くんにしがみつくと、奏くんは口の端をもたげて楽しそうに笑った。
「まあな」
ちょっと!?
そこは認めてくスタイル!?
抗議しようにも身体中の力が抜けてしまった私を、奏くんが軽々と抱き上げる。
「でも俺、…」
木の温もり漂う広いベッドの上にふわりと私を降ろすと、
「このバカ、愛してるから」
青と淡褐色の美しい瞳を甘く揺らめかせて、奏くんが私を優しく包み込んだ。
奏くんの柔らかい髪が頬をくすぐる。
美しすぎる奏くんの向こうで、満天の星がきらめいていた。
「…のい」
奏くんの滑らかな手と優しい指と艶やかな唇が、
頭の上からつま先まで、身体中至るところに触れて震える。
「寝かさなくていいか?」
奏くんの瞳に声に唇に、快感が溢れ出て、
跳ねて潤んで身体の奥がきゅうきゅう鳴く。
「奏くん、…」
とろとろに溶かされて、何度も何度も甘く弾ける。
どこまでも昇りつめて、とめどない恍惚に落とされる。
奏くんの美しい瞳が私を映す。
宇宙に浮かぶ地球みたいな不思議な色のアースアイが、
愛しさで溢れている。
月の雫になって奏くんと深く深くつながって
ゆらゆら揺られてきらめく星空に漂い出す。
奏くんの全部を独り占めした。
滑らかな素肌に隙間なくくっついて
絡まって絡み合って溶け合って境界線がなくなる。
奏くん。
バカでどうしようもなくて早食いしか特技がない私のこと、
好きになってくれてありがとう。
世界で一番幸せにしてくれてありがとう。
きらめきの中でまどろんで、揺らされて溶かされて
注がれて満たされて、ずっとずっと奏くんと一緒にいた。
「大好き、…」
奏くん。
どんな時でもそばにいてくれて本当にありがとう。
0
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
取引先のエリート社員は憧れの小説家だった
七転び八起き
恋愛
ある夜、傷心の主人公・神谷美鈴がバーで出会った男は、どこか憧れの小説家"翠川雅人"に面影が似ている人だった。
その男と一夜の関係を結んだが、彼は取引先のマネージャーの橘で、憧れの小説家の翠川雅人だと知り、美鈴も本格的に小説家になろうとする。
恋と創作で揺れ動く二人が行き着いた先にあるものは──
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる