最強剣士異世界で無双する

夢見叶

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セレモニア王国編 第3章王都奪還

第75話 再会

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 城を出たところでシェリーが目を覚した。

「ここは何処?」

 少し寝ぼけたような声で聞いてくる。

「今、城を出た所だよ」

 少しずつ意識がはっきりしてきたのか顔が赤くなっていった。

「あんた何やってんのよ」

 この反応、いつものシェリーだ。

 俺はそれを見てホットして少し顔が緩んでいた。

「何笑ってんのよ」

「別に笑ってないよ。ただ元気そうなシェリーを見てほっとしただけだよ」

 また顔を赤くするシェリー。

「早く降ろしなさい。私はもう大丈夫だから」

 腕の中で暴れるシェリー。

 だが、

「もう少しで王都を出るからそれまで我慢してくれ」

「だから大丈夫だって言ってるでしょう」

「だめだ!!」

 少し強めの口調で言う。

「何でよ」

 少し控えめな口調で聞いてくる。

「シェリーの傷は治したけど、体力自体は回復してないから」

「分ったわよ」

 唇をとんがらしながらも納得する。

 それからシェリーに魔族との戦闘はどうだったのか聞かれた。

「レイク、魔族との戦闘は勝つには勝ったよ」

「歯切れの悪い言い方ね。はっきりしなさいよ」

「正直勝った気がしないんだよ。結局逃げられたし」

 頭をひねりながら、

「どういうことなのよ? たしか魔族の特性は結界で封じてたんじゃないの?」

 シェリーの質問に対して、

「エメル達との戦闘の後、俺意識失っただろ。あの時に結界は全て解けてたんだよ」

 それから簡単に結界魔法について説明した。

「でもあの時、魔力半分回復してるって言ってたじゃない」

「本当は四分の一程しか回復して無くて、闇魔法を封じの結界を張り直すので精一杯だったんだよ」

「それだったら渡すの魔力を渡せたのに」

「そんな事したらシェリーの魔力が今度は危なくなるだろう」

「そうかもしれないけど、それよりもケンイチに何かあったらミカ達になんて言ったらいいのよ」

 少し涙目になりながら言ってくる。

「それは俺も同じだよ。もしシェリーの魔力が無くなって戦闘中に倒れられたら真っ先にやられるのはシェリーなんだから。そうなったら俺だってヒョウカになんて言ったらいいのか分らないよ。それに俺は魔法メインで戦っているわけじゃないからさ」

 何も言えないと言いたげな表情を見せるシェリー。

「ほらシェリーもうすぐエリナ様達のいるところに着くよ」

「うん」

 少し落ち込みながら返事をするシェリー。少し暴れられると思ったんだが。

 シェリーがおとなしいのに違和感を感じている間に皆のエリナ様達の元にたどり着いた。

 俺達の姿にいち早く気づいたミカが、

「お兄ちゃんお帰り、ってシェリーどうしたの?」

 俺にだっこされているシェリーを見て聞いてくるミカ。

「別に何でも無いわよ。ただケンイチが大げさなだけよ」

「それならいいんだけど」

「ミカ、王様達は無事なのか?」

 俺は、城に捕らえられていた人達全員が無事か気になっていた。

「無事だよ。少しケガをしている人達はいるけど」

 それを聞いて一安心だと思い、シェリーを木にもたれかかるように降ろすと、

「ミカ、王様達の所に案内してもらっていいか?」

「いいよ。着いてきて」

 ミカの後ろに着いていくと、エリナ様と話している人達がいた。

「今、エリナ様のお話ししているのが、王様だよ」

 エリナ様達の方を指さしながら教えてくれる。

「ありがとう。少し挨拶してくるよ」

 そういって王様の所へと歩いて行った。

 俺が近づいている事に気づいたエリナ様は、

「お父様、あちらがケンイチ様です。今回の王都奪還を受けて下さった冒険者パーティー『ソウルメイト』のリーダーです」

 こちらを見て王様に俺の事を説明してくれているようだ。

「お初にお目にかかります。私はソウルメイトのリーダーをしております。ケンイチと申します」

 一礼しながら挨拶をする。

「この度は、娘共々お世話になった。私は、セレモニア王国の国王ガレック・ド・セレモニアだ。国を救っていただき助かった」

 王様は頭を下げながらお礼を言ってくるが、この国のトップの人がこんな平民にそんな事をしたらダメだろ。そんな事を思ってしまった。

「頭をお上げ下さい。私のような平民に頭をお下げにならないで下さい」

 頭を上げてくれるように言うが、

「これくらいで今回の恩を返せたとは思っておらぬ。後日改めて正式な場でお礼と報酬を払わせてもらう」

「別に報酬などいりません。ただ皆さんが無事な姿を見れただけで十分でございます」

「それいけません。ケンイチ様方はこの国を救われた英雄です。その方々に何の報酬も払わなかったとしたらそれは王家の名折れでございます」

 俺の言葉に反論してきたのはエレナ様だった。

「それもそうですね。申し訳ございません」

「よいよい。それよりもだ、城にいた魔族達はどうなった?」

「それでしたら、ほぼ全滅しております。ただ、レイクと言っていた魔族幹部の一人を取り逃してしまいました」

「では、それ以外の物は倒してしまったのか」

「はい。ですがまだ王都に残党が残っておりますのですぐに討伐に向かいます」

 王様達は俺の話を聞いてかなり驚いていたが、エレナ様だけは、

「さすがですね」

 笑顔で言ってきていた。

「それでは私はこれで失礼いたします」

 一礼してから王様達の元を離れた。それからすぐに正気に戻った王様はエレナ様に何かを聞いているようだった。

 シェリー達の元へと戻りながら当たりを見てみると、泣きながら喜んでいる人達ばかりで、俺はそれを見て、よかったと思っていた。

「ヒョウカ、ミカ、王都に残った魔族の残党を倒しに行くぞ」

 三人の元へと戻った俺はヒョウカとミカに指示を出す。

「私も行くわよ」

 その指示を聞き自分も行くと言うシェリー。

「ダメだ。傷は治ったけど、ダメージは消えてないんだから」

「そうだよ。怪我人はおとなしくしてなさい」

「はい」

 少し落ち込みながら返事を返してきた。

「じゃぁ、行くぞ」

 その言葉と同時に王都に戻っていく。それに続きヒョウカとミカも着いてくるのだった。
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