最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
118 / 162
Sランクトーナメント戦編 第1章Sランクトーナメント一回戦

第117話 姫様からの連絡

しおりを挟む
 この街に来てからすでに二ヶ月が経っていた。今日も俺達は海で遊び宿へと戻ってきた。

「お帰りなさい」

 受付にはいつものように少女が出迎えてくれる。

「ただいま!」

 元気よく挨拶を返すシェリー。それに続いて俺、ミカと挨拶を返していく。

「夕食はいつも通りでお願いしまう」

「かしこまりました」

 クラーケン事件から二ヶ月、俺達ソウルメイトの事は街の中ではかなり有名になっていて、一目見ようと多くの人がこの宿へとやって来ていた。そして今日も宿の食堂は多くの人で溢れかえっていて落ち着いて夕食を食べることが出来ないでいた。そのため、いつも夕食は部屋へと運んで貰っているのである。

 部屋へと戻った俺達はそれぞれの部屋で水着から服に着替え終ると、王様からいただいたセレモニア王国の紋章から声が聞こえてきた。

「ケンイチ様! ケンイチ様!」

 俺を呼ぶ声。俺は紋章を持って話し掛けてみる。

「姫様ですか?」

 声色から予想は出来ていたため姫様かどうか聞いて見ると、

「お久しぶりです。ケンイチ様。」

 やはり姫様であった。出来れば王様の方がよかったなどと思ってしまっていた。

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

 緊急時の連絡用と言われていた紋章からの連絡、もしやセレモニア王国で何かあったのではと思ってしまった。

「そうでした。ケンイチ様のお声が聞けた事が嬉しくて忘れておりましたわ。」

 おいおい、と思わず心の中で突っ込んでしまった。

「一ヶ月後、この国でSランク冒険者ランキングトーナメントが開催される事が決まりました。今日はその事をお伝えするためにご連絡を差し上げました」

「そのSランク冒険者ランキング戦とは一体何なのですか?」

 言葉から大体の予想は出来ているが一応聞いて見る。

「Sランク冒険者ランキングトナーメントとはですね、世界中にいるSランク冒険者が集り年に一回行われるランキング戦です。トーナメント形式で行れてます。ですが毎年ランキング一位と二位は出てきません。それにトーナメントの組み合わせもくじで決めるのでランキングその物が実力順ではありません」

 姫様の話を聞き、少し面白そうだと思った。

「それに今回のランキング戦はケンイチ様方のお披露目も兼ねております。そのため今回はセレモニア王国で開かれることになったのです」

「分かりました。面白そうな大会でもありますし、参加いたします」

「それを聞き安心いたしました。それでは一ヶ月後お待ちしております」

 その言葉を最後に連絡が切れた。

 俺はすぐに全員を呼び先程の話しをすると、

「面白そうね」

「頑張ろう、お兄ちゃん」

「全力」

 皆、やる気満々であった。

「なら明日王都に向けて出発するぞ」

「別に明日じゃなくてもいいじゃない」

「そうだよ。お兄ちゃんのテレポートを使えば一瞬でしょう」

 二人とも申もう少しここで遊んでいたいのかだだをこねる。

 まあ確かにテレポートの魔法を使えば一瞬で戻ることが出来る、だが、

「もう十分に遊んだじゃないか」

 この街に来て二ヶ月。最初の数日はクラーケン討伐や海底遺跡と冒険者としての仕事があったがそれ以降は海で遊んでいた。もうそろそろ冒険者としての仕事に戻ってもいい頃ではないかとおもっていたのである。そこで、セレモニア王国王都までの護衛依頼を受けて行こうと思っていた。

「それにそろそろ仕事に戻らないと感が鈍るぞ」

 シェリーとミカは何も言えなくなってしまったのである。

 明日は冒険者ギルドの言って依頼を探すことになったのである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...