占い探偵 ユーコちゃん!

サツキユキオ

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 リョウがシャープペンシルを最後に見たのは4時間目の生物の授業だ。A組と合同、理科室での授業だった。班はそれぞれのクラスから二人ずつ、四人一組となっている。
「そこで同じ班になった人たちに話を聞いていきたいと思います!」
 ユーコは意気揚々と歩き出した。リョウも戸惑いがちにそれに続く。
「それでシャーペンが見つかるの?」
「はい、『めてお』の占いによれば今回の件は『人』が重要な要素になってきます。なので聞き込みに行きますよ!」
「みんなまだ教室にいるといいけど」
 リョウは不安な面持ちでまずはB組に向かった。
 目的の人物はすぐに見つかった。髪を一つにまとめた、ひときわ背の高い女の子が黒板をきれいに掃除している。クラスメイトの織部キコおりべきこだ。彼女はユーコを見るや否や目を輝かせた。
「かわいい! その子誰?」
「初めまして! リョウちゃんのシャープペンシルを探しに来た探偵のユーコです!」
 キコはさっそくユーコを撫でまわした。ユーコもまんざらではないようで、されるがままである。仕方がないので代わりにリョウが「4時間目のことなんだけど」と切り出した。
「理科室でシャーペンなくしたみたいで。何か気づいたことないかなって聞きに来たんだ」
「シャーペンって、いつも使ってる水色の?」
 うん、と頷けばキコはユーコを抱きしめたまま考えるように視線を動かす。
「4時間目になくなったの?」
「多分ね。5時間目に使おうと思ったら筆箱に入ってなかったから。昼休みも使った覚えはないし、だったら理科室で落としたかもって」
 するとキコは「うーん」と唸って目をきょろきょろとさせる。
「リョウちゃん、いつもあのシャーペン使ってたもんね」
「使いやすいから」
「無くなったのはシャーペンだけなんだよね?」
「うん」
「じゃあ、筆箱に別のペンは入ってなかった?」
「別のペン?」
 リョウは首をかしげた。「いや、入ってなかったけど……」と答えればキコはすぐに「そっか! じゃあ別にいいの!」と言った。
「それなら本当に落としちゃったのかもね。落とし物箱は見たの?」
「ちゃんと見てきましたよ! でも入ってませんでした」
 学園の落とし物を一時保管するための場所、通称落とし物箱は各階に設置されている。念のため教室に来る前に全ての階を二人で見て回ったがリョウのシャープペンシルは無かった。さらに理科室の先生にも尋ねてみたものの、こちらもやはりそれらしい落とし物は見ていないという。
「キコちゃん、授業中でも授業の後でも何か変わったことはありませんでしたか? ペンに関係することじゃなくていいんですけど」
 するとキコは「うーん」と困ったような声を上げてユーコの頭に頬ずりした。
「授業中は何もなかったし、終わった後も用事があったからすぐに理科室出ちゃったんだよね」
「昼休みに部活の集まりがあるって言ってたもんね」
「そうなの。お役に立てなくてごめんね」
 そう言ってキコはユーコのふわふわとした髪の毛を編み始めた。
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