無能と呼ばれパーティーを追放された俺だが、「無能とはいったい何のことですか?」俺は、精霊たちの力を使い無双し自分だけのハーレムを作り上げる!

夢見叶

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第二章 竜人族の少女

第三十八話 ガイルパーティー側 三人での依頼

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 ゴブリンたちとの戦いより一週間が経った。

 森の調査依頼は無事成功となりCランクへの昇格。

 そんなある日、俺はある依頼を受けようとしていた。森に出る魔物の討伐依頼。Cランク以上の冒険者しか受けられない依頼で、今の俺たちにとってはちょうどいいと思い受けることにした。

だが、

「私たちはいいわ」

 ローズとアメリアに軽く断られた。なぜかと俺が聞くと、

「自分で考えれば」

 と、一言だけ言って自分の部屋へと戻る。そこからは一切話を聞いてくれない。それならそれでいい。俺にはリアとセシルがいる。この二人がいればこの程度の依頼など余裕で成し遂げられる。

 俺はそう思いながら、モンスターが出るという森へとやって来た。

「どうしてあの二人はガイルのいうことを聞かないのかな~?」

 リアがいうと、

「本当だよ~、私たちのパーティーのリーダーはガイルなんだから、普通は一緒に来るよね」

 二人はアメリアとローズに対しての不満を話していた。

「しかもローズなんてまだパーティーに入ったばっかりなのよ。普通はもう少し馴染なじもうとするものじゃない」

「本当にね」

 二人はかなりの不満が溜まっているようだが、それは俺も同じであった。

「もうあいつらの話しはやめろ! 聞いているだけで頭にくる」

 むしゃくしゃしてくるぜ。

「そんなことより森に入ったんだから周りには警戒しとけ! いつ襲ってくるかわからないぞ」

「そうね」

「うん」

 二人からの返事。

 俺は早くモンスターと戦って、今のイライラをすべてそのモンスターにぶつけてやろうと思っていた。

 俺たちが今回討伐に来ているのは、フェンリルと呼ばれる狼型のモンスターで、毎年寒くなると、この森に現れるため、討伐依頼が出される。

 どこからモンスターが現れるかを警戒しながら森を進む中、何回か小型のモンスターと遭遇した。そのモンスターたちを一撃で倒し森を進んでいく。

 森に入って一時間程が経った頃俺たちに目のまえに他とは違うモンスターに遭遇した。大きさは十メートルほどで白い毛をもつ獣、フェンリルであった。

 ただ一つ誤算があった。今俺たちの目の前にいるのは一匹ではなく三匹。一匹だとCランクのモンスターであるフェンリルは、三体以上の集団となる群れだとAランク判定に変わる。

「どうする?」

 リアが最初に聞いてきた。

「やるしかないだろう。俺たちの目標はこの国一の冒険者になることだ! それならこんなフェンリルの一匹や三匹くらい倒せなくてどうする」

「そうね。リアやるわよ」

「わかった」

 それぞれに覚悟の決まった顔をしている。

「俺がフェンリル三体の気を引くから後方からの支援任せたぞ!」

「ええ」

「リアは隙を見て攻撃をしてくれ」

「わかった」

 それぞれのポジションに就く俺たち。

 そんな俺たちに襲い掛かってくるフェンリル。俺はその攻撃を剣とシールドで防いでフェンリルの動きを止める。

 その隙をつき、セシルが魔法を放つ。

 魔法の命中で寄りけるフェンリル。そこへリアが攻撃を仕掛ける。

 だが、よろけたのは一瞬、すぐに体勢を立て直しリア目がけて襲い掛かってくる三体。

 俺が攻撃を受け止めるも先ほどよりも力が上がっている。魔法で少し怒らせてしまったのかもしれない。

「セシルはそのまま魔法を頼む、リアは俺の合図で攻撃を仕掛けてくれ」

「了解!」

「わかったわ」

 俺はその声を聞いて動きを変える。守備一辺倒から少しずつ攻撃を仕掛けていく。

 手数自体はそれほど出せないが、後方よりのセシルからの魔法での攻撃のおかげで補えている。

 そして俺たち攻撃を仕掛ける中でフェンリルに少しの隙が生まれると、欠かさずにリアが攻め込んでいく。

 連携自体はうまくいっているし、フェンリルたちを追い込めているはずなのだが、どこかフェンリルたちに余裕を感じる。

「ガイルもう少しね!」

 後方よりセシルが声をかけてきた。

「そうだな、リア今だ!」

 決定的な隙が生まれフェンリルを見て指示を出す。

 その声に答えるようにリアがフェンリルに向かって攻撃を仕掛ける。

 その瞬間、俺たち全員は勝ちを確信したに違いないのだが、次の瞬間、リアが突っ込んだ方とは逆方向に吹き飛ばされた。

「え!」

 最初に気づいたのはセシルであった。

 先ほどまで、ダメージの蓄積でフラフラとしていたフェンリルたちが、何事もなかったかのようにこちらを見ている。

 セシルの魔法が聞いていないのか、それともただ強がって見せているのか、わからない。だが、先ほどまでフラフラな状態だったんだから、後一撃で倒せる。持ち前のスピードはすでに失われているはずだと考えて俺は、三匹に向かって突っ込んでいった。

 だがその考えは一瞬で、かき消された。

 向かってくる俺に対して一匹が飛びかかってくる。その動きも早く俺は反応しきれずに利き腕である右手に傷を負ってしまった。

「ガイル!」

「大丈夫ガイル!」

 二人は俺がダメージを受けた所を初めて見たためかなりの心配をしていた。

「大丈夫だ!」

 だが、状況は最悪。セシルはすでに魔力の半分を使い切って、少し苦しそうにしている。リアも一撃受けてかなりダメージを追っているように見える。それ俺もに聞き手を切り裂かれて腕が上がらない。すでに勝ち目は完全に消えている。

 何を間違えたのかと俺の頭の中はそれでいっぱいになっていた。

「ガイル、危なーい!」

 周りが見えなくなってフェンリルが近づいてきていることに気付くのが遅れた。そこへ飛んでくるセシルの魔法が、フェンリルへ命中。ダメージはほとんどないものの、フェンリルを後退させた。

「リア、セシル撤退だ」

 少し暗めの声で二人に指示を出す。

 二人がそんな俺に何かを言おうとしていたが、今の状況を見て、素直に受け入れてくれた。

 リアが足を負傷していることもあり俺が手を貸して三人で森の出口を目指すことに、ただフェンリルがはいそうですかと、逃がしてくれるわけでもなく追ってくる。

 そこで、

「スモーク!」

 セシルが魔法で煙を出してフェンリルの視界を奪う。それと、俺たち自身には臭いを消す魔法を使い、フェンリルを撒くことにした。

 結果逃げることには成功。一時間ほどで街へと帰ってきた。

 全員、肩で息をしながらギルドを目指す。

 ただ俺たちの空気はとても暗かった。

 そんな空気のまま、冒険者ギルドの扉を開くと、その音に反応し、中にいる冒険者の視線が俺たちの方へと集まる。最初は盛り上がりの雰囲気を見せようとする他の冒険者たちであったが、一歩俺たちは冒険者ギルドに入ることでその空気は一気に変わった。

 俺の隣でケガをした、姿を見せるリアに、俺の上がらない右手。一体何があったのかと皆の顔が不安へと変わっていく。

 そんな視線を浴びながら俺たちは受付へとやって来て今日のことを話す。

 すると、何事もなかったかのような対応。それから一言、

「誰にでも失敗はあります」

 それだけ言われたのだった。
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