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第三章 封印された少女
第四十話 ヒストリアVSサーシャ
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竜人族の長の家での話が終わり、俺たちは村の広場へとやって来ていた。ここは昨日、竜人族最強と呼ばれているクルシャと、俺が戦った場所だ。
そこにいるのは俺だけでなく、他の里人たちも集まっている。一体いつ、この二人が戦う情報が伝わったのかわからないが、今はそんなことよりも、
「ヒストリア様、手加減はなしでお願いします。お情けで勝たせてもらっても、意味がないですから」
「そんな気さらさらないよ。せっかくお兄ちゃんに私の、全力の戦いを見てもらえるんだもん、そんなことしたら嫌われちゃうからね」
「よかったです。その言葉を聞いて安心しました。それに、私も負ける気なんて毛頭ありません。ヒストリア様に絶対勝って、勇者様についていって見せますから」
「楽しみにしているわ」
一度距離を取る二人。
そんな二人を離れた所から見守っていた俺に、
「勇者様、二人の試合の審判をお願いできませんか?」
竜人族の長がいってきた。なぜ俺に審判をとも思ったが、今回の提案をしたのは俺だし、仕方ないかと思い、審判の話しを受けることにした。
一番近くで、二人の試合を見れると思えば、これほどの特等席もないだろう。
俺は、二人の間へと移動する。
「そろそろ試合を始めるぞ」
二人に戦闘位置へと移動するように促す。
『は~い!』
もう少し話したかったと、言いたげな返事をする二人。
「よし、二人が位置についた所で、ヒストリア対サーシャの試合を始める! どちらかの戦闘不能もしくは、ギブアップした時点で試合終了とする。異論はないな!」
「ないよ!」
「ないです」
真剣な目で向かい合う二人。
「それでは、試合始めーーーーー!」
俺の掛声で試合が開始された。
初めに攻撃に出たのは、ヒストリアであった。
「先手必勝です! フレイムランス」
火の槍を五本、サーシャに向かって放つ。それに対してサーシャは、
「エンチャントウォーター、照準」
弓を構えて矢に属性を付与、それを飛んでくる火の槍に向かって放った。二番目に使った、スキル照準は、魔法を使ったりするときによく使われるスキルで、狙った物に、魔法や矢のような遠距離攻撃を、確実に当てるためのスキル。
その照準により、水の属性を付与された矢が、五本の火の槍へと命中し、相殺される。
お互いに次の攻撃に出ようとするが、そこでサーシャが少し早く矢を放った。
その矢には、
「エンチャント雷! 照準! 加速!」
三つのスキルが付与された。最初に付与した雷は、全属性の中でも一番の速度をもつ属性。その上で三つ目のスキル加速は物体の移動速度を上げる魔法。そのふたつを合わせてかなりの速度の攻撃を放った。だが、その速度を制御するのはなかなか難しい。そのため照準を使い、狙いを定めて制御している。
だが、それに対してヒストリアは、自分に照準が定められているのを理解し、飛んでくる矢に対して魔法を放つ。飛んでくる方向もすべてよんでいるだろう。魔法はすべての矢を捉え、命中、粉砕した。
お互いに一歩も引かない攻防。なかなかおもしろい。
サーシャの戦闘は初めて見るが、なかなか手馴れている。的確に魔法を使い、最小限の魔力で最大限の効力を発揮している。
それにヒストリアもだ! まだ戦闘は二回目。しかも人相手となると初めての戦闘。それにもかかわらず、冷静な判断と、魔法の発動は見事といえる。
俺は、この二人の試合を見ながら、もっと見てみたいと、思ってしまった。
そして、
「サーシャ、そろそろ本気をだしてもいいかな?」
「私もそうしようと思っていたところだよ」
二人は、笑顔を浮かべながら、そんなことを話していた。
その後の攻防は、物凄い物だった。
お互いに引かない魔法と矢での攻防。お互いの放つ魔法や矢に対して、弱点属性の攻撃で迎え撃つ二人。その試合風景に里人たちは、かなり驚いていた。
それもそのはず、たった十歳の少女が、これほどの試合をしているのだから。
硬直状態の戦闘に、新たな一手を打ってきたのは、サーシャが先だった。
「連射」
一本の矢を複数に増やす魔法を使い、手数を倍以上に増やすサーシャ。それに対してヒストリアは、急なことで対処が遅れ、矢を一本打ち漏らしてしまう。だが、ギリギリの所で回避には成功。
そこへ新たな矢が飛んでくる。その矢をシールドで防ぐも、攻撃に出られない。
サーシャは、今が好機と思ったのか、放つ矢の数を先ほどの三倍に増やして、攻撃を仕掛けている。
「そろそろ降参したらどうですか?」
自分が優位に立ち、余裕が出てきたところでヒストリアに話しかける。
「いえいえ、この程度で降参なんて、お兄ちゃんに笑われてしまいますよ」
サーシャの隙を探るヒストリアだが、手数の多さからか動きを取ろうにも取れない状況が続く。それに、サーシャの放つ矢に対して、対抗する防御魔法を張り続けているために、少しずつ削られていく魔力。このままだとヒストリアの負けとなるが、
「そんなに無防備で大丈夫ですか?」
俺にも、サーシャにも、ヒストリアの言葉の意味が分からなかった。
「え!」
突然に現れたファイアーボールが、サーシャの持っている弓へと直撃。弓を落としてしまう。
そのたった数秒の隙をつき、ヒストリアは、弓使いの弱点でもある接近戦へと持ち込んだ。
「私の勝ちです」
自信満々のヒストリアだったが、
「いいえ、これで終わりですよヒストリア様」
一瞬頭を捻るヒストリアであったが、弓を落とされる前に放っていた矢が、ヒストリアへと命中。その一撃で意識を奪われてしまった。
それにより、二人の試合は終了となったのだ。
そこにいるのは俺だけでなく、他の里人たちも集まっている。一体いつ、この二人が戦う情報が伝わったのかわからないが、今はそんなことよりも、
「ヒストリア様、手加減はなしでお願いします。お情けで勝たせてもらっても、意味がないですから」
「そんな気さらさらないよ。せっかくお兄ちゃんに私の、全力の戦いを見てもらえるんだもん、そんなことしたら嫌われちゃうからね」
「よかったです。その言葉を聞いて安心しました。それに、私も負ける気なんて毛頭ありません。ヒストリア様に絶対勝って、勇者様についていって見せますから」
「楽しみにしているわ」
一度距離を取る二人。
そんな二人を離れた所から見守っていた俺に、
「勇者様、二人の試合の審判をお願いできませんか?」
竜人族の長がいってきた。なぜ俺に審判をとも思ったが、今回の提案をしたのは俺だし、仕方ないかと思い、審判の話しを受けることにした。
一番近くで、二人の試合を見れると思えば、これほどの特等席もないだろう。
俺は、二人の間へと移動する。
「そろそろ試合を始めるぞ」
二人に戦闘位置へと移動するように促す。
『は~い!』
もう少し話したかったと、言いたげな返事をする二人。
「よし、二人が位置についた所で、ヒストリア対サーシャの試合を始める! どちらかの戦闘不能もしくは、ギブアップした時点で試合終了とする。異論はないな!」
「ないよ!」
「ないです」
真剣な目で向かい合う二人。
「それでは、試合始めーーーーー!」
俺の掛声で試合が開始された。
初めに攻撃に出たのは、ヒストリアであった。
「先手必勝です! フレイムランス」
火の槍を五本、サーシャに向かって放つ。それに対してサーシャは、
「エンチャントウォーター、照準」
弓を構えて矢に属性を付与、それを飛んでくる火の槍に向かって放った。二番目に使った、スキル照準は、魔法を使ったりするときによく使われるスキルで、狙った物に、魔法や矢のような遠距離攻撃を、確実に当てるためのスキル。
その照準により、水の属性を付与された矢が、五本の火の槍へと命中し、相殺される。
お互いに次の攻撃に出ようとするが、そこでサーシャが少し早く矢を放った。
その矢には、
「エンチャント雷! 照準! 加速!」
三つのスキルが付与された。最初に付与した雷は、全属性の中でも一番の速度をもつ属性。その上で三つ目のスキル加速は物体の移動速度を上げる魔法。そのふたつを合わせてかなりの速度の攻撃を放った。だが、その速度を制御するのはなかなか難しい。そのため照準を使い、狙いを定めて制御している。
だが、それに対してヒストリアは、自分に照準が定められているのを理解し、飛んでくる矢に対して魔法を放つ。飛んでくる方向もすべてよんでいるだろう。魔法はすべての矢を捉え、命中、粉砕した。
お互いに一歩も引かない攻防。なかなかおもしろい。
サーシャの戦闘は初めて見るが、なかなか手馴れている。的確に魔法を使い、最小限の魔力で最大限の効力を発揮している。
それにヒストリアもだ! まだ戦闘は二回目。しかも人相手となると初めての戦闘。それにもかかわらず、冷静な判断と、魔法の発動は見事といえる。
俺は、この二人の試合を見ながら、もっと見てみたいと、思ってしまった。
そして、
「サーシャ、そろそろ本気をだしてもいいかな?」
「私もそうしようと思っていたところだよ」
二人は、笑顔を浮かべながら、そんなことを話していた。
その後の攻防は、物凄い物だった。
お互いに引かない魔法と矢での攻防。お互いの放つ魔法や矢に対して、弱点属性の攻撃で迎え撃つ二人。その試合風景に里人たちは、かなり驚いていた。
それもそのはず、たった十歳の少女が、これほどの試合をしているのだから。
硬直状態の戦闘に、新たな一手を打ってきたのは、サーシャが先だった。
「連射」
一本の矢を複数に増やす魔法を使い、手数を倍以上に増やすサーシャ。それに対してヒストリアは、急なことで対処が遅れ、矢を一本打ち漏らしてしまう。だが、ギリギリの所で回避には成功。
そこへ新たな矢が飛んでくる。その矢をシールドで防ぐも、攻撃に出られない。
サーシャは、今が好機と思ったのか、放つ矢の数を先ほどの三倍に増やして、攻撃を仕掛けている。
「そろそろ降参したらどうですか?」
自分が優位に立ち、余裕が出てきたところでヒストリアに話しかける。
「いえいえ、この程度で降参なんて、お兄ちゃんに笑われてしまいますよ」
サーシャの隙を探るヒストリアだが、手数の多さからか動きを取ろうにも取れない状況が続く。それに、サーシャの放つ矢に対して、対抗する防御魔法を張り続けているために、少しずつ削られていく魔力。このままだとヒストリアの負けとなるが、
「そんなに無防備で大丈夫ですか?」
俺にも、サーシャにも、ヒストリアの言葉の意味が分からなかった。
「え!」
突然に現れたファイアーボールが、サーシャの持っている弓へと直撃。弓を落としてしまう。
そのたった数秒の隙をつき、ヒストリアは、弓使いの弱点でもある接近戦へと持ち込んだ。
「私の勝ちです」
自信満々のヒストリアだったが、
「いいえ、これで終わりですよヒストリア様」
一瞬頭を捻るヒストリアであったが、弓を落とされる前に放っていた矢が、ヒストリアへと命中。その一撃で意識を奪われてしまった。
それにより、二人の試合は終了となったのだ。
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