異世界転移 異世界へと召喚された神様達は世界の常識をぶち壊す!

夢見叶

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開戦

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 俺達の戦略会議が終わるころ、それと同時にアクリスとの戦争の開始が告げられた。

 我が国の軍が街東側で防衛の陣を展開。敵国よりの攻撃に備える。

「勇者殿、もしよろしければお近くで見られてはいかがでしょうか?」

 会議室へと入ってきた宰相の提案を受け入れることにした俺達は、東の門近くで戦闘を見ることに。

 敵国自体は薄っすらと姿を確認できるくらいの距離。

 そこから無数の魔法がこちらに向かって放たれてくる。

「防御の結界発動!」

 盾を持つ者達が一斉に多くの魔力を集め始めた。

『フムスウォール』

 大きな土の壁を展開。

 街へと届くはずだった魔法を全て防ぎ切った。

 まだ距離はかなり離れている。そのために、威力その物が届くまでにかなり落ちていたこともあり初級の土属性の防御魔法で防ぐことが出来た。

 それにもう一つ気になることがある。

 それは、明らかに進行速度が速い。

 先ほどまで豆粒以下の大きさに見えていた敵軍が今では豆粒ほどの大きさに。

 それが今でもどんどん大きくなっていく。

 この世界に俺達の世界のような移動手段はない上に、大勢の移動となるとその全員が馬に乗ることは出来なず徒歩になる。

 そうなると自動的に移動速度も落ちるわけだ。

 そのことを考慮するともう少しこちらへと近づいてくるには時間がかかるようにも見える。

 だが、実際は後一時間くらいでこの国へと到達しそうな勢いで迫ってきているではないか。

 そんな風景を見ていると、

「優輝、あのスキル持っているのが向こう側にいるんじゃないかな」

 向こうの移動速度の異常さにフィートがこそこそと話してくる。

「広範囲型移動速度特化の強化スキル、エクセントアクセルか、あれはどんな熟練者でもかなりの気を消費するんだ、よっぽどの使い手じゃないと長時間の発動なんて無理だぞ。しかもあの数全てにかけているとしたらこの後の戦闘には参加できないぞ」

「でももし私達と同じだとしたらどう」

「私達と同じって同じSSSランクってことか」

「ええ、もしそのクラスのステータスを持っていたらこれくらいの事可能じゃないかな」

「私もそれくらいしか考えられない」

 近くで聞いていたレナも同意見のようであった。

 それに、

「私もそうだと思よ。それに少し嫌な気配もあるよ」

 いつもになく真剣な目のリナ。

 こういう時にリナの感はよく当たる。

「なら、向こうにも俺達と同じステータスを持つ者がいると考えて動こう」

「ええ、でもあれまでは持ってないでしょ」

「たぶんな、だが気は抜けなよ」

「分かってる」

「当たり前でしょ」

 全員戦闘へ出る準備は万端のようだ。

 だが、

「音無! こっちへ来い! 作戦の開始までもうすぐだ! 早く準備しろ!」

「分かったよ」

 俺はお取りになるための準備を始める。

「優輝にあんな口きくなんて許せない! ちょっとぎゃふんと言わせてやる」

「殺す。死んでももう一回殺す」

「そうですね。やりましょう今すぐにね」

 目がマジだからこそ余計に怖い。

 だが、

「お前ら今はおとなしくしておけよ」

「でも」

「今は良いから。それに、一人で戦場かけている間に相手の全体の戦力を調べてくるよ」

「分かったわ」

 俺は一度フィート達の元から東門近くでタイミングを見計らっている日向達の元へと行く。

「おせーぞ!」

「悪いな」

 呼ばれてからここまで来るのに一分程。それほど遅いように感じないが。

「敵は既に先ほどの位置から半分ほどの所まで来ている。しかも時間が経つにつれて移動速度も上がっている。俺達の出番ももうすぐだ!」

 そうなると俺の出番と言うわけですか。

「まあ、死なないように頑張ってくれよ」

 俺の方を見ながらニヤニヤしている。

 まあ普通に考えれば死ぬよね。生きて帰ってこれるわけないよね。

「そろそろだ、勇者諸君! 敵国はもう目と鼻の先にいる。これ以上進ませたら終わりだ」

「分かりました! 音無いけ!」

「了解!」

 俺は東門を出て、その前に陣取る防御軍の前に出る。

 そして、敵国目掛けて猛ダッシュでかけていく。

 その中で俺に気づいた敵国は一斉攻撃を仕掛けてくる。

 火に水、風に土、様々な魔法が俺に向かって飛んでくる。

 その魔法の軌道に数を探索を使って全て把握。

 俺は風魔法を微量に使って魔法を全て俺から逸らせる。

 魔法の数を調べる中で敵国の中に俺達と同じステータスを持つ実力者がいないかを探りながら縦横無尽に走り続ける。

 たまに敵国の目の前を走ったり、離れて走ってみたりと、日向達に言ったアクセルのスキルを使っているように見せながらである。

 そして、俺の探索に四つの強い反応があった。

 能力だけならこっちにいるAランクの四人よりも遥かに上だろうと予想が付く。

 だが、その四人の位置が前衛ではなく軍の後方。

 まるで攻めてくる気のないようなポジション取りであった。

 俺は軽く挑発のつもりで敵の目の前に弱い火魔法を使ってみたりなどといろいろな手を使い気を引いていく。

 そして、ある程度時間を稼いだところで城を出るときに渡されたある物を懐から取り出し上空に向かって放つ。

 それが俺達召喚された勇者達の初陣となる戦闘の開始を告げるのろしとなった。
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