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02:里帰り
13:夜会
夜会が始まるまで長いな~とは思っていたけど、実はとっくに始まってた。
どうやらわたしがお部屋を飛び出した辺りで始まっていた様だが、誰も王妃様を急かすことなんてなかったから気付きもしなかったよ。
わたしの無欲っぷりに二人が談笑しているのを聞き続け、いい加減に恥ずかしさに堪えかねた所で、「夜会はまだなんですか?」と聞いてみれば、「もうとっくに始まっているぞ」と言いだしたのはシリルだ。
「あらそうね、そろそろ行きましょうか」
王妃様が立ち上がり、シリルは王妃様をエスコートする為に腕を貸す。
どうやらわたしは一人で歩くらしい。
相手は王妃様だから別に不満はないけど、ヒールが高いから不安はあるよ!
二人の後に続いてよく判らないまま廊下を歩いた。
来た時とは違う道を通り、とても大きなドアの前にたどり着いた。
「クリスタはここで少し待っていてくれ」
そう言い残して、シリルは王妃様と扉の向こうへ消えて行った。
見知らぬ廊下に一人残されて肌寒いように感じて少し震える。いやドアの前に使用人はいるけどさ、そう言う意味じゃなくてね。
ほんの五分ほど、先ほどのドアからシリルが帰って来た。ほっと安堵の息を吐く。
不思議なことに先ほど感じていた肌寒さは無くなった。
「では行こうか」
シリルの腕を借りてドアを抜けた。
夜会に参加していた貴族らがわたしとシリルを見上げていた。それでここが会場の数段高い位置だと知れて、場違いなことこの上ないなと苦笑を漏らす。
ここは借金に困る貧乏貴族が立てる場所ではないよ。
シリルに促されて生まれて初めて見た国王陛下にご挨拶。
まさか驚きの同じ段だよ!
挨拶を聞き、王妃から耳打ちをされた陛下は立ち上がり、そして声高らかに、
「本日は皆に喜ばしい報告がある!
我が甥、バイルシュミット公爵の婚約者クリスタ嬢を皆に紹介しよう」
するとわぁ~と会場から拍手が上がる。
何処からか万歳の声も聞こえ始めた。
ど、どうすれば!?
「軽く一礼して後は胸を張っていろ」
隣のシリルからそんな助言を貰ったので精一杯、胸を張ったさ!
壇上を降りてやっと自分が地面を歩いている気持ちになれた。
人心地ついたのでまずはシリルに文句だ。
「王妃様や国王陛下にお会いするのなら事前に仰って頂かないと困ります」
「それにしては随分と堂々としていたと思ったが」とシリルはくくくと嗤った。
「そもそも最初に提案された偽の婚約者だった場合は、いったいどうなさるおつもりだったのですか?」
「ああその場合は当然挨拶などしないさ。
本当に婚約したからこそこんな大事になってしまった。それについては悪かったと思っている」
おや素直に謝ったぞ?
そう言われてしまうとわたしもすっかり毒気が抜けて、これ以上言うつもりは失せてしまった。
段を降りて少しの話をした後はシリルにピッタリくっ付いて見知らぬ貴族の方々に挨拶をする。公爵と言えば爵位はトップ、挨拶はあちらからするのが常識で、気付けば長い列ができていて困った。
ちなみに挨拶してくるのは伯爵以上の大貴族ばかり、なんとも恐れ多い事ですね……
貴族らはおめでとうを言うと、初対面のわたしに名を名乗って、今後もよろしくと言って去っていく。
しかし一部の貴族、つまり年の若いご令嬢を連れた貴族だが……
彼らは口ではお美しいだの、可憐だのと褒め言葉をくれるがその目は一切笑っていなかった。あわよくば我が娘が~と思っていた所を横から掻っ攫って行った子爵の小娘に笑顔を見せるわけない。
苦痛の時間が終わってやっと一息ついたとき、今度は若い男性貴族らがシリルを囲み始めた。シリルは「悪い」と言ってわたしから離れて行く。
シリルの横顔からはとても楽しそうな、子供の様な表情がチラリと見える。
なるほど~あれはたぶん悪友とか親友とか色々混ぜ混ぜの男の子あるあるのメンツだろう。と言うことは、しばらくは帰ってこないだろうな~と思いつつ、わたしはどうすべきか? と頭を悩ませる。
なにぶん夜会は初めてだ、ダンスは踊れないし何をするのが普通だろうか?
とりあえず考えたと言うか、思った事は、ヒールの高い靴で人の混み合っている場所に居るのはよろしくないと言うことだ。
まずは壁端に避難すべきよね。
わたしは貴族らの造る人壁を上手くすり抜けながら壁端を目指す。
何人かとすれ違って壁に向かっていた所、こちら向かってくるピンクのドレスの令嬢とすれ違い……
「キャッ」
可愛い悲鳴が聞こえた後に、パシャっと水が散る音が聞こえてきた。
男性貴族の「失礼」と言う声。
どうやら先ほどの令嬢と肩がぶつかったらしい。
混み合っている場所ではよくある光景だ。
唯一の問題は、わたしのスカートに令嬢が持っていたグラスの中身が掛かった事。
空色のドレスによりによって赤いワインのシミが広がった。
「ああっごめんなさい! なんてことを!」
ワインを掛けてしまった令嬢は慌てふためいて泣き始めた。
こういう時にすぐに泣けると言うのは羨ましい。泣いたらこれ以上責める訳にはいかない雰囲気になる。
泣かれてしまったし、一部始終を見ていたわたしはこれがワザとではない事は知っている。
夜会も初めてならば、こんな経験も初めてだから、ドレスを弁償しろと言うべきなのかは判らない。
しかしドレスと言うのはとても高価な品であるから、少なくともわたしがそれを言うことは無い。
「今日のわたしは運が悪かったみたいです。
だから貴女も気にしないで」
何度もぺこぺこと頭を下げて去っていくピンクの令嬢。
それを見送りながら、これで良かったのかはやっぱり判らないな~と呟いた。
謝罪した令嬢が消え去ろうと言う時、黒と青のドレスを着た令嬢が現れてその令嬢の腕を掴んだ。
「痛っ離してよ!」
「あんた、また!?
なに逃げようとしてるのよ!」
「逃げてないわ! ちゃんと許して貰ったのよ」
「はぁ訳わかんない」
二人の令嬢が腕を掴み合ってまさに揉め始めた。
令嬢らの台詞を聞くに発端はわたしの様だ。
であるなら止めない訳にはいかないなと、わたしは二人に歩み寄った。
「「あっ」」
二人は同時にわたしに気付き声を上げる。
「何かありましたか?」
「この子がクリスタ様のドレスを汚したのに逃げようとしてるの!」
「違うわ! あたしはちゃんと謝ったもの!」
「うん、ちゃんと謝って貰ったわ。だからもう良いの」
勝ち誇るピンクの令嬢と、信じられないと目を見開く青黒の令嬢。
「離して! あなたが無礼を働いたのは彼女に免じて許してあげるわ!」
腕を振り払ってピンクの令嬢は肩を怒らせて去って行った。とても先ほどまでしおらしく泣いていた令嬢には見えないけど、謝罪を受け取った後なので今さらだろう。
さて残ったのは青黒の令嬢だ。
「ちょっとこっちにいらっしゃい!」
彼女はキッとわたしを睨みつけると、手首を掴んで壁端の方へと歩いていく。
どこぞの誰かを思い出すかの様な強引さだ。
「い、痛いです。離してください!」
「うっさい!」
しかし聞く耳持たずで一向に腕を離してくれない。
ダメだこの子。
すっかり壁端に連れて行かれて、やっと離された腕を確認。赤くなった手首を手で擦っていると、
「ごめんなさい、ちょっと強引だったわね」
これがちょっと? とカチンと来たけれど、相手の素性が分からないので文句を言うことも出来ず、不満げに睨む以外にやれることは無し。
例え公爵であるシリルの婚約者だろうが、わたしの身分は子爵令嬢でしかない。
そして子爵と言えば下から数えた方が早いのだから、下手な態度を取れば身を滅ぼしますよと、お母様が口を酸っぱくして言っていた。
「私はブルツェンスカ侯爵家の令嬢ベルティルデよ」
「初めましてベルティルデ様、わたしはバウムガルテン子爵家のクリスタです」
「知ってるわ」
そりゃそうだよね、さっき国王陛下から紹介されたもん。
自己紹介を終えてから、ベルティルデはわたしの顔を見つめたまま無言。流石に耐え切れずに今度はわたしの方から声を掛けることにする。
「なにか?」
「そんな風であなた、よく伯母様の許可を貰えたわね」
「叔母様と言うのはもしや王妃様の事ですか?」
最近聞いた似たような台詞にそんな不意打ちがあったよね……
しかしわたしの問い掛けは無視されて、
「ねえなんで敬語なの」
不満そうに口を尖らせつつギロッと睨まれた。
「子爵令嬢が侯爵家のご令嬢に敬語を使うのは当たり前の事ですわ」
「何言ってるのよ貴女は未来の公爵夫人でしょうが!」
顔が間近に迫ってきてクワッと目を見開いてすごい剣幕で叱られた。
結婚すればそうだけど今は違うよね~とはこの剣幕の中では言えそうもない。
「ではどうすれば?」
「そうね、お互い敬語は止めましょう」
「ベルティルデ様がそれで良いのなら」
「ベルでいいわ」
「えっ?」
「私の愛称よ。その代り私もあなたをクリスタと呼ぶ、いいわね」
質問疑問ではなくて命令や確定と言った言い方だ。
「はい解りましたベル」
「敬語は無し!」
「判ったわベル」
「よろしい」
そう言ってニコッと笑うベルは、黙っていればさぞかしモテるだろうな~と思えるほどの美少女だった。
で、この子誰?
やっぱり王妃様絡みですかね……
どうやらわたしがお部屋を飛び出した辺りで始まっていた様だが、誰も王妃様を急かすことなんてなかったから気付きもしなかったよ。
わたしの無欲っぷりに二人が談笑しているのを聞き続け、いい加減に恥ずかしさに堪えかねた所で、「夜会はまだなんですか?」と聞いてみれば、「もうとっくに始まっているぞ」と言いだしたのはシリルだ。
「あらそうね、そろそろ行きましょうか」
王妃様が立ち上がり、シリルは王妃様をエスコートする為に腕を貸す。
どうやらわたしは一人で歩くらしい。
相手は王妃様だから別に不満はないけど、ヒールが高いから不安はあるよ!
二人の後に続いてよく判らないまま廊下を歩いた。
来た時とは違う道を通り、とても大きなドアの前にたどり着いた。
「クリスタはここで少し待っていてくれ」
そう言い残して、シリルは王妃様と扉の向こうへ消えて行った。
見知らぬ廊下に一人残されて肌寒いように感じて少し震える。いやドアの前に使用人はいるけどさ、そう言う意味じゃなくてね。
ほんの五分ほど、先ほどのドアからシリルが帰って来た。ほっと安堵の息を吐く。
不思議なことに先ほど感じていた肌寒さは無くなった。
「では行こうか」
シリルの腕を借りてドアを抜けた。
夜会に参加していた貴族らがわたしとシリルを見上げていた。それでここが会場の数段高い位置だと知れて、場違いなことこの上ないなと苦笑を漏らす。
ここは借金に困る貧乏貴族が立てる場所ではないよ。
シリルに促されて生まれて初めて見た国王陛下にご挨拶。
まさか驚きの同じ段だよ!
挨拶を聞き、王妃から耳打ちをされた陛下は立ち上がり、そして声高らかに、
「本日は皆に喜ばしい報告がある!
我が甥、バイルシュミット公爵の婚約者クリスタ嬢を皆に紹介しよう」
するとわぁ~と会場から拍手が上がる。
何処からか万歳の声も聞こえ始めた。
ど、どうすれば!?
「軽く一礼して後は胸を張っていろ」
隣のシリルからそんな助言を貰ったので精一杯、胸を張ったさ!
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人心地ついたのでまずはシリルに文句だ。
「王妃様や国王陛下にお会いするのなら事前に仰って頂かないと困ります」
「それにしては随分と堂々としていたと思ったが」とシリルはくくくと嗤った。
「そもそも最初に提案された偽の婚約者だった場合は、いったいどうなさるおつもりだったのですか?」
「ああその場合は当然挨拶などしないさ。
本当に婚約したからこそこんな大事になってしまった。それについては悪かったと思っている」
おや素直に謝ったぞ?
そう言われてしまうとわたしもすっかり毒気が抜けて、これ以上言うつもりは失せてしまった。
段を降りて少しの話をした後はシリルにピッタリくっ付いて見知らぬ貴族の方々に挨拶をする。公爵と言えば爵位はトップ、挨拶はあちらからするのが常識で、気付けば長い列ができていて困った。
ちなみに挨拶してくるのは伯爵以上の大貴族ばかり、なんとも恐れ多い事ですね……
貴族らはおめでとうを言うと、初対面のわたしに名を名乗って、今後もよろしくと言って去っていく。
しかし一部の貴族、つまり年の若いご令嬢を連れた貴族だが……
彼らは口ではお美しいだの、可憐だのと褒め言葉をくれるがその目は一切笑っていなかった。あわよくば我が娘が~と思っていた所を横から掻っ攫って行った子爵の小娘に笑顔を見せるわけない。
苦痛の時間が終わってやっと一息ついたとき、今度は若い男性貴族らがシリルを囲み始めた。シリルは「悪い」と言ってわたしから離れて行く。
シリルの横顔からはとても楽しそうな、子供の様な表情がチラリと見える。
なるほど~あれはたぶん悪友とか親友とか色々混ぜ混ぜの男の子あるあるのメンツだろう。と言うことは、しばらくは帰ってこないだろうな~と思いつつ、わたしはどうすべきか? と頭を悩ませる。
なにぶん夜会は初めてだ、ダンスは踊れないし何をするのが普通だろうか?
とりあえず考えたと言うか、思った事は、ヒールの高い靴で人の混み合っている場所に居るのはよろしくないと言うことだ。
まずは壁端に避難すべきよね。
わたしは貴族らの造る人壁を上手くすり抜けながら壁端を目指す。
何人かとすれ違って壁に向かっていた所、こちら向かってくるピンクのドレスの令嬢とすれ違い……
「キャッ」
可愛い悲鳴が聞こえた後に、パシャっと水が散る音が聞こえてきた。
男性貴族の「失礼」と言う声。
どうやら先ほどの令嬢と肩がぶつかったらしい。
混み合っている場所ではよくある光景だ。
唯一の問題は、わたしのスカートに令嬢が持っていたグラスの中身が掛かった事。
空色のドレスによりによって赤いワインのシミが広がった。
「ああっごめんなさい! なんてことを!」
ワインを掛けてしまった令嬢は慌てふためいて泣き始めた。
こういう時にすぐに泣けると言うのは羨ましい。泣いたらこれ以上責める訳にはいかない雰囲気になる。
泣かれてしまったし、一部始終を見ていたわたしはこれがワザとではない事は知っている。
夜会も初めてならば、こんな経験も初めてだから、ドレスを弁償しろと言うべきなのかは判らない。
しかしドレスと言うのはとても高価な品であるから、少なくともわたしがそれを言うことは無い。
「今日のわたしは運が悪かったみたいです。
だから貴女も気にしないで」
何度もぺこぺこと頭を下げて去っていくピンクの令嬢。
それを見送りながら、これで良かったのかはやっぱり判らないな~と呟いた。
謝罪した令嬢が消え去ろうと言う時、黒と青のドレスを着た令嬢が現れてその令嬢の腕を掴んだ。
「痛っ離してよ!」
「あんた、また!?
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であるなら止めない訳にはいかないなと、わたしは二人に歩み寄った。
「「あっ」」
二人は同時にわたしに気付き声を上げる。
「何かありましたか?」
「この子がクリスタ様のドレスを汚したのに逃げようとしてるの!」
「違うわ! あたしはちゃんと謝ったもの!」
「うん、ちゃんと謝って貰ったわ。だからもう良いの」
勝ち誇るピンクの令嬢と、信じられないと目を見開く青黒の令嬢。
「離して! あなたが無礼を働いたのは彼女に免じて許してあげるわ!」
腕を振り払ってピンクの令嬢は肩を怒らせて去って行った。とても先ほどまでしおらしく泣いていた令嬢には見えないけど、謝罪を受け取った後なので今さらだろう。
さて残ったのは青黒の令嬢だ。
「ちょっとこっちにいらっしゃい!」
彼女はキッとわたしを睨みつけると、手首を掴んで壁端の方へと歩いていく。
どこぞの誰かを思い出すかの様な強引さだ。
「い、痛いです。離してください!」
「うっさい!」
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これがちょっと? とカチンと来たけれど、相手の素性が分からないので文句を言うことも出来ず、不満げに睨む以外にやれることは無し。
例え公爵であるシリルの婚約者だろうが、わたしの身分は子爵令嬢でしかない。
そして子爵と言えば下から数えた方が早いのだから、下手な態度を取れば身を滅ぼしますよと、お母様が口を酸っぱくして言っていた。
「私はブルツェンスカ侯爵家の令嬢ベルティルデよ」
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「知ってるわ」
そりゃそうだよね、さっき国王陛下から紹介されたもん。
自己紹介を終えてから、ベルティルデはわたしの顔を見つめたまま無言。流石に耐え切れずに今度はわたしの方から声を掛けることにする。
「なにか?」
「そんな風であなた、よく伯母様の許可を貰えたわね」
「叔母様と言うのはもしや王妃様の事ですか?」
最近聞いた似たような台詞にそんな不意打ちがあったよね……
しかしわたしの問い掛けは無視されて、
「ねえなんで敬語なの」
不満そうに口を尖らせつつギロッと睨まれた。
「子爵令嬢が侯爵家のご令嬢に敬語を使うのは当たり前の事ですわ」
「何言ってるのよ貴女は未来の公爵夫人でしょうが!」
顔が間近に迫ってきてクワッと目を見開いてすごい剣幕で叱られた。
結婚すればそうだけど今は違うよね~とはこの剣幕の中では言えそうもない。
「ではどうすれば?」
「そうね、お互い敬語は止めましょう」
「ベルティルデ様がそれで良いのなら」
「ベルでいいわ」
「えっ?」
「私の愛称よ。その代り私もあなたをクリスタと呼ぶ、いいわね」
質問疑問ではなくて命令や確定と言った言い方だ。
「はい解りましたベル」
「敬語は無し!」
「判ったわベル」
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