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iiyori.06
03.
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「…鷹朋。なえに触るな」
穂月が鷹峰くん、…じゃなくて鷹朋さん? の手を払って、私を抱え直すと、未だ驚きに呆然としている家臣たちを置いて、若干不機嫌そうに部屋に向かった。
「…タカミネとは誰だ?」
「あ、えーと、教え子?」
「は?」
若干不機嫌そうだった穂月が不機嫌全開の顔になったので、慌てて言い繕った。
「…に、瓜二つの生き別れたお祖父さんの妹の友だちの子ども、…」
って、誰だよ。
と思ったのは穂月も同じらしく、舌打ちされた挙句、ゴンと頭突かれた。…何すんの。
でもそれ以上追求されず、
「お前、俺から離れるなよ?」
「…はい」
素直に頷いたら、穂月は一瞬ぎゅうっと強く私を抱きしめた。
言われなくても、穂月と離れるつもりはない。だって多分、生きていけない。
けど。それにしても鷹朋さん、鷹峰くんに瓜二つだったな。
鷹峰くんの前世が鷹朋さん? もしくは先祖? 知った顔が出てくると安心するけど、この時代と現代の繋がりはどうなっているんだろう。
もしかして若い穂月としっぽり温泉で戯れている場合じゃなかったのでは。
私がここにいるってことは、令和の私はどうなってる??
間違っても。
「あ。なえちゃんセンセ―死んじゃった」
「これで私が正統派『なえ』であることが証明されましたわ」
「…そうか。すまぬ、なえ。俺が間違っていた」
「いえ、いいんですのよ、穂月様。誰がどこからどう見ても、私と穂月様の方がお似合いですもの」
「それは確かに」「異議なし」
「まあお前の方が若いし可愛いし」
「それも確かに」「異議なし」
なんてことにはなってないよね?? え? なってないよね!??
いやいや、一刻も早く帰らな、…
「穂月様が女子を」「あのように手づから抱えられて」
「確かにめでたいことではあるが、果たしていつまで持つことやら」
「可哀想にあの女子、明日には切り捨てられているやも知れぬ」
「城におわすご正室にも大層冷酷なお振る舞いをなさって」
「未だ一度もお渡りがなく泣き暮らしておられるとか」
三宮さんに穂月を奪われそうな危機感に、私が秘かに焦っていると、背後からひそひそと話す家臣たちの声が聞こえてきた。もちろん、穂月にも聞こえているだろうけど、何も言わない。
穂月の沈黙に、胸が痛くなる。
『お前、俺から離れるなよ』
一刻も早く帰らなきゃだけど、このまま穂月を置き去りにするわけにはいかない。あんなに冷たくて悲しい目をした穂月を。
まあ、帰り方も分からないし、ここは一つ様子を見るしか??
うん。決して若返った身体で可愛い穂月といちゃいちゃしたいとか、そんな不道徳なことを考えてるわけでは、…
「どうした? 眠れないのか?」
「すみませんっ、ちょっとだけ考えてました、…っっ」
「…は?」
だって、青春のやり直しみたいじゃ~~ん??
かくして。穂月の部屋で同じ布団にくるまって穂月の腕の中で眠る。
という冒頭に、ここで戻るわけですが。
若いくせに抗いがたい魅力を振りまく穂月にグラグラしてるのは事実ですが。ちょっと冷静に自分の現状についても考えていたわけです。
いや、ホント。 ホントって!
穂月が鷹峰くん、…じゃなくて鷹朋さん? の手を払って、私を抱え直すと、未だ驚きに呆然としている家臣たちを置いて、若干不機嫌そうに部屋に向かった。
「…タカミネとは誰だ?」
「あ、えーと、教え子?」
「は?」
若干不機嫌そうだった穂月が不機嫌全開の顔になったので、慌てて言い繕った。
「…に、瓜二つの生き別れたお祖父さんの妹の友だちの子ども、…」
って、誰だよ。
と思ったのは穂月も同じらしく、舌打ちされた挙句、ゴンと頭突かれた。…何すんの。
でもそれ以上追求されず、
「お前、俺から離れるなよ?」
「…はい」
素直に頷いたら、穂月は一瞬ぎゅうっと強く私を抱きしめた。
言われなくても、穂月と離れるつもりはない。だって多分、生きていけない。
けど。それにしても鷹朋さん、鷹峰くんに瓜二つだったな。
鷹峰くんの前世が鷹朋さん? もしくは先祖? 知った顔が出てくると安心するけど、この時代と現代の繋がりはどうなっているんだろう。
もしかして若い穂月としっぽり温泉で戯れている場合じゃなかったのでは。
私がここにいるってことは、令和の私はどうなってる??
間違っても。
「あ。なえちゃんセンセ―死んじゃった」
「これで私が正統派『なえ』であることが証明されましたわ」
「…そうか。すまぬ、なえ。俺が間違っていた」
「いえ、いいんですのよ、穂月様。誰がどこからどう見ても、私と穂月様の方がお似合いですもの」
「それは確かに」「異議なし」
「まあお前の方が若いし可愛いし」
「それも確かに」「異議なし」
なんてことにはなってないよね?? え? なってないよね!??
いやいや、一刻も早く帰らな、…
「穂月様が女子を」「あのように手づから抱えられて」
「確かにめでたいことではあるが、果たしていつまで持つことやら」
「可哀想にあの女子、明日には切り捨てられているやも知れぬ」
「城におわすご正室にも大層冷酷なお振る舞いをなさって」
「未だ一度もお渡りがなく泣き暮らしておられるとか」
三宮さんに穂月を奪われそうな危機感に、私が秘かに焦っていると、背後からひそひそと話す家臣たちの声が聞こえてきた。もちろん、穂月にも聞こえているだろうけど、何も言わない。
穂月の沈黙に、胸が痛くなる。
『お前、俺から離れるなよ』
一刻も早く帰らなきゃだけど、このまま穂月を置き去りにするわけにはいかない。あんなに冷たくて悲しい目をした穂月を。
まあ、帰り方も分からないし、ここは一つ様子を見るしか??
うん。決して若返った身体で可愛い穂月といちゃいちゃしたいとか、そんな不道徳なことを考えてるわけでは、…
「どうした? 眠れないのか?」
「すみませんっ、ちょっとだけ考えてました、…っっ」
「…は?」
だって、青春のやり直しみたいじゃ~~ん??
かくして。穂月の部屋で同じ布団にくるまって穂月の腕の中で眠る。
という冒頭に、ここで戻るわけですが。
若いくせに抗いがたい魅力を振りまく穂月にグラグラしてるのは事実ですが。ちょっと冷静に自分の現状についても考えていたわけです。
いや、ホント。 ホントって!
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