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幕間 ドキッとくる夏休み! パラソル下で磯を味わいましょう♪
07. 長閑なバカンスをありがとう。また次の休暇まで、お元気で!
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翌朝。ついに休暇三日目。
バカンス最終日。焼いた食パンにバター、スクランブルエッグにソーセージ、サラダにコーンスープ、そしてコーヒーというブレックファーストを味わい、帰りの荷物をまとめ、チェックアウト前に憩いのホールで三人合流する。
ミントもあれから、何事もなかったかのように朝は平然としているので、クミンはもといバンブーがこのあと衝撃的な内容を告げられるとは、まったく予想していなかった。
ちなみに朝はフロントを交代して、美紀が一人、レセプションに立っている。問題のツバサ本人は、おそらく裏で休憩中か、ミントたちを恐れ身を隠しているか…
「Oh shit, ツバサくん何やってるノ!? それ、ダメなことヨ。ワタシすごい悲しい」
「ん… バンブーにそのまま伝えていいのか、俺もあの後ずっと考えたよ。きっと、バンブーがこのホテルへ招待した事を、後悔するんじゃないかって」
「ノーノ―ノー、そんなのありえナイ。ここ、すっごい良いトコ、ホテル全然わるくナイ。ありがとうしゃちょー、ワタシ、あとでツバサくんに注意スル」
バンブーが、そういって少し視線を鋭くしている姿を見て、ミントは僅かに安堵した。
いくらツバサに非があるとはいえ、その人と仲が良いバンブーに事の顛末を伝えるのは、やはり勇気がいるし心が痛む。でも、バンブーはそこまで弱い男ではなかった。相手を大切に思っているからこそ、しっかり怒れるのだろう意思を感じられたのだ。
その様子を見ていたクミンも、困り笑顔でふっと肩を落とし、昨夜からの不安は大分ぬぐえた様子。そんな会話をしながら、一同はチェックアウトをお願いした。
「当館をご利用いただき、ありがとうございました」
チェックアウトの処理が完了し、美紀の丁寧かつ抑揚のある接客が、落ち着いた雰囲気を醸し出す。その様子からして、夕べあった出来事を彼女は知らないようだ。
クミンとバンブーが先に支払い分をミントに渡し、レンタカーへ荷物を運んでいる間、領収書が発行されるまでの待ち時間に、ミントが少し踏み入るようにしてこうきいた。
「本当に長閑な場所で、お陰でゆっくり過ごせたよ。こちらこそありがとう」
「どういたしまして」
「美紀さんも、この土地での生活が楽しくて仕方がないんじゃないか? 顔にでてる」
「えへへ、そうですか? もちろん。プライベートな話になっちゃうんですけど、ここでの暮らしは長閑で最高ですよ。最近飼い始めた猫ちゃんと二人で、のんびりやってますので」
「そうか… て、ん? 二人? 旦那さんと、ではなく??」
ミントは、その違和感にすぐ気づいた。
犬や猫と一緒に暮らすさい、そんな彼らペットと世帯主の自分をひっくるめて「二人」と呼ぶこと自体は、さほどおかしい事でもない。だが配偶者がいる状態で、ペットと「二人」で暮らしているという表現は、少しおかしい気がした。
美紀が、その質問の意図を察したのか、とたんに困り笑顔になってこういう。
「あー。そういえば、言っていなかったですよね。私、実はあの退職後に結婚が破談になって、今も独身なんですよ」
「えっ!?」
「はい。あれだけ、退職祝いをさせて頂いたのに本当にごめんなさい。実はあの後、挙式二日前にして、彼氏の浮気が発覚しまして」
「…そうだったんだ」
初めて知った事実だ。ミントは動揺した。
美紀がここへ引っ越した理由は、新婚だから記念に新居を―― という、決して華やかなものではなかったのだ。彼は悲しげな表情を浮かべながら、更にこう質問をした。
「てっきり、結婚を機にこの地へ引っ越したのかと」
「ううん。結婚が破談になり、彼と別れた後も、実は彼のご両親がかなり厄介な方達でして。私の親とのコネを狙ってか『それでも息子を許してちょうだい!』って、前に住んでいた家にまで押しかけてきたものだから、逃げる様にこっちへ…」
「なるほどな。ここへ引っ越すまで、さぞ大変だったんじゃないか? 相手に裏切られ、住み慣れた土地を離れる決心までして、こんなの相当な覚悟がなきゃ出来ないだろう?」
「まぁ。でも、今は本当に大丈夫です。すぐに浮気に気づけたから、ギリギリ戸籍にバツがつく事なく済んだわけだし、ここへ引っ越してからはもう、その一家に追いかけられる事はなくなりましたので!」
そういって、美紀はレンタル彼女時代のような、ニカッと明るい笑顔になった。
ミントはそんな美紀の姿を見て、少しだけ、心のわだかまりが解けたというか。
本人は、あの時と同じ元気を見せてくれた。それだけで凄く安心したのだ。その間に領収書が発行されたので、ミントはそれを美紀から受け取った最後にこういう。
「それじゃあ。この新しい土地でもお元気で」
ミントはレセプションから背を向け、今度こそ美紀との別れを惜しんだ。
美紀は礼儀に則った作法で、ミント達を見送る。
美紀が最後に見せた笑顔は、とても眩しかった。
――――――――――
「そうだったの!? 美紀さん、大変な思いをしたんだね~。でも、元気そうでよかった」
あのあと、全員の荷物を積んだレンタカーのエンジンを動かすと、駐車スペースからゆっくり走り始めた。
美紀がホテルの出入口へ立って、ミント達の帰りを見送る姿がバックミラーに写る刹那、クミンがため息交じりに続けてこうきく。
「その感じ、ツバサくんの件は伝えてなさそうだけど。この後、東京に帰ったら本当に録音したものを法廷に…」
「あー。実はあれ、ハッタリなんだ」
「…えぇ!? じゃあ、どうしてあんな事を!?」
「だってああでも言わなきゃ、また悪さするかもしれないだろう? あれは咄嗟の判断だ。だから訴える事もしない。彼にはあのまま、不安な日々を過ごさせた方がいい薬になる」
「OMG… ワタシ何もシラナイ。もう、何もワカラナイことスル」
バンブーが首を横に振りながらそういうと、ミント達は揃ってくすっと笑みを浮かべた。
ながら、彼らを乗せたレンタカーはホテル駐車場の敷地内を、遂に出たのだが――
「?」
行きの時と同じ、後部座席に座っているクミンが、ある目線の先の展開に気づいた。
自分たちの車を見送っていた美紀の元へ突如、ツバサが、神妙な面持ちでかけつけてきたのだ。彼は美紀に、何か話しかけているように見える。
クミンは自身が寄りかかっている車窓越し、見えなくなるまでその様子を見続けた。
ツバサが、美紀と向かい合って何かを言いながら、きゅっと瞼を閉じた顔で頭を下げる。
美紀は少しばかり驚いた表情で、ツバサのその深い一礼を見つめた。
あの感じ、もしかしてツバサから美紀への告白か? と、クミンは最初は思った。
だが実際のところは、わからない。まず美紀の返事がどんな感じなのか見る前に、レンタカーがホテルから離れていくにつれて見えなくなったからであり、まず告白かどうかさえ分からないためだ。
あとはどうなるのか、今後の二人次第なのだろう。この後は、想像にお任せとなった。
クミンは残念そうな笑顔で、肩を落としながら呟いた。
「あの子なら、きっとどんな困難も乗り越えられる。そんな芯の強さを感じたよね」
彼らの夏季休暇は、今日で終わりだ。
明日からは通常通り、合同会社オレガノの営業が再開される。それに向けて、彼らは東京へ戻ったら今夜、このまま明日に向けて早めに体を休めることを考えていた。
陽の光に反射し、白く輝く海の泡。
そんな絶好のロケーションと、別れを告げたのである。
(幕間 完)
バカンス最終日。焼いた食パンにバター、スクランブルエッグにソーセージ、サラダにコーンスープ、そしてコーヒーというブレックファーストを味わい、帰りの荷物をまとめ、チェックアウト前に憩いのホールで三人合流する。
ミントもあれから、何事もなかったかのように朝は平然としているので、クミンはもといバンブーがこのあと衝撃的な内容を告げられるとは、まったく予想していなかった。
ちなみに朝はフロントを交代して、美紀が一人、レセプションに立っている。問題のツバサ本人は、おそらく裏で休憩中か、ミントたちを恐れ身を隠しているか…
「Oh shit, ツバサくん何やってるノ!? それ、ダメなことヨ。ワタシすごい悲しい」
「ん… バンブーにそのまま伝えていいのか、俺もあの後ずっと考えたよ。きっと、バンブーがこのホテルへ招待した事を、後悔するんじゃないかって」
「ノーノ―ノー、そんなのありえナイ。ここ、すっごい良いトコ、ホテル全然わるくナイ。ありがとうしゃちょー、ワタシ、あとでツバサくんに注意スル」
バンブーが、そういって少し視線を鋭くしている姿を見て、ミントは僅かに安堵した。
いくらツバサに非があるとはいえ、その人と仲が良いバンブーに事の顛末を伝えるのは、やはり勇気がいるし心が痛む。でも、バンブーはそこまで弱い男ではなかった。相手を大切に思っているからこそ、しっかり怒れるのだろう意思を感じられたのだ。
その様子を見ていたクミンも、困り笑顔でふっと肩を落とし、昨夜からの不安は大分ぬぐえた様子。そんな会話をしながら、一同はチェックアウトをお願いした。
「当館をご利用いただき、ありがとうございました」
チェックアウトの処理が完了し、美紀の丁寧かつ抑揚のある接客が、落ち着いた雰囲気を醸し出す。その様子からして、夕べあった出来事を彼女は知らないようだ。
クミンとバンブーが先に支払い分をミントに渡し、レンタカーへ荷物を運んでいる間、領収書が発行されるまでの待ち時間に、ミントが少し踏み入るようにしてこうきいた。
「本当に長閑な場所で、お陰でゆっくり過ごせたよ。こちらこそありがとう」
「どういたしまして」
「美紀さんも、この土地での生活が楽しくて仕方がないんじゃないか? 顔にでてる」
「えへへ、そうですか? もちろん。プライベートな話になっちゃうんですけど、ここでの暮らしは長閑で最高ですよ。最近飼い始めた猫ちゃんと二人で、のんびりやってますので」
「そうか… て、ん? 二人? 旦那さんと、ではなく??」
ミントは、その違和感にすぐ気づいた。
犬や猫と一緒に暮らすさい、そんな彼らペットと世帯主の自分をひっくるめて「二人」と呼ぶこと自体は、さほどおかしい事でもない。だが配偶者がいる状態で、ペットと「二人」で暮らしているという表現は、少しおかしい気がした。
美紀が、その質問の意図を察したのか、とたんに困り笑顔になってこういう。
「あー。そういえば、言っていなかったですよね。私、実はあの退職後に結婚が破談になって、今も独身なんですよ」
「えっ!?」
「はい。あれだけ、退職祝いをさせて頂いたのに本当にごめんなさい。実はあの後、挙式二日前にして、彼氏の浮気が発覚しまして」
「…そうだったんだ」
初めて知った事実だ。ミントは動揺した。
美紀がここへ引っ越した理由は、新婚だから記念に新居を―― という、決して華やかなものではなかったのだ。彼は悲しげな表情を浮かべながら、更にこう質問をした。
「てっきり、結婚を機にこの地へ引っ越したのかと」
「ううん。結婚が破談になり、彼と別れた後も、実は彼のご両親がかなり厄介な方達でして。私の親とのコネを狙ってか『それでも息子を許してちょうだい!』って、前に住んでいた家にまで押しかけてきたものだから、逃げる様にこっちへ…」
「なるほどな。ここへ引っ越すまで、さぞ大変だったんじゃないか? 相手に裏切られ、住み慣れた土地を離れる決心までして、こんなの相当な覚悟がなきゃ出来ないだろう?」
「まぁ。でも、今は本当に大丈夫です。すぐに浮気に気づけたから、ギリギリ戸籍にバツがつく事なく済んだわけだし、ここへ引っ越してからはもう、その一家に追いかけられる事はなくなりましたので!」
そういって、美紀はレンタル彼女時代のような、ニカッと明るい笑顔になった。
ミントはそんな美紀の姿を見て、少しだけ、心のわだかまりが解けたというか。
本人は、あの時と同じ元気を見せてくれた。それだけで凄く安心したのだ。その間に領収書が発行されたので、ミントはそれを美紀から受け取った最後にこういう。
「それじゃあ。この新しい土地でもお元気で」
ミントはレセプションから背を向け、今度こそ美紀との別れを惜しんだ。
美紀は礼儀に則った作法で、ミント達を見送る。
美紀が最後に見せた笑顔は、とても眩しかった。
――――――――――
「そうだったの!? 美紀さん、大変な思いをしたんだね~。でも、元気そうでよかった」
あのあと、全員の荷物を積んだレンタカーのエンジンを動かすと、駐車スペースからゆっくり走り始めた。
美紀がホテルの出入口へ立って、ミント達の帰りを見送る姿がバックミラーに写る刹那、クミンがため息交じりに続けてこうきく。
「その感じ、ツバサくんの件は伝えてなさそうだけど。この後、東京に帰ったら本当に録音したものを法廷に…」
「あー。実はあれ、ハッタリなんだ」
「…えぇ!? じゃあ、どうしてあんな事を!?」
「だってああでも言わなきゃ、また悪さするかもしれないだろう? あれは咄嗟の判断だ。だから訴える事もしない。彼にはあのまま、不安な日々を過ごさせた方がいい薬になる」
「OMG… ワタシ何もシラナイ。もう、何もワカラナイことスル」
バンブーが首を横に振りながらそういうと、ミント達は揃ってくすっと笑みを浮かべた。
ながら、彼らを乗せたレンタカーはホテル駐車場の敷地内を、遂に出たのだが――
「?」
行きの時と同じ、後部座席に座っているクミンが、ある目線の先の展開に気づいた。
自分たちの車を見送っていた美紀の元へ突如、ツバサが、神妙な面持ちでかけつけてきたのだ。彼は美紀に、何か話しかけているように見える。
クミンは自身が寄りかかっている車窓越し、見えなくなるまでその様子を見続けた。
ツバサが、美紀と向かい合って何かを言いながら、きゅっと瞼を閉じた顔で頭を下げる。
美紀は少しばかり驚いた表情で、ツバサのその深い一礼を見つめた。
あの感じ、もしかしてツバサから美紀への告白か? と、クミンは最初は思った。
だが実際のところは、わからない。まず美紀の返事がどんな感じなのか見る前に、レンタカーがホテルから離れていくにつれて見えなくなったからであり、まず告白かどうかさえ分からないためだ。
あとはどうなるのか、今後の二人次第なのだろう。この後は、想像にお任せとなった。
クミンは残念そうな笑顔で、肩を落としながら呟いた。
「あの子なら、きっとどんな困難も乗り越えられる。そんな芯の強さを感じたよね」
彼らの夏季休暇は、今日で終わりだ。
明日からは通常通り、合同会社オレガノの営業が再開される。それに向けて、彼らは東京へ戻ったら今夜、このまま明日に向けて早めに体を休めることを考えていた。
陽の光に反射し、白く輝く海の泡。
そんな絶好のロケーションと、別れを告げたのである。
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幕間完結おめでとうございます!🎉✨️
今回も美味しい料理とミステリーを、楽しませて頂きました♡
元同僚の彼女が見せた、明るい笑顔が心に残る……最高のサマーバケーションでした♪
幕間完結祝い、ありがとうございます🐠⛱️❣️
いつもと少し路線が違うだけあって、旅も飯テロも、なるべく夏の雰囲気に合うエピソードに仕上げました☀️
元レンタル彼女の、ポジティブな笑顔が救いになったかと思います。
こちらこそ拝読ありがとうございました!
第3章完結おめでとうございます🎉
リンゴジュースとハーブ、美味しそうです😋✨
激ヤバストーカー許すまじでしたが、ミントさんのお陰で訴えられて良かったですε-(´∀`;)ホッ
何より、バンブーが大活躍で嬉しいです😁👍
すっきりざまぁ、ありがとうございました‼️
卯崎瑛珠様、コメントありがとうございます🌿!
実際に料理レシピをネット上で見かけバズっていたので、そこに本作流のアレンジを加えました🍎。暑い夏にピッタリの作風に仕上がったかと思います。
第3章は終始ヤベー男が出てきてハラハラだったかと思いますが、最後にざまぁ食らわしてやりましたよ(笑)。
次はもっと優しくほっこり出来る展開が描けるよう、頑張ります💪✨
第3章完結おめでとうございます✨
激ヤバ男な上に激ヤバストーカーだった……!
その歪んだ執念にゾゾゾッとしたところを爽やかなハーブ入りリンゴジュースが押し流してくれて、読後感もさっぱり爽快!
また良いレシピを知れて得した気分です(*´ω`*)
貴葵音々子様、コメントありがとうございます!
レンタル彼女がヤベー男につけ狙われ、会社もろともピンチの回でしたが、最後はざまぁ展開からのりんごジュースでスッキリ✨の回でした(笑)
次回からは夏休みで、幕間となりますが、また手軽なレシピを提供できたらと思いますので、よろしくお願い致します(*ᴗ͈ˬᴗ͈)"