指弾だけで無双ってできますか?いや、できたわ

珀弼

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08 対策会議

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 ウルティへ戻ると、エインや他の冒険者達が迎えに来てくれた。
 「コウさん!!」
 「おお、エイン。心配させたな」
 「もうっ!心配どころじゃないですよ!コウさんの邪魔にならないように戻りはしませんでしたけど・・・」
 「ありがとうな」
 ぽんっとエインの頭を撫でてやる。
 ・・・そういや、妹がいたんだよな。
 はるか──
 
 両親共々忙しく、俺や遥に時間をかける暇も無かった。
 遥はかなりの重度のブラコンだった。
 俺が居ないと何もできないってわけではないが、不祥事が起こりやすくなる。
 俺が一人暮らしをしている時も度々遊びに来ていた程。
 誰も知られていない場所だと言うのに・・・。
 どうやって探し出したのかを聞いても、はぐらかされる。
 今思うと、少し怖いな。
 遥、大丈夫かな。大丈夫じゃない気がする。

 「・・・さん」
 「コウさん?大丈夫ですか?」
 おっと、少し思い出にふけってしまったようだ。
 「ああ、何でもない。ちょっと昔のことを思い出しただけだ」
 いかんいかん、俺は今異世界に居るんだ。遥の事は一旦忘れよう。
 「あ、コウさん、これからコウさんが持ってきた魔石や、魔族に対しての会議を行うそうです。コウさんも呼ばれていますよ」
 「そうか。案内頼む」
 「了解です!」

 エインに案内されて会議室のような所にたどり着いた。
 他の人達はもう既に居るようだ。
 「じゃあ私は外で待っていますから」
 「ああ、行ってくる」
 と言っても会議なんだけど・・・
 部屋に入るとラウィスさんを含め、六人のギルドマスターがいた。
 それぞれ二つ名があるようで、エインから聞いた話によると六人衆として
 
 一人目 冒険者ギルド統括マスター 
 古代土魔法の使い手マッド・サイエンティスト
 ラウィス・シルヴェリエ

 二人目 剣士ギルド統括マスター
 ウルティ1の脳筋戦士スピールウォーリアー
 フェヒター・マキシマム

 三人目 魔道士ギルド統括マスター
 幻想の支配者ファントム・ドミネーター
 ウィーズリー・マグナス

 四人目 職人系ギルド統括マスター
 無限の創作者オール・クリエイター
 ヴェルカー・シャッフェン

 五人目 鍛冶ギルド統括マスター
 最高の鍛冶職人シュペルブ・スミス
 フォルジュ・シュミート

 六人目 食料生産ギルド統括マスター
 植物に好かれた女神ホーラ・オルトシア
 エピナ・ペルーサ

 以上の者がいるようだ。
 しかし、誰だ二つ名を付けたやつは。
 まあ、見た目と間違ってない事は認めるが。
 ラウィスさんは土魔法の中でも希少な古代魔法の使い手だったのか。よく分かっていないが。
 それぞれ、違う言語で表されているのだが、ちゃんとこの世界でも適応されているとは驚きだな。
 それは置いといて、今ここで話されている内容はエインが言っていたが、俺が持ってきた黒い魔石と魔族についてだ。
 過去、100年ほど前に人間と魔族で抗争があったらしい。近年は協定を結んでいたようだが、新しい魔王が誕生したせいで協定を破棄するだとか。
 そんなこんなで、もしかしたら近々魔族の軍勢が攻めてくると言うらしい。
 というか、俺この世界のこと全然知らないんだが。この場にいても良いのだろうか。
 居なくてもいいんじゃないか?
 俺は気配を消して会議部屋を出ようとすると
 「コウ?どうかしたのか?」
 なっ!?気配を消したと思ってたんだが。
 流石ギルドマスターと言ったところか。
 どうしようか、本心を言ってもいいかな。言ってもいいよな。
 「俺、この場にいる意味あります?」
 「んー、無いかな」
 そう答えたのは、剣士ギルドのフェヒターだった。
 ないんかい。
 「いやいや、コウくん!居る必要ある···と思うから一応居てもらっていい?」
 「どっちですか?」
 「正直言うと私は居なくてもいいと思うのだが」
 「ちょっと!?ウィーズリー?」
 ウィーズリーと呼ばれる者は濃い青色のローブをまとった真面目そうな男だった。
 「じゃ、休息がてら街を探索してきます」
 「ちょっとちょっとコウくん!?」
 ラウィスさんが引き止めてくれるのは有り難いが、暇なんでね。去ります。

 ◇◆◇◆◇

 扉を開けて外を出るとエインが待っていた。
 「あれ?もう終わったんですか?」
 「いや、終わってないが暇になったから出てきた」
 「えっ······、ええ!?」
 「だからちょっと街を散策する事にした」
 「ええ······」
 あ、そうだ結局ギルド行ってランク上げてもらわないと。
 「ランク上げてもらう為にちょっとギルド行くわ」
 「あ、その必要は有りませんよ」
 「ん?なんでだ?」
 「だって、コウさんすでにSランク超えているじゃないですか。Sランク超えていたらギルドへの報告はそんなに多くなくて良いんですよ。むしろ、少ないのが普通です」
 「そんなもんか」
 「そんなもんです」
 「じゃ、ちょっと森行ってくる」
 「なんでですか?あ、鍛練ですか?」
 「分かってるじゃないか。じゃあまた後でな。会議の内容はまた後で教えてくれ」
 「分かりました」
 よーし、より素早く対応出来るように練習すっか。
 そうして煌は昼の森へと向かっていった。
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