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02:閑話
公爵家夜会後
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ああもう! リンデが逢ってくれない!!
公爵家の夜会の後、俺の婚約がそろそろ近いと言う話が広がり始めると、リンデが露骨に俺を避けるような行動を取り始めていた。
まず食堂。
いつも通り待っていると、彼女は食堂に現れなかった。
もしや病気かと教室に向かえば、休みではないと言われ、挙句に「本を持って出かけたよ」と言われる始末だ。
大方、図書館だろうと当たりをつけて向かったが、空振りに終わり彼女は発見出来なかった。
それが何日も続くと、避けられているのではと思うようになった。
それならばと、彼女が好きだった本を購入しその間に手紙を挟んで子爵家へ届けて貰う様に使用人に手配をした。
最初の本が届いてから数日、彼女から未だに返事が帰ってこない。
俺はイライラしながら、暢気に前菜のサラダを食べ始めたモーリッツに声を掛けた。
「おい」
「おう、このサラダ美味いぞ」
「そんな感想いらねえよ」
大体食堂の前菜なんて、毎日似たようなモンだろうが!
「お腹空いてるからイラつくんだよ、飯食えよ」
「いや。……なあ、逢ってくれないんだけど?」
「嫌われたんじゃね?」
よしぶっ飛ばすか……と、拳を握り締めると、俺の本気のイラつきを感じたのだろう。モーリッツは食事を止めてこっちに視線を向けた。
「あの後、一回も逢ってないのか?」
ようやく話を聞く姿勢を見せた友人にため息をつき、俺は現状を伝えたのだ。
夜会の後から一度も逢っていないこと、食堂には来なくなり食事を持参してそれをどこかで食べているらしいこと、休憩時間もどこかに行ってしまい逢えないこと。
他にも彼女が愛読していた本に手紙を挟み、屋敷に届けているが、一向に返事が貰えない事を伝えた。
「なるほどなぁ。やっぱ嫌われたんじゃね?」
よし殴ろう!
「わぁ、ちょ、待てよ。落ち着け、そうだな……う~ん。あれだ。う~ん、あれ?」
「いちいち身構えるのが面倒だから纏ってから話してくれ」
そして熟考したモーリッツが出した助言は、「夜会と一緒で外堀り埋めれば?」だった。
俺は単身ギュンツベルク子爵家を訪ねていた。
先日までに父と母には、ディートリンデと正式に婚約させてくれと既に許可を貰っている。後はギュンツベルク子爵と子爵夫人の許可を貰えば、外堀りは埋まる手筈だ。
なんだよ、最初からこうすれば良かったじゃないか。
サロンに通された俺は、開口一番にディートリンデと正式に婚約したいと申し出た。
二人からは問題は無いと許可を頂き、ディートリンデを呼ぶようにと、執事に言付けられる。
久しぶりに出会う彼女はこの話をどう思うだろうか?
いつも通り涼しげな瞳で可憐に笑ってくれるだろうか?
しかし、連れられてきたリンデの表情はとても暗く、おまけに話の最中に泣き出してしまったのだ。
予想に反する態度に俺は焦りを覚えていた。
これほどまでに嫌われるような事をしただろうか?
彼女の態度がとても不審だったのだろう、子爵夫人がリンデに優しく声を掛けていた。
それを俺はどこか別の場所で話していることのように、呆然と聞いていた。
そしてついに、リンデが俺を避けていた訳を知る事になる。
噂にあった「清楚で可憐なご令嬢」、そんな者はどう考えてもリンデの事だろうに、本人にその自覚が全く無いと言う事実を知ったのだ。
挙句に自分の事を「ただの地味っ子」と言う始末だ。いまや流行のファッションリーダー的な位置づけにもなっていると言うのに、自覚が無いにも程がある。
そんな無自覚っぷりが露呈すると、俺も手順が違うと子爵夫人のお怒りを買ったようで屋敷を追い出されてしまった。
やらかしてしまった俺は、怒りのやり場をモーリッツに向けるために伯爵家を尋ねたのだった。
公爵家の夜会の後、俺の婚約がそろそろ近いと言う話が広がり始めると、リンデが露骨に俺を避けるような行動を取り始めていた。
まず食堂。
いつも通り待っていると、彼女は食堂に現れなかった。
もしや病気かと教室に向かえば、休みではないと言われ、挙句に「本を持って出かけたよ」と言われる始末だ。
大方、図書館だろうと当たりをつけて向かったが、空振りに終わり彼女は発見出来なかった。
それが何日も続くと、避けられているのではと思うようになった。
それならばと、彼女が好きだった本を購入しその間に手紙を挟んで子爵家へ届けて貰う様に使用人に手配をした。
最初の本が届いてから数日、彼女から未だに返事が帰ってこない。
俺はイライラしながら、暢気に前菜のサラダを食べ始めたモーリッツに声を掛けた。
「おい」
「おう、このサラダ美味いぞ」
「そんな感想いらねえよ」
大体食堂の前菜なんて、毎日似たようなモンだろうが!
「お腹空いてるからイラつくんだよ、飯食えよ」
「いや。……なあ、逢ってくれないんだけど?」
「嫌われたんじゃね?」
よしぶっ飛ばすか……と、拳を握り締めると、俺の本気のイラつきを感じたのだろう。モーリッツは食事を止めてこっちに視線を向けた。
「あの後、一回も逢ってないのか?」
ようやく話を聞く姿勢を見せた友人にため息をつき、俺は現状を伝えたのだ。
夜会の後から一度も逢っていないこと、食堂には来なくなり食事を持参してそれをどこかで食べているらしいこと、休憩時間もどこかに行ってしまい逢えないこと。
他にも彼女が愛読していた本に手紙を挟み、屋敷に届けているが、一向に返事が貰えない事を伝えた。
「なるほどなぁ。やっぱ嫌われたんじゃね?」
よし殴ろう!
「わぁ、ちょ、待てよ。落ち着け、そうだな……う~ん。あれだ。う~ん、あれ?」
「いちいち身構えるのが面倒だから纏ってから話してくれ」
そして熟考したモーリッツが出した助言は、「夜会と一緒で外堀り埋めれば?」だった。
俺は単身ギュンツベルク子爵家を訪ねていた。
先日までに父と母には、ディートリンデと正式に婚約させてくれと既に許可を貰っている。後はギュンツベルク子爵と子爵夫人の許可を貰えば、外堀りは埋まる手筈だ。
なんだよ、最初からこうすれば良かったじゃないか。
サロンに通された俺は、開口一番にディートリンデと正式に婚約したいと申し出た。
二人からは問題は無いと許可を頂き、ディートリンデを呼ぶようにと、執事に言付けられる。
久しぶりに出会う彼女はこの話をどう思うだろうか?
いつも通り涼しげな瞳で可憐に笑ってくれるだろうか?
しかし、連れられてきたリンデの表情はとても暗く、おまけに話の最中に泣き出してしまったのだ。
予想に反する態度に俺は焦りを覚えていた。
これほどまでに嫌われるような事をしただろうか?
彼女の態度がとても不審だったのだろう、子爵夫人がリンデに優しく声を掛けていた。
それを俺はどこか別の場所で話していることのように、呆然と聞いていた。
そしてついに、リンデが俺を避けていた訳を知る事になる。
噂にあった「清楚で可憐なご令嬢」、そんな者はどう考えてもリンデの事だろうに、本人にその自覚が全く無いと言う事実を知ったのだ。
挙句に自分の事を「ただの地味っ子」と言う始末だ。いまや流行のファッションリーダー的な位置づけにもなっていると言うのに、自覚が無いにも程がある。
そんな無自覚っぷりが露呈すると、俺も手順が違うと子爵夫人のお怒りを買ったようで屋敷を追い出されてしまった。
やらかしてしまった俺は、怒りのやり場をモーリッツに向けるために伯爵家を尋ねたのだった。
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