最強剣士異世界で無双する

夢見叶

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セレモニア王国編 第2章 正体

第57話 盗賊 1

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 俺達はそれぞれの持ち場に移動した。

 俺は馬車の正面。シェリーは馬車の後ろ。ヒョウカとミカは馬車の側面に。

 俺は正面にいる6人を相手することになる。

「一応聞きますが、あなた達は盗賊で間違いないですか?」

 質問してみる。

「間違いないぜ。」

 安心した。もし盗賊じゃなかったら手加減しないといけないところだった。

 それと1つだけ気になっている事があった。

「何故、盗賊なんかになったんですか?」

「たいした理由なんて無いさ。ただ冒険者をやっているのがめんどくさくなっただけだよ。」

「別に盗賊じゃなくても普通の仕事に就けばい言いのでは?」

「そんなのめんどいだろが。こっちの方が楽でいいぜ。」

 最低だ。そんな理由でこんなことをしているのか。

「それよりもガキ、お前が俺達の相手をするのか。」

「そうですが何か?」

「いやどうせ同じガキの相手をするならあの青髪のことがよかったな。いたぶった後に楽しめそうだし。」

 いらっとくる。自分の事をどんだけ言われようが頭にはこない。だが仲間の事をそんな風に見られていると分かるとかなりむかつく物だ。

「そろそろ始めましょうよ。どうせ結果は目に見えているんですから。」

 少し挑発する。

 すると、前にいる3人は剣を構え出す。俺も剣を取り出し構える。

「どうぞ先に攻撃を仕掛けてきていいですよ。」

 そう言うと3人揃って向かってくる。後ろ3人は魔法を放つ準備をしているのが見えた。

 とりあえず向かってきている3人を無力化しようと動こうとした瞬間足下に魔法が着弾する。それにより動けなかった俺の頭上から3人の剣が振り下ろされてきた。それを後ろに下がりかわす。

 油断していた。冒険者から盗賊になったと聞き低ランクの冒険者だった勝手に思い込んでいた。だが今の魔法師が放った魔法の命中精度に剣士達とコンビネーションある程度の実力のあった冒険者だと考えるべきだろうと思った。

 かわした後すぐに、魔力察知と剣に魔法反射を使って攻撃を仕掛ける。だが、先程と同じように足下めがけて魔法が飛んでくる。だが今度はそんな事お構いなしに剣士達に向かって行く。当たる寸前で全ての魔法を剣で切り裂き消滅させていく。

 盗賊達はかなり驚いていた。その隙を突き剣士達に接近する。

 すぐに正気に戻った剣士達が切りかかってくる。それを紙一重でかわしながら剣士達の足を切り落として動けなくしていく。

 剣士達は足を押さえてうずくまっている。魔法師達はそんなことお構いなしに魔法放ってくる。それを剣で全て消滅させてやる。

 すると手も足も出ないことが分かったのか魔法を放つのやめて膝から崩れ落ちた。

 すぐに剣士達に回復魔法を使い止血をした後、6人の手を縛る。魔法師達は足も縛り動けなくして、馬車にいるグレーさんの元へと行き、

「グレーさんすみませんがこの6人をお願いします。今は気を失っていますがすぐに目を覚ますかも知れませんので。」

 俺を見てポカーンとしていたグレーさんだったが、すぐに正気に戻り、

「了解した。」

 返事を返してくれた。

 その後、シェリー達の様子を見に行った。





 シェリーは、馬車の後ろで3人の盗賊の相手をしていた。

「さすがに剣士3人を相手にするのはしんどいわね。」

 戦闘開始から、盗賊たちは近づいてこようとせずに一定の距離を保ったままである。こちらが魔法を放てば全てかわされる。

「どうしたのかお嬢ちゃん。そんな魔法をいくら放とうと当たらないよ。」

 バカにしたように言ってくる。

 男達は私の魔力切れを待っているのだと思う。確かに定石ではあるがここまで徹底敵にされると頭にきてしまう。

「お嬢ちゃん、降参するなら痛い目を見なくてすむよ。それに後で楽しいことも出来るよ。」

 ニヤニヤした顔をしながら言ってくる。

 きもい。ただそれだけが浮かんだ。

「どうするお嬢ちゃん。1人が嫌なら他の2人お仲間の女子達に一緒にでもいいよ。あの男のはダメだけどね。」

 男の言葉を聞き頭の中で何かが切れる音がした。その瞬間体が勝手に動き魔法を唱えていた。

「ファイヤーボールストーム。」

 風魔法と火魔法の合成魔法である。

 魔法は3人の剣士に直撃する。

 3人の内2人は今の攻撃で意識を失ってしまった。だが1人意識を失わずに地面を転げ回っていた。

「何を仕上がった。」

 顔をしかめて言ってきた。

「ただの火と風の合成魔法よ。」

「お前みたいなガキにそんな合成魔法を使えるわけ無いだろう。」

 合成魔法とは2種類以上の魔法を合わせては放つオリジナルの魔法の事である。

「私達はこれでも全員Bランクの冒険者なのだけどね。」

 その言葉に驚きの表情を見せる男。

 私は、3人の手を近くの来にくくりつけて動けないようにしておいた。 
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