蹴りスキルと投擲スキルで異世界無双

珀弼

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第一章 異世界転生

17 リンvsフィーアート そして終戦

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    さあてザードと同タイミングで戦場に駆け出したリンたちブルクハルト部隊!
    炎を操る相手の魔導師が迎え撃つ。見たところ男っぽいな。魔導師というか半分魔導騎士っぽい見た目。かっこええ。騎士と言う割には剣じゃなくてレイピア系なのか?
    というか、副将同士の対決だとは思って適当に采配したけど、男vs女に綺麗に分かれたよなあ。副将対決はザードの方が先に決着がついて居たからこっちに少し集中できそうだな。
    っと、ボルデガンとの対決中だってことを忘れてた。まあ、チラ見時間は思考加速で見てるから余裕なんだけどね。

    ◆◇◆◇◆

    【リン視点】
    さてと、ようやく儂の力が試せる時がきたようじゃな。相手は魔導騎士か、ハヤテよ、中々に厄介な相手をさせられるというものじゃのう。戦いながら聞いておるのじゃろう?
    『え、バレてるの?』
    無論、お主の魂に住んでるんじゃから当たり前じゃ。お主はお主の相手をしっかりとした方がよいのじゃないのか?
    『大丈夫大丈夫。3対1じゃないからいいの』
    余裕ならええのじゃな。ま、わしらには取るに足らない相手じゃからの。
    『リンこそ油断しちゃあかんよ。レイピアっぽいから詠唱諸々速いかもしれんし』
    ふむ、そうじゃな。助言しかと受け取っておこう。
    『じゃあ、ザードの方みたいに魂まで殺さないように頑張れ』
    うむ、了解じゃ。
    「皆の者、聞け。ハヤテからの助言より、儂があやつを相手することになった。皆は全ての自我のない・・・・・魔物を掃討せよ。自我があっても降伏しないやつは力を見せつけてやれ。掃討せよ」
    「「「「御意!」」」」
    「やれやれ、だいぶ甘く見られたようだな」
    「甘く見てはおらぬぞ、お主は相当の力を持っているからのう。相応の力で対抗せねばと思ったのじゃよ」
    「それならいいんだが、1人で俺の相手をするのか?」
    「そうじゃよ。お主ぐらい儂1人で十分じゃ」
    「そうそう、言い忘れてた。俺の名はフィーアート。フィーアート・バーノンだ。ボルデガン様の副将だ」
    「儂はハヤテの従者及び、ブルクハルトの族長、リンじゃ」
   「それじゃあ、その余裕崩させてもらうぜ『貫け』」

    フィーアートが言葉を発した瞬間、レイピアから棘状の炎がリンへと突き刺さる。
    しかし、リンは少し呟くと自信を守る球体状の障壁のようなものを張っていたことにより、棘は障壁に阻まれ弾かれていった。
    「!?なんだそれは?」
    「残念じゃったのう。こいつは魔法障壁。見たまんまじゃが、我らの部族に伝わる秘術じゃ。お主の無詠唱には驚いたが、それほどでもないのう」
    「…ふんッ、俺もお前を試していたが、試されていたのは俺の方だったか。面白い。本気を出すしかねえな」

    フィーアートに闘争心が着いたのか、体に炎を纏い始めた。その炎はみるみるうちに形を成していき、身体をまるまる覆う鎧へと変化した。
    「これが俺の本気だ。ボルデガン様にも匹敵するほどの力を持つ。『炎獄の鎧アグニ・フレイムアーマー』だ。触れるものを灰へと化す。俺の魔力が尽きるか、お前が尽きるか勝負だ!」

    フィーアートは駆け出しながら無詠唱で魔法を放ちながら、目にも留まらぬ速さで剣技を繰り出す。

    「ふむ。『水龍の牢獄』」
    「ふっ、こんなものッ!!」

    パキッ

    果たして折れたのは牢獄かレイピアか…。
    それは圧倒的な差だった。

    フィーアートの炎の纏ったレイピアが綺麗にまっぷたつに折れてしまい残っていたのは柄だけだった。
    「な、何故だ……。ミスリル製だぞ!壊れるなんて今までなかったのに!」
    「なら、それまでの強度だったということになるじゃろうな。ちなみに言えば儂の水龍の牢獄は強化されて、オリハルコンの硬ささえ凌駕しておるからのう。ミスリルなんて屁でもないわ」
    「な……、くそッ!」
    フィーアートが怒りに身を任せて牢獄の檻を殴ると、ジュッ……シュゥゥ……という音と共に身体を纏っていた炎の鎧は消火され消えてなくなってしまった。
    「どうじゃ?まだ続けるか?」
    「まだ、まだだ!リオートが!ボルデガン様がいるはず……え?リオート?ボルデガン様?」
    「む?ああ、ザードもハヤテも終わらせておったか。魔物も掃討が完了したらしいのう。で、どうするのじゃ?」
    「うわあああぁぁぁぁぁあああ!!」

    ドンッという音とともに空気が一変した。

    「なんじゃなんじゃ、狂いおったか」
    『リン?大丈夫か?』
    「一応大丈夫じゃが、どちらかといえばフィーアートとやらの方が大丈夫じゃなさそうじゃの」
    『多分だけど、ザードに惚れてるリオートとか、俺が倒したボルデガンを強く慕っていたからこそ、想いが爆発したんだろうな。魔力も暴走してるし、姿も若干変わってるし。止められるか?見ていて痛々しい』
    「ふん、誰に言っておる。ブルクハルトの長じゃぞ?止められるわ」
    『そうかあ。じゃあ、苦しまずに』
    「うむ」
    「『一瞬で』じゃろ?」
    『わかってんなら、ササッと仕事しんかい笑』

    リンに指示をしてたった数秒の事だった。
    「まずは魔力暴走を止めんとな。『掌握』」
    リンが呟くと彼女の周りの魔力が時が止まったかのように穏やかになった。フィーアートの暴走もピタッと静止した。まるで、スムーズな医師の手術のように見えた。
    「まだじゃぞ、『循環』、そして『霧散』」
    穏やかになった魔力はゆっくりと流れ始めフィーアートへと戻っていく。空中に余った魔力はきれいさっぱり彼方へと消えていった。
    そして『霧散』という言葉と共に彼の魂も何かからの呪縛から解き放たれたかのように俺の元へと飛んできた。
    『お前がハヤテか。俺は、俺は…2人が既に倒されてしまって逆境に陥ってしまい、遂には自我すら失いかけていた。ありがとう』
    「いやいや、確かにリンにやれって言ったのは俺だけど、俺は何もしてないよ。例を言うならあっちじゃないの?って言う前に」
    『ん?』
    「リオートとボルデガンは倒したには倒した。けどこの世に居ない訳では無い。どういうことかさっぱりだろうな。まあ、はっきり言うと、俺の魂へと取り込むことによって俺の中で『住む』ってことになるんだ。つまり、俺が生きている限り、お前たちは生き続けるってこと」
    『そんなことが…可能なのか…?』
    「今んとこはな。リンやザード、そしてリオートとボルデガンを見てみろ。名付けを上書きすることで新たに身体を手に入れることができるんだ。どうする?」
    『俺は……俺もお前に、ハヤテに忠誠を』
    「よし、ほんなら"フィーアート"だっけ?宜しくな!」
    そうして半透明の姿だったフィーアートは俺の魂へと取り込まれ、さらに身体を手に入れこの世に新たに生まれ変わった。
    「これが…俺の新たな人生…か。ハヤテ様、俺、精一杯尽くします」
    「おう。じゃあ、礼と再会をしてこい。待っているぞ」
    「ああ!」

    後にリンに聞いてみればフィーアートはリンのことを姉貴といって慕っているらしい。下心はないらしい。なんだかんだリンは優しいし姉貴肌なのかもね。
    「さあて、再会も済んだか?俺らは戻って報告に行かなきゃならねえ。リンとザードはもちろんのこと、ボルデガンとリオートとフィーアートも付いてきてもらう。色々話してもらわんとな。アダルガー部隊とサーチ含めたブルクハルト部隊はとりあえず戻ってくれ。色々落ち着いたらまた話すことにしよう。まあ、もしかしたらまた呼び出すことになるかもしれんから一応備えておいて。ここに…終戦を宣言する!!散会!!」
    そうして魔族との戦いは幕を閉じた。
    これからが始まりと言ってもいいだろう。
    ハヤテの『魂の繋がり』を中心に物語は加速していく。
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