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宣戦布告

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 俺達が王城へと呼び出される一時間前の事、お城へ一通の手紙が届けられた。

 その手紙の内容とは、

『敵国、アクリスが我が国に向かって進行中、関所急ぎ準備を』

 と、言う物だった。

 その手紙の内容見た王は身近内容の手紙だったことにも関わらずに理解するのに少し時間を要した。

 前回の戦争は今から二週間ほど前でその時も攻めてきたのはアクリス王国であった。

 その時はサーム王国が防戦一方でなんとか退けたがかなりのギリギリ。

 王の考えとしては最低でも後一か月ほど時間に余裕があると考えていた。

 だが相手は攻めてきた。準備の整っていないこの状況でだ。

 本当はまだ知られたくはないが出すしか我が国に勝つ道はない。

 そう考えた王は家臣の者達に、

「戦争の準備だ急げ! 敵は既に目と鼻先まで来ておる! それと国内放送の準備に入るのだ!」

 王の言葉に従い家臣達がそれぞれ動く。

 武器を用意する者、城内にいる勇者四人を呼びに行く者、それと国内放送の準備をする者などであった。

 そして王はと言うと、

 ッバーン!

「セレス! セレスはどこじゃ!」

 扉を思いっきり開けて姫の部屋へと入る。

「何ですかお父様。お城の中が少し騒がしい様ですが何かあったのですか?」

「そうじゃ。もうすぐアクリス王国と戦争が開始される。すぐにお前にやってもらいたいことがあるから来てくれ」

「分かりました」

 少し乗り気ではない様子ではあったが国王に逆らうことの出来ないセレス姫は王の後に着いていく。

 それから一時間が経ち戦争の準備をが整うと国内の放送を行い全ての勇者に召集を掛けるのであった。




 玉座の間へと無理やりに連れてこられた俺達。

 目の前にいる国王とその宰相さいしょう、それに姫様の三人。

 それに俺の周りには一週間ぶりとなるクラスメイト達の姿がった。

 そして、俺達がここに連れてこられたのに少し遅れて残りの四人が部屋の扉より入ってきた。

「これで全員そろったか」

 王の席の近くに移動し、立っている四人を見て声を上げる宰相。

「今回は用件が急を要するために強引な手段で呼ばせていただいた」

 今度は国王。

「今回君達を呼び寄せた魔法は召喚魔法の簡易版じゃ。召喚魔法で呼び出した者達ならば自由に呼び出すことの出来るようでの」

 そんなことなんかどうでもいい。

 問題は放送であった緊急事態が何なのかだ。

「今回の君達を呼び出したのは、もうすぐ国同士の戦争が始まるからじゃ」

 そのことに驚きの表情の皆。

 ただ、

「やっとかよ」

「待ってたぜ」

「この一週間の成果見せてやろうじゃないか」

「楽しみだな~」

 王の横にいる不良の四人だけは他のクラスメイト達とは違う反応を見せる。

 それと俺の方を見て何やら不敵な笑みを浮かべていた。

 大体何を考えているか想像はつくが今は気にしないでおこう。どうせ失敗で終わるし。

「さすが勇者殿じゃ、頼もしいの」

 喜びの声を上げる王。

 だが、不良の四人とは違い俺達四人を除く他のクラスメイト達は全員不安な顔を浮かべていた。

 本当に自分達は戦えるのか? 人を殺さないといけないんじゃないのか? 死んだらどうしよう?

 など不安でいっぱいの顔をしている。
 
「皆、私達だってこの世界に来ていろいろのなことをやってきたじゃない。もっと自信をもとうよ」

 足を震わしながらも皆に優輝を与える村西。

 いつ思うが凄い奴だと感心させられる。

「そうだぜ。お前達には俺達四人もいるんだから心配するなって」

 日向が村西に続き全員に声を掛ける。

 二人の言葉に、

「そうだな、俺達だってやれるよな」

「モンスターだって倒せたんだからできるぜ」

「私達にはAランクの四人が付いているんだから」

 などと日向達がいる事に安堵の声を上げる皆。

 それに先ほどのような不安のそうな表情も消え自身に満ち溢れている。

 どんな奴らでもこういう時には役に立つ者だ。

「さすが勇者諸君だ! クレアよこれからのことを説明しなさい」

「っは! これよりまず我が軍が先に戦場へと向かい戦闘を開始します。そこでまずは相手の出方と大体の戦力を計りたいと思っております。その後、日向様方Aランク勇者様の指揮の元と戦場へと出てもらう予定にございます」

 妥当なところか。

「それと勇者方への指示に関して日向様方に一任します。日向様方の自由な発想にお任せいたします」

「おお!」

 何か少し不安もあるがこの一週間この城で何をやってきたかを見るいい機会かとも思った。

「それではこれより勇者方の中での役割などの話し合いもあるでしょうし、玉座の間の隣にある会議室をお使いください。」

 扉の近くにいた騎士達が扉を開けて、隣の部屋への道を作る。

 俺達は、日向達を先頭に話し合いの場を会議室へと変えるであった。
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