15 / 37
01:本編
15:婚約それから
しおりを挟む
今いるのは、フェスカ侯爵邸のサロンです。
目の前のソファーにはアウグスト様が座っていらっしゃいます。
そんなアウグスト様は、先ほどから私の方を困った表情で見ています。
私の方、つまり向かい側のソファー。
そんな私の右手にはお母様が、左手には侯爵夫人が座っています。
はい、吊し上げの時間ですね。
「ねぇアウグスト。どうやらわたくしの育てた子の中に愚息が居るようなの。とても悲しい事だと思わない?」
言われたい放題のアウグスト様は、もはやまな板の上の鯉です。
地味っ子過ぎて、恋は盲目補正が働いているとは思いも寄らなかった私も確かに悪い。
でもね、清楚で可憐だよ? だれそれって思うのは仕方がないと思って頂きたい。
だからと言って本人を無視して、先に親の許可を求めるのはダメでしょう?
そう、愚痴っぽく言ってみました。
「だって避けられてて話させてくれないどころか、会ってもくれないんだもん」
うっ……。
痛くなくもないお腹を突かれました。
「もう少し、分かりやすく好きアピールをして頂けていれば、えと……、私も、気づいたかもですょ?」
言っている途中で恥ずかしくて赤面してしまいました。
「学園では毎日ランチに誘ったし、本をプレゼントしにクラスも尋ねたんだけど」
うっ。
やーめーてーお母様ズの視線がぁ~
って痛っ!
ちょっとお母様! 閉じた扇で物理的に突くのは止めて下さいね!?
この辺りが頃合だったのでしょうか、アウグスト様がスッと立ち上がりますと、それを見たお母様ズも立ち上がり、さささっと退席なさいました。
三人ともまるで事前に打ち合わせでもしてあったのか? と思うほどの素早い動作でした。
残されたのは私達二人。
アウグスト様は、まるで騎士の様に私の前に跪いて手を取ります。
そして糖度十二分の笑顔で仰いました。
「ディートリンデ、生涯あなたを愛すると誓います。僕と結婚してくれますか?」
嬉しさで涙が流れます。
焦るアウグスト様に、私はしっかりと
「はい、喜んで。私もお慕いしております」と返事をしました。
貴方の笑顔に比べればとてもとても糖度が足りないけれど、笑顔でニコリと返します。
私は無事婚約のお返事を返す事ができた事にホッとしました。
まさかの両想い~とぽぁぽぁと喜んだのは束の間の事でした。
周りがばたばたとし始めまして、やってきましたのは侯爵様と執事のヨアヒムさん。
そんなヨアヒムさんの手にはなにやら書面と、ペンが。
ヨアヒムさんが手にしているのは、婚約届。
って、どこから、なんで、どうして? とかパニックに入ります。しかしいつの間にやら戻って来たお母様に諭されて、この場で署名させられました。
この婚約は親同士の約束ではなく、当人同士の事です。ゲームイベントの冒頭で解消された親が決めただけの婚約とは重みが違います。
もしこれで婚約破棄されたら立ち直れない……
「婚約破棄はしないでね?」
首を傾げて可愛くアピールしてみると、「もちろん」と、頬に口付けされました。
不意打ちに驚き、顔が熱くなります。
数時間後、書面は無事受理され、私達は公的に婚約者同士となりました。なお早馬で走った使用人には金一封が出たとか出ないとか?
そう言えば……
「私ったら侯爵様と侯爵夫人に許可を頂いていないわ」
今さら気づきましたが、侯爵夫人からは問題ないという回答を貰います。
「でもね~」
と、にこやかに続けられ、
「お義母様。お 義 母 様よ。はい、言ってみて~リンデちゃん」
お義母様からはとても良い笑顔で迫られました。
■幕間
「旦那様、お嬢様、お祝いの品が届いております」
侯爵家と正式に婚約したと言う話は、瞬く間に広まり数日後にはギュンツベルク家には、数々のお祝いの品が届いていた。
花だったり、お菓子だったり、小物だったり、ベビー用品だったり。
はぁ? ベビー用品!?
誰よこれ!?
『ブレンターノ伯爵』
あっ、モーリッツ様ですか……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
とあるゲームのエピローグ
『男二人だけの寂しいクリスマスかー、まさかこの日をお前と過ごす事になるとは』
『くくっそうだな。あんなに頑張ってたのに、残念だったな』
『みんな元気かな……』
『ああ、あの娘は~……』
『で、……。ディートリンデは新しく婚約が決まって幸せになったぞ』
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
久しぶりのお出掛けです。
お隣にはアウグスト様、チラリと視線を上げれば糖度の高い笑顔が返って来ます。
随分とこの笑顔も慣れた気がします。
アウグスト様は、私が転ばないようにと、しっかりと腰を支えてゆっくりと歩いてくれています。
時折、優しげな視線が私の胸の辺りへ。
もちろんいやらしい意味ではなく、私が抱いた赤ちゃんを見ているのでした。
婚約から二年で学園を卒業しそのまま結婚に至りました。
周りからは少し早くないか? と言う声もありましたが、お義母様の「早く孫が見たいわ~」アピールに屈しました。
見えてきたのは本日の目的地。
フェスカ侯爵邸!
今は我が家と言うべきでしょうか?
「あ、お母様ー!」
庭から走ってくるのは、四歳になったばかりの息子だった。
その後ろからは、お義母様がゆっくりと歩いてきます。
「ただいま~リーンハルト」
そう言いながら息子の頭を撫ぜてると、気持ち良さそうに目を細めます。
ふふふ、まだまだ甘えたい盛りね。
そしてお義母様に「ただいま戻りました」と、ご挨拶です。
第二子の出産の為、実家の子爵家に里帰りしていたのでした。
お義母様は私から娘を受け取り、嬉しそうに抱きあやしています。
そして一言。
「この子は、リンデちゃんに似てるわね~」
うっ……
そうなんです、息子はアウグスト様に似て将来イケメン予定なのです。でも残念ながら娘は地味っ子な私に似てしまいました。
確実に将来悩みますよね、ごめんね。地味っ子な母を許して……
「絶対、綺麗な子になるわよ!」
「当たり前だろ、リンデに似てるんだからな」
結婚生活も五年経ちましたが、今日も旦那様の盲目補正は健在でした。
~完~
目の前のソファーにはアウグスト様が座っていらっしゃいます。
そんなアウグスト様は、先ほどから私の方を困った表情で見ています。
私の方、つまり向かい側のソファー。
そんな私の右手にはお母様が、左手には侯爵夫人が座っています。
はい、吊し上げの時間ですね。
「ねぇアウグスト。どうやらわたくしの育てた子の中に愚息が居るようなの。とても悲しい事だと思わない?」
言われたい放題のアウグスト様は、もはやまな板の上の鯉です。
地味っ子過ぎて、恋は盲目補正が働いているとは思いも寄らなかった私も確かに悪い。
でもね、清楚で可憐だよ? だれそれって思うのは仕方がないと思って頂きたい。
だからと言って本人を無視して、先に親の許可を求めるのはダメでしょう?
そう、愚痴っぽく言ってみました。
「だって避けられてて話させてくれないどころか、会ってもくれないんだもん」
うっ……。
痛くなくもないお腹を突かれました。
「もう少し、分かりやすく好きアピールをして頂けていれば、えと……、私も、気づいたかもですょ?」
言っている途中で恥ずかしくて赤面してしまいました。
「学園では毎日ランチに誘ったし、本をプレゼントしにクラスも尋ねたんだけど」
うっ。
やーめーてーお母様ズの視線がぁ~
って痛っ!
ちょっとお母様! 閉じた扇で物理的に突くのは止めて下さいね!?
この辺りが頃合だったのでしょうか、アウグスト様がスッと立ち上がりますと、それを見たお母様ズも立ち上がり、さささっと退席なさいました。
三人ともまるで事前に打ち合わせでもしてあったのか? と思うほどの素早い動作でした。
残されたのは私達二人。
アウグスト様は、まるで騎士の様に私の前に跪いて手を取ります。
そして糖度十二分の笑顔で仰いました。
「ディートリンデ、生涯あなたを愛すると誓います。僕と結婚してくれますか?」
嬉しさで涙が流れます。
焦るアウグスト様に、私はしっかりと
「はい、喜んで。私もお慕いしております」と返事をしました。
貴方の笑顔に比べればとてもとても糖度が足りないけれど、笑顔でニコリと返します。
私は無事婚約のお返事を返す事ができた事にホッとしました。
まさかの両想い~とぽぁぽぁと喜んだのは束の間の事でした。
周りがばたばたとし始めまして、やってきましたのは侯爵様と執事のヨアヒムさん。
そんなヨアヒムさんの手にはなにやら書面と、ペンが。
ヨアヒムさんが手にしているのは、婚約届。
って、どこから、なんで、どうして? とかパニックに入ります。しかしいつの間にやら戻って来たお母様に諭されて、この場で署名させられました。
この婚約は親同士の約束ではなく、当人同士の事です。ゲームイベントの冒頭で解消された親が決めただけの婚約とは重みが違います。
もしこれで婚約破棄されたら立ち直れない……
「婚約破棄はしないでね?」
首を傾げて可愛くアピールしてみると、「もちろん」と、頬に口付けされました。
不意打ちに驚き、顔が熱くなります。
数時間後、書面は無事受理され、私達は公的に婚約者同士となりました。なお早馬で走った使用人には金一封が出たとか出ないとか?
そう言えば……
「私ったら侯爵様と侯爵夫人に許可を頂いていないわ」
今さら気づきましたが、侯爵夫人からは問題ないという回答を貰います。
「でもね~」
と、にこやかに続けられ、
「お義母様。お 義 母 様よ。はい、言ってみて~リンデちゃん」
お義母様からはとても良い笑顔で迫られました。
■幕間
「旦那様、お嬢様、お祝いの品が届いております」
侯爵家と正式に婚約したと言う話は、瞬く間に広まり数日後にはギュンツベルク家には、数々のお祝いの品が届いていた。
花だったり、お菓子だったり、小物だったり、ベビー用品だったり。
はぁ? ベビー用品!?
誰よこれ!?
『ブレンターノ伯爵』
あっ、モーリッツ様ですか……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
とあるゲームのエピローグ
『男二人だけの寂しいクリスマスかー、まさかこの日をお前と過ごす事になるとは』
『くくっそうだな。あんなに頑張ってたのに、残念だったな』
『みんな元気かな……』
『ああ、あの娘は~……』
『で、……。ディートリンデは新しく婚約が決まって幸せになったぞ』
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
久しぶりのお出掛けです。
お隣にはアウグスト様、チラリと視線を上げれば糖度の高い笑顔が返って来ます。
随分とこの笑顔も慣れた気がします。
アウグスト様は、私が転ばないようにと、しっかりと腰を支えてゆっくりと歩いてくれています。
時折、優しげな視線が私の胸の辺りへ。
もちろんいやらしい意味ではなく、私が抱いた赤ちゃんを見ているのでした。
婚約から二年で学園を卒業しそのまま結婚に至りました。
周りからは少し早くないか? と言う声もありましたが、お義母様の「早く孫が見たいわ~」アピールに屈しました。
見えてきたのは本日の目的地。
フェスカ侯爵邸!
今は我が家と言うべきでしょうか?
「あ、お母様ー!」
庭から走ってくるのは、四歳になったばかりの息子だった。
その後ろからは、お義母様がゆっくりと歩いてきます。
「ただいま~リーンハルト」
そう言いながら息子の頭を撫ぜてると、気持ち良さそうに目を細めます。
ふふふ、まだまだ甘えたい盛りね。
そしてお義母様に「ただいま戻りました」と、ご挨拶です。
第二子の出産の為、実家の子爵家に里帰りしていたのでした。
お義母様は私から娘を受け取り、嬉しそうに抱きあやしています。
そして一言。
「この子は、リンデちゃんに似てるわね~」
うっ……
そうなんです、息子はアウグスト様に似て将来イケメン予定なのです。でも残念ながら娘は地味っ子な私に似てしまいました。
確実に将来悩みますよね、ごめんね。地味っ子な母を許して……
「絶対、綺麗な子になるわよ!」
「当たり前だろ、リンデに似てるんだからな」
結婚生活も五年経ちましたが、今日も旦那様の盲目補正は健在でした。
~完~
23
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
噂の聖女と国王陛下 ―婚約破棄を願った令嬢は、溺愛される
柴田はつみ
恋愛
幼い頃から共に育った国王アランは、私にとって憧れであり、唯一の婚約者だった。
だが、最近になって「陛下は聖女殿と親しいらしい」という噂が宮廷中に広まる。
聖女は誰もが認める美しい女性で、陛下の隣に立つ姿は絵のようにお似合い――私など必要ないのではないか。
胸を締め付ける不安に耐えかねた私は、ついにアランへ婚約破棄を申し出る。
「……私では、陛下の隣に立つ資格がありません」
けれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「お前は俺の妻になる。誰が何と言おうと、それは変わらない」
噂の裏に隠された真実、幼馴染が密かに抱き続けていた深い愛情――
一度手放そうとした運命の絆は、より強く絡み合い、私を逃がさなくなる。
【完結】一途すぎる公爵様は眠り姫を溺愛している
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
リュシエンヌ・ソワイエは16歳の子爵令嬢。皆が憧れるマルセル・クレイン伯爵令息に婚約を申し込まれたばかりで幸せいっぱいだ。
しかしある日を境にリュシエンヌは眠りから覚めなくなった。本人は自覚が無いまま12年の月日が過ぎ、目覚めた時には父母は亡くなり兄は結婚して子供がおり、さらにマルセルはリュシエンヌの親友アラベルと結婚していた。
突然のことに狼狽えるリュシエンヌ。しかも兄嫁はリュシエンヌを厄介者扱いしていて実家にはいられそうもない。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、若きヴォルテーヌ公爵レオンだった……。
『残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました』『結婚前日に友人と入れ替わってしまった……!』に出てくる魔法大臣ゼインシリーズです。
表紙は「簡単表紙メーカー2」で作成しました。
【完結】年下幼馴染くんを上司撃退の盾にしたら、偽装婚約の罠にハマりました
廻り
恋愛
幼い頃に誘拐されたトラウマがあるリリアナ。
王宮事務官として就職するが、犯人に似ている上司に一目惚れされ、威圧的に独占されてしまう。
恐怖から逃れたいリリアナは、幼馴染を盾にし「恋人がいる」と上司の誘いを断る。
「リリちゃん。俺たち、いつから付き合っていたのかな?」
幼馴染を怒らせてしまったが、上司撃退は成功。
ほっとしたのも束の間、上司から二人の関係を問い詰められた挙句、求婚されてしまう。
幼馴染に相談したところ、彼と偽装婚約することになるが――
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる