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第三章 封印された少女
第三十九話 竜人族の長から話
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宴の翌朝、俺たちは今、竜人族の長とサーシャと向かい合わせに座っていた。
何故こうなったのか、それは昨夜、サーシャからお願いがあると言われたことが原因であった。その時は、竜人族の長であるサーシャの父から明日の朝にしなさいという言葉で、その場ではお願いの内容の話は無かったが、朝になりサーシャから呼ばれて今にいたるわけだ。
「勇者様、ヒストリア様、朝早くにご足労いただきありがとうございます」
竜人族の長と、アーシャから頭を下げられる。
「それはいいのですが、昨夜サーシャからお願いがあると、言われたことなのですが?」
「はい、今からそのお話をさせていただきます」
竜人族の長の顔、雰囲気が変わった。
「アルク様は、我ら竜人族が昔ある種族を守護していたことは知っておられますか?」
そこで俺は、昔読んだ文献のことを思い出した。そこには、この世界から消えた種族の名前がふたつ書かれていた。竜人族と、もう一つ吸血鬼族という種族のことが書かれていた。
「吸血鬼族のことですか?」
竜人族と同じ時期に消えた種族であったため、もしかしたらと思いいってみた。
すると、
「その通りです」
長が頷いて答えた。
「我々はもともと高貴で純潔、この世界に存在するすべての種族の頂点に立つと言われる吸血鬼族を守護するために誕生した種族と、言われています。ですが、数百年前ある出来事が起こりました」
今までに読んだ文献にも書いていない、初めて聞く内容の話であった。
「人間族たちの手によって吸血鬼族は壊滅、そしてまだ若かった吸血鬼族の姫様が封印されたのです」
「だが、吸血鬼族はこの世界のトップに立つ種族だろう! どうやって人族にそんなことを出来るんだ!」
「その疑問もごもっともです。ですがその時彼ら人族は、我々竜人族と吸血鬼族の能力を封じる結界を使い、無力化してきました。それに優位にたった人族は、抵抗できなくなった吸血鬼族を一人、また一人と殺していきました。ですが唯一、まだ若かった吸血鬼族のお姫様には、結界の効力が効かず、封印するしかなかったと聞いています」
今の話を聞いて、俺たちが最初、この里の人たちに歓迎されなかったことに納得がいった。
「だが、その時竜人族は滅ぼされなかったんだ!?」
「我々竜人族は、その時の吸血鬼族の王によって救われました」
「なぜだ?」
「私どもにもわかりません。その時の記憶は吸血鬼族の王によって消されておりますので」
ここまでの話を聞いて、俺はあることが頭に浮かんだ。
「なら俺たちへのお願いというのは、その吸血鬼族の姫の封印を解くことか?」
「その通りです。サーシャは勇者様の力を見て、あなた方なら可能だと考えたんだろうと思う」
「だが、竜人族たちでその封印を解くことも出来るのではないか」
「不可能です」
少し俯き、暗い雰囲気で答えた。
「吸血鬼族の姫様が封印されているのは、我々竜人族の里より一キロほど行った所にある、ダンジョンの一番奥です。ですが、ここの入り口には、竜人族の侵入を阻害する結界が張ってあります。それに中に入れても我々竜人族ですら、通用するかどうかというほど、強力なモンスターが出現するので、ダンジョンの奥まで進むのは、不可能だというのが我々竜人族の見解だ」
「わかりました。俺たちで力になれるのならやりましょう」
俺は、この話を受けることにした。吸血鬼族の姫様という者にも興味があったし、それにやっと自由な冒険者になったのだから、俺のやりたいことをやる。金にもまだまだ余裕があるしな。
「いいのか、これは、勇者様には関係のない我々竜人族の問題ですが」
「これも乗りかかった船です。それにサーシャにそんな顔を見せられたら断れませんし」
俺の方を悲しそうな顔で見るサーシャ。
「ありがとうございます」
竜人族の長に頭を下げられた。
それから俺は、竜人族の長に、吸血鬼族の姫が封印されているダンジョンについて、詳しく話を聞いた。その間、サーシャもその話を詳しく聞き入っていた。俺がもしやと思った時、
「お父様! 私も勇者様についていかせてください!」
想像通りのことを言ったサーシャ。
だが、
「ダメだ! あのダンジョンに竜人族が入れないことは、おまえもさっきの話を聞いて分かっているだろう」
「はい! ですが、勇者様なら結界を解除することも可能です」
「だが、お前なんかが言ったところで、足手纏いにしかならないんだから、大人しく里で勇者様の帰りを待ってなさい」
「いやです!」
力強い一言。そこで俺は、
「俺からの提案いいですか?」
「何ですかな勇者様」
「俺のパーティーメンバーであるヒストリアと、サーシャを戦わせて見てはどうでしょうか? それでもしもサーシャが勝てば、俺たちについてきても問題ないでしょう。ですが、ここでヒストリアに負けるならついてきても力になることは出来ないと思います」
それに対して竜人族の長は、
「ですが」
と言おうとした時、
「私やります! ヒストリア様との試合をさせてください! そして、絶対に勝って、お父様に私の実力を見せつけて認めさせます。そして勇者様と一緒に、吸血鬼族のお姫様を助けに行きます」
「わかった」
竜人族の長も提案を受け入れてくれたのだった。
何故こうなったのか、それは昨夜、サーシャからお願いがあると言われたことが原因であった。その時は、竜人族の長であるサーシャの父から明日の朝にしなさいという言葉で、その場ではお願いの内容の話は無かったが、朝になりサーシャから呼ばれて今にいたるわけだ。
「勇者様、ヒストリア様、朝早くにご足労いただきありがとうございます」
竜人族の長と、アーシャから頭を下げられる。
「それはいいのですが、昨夜サーシャからお願いがあると、言われたことなのですが?」
「はい、今からそのお話をさせていただきます」
竜人族の長の顔、雰囲気が変わった。
「アルク様は、我ら竜人族が昔ある種族を守護していたことは知っておられますか?」
そこで俺は、昔読んだ文献のことを思い出した。そこには、この世界から消えた種族の名前がふたつ書かれていた。竜人族と、もう一つ吸血鬼族という種族のことが書かれていた。
「吸血鬼族のことですか?」
竜人族と同じ時期に消えた種族であったため、もしかしたらと思いいってみた。
すると、
「その通りです」
長が頷いて答えた。
「我々はもともと高貴で純潔、この世界に存在するすべての種族の頂点に立つと言われる吸血鬼族を守護するために誕生した種族と、言われています。ですが、数百年前ある出来事が起こりました」
今までに読んだ文献にも書いていない、初めて聞く内容の話であった。
「人間族たちの手によって吸血鬼族は壊滅、そしてまだ若かった吸血鬼族の姫様が封印されたのです」
「だが、吸血鬼族はこの世界のトップに立つ種族だろう! どうやって人族にそんなことを出来るんだ!」
「その疑問もごもっともです。ですがその時彼ら人族は、我々竜人族と吸血鬼族の能力を封じる結界を使い、無力化してきました。それに優位にたった人族は、抵抗できなくなった吸血鬼族を一人、また一人と殺していきました。ですが唯一、まだ若かった吸血鬼族のお姫様には、結界の効力が効かず、封印するしかなかったと聞いています」
今の話を聞いて、俺たちが最初、この里の人たちに歓迎されなかったことに納得がいった。
「だが、その時竜人族は滅ぼされなかったんだ!?」
「我々竜人族は、その時の吸血鬼族の王によって救われました」
「なぜだ?」
「私どもにもわかりません。その時の記憶は吸血鬼族の王によって消されておりますので」
ここまでの話を聞いて、俺はあることが頭に浮かんだ。
「なら俺たちへのお願いというのは、その吸血鬼族の姫の封印を解くことか?」
「その通りです。サーシャは勇者様の力を見て、あなた方なら可能だと考えたんだろうと思う」
「だが、竜人族たちでその封印を解くことも出来るのではないか」
「不可能です」
少し俯き、暗い雰囲気で答えた。
「吸血鬼族の姫様が封印されているのは、我々竜人族の里より一キロほど行った所にある、ダンジョンの一番奥です。ですが、ここの入り口には、竜人族の侵入を阻害する結界が張ってあります。それに中に入れても我々竜人族ですら、通用するかどうかというほど、強力なモンスターが出現するので、ダンジョンの奥まで進むのは、不可能だというのが我々竜人族の見解だ」
「わかりました。俺たちで力になれるのならやりましょう」
俺は、この話を受けることにした。吸血鬼族の姫様という者にも興味があったし、それにやっと自由な冒険者になったのだから、俺のやりたいことをやる。金にもまだまだ余裕があるしな。
「いいのか、これは、勇者様には関係のない我々竜人族の問題ですが」
「これも乗りかかった船です。それにサーシャにそんな顔を見せられたら断れませんし」
俺の方を悲しそうな顔で見るサーシャ。
「ありがとうございます」
竜人族の長に頭を下げられた。
それから俺は、竜人族の長に、吸血鬼族の姫が封印されているダンジョンについて、詳しく話を聞いた。その間、サーシャもその話を詳しく聞き入っていた。俺がもしやと思った時、
「お父様! 私も勇者様についていかせてください!」
想像通りのことを言ったサーシャ。
だが、
「ダメだ! あのダンジョンに竜人族が入れないことは、おまえもさっきの話を聞いて分かっているだろう」
「はい! ですが、勇者様なら結界を解除することも可能です」
「だが、お前なんかが言ったところで、足手纏いにしかならないんだから、大人しく里で勇者様の帰りを待ってなさい」
「いやです!」
力強い一言。そこで俺は、
「俺からの提案いいですか?」
「何ですかな勇者様」
「俺のパーティーメンバーであるヒストリアと、サーシャを戦わせて見てはどうでしょうか? それでもしもサーシャが勝てば、俺たちについてきても問題ないでしょう。ですが、ここでヒストリアに負けるならついてきても力になることは出来ないと思います」
それに対して竜人族の長は、
「ですが」
と言おうとした時、
「私やります! ヒストリア様との試合をさせてください! そして、絶対に勝って、お父様に私の実力を見せつけて認めさせます。そして勇者様と一緒に、吸血鬼族のお姫様を助けに行きます」
「わかった」
竜人族の長も提案を受け入れてくれたのだった。
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