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第二章 番外編
2/14 バレンタインデー
しおりを挟む最近、キッチンに籠もって何やらやっているシズカ。家中にチョコレートの甘い香りが漂う。手伝いたいのに俺はキッチンへは立入禁止…らしい。それなのに時折そこへ出入りしているマリアに、マオを抱き上げたまま視線を送る。
「嫌ですよぉ。ステラリオ様、そんな目で私を見ないでくださいな。あらあらマオちゃん、抱っこいいわねぇ…まぁ、そんなに笑顔を向けられたらおばあちゃん心臓止まっちゃうわよぉ。」
ステラリオ様、抱っこがお上手になって…優しげに見つめられて居心地が悪い。首根っこ掴んで持ち上げた時のシズカとマリアの悲鳴が懐かしい。そんな持ち方をしたのに、今も腕の中でキャッキャッと笑顔を振り撒く見た目シズカのマオは…まぁ、可愛いっちゃ可愛い。短い手足を動かし続けるのもやっぱり面白い。
「お暇なら、マオちゃんをお散歩にでも連れて行ってあげてくださいな。」
「暇じゃねぇ。」
「うふふ、今の状態を暇って言うんですよぉ。ここはステラリオ様の結界もありますし、安全です。それに、お散歩に連れて行ったと報告したらシズカちゃんも喜ぶわぁ。」
シズカは生い立ちもあって俺とマオが一緒にいるのをやけに喜ぶ。小さな、でもマオにとったら大きな拳をんぶんぶと口へ入れているマオを見る。あー…行くか。シズカの笑顔が見たいし、子は陽の光を浴びたほうが良い…気がする。
「…花畑に直に降ろしても大丈夫だと思うか?」
「えぇ、大丈夫ですが、敷物もあると良いですよぉ。あとは、飲み物とおしめと…このシズカちゃんのおでかけバッグに入ってますからね!」
受け取って覗けばマオの世話に必要なものがぎっしり。俺は異空間に何でも入れてしまうけど、シズカはきっちりと整理整頓して鞄に詰めて…真面目なところがまた可愛い。マオに関するものは俺も一通り持ち歩いているけど、折角だからシズカのバッグもそっと異空間へと仕舞う。
「んっぶうっ…!んぶー」
バタバタと動くマオの尻をぽふぽふと叩いて外へと出れば途端にメルロがマオの胸へと飛び乗る。
「んぶぶぶぶ!」
ハイハイ、喜んでるようで何より。
「俺達花畑行くけどお前どうする?」
メルロも離れないからそのまま夜光草のあるところまで転移した。
広めに結界を張って、敷物を取り出して拡げて、その上にマオ。最近自分で座れるようになったマオだが、少しの衝撃でころりと転がる。今もメルロが頬に頬を擦り付けただけでころりと仰向け。座らせて、布を取り出して、丸めて腰回りを固定。これで良いか…?家じゃ専用の椅子に座らせるからわからねぇ。とりあえずヤサが木を彫って作った羊の玩具を与えれば、んぶんぶとかじる。歯が出てきてむず痒いのか、最近は何でも口に入れようとする。
メルロはもう一度マオに頬をつけて、好物の夜光草へとダッシュ。いや、そのダッシュの足蹴りでマオがまた転んだのだが…びぇぇっと泣くマオは泣いてるだけで異常なし。異常はないからそのままでメルロを魔法で拘束。泣き喚くマオのとこまで連れてくる。
「ムムムムムムッ!」
「いやお前がやったんだわ。」
何故か俺を睨むように見るメルロに教育的指導をして、申し訳なさそうに涙をぺろぺろとしだしたので解放。シズカと違ってメルロの気持ちなんてわからねぇけど、たぶん反省はしてるだろう。マオを抱き上げればまだぴーぴーしてる。手足はバタバタせずに、俺の胸あたりにぺたりと頬をつけて、拳を口へと運んでんぶんぶ。
「ハイハイ痛かったなー。」
「んぶぅ…んあぁ…うぇぇぇ…!」
「いいこいいこ。」
慰め方も泣き止ませ方も良くわからないからシズカやマリアの真似をする。少しずつ泣き止んで来るから間違ってはないだろう。
繰り返し背中をトントンとして落ち着かせて、泣き止んでからは自分の膝に乗せて寄りかからせる。シズカ手作りのパンを使ったパン粥を少しずつ口へと運べば途端に手足バタバタ、ご機嫌なマオに戻って一安心。エルフはそもそも子が生まれにくい種族だから、赤子と触れ合う事なんてなかったが……とにかく凄い。要領良く出来ると思っていた自分を殴りたい。今はそこそこ寝るけど、もっと小さい頃は寝ないしふにゃふにゃだし、俺とシズカだけではシズカが潰れてた。本当にマリアは勿論、ニコラスやヤサや里の奴らに感謝しかない。素直に礼なんて言えねぇから、魔道具作って渡すくらいしか出来ねぇけど。
パン粥を食べ終わって、うとうとしているマオを異空間から取り出した籠へと寝かしつけていれば、背中に愛おしい重みと甘い香り。
「リオ!マオさんありがとう。おばあちゃんに聞いて転移してきちゃった。」
背中側から顔を出してくるのが可愛くて、とりあえず抱き上げて先程までマオが座っていた膝の上へ。
「わぁ、マオさん穏やかな顔してすぴすぴだねぇ。かわい。」
「お前が可愛い。」
頬や鼻先に何度もキスして、思い切り抱き締めれば腕の中からくふくふと笑い声が溢れる。
「あ!リオ、腕ゆるめて?潰れちゃう。」
「ん?」
軽く緩めれば腕の中でごそごそ。
「はい、リオにチョコレート。」
チョコ?普段からチョコパンや菓子は貰っているが。
「あのね、僕がいたところでは2月14日に好きな人にチョコレートを贈る風習があって…だから、これ…僕からリオにチョコレート。」
ずっと練習してて、キッチンに籠もってごめんね…と言いながら恥ずかしいのか胸に顔を埋めてしまう。あぁ、本当に可愛いな…キッチンに籠もると言っても、それはシズカの一人時間。その時間を俺の為に使ってくれたのか。
「すげぇ嬉しい。俺も好きだ。」
「美味しく出来たかはわからないけど…」
「美味いに決まってる。あー、俺もシズカにチョコレート用意したかった。作れねぇけど。」
明日でも良いか問えばもにょもにょと口籠る。
「どうした?」
「んと、これは催促とかじゃないんだけど…あの、本当に…!」
「うん?催促してくれて全然嬉しいけど、どうした?」
「あのね、催促じゃないよ?…貰った人はね、来月…3月14日にお返しする日があるの。本当に、違うからね?これは僕の自己満足だから…」
「ふは、おろおろしてるシズカ可愛い。でも、俺も好きな人に贈り物したい。だめ?」
「うー…その言い方はズルい。」
真っ赤になったシズカの唇にそっとキス。
「リオ、だいすき。」
「俺も、愛してるよ。」
暫く抱き合ってから、あたたかい気持ちで家へと戻った。
おまけ
「ただいま帰りました!」
「……うまい。」
「本当ねぇ。流石シズカちゃん。美味しいわぁ。」
「何だステラリオ。もしかして自分だけかと思っていたのか?儂らもシズカの"好きな人"だからのぅ。」
うぜぇ。ヤサうぜぇ。思わずシズカを後ろから抱きしめれば苦笑い。振り返って背伸びして、可愛い声で耳元で囁く。
「リオは愛してるから、ハート型だよ?」
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それではコミコミで小冊子付きを購入します😊
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もちろん買いますが、書き下ろしは入っているでしょうか?
入っていると嬉しいなぁ☺️
優しいお言葉ありがとうございます😭🩷
嬉しいですー!
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まつぼっくり様 何が嬉しいって!大好きなこの作品でバレンタインの更新がある事です!相変わらず2人はラブラブで、周りの雰囲気も優しくて、すっっごく嬉しかったです🥰
うわぁん😭
ありがとうございます😭!
そのように言って頂けて本当に嬉しいです…🥺💓
今日、急に思いついて、わー!っと書いたので誤字脱字など出てきそうで怖いですが…楽しんで頂けて良かったです♡
また何か思いついたら更新しますので…!よろしくお願い致します🙇♀