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プロローグ
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私立ヒナゲシ学園にはとある噂がある。学園の東棟2階、中等部生徒会室の横にある第2資料室には探偵がいるというのだ。どんな依頼でもたちまち解決してくれるらしい。だから困ったことがあれば頼るといいと。でも相談するには一つだけ条件がある。それは「依頼人は無垢な人間でなくてはならない」ということ──。
今日も今日とて、第2資料室の扉がノックされる。「どうぞ」と返事が聞こえてくれば探偵のいる証。依頼人が扉を開ければ、中には一人の少女がいた。
「いらっしゃいませ。何かお困りごとですか?」
そう言ってにこりと笑ったのは、とても小柄な女の子だった。落ち着いた話し方はいかにも探偵のようであり、豊かなブロンドの巻き髪はまるでお姫様のようであり、顔の半分ほどもある大きなメガネは怪しげな研究者のようであった。なんともちぐはぐな彼女の姿に、依頼人は目を白黒させた。
「でも心配しないでください。この『ユーコちゃん』と『めてお』に任せてくれれば、なんでもお見通しですから」
ほら、と言って彼女は持っていたカードをぱっとばらまく。星のまたたくきれいな紺色のカードたちがカーペットの上に落ちていく。表も裏も、上下左右もばらばらになったカードの中から、彼女は表になった一枚──「運命の輪」のカード──を拾い上げた。
「あなたがここに来たことは正しかったと、カードも言っています。さあさあ、ここに座ってください。お悩み聞きますよ」
少女がにこにことパイプ椅子をすすめる。依頼人である彼女は、意を決して「あの」と口を開いた。
「そのタロットカードの占い方……間違ってるよね?」
メガネの向こう側で大きな瞳が見開かれた。二人とも黙ったまま、時計の針だけが進む。やがて少女はため息をついてカードと彼女を見比べた。
「……バレちゃいました?」
そう言って少女は肩をすくめた。
今日も今日とて、第2資料室の扉がノックされる。「どうぞ」と返事が聞こえてくれば探偵のいる証。依頼人が扉を開ければ、中には一人の少女がいた。
「いらっしゃいませ。何かお困りごとですか?」
そう言ってにこりと笑ったのは、とても小柄な女の子だった。落ち着いた話し方はいかにも探偵のようであり、豊かなブロンドの巻き髪はまるでお姫様のようであり、顔の半分ほどもある大きなメガネは怪しげな研究者のようであった。なんともちぐはぐな彼女の姿に、依頼人は目を白黒させた。
「でも心配しないでください。この『ユーコちゃん』と『めてお』に任せてくれれば、なんでもお見通しですから」
ほら、と言って彼女は持っていたカードをぱっとばらまく。星のまたたくきれいな紺色のカードたちがカーペットの上に落ちていく。表も裏も、上下左右もばらばらになったカードの中から、彼女は表になった一枚──「運命の輪」のカード──を拾い上げた。
「あなたがここに来たことは正しかったと、カードも言っています。さあさあ、ここに座ってください。お悩み聞きますよ」
少女がにこにことパイプ椅子をすすめる。依頼人である彼女は、意を決して「あの」と口を開いた。
「そのタロットカードの占い方……間違ってるよね?」
メガネの向こう側で大きな瞳が見開かれた。二人とも黙ったまま、時計の針だけが進む。やがて少女はため息をついてカードと彼女を見比べた。
「……バレちゃいました?」
そう言って少女は肩をすくめた。
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