【完結】君への祈りが届くとき

remo

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Ⅰ.あかり

24.

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家に帰ったら、ミオリが母親と喧嘩していた。

「本当はあたしなんていらなかったんでしょう!?」

リビングから、ミオリの叫び声がする。

「あたし、知ってるんだよ。子どもは一人だけって決めてたのに、あたしが予定外に出来ちゃったんだって。きれいで優秀で何でもできるあーちゃんがいれば、それで良かったって!」

直後、ドアを開けて出てきたミオリと鉢合わせた。

「ミオ、…」

ミオリはその可愛らしい顔を涙で濡らしていた。

「…聖人さん、ちょうだい」

「え?」

「あたしだって、聖人さんが好き。あーちゃん何でも持ってるじゃん!勉強できるしピアノもうまいし、みんなに信頼されてるし!一つくらい、あたしにくれたっていいじゃん!」

ミオリは、投げつけるように言うと、階段を駆け上がって大きな音で部屋のドアを閉めた。

「…あかり、おかえり」

リビングをのぞくと、母が、ひどく消耗した顔をしてソファに座り込んでいた。

「ミオ、どうしたの?」

「…進路のこと、良かれと思ってアドバイスしたの。
将来、声優になりたいから、芸術専門学校に行きたいっていうんだけど、…まだ中学を卒業したばかりで、そんなに焦って進路を決めなくても、普通の高校に行ってからでいいんじゃないか、って言ったら…」

『あたしはあーちゃんみたいに何でもできるわけじゃない!』
って、すごい剣幕で怒ったのだという。

「ミオと話してみるね」

母に言って、二階に上がった。

ミオリがそんな風に思っているなんて、知らなかった。
聖人のことも、全然気づかなかった。

いつも、私だけがうらやましいんだと思ってた。

「ミオ、ごめんね…」

ミオリの部屋をノックすると、ミオリが気恥ずかしそうに、無言のままドアを開けてくれた。

「私もいつも、ミオがうらやましかったよ。みんなに愛される、ミオになりたいって思ってた」

そう言うと、ベットの上に座り込んだまま、ミオリがまた泣いていた。
ミオリの茶色がかった柔らかい髪の毛をなでる。

真輝さんは、鳴瀬をうらやましいといったけど、
もしかしたら、鳴瀬も、真輝さんみたいになりたいと、
思っていたのかもしれない。

「…あーちゃん、ひどいこと言って、ごめんね。
聖人さんと、仲良く、してね…」

鼻をすすりながら涙目で私を見るミオリに笑いかけながら、
ミオリと私は違っていて、それでいいんだと思えた。

その夜。AM1:43.

「ーーー…俺」

鳴瀬の声が、私を震わせる。

鳴瀬のお父さん、真輝さん、聖人、母、ミオリ、…
色々なことが頭に浮かんできて、
そして。

私は間違えた。



「…会いたい」
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