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「……あの、閣下」
「なんだ」
「ペンを取っていただけますか? 私の右手の、わずか十センチ先にあるのですが」
「ダメだ。動くな」
宰相執務室。
いつものように書類の山と格闘……しようとしている私の手は、何者かによってガッチリとホールドされていた。
私の手を握っているのは、もちろんジークフリート宰相だ。
彼は自分の椅子を私の椅子の真横――というより、ほぼ密着する位置――に移動させ、私の左手を自分の左手で握りしめ、右手で私の業務を監視していた。
「手を伸ばすと筋肉に負荷がかかる。ペンが必要なら私が取る。ほら、はい」
彼は私の代わりにペンを取り、恭しく私の右手に握らせた。
「……ありがとうございます。では、インクを……」
「待て。インク瓶の蓋は重い。手首を痛める可能性がある」
彼は素早くインク瓶の蓋を開けた。
「……過保護が過ぎませんか?」
私がジト目で睨むと、ジークフリートは真顔で答えた。
「昨夜の件で、私は反省したのだ」
「反省?」
「君は危うく戦場へ飛び出すところだった。私が目を離した一瞬の隙にだ。……君は目を離すと死ぬ生き物(ハムスター)のように脆いと認識を改めた」
「誰がハムスターですか。私は戦車(タンク)並みの耐久力を誇る公爵令嬢ですよ」
「却下だ。君は綿菓子より繊細だ。……これからは、呼吸以外の全ての動作を私の許可制とする」
「呼吸以外!?」
私は愕然とした。
これが、昨夜の「スタンピード騒動」の後遺症だった。
あの時、私が現場へ行こうとしたことで、ジークフリートの精神(メンタル)に深刻なバグが発生したらしい。
その結果が、この異常なまでの「過保護モード」だ。
「さあ、仕事の続きだ。……おっと、ページをめくるのは私がやる。紙の端で指を切ったら大変だ」
ペラッ。
彼が私の目の前の書類をめくる。
「……閣下。これでは作業効率が五分の一以下です。私の時給に見合う成果が出せません」
「構わない。君が安全なら、国が滅びてもいい」
「極論はやめてください」
私はため息をつこうとしたが、それすらも「肺に負担がかかる」とか言われそうなので飲み込んだ。
周囲を見渡す。
執務室の文官たちは、私たちから目を逸らし、「壁のシミになりたい」というオーラを出しながら黙々と作業している。
唯一、部屋の隅で雑用(筋トレ)をしているレイナだけが、興奮した様子でこちらを凝視していた。
「ハァハァ……束縛プレイ……! 愛の重さが物理的な拘束力に変換されていますわ……! 閣下の前腕筋群の血管が、独占欲で浮き出ているのが最高です!」
(……あいつ、後でシメよう)
私は心に誓いつつ、現状の打開策を模索した。
「閣下。そろそろ休憩にしませんか? 一五時です」
「そうだな。糖分補給が必要だ」
ジークフリートはパチンと指を鳴らした。
待機していたメイドが、ワゴンを押して入ってくる。
そこには、最高級の紅茶と、フルーツタルトが載っていた。
「わあ、美味しそう。では……」
私がフォークを手に取ろうとした瞬間。
ガシッ。
またしても腕を掴まれた。
「……なんですか?」
「フォークは凶器だ。先端が尖っている」
「刺しませんよ、自分を」
「私がやる」
ジークフリートはフォークを取り、タルトを一口サイズに切り分けた。
そして、それをフォークに刺し、私の口元へ差し出した。
「……あーん」
執務室の空気が止まった。
文官の一人が、羽ペンをへし折った音が聞こえた。
私は顔を引きつらせた。
「……閣下。ここは職場です。しかも公務中です」
「補佐官の健康管理は上司の義務だ。さあ、口を開けて」
「自分で食べられます」
「拒否権はない。……君が食べないなら、口移しで……」
「食べます! 食べますから!」
私は慌てて大口を開け、タルトを放り込まれた。
甘酸っぱいベリーの味が広がるが、羞恥心のせいで砂を噛んでいるようだ。
「……美味しいか?」
「……はい、とても(屈辱的に)。ごちそうさまでした」
「まだ残っているぞ。ほら、次は紅茶だ」
彼はティーカップを私の口元に運ぶ。
まるで介護だ。あるいは、ペットの餌付けだ。
「……閣下。正直に言います。仕事になりません」
私は紅茶を飲み下し、キッパリと告げた。
「このままでは、私は『給料泥棒』になってしまいます。私のプライドが許しません」
「泥棒で結構。君がただそこにいて、呼吸をしてくれているだけで、私にとっては数億の価値がある」
「……」
ダメだ。話が通じない。
この男、完全に論理回路がショートしている。
愛が重いとは聞いていたが、まさか物理的に業務を妨害してくるとは計算外だった。
その時。
コンコン、と扉がノックされた。
「……失礼します」
入ってきたのは、騎士団長のベルナールだった。
彼は筋骨隆々の大男で、レイナの実の兄でもある。
「宰相閣下。昨夜のスタンピード鎮圧に伴う、功労者への報奨金リストをお持ちしました」
「ああ、そこに置いてくれ」
ジークフリートは私にタルトを食べさせるのに夢中で、騎士団長の方を見ようともしない。
ベルナールは、私とジークフリートの異様な距離感(ほぼゼロ距離)と、あーんされている状況を見て、眉をひそめた。
「……閣下。少々、アスカ様との距離が近すぎるのでは?」
「近い? まだ遠いくらいだ。本当は私の膝の上に座らせたいのだが、アスカが嫌がるので我慢している」
「……公私混同も甚だしいですが」
「これは安全保障だ。アスカを守るための防壁(シールド)として私が機能している」
ベルナールは呆れたように首を振った。
そして、妹のレイナを見つけた。
「おい、レイナ。お前もこんなところで何をしている。実家から『娘が帰ってこない』と連絡が来ているぞ」
「お兄様! 見て! 今の閣下の上腕二頭筋の収縮! タルトを運ぶ繊細な動き(ファインモーター)! これぞ『剛』と『柔』の融合よ!」
「……帰るぞ」
「イヤァアア! ここは楽園なの! 帰りたくない!」
レイナが柱にしがみつく。
カオスだ。
執務室は完全にカオスだ。
私は頭痛を覚えた。
「……閣下。少し外の空気を吸いたいです。トイレに行かせてください」
「トイレか。よし、行こう」
ジークフリートが立ち上がる。
「……はい?」
「ついて行くと言っただろう」
「個室の中まで入る気ですか!?」
「まさか。扉の前で待機する。もし君が便器に吸い込まれそうになったら、すぐに助け出せるようにな」
「吸い込まれません!!」
私は叫んだ。
もう限界だ。
このままでは、過保護という名の檻の中で、私は事務処理能力を失ったただの愛玩人形になってしまう。
私は立ち上がり、ジークフリートを指差した。
「閣下! 業務改善命令を出します!」
「なんだ」
「私との距離を最低一メートル空けてください! そして、私の食事と移動の自由を保証してください! さもなくば……」
「さもなくば?」
ジークフリートが、スッと目を細めた。
その瞳の奥に、怪しい光が宿る。
「……辞表を出しますか? それは受理しない。絶対にだ」
「ぐっ……」
「それとも、ストライキか? 構わないぞ。仕事をせずに、私の腕の中で一日中眠っていればいい」
「……っ!」
勝てない。
今の彼には、どんな論理も通じない。
「愛」という名の無敵モードに入っている。
私はガックリと椅子に座り込んだ。
(……どうすればいいの。このままでは、本当に何もできない)
私が絶望していると、窓の外から視線を感じた。
ちらりと見ると、中庭の茂みの陰から、金髪の男がこちらを覗いていた。
カイル王子だ。
彼は双眼鏡のようなものを手に持ち、涙を流しながら震えている。
(……あ、見られてる)
カイルの視点から見れば、この状況はどう映っているのだろうか。
ジークフリートが私に覆いかぶさり、無理やり食事をさせ、逃げようとすると腕を掴んで離さない。
そして、私が涙目(悔し泣き)になっている。
……完全に、「監禁・虐待」の現場だ。
カイルが口元を押さえ、何やら叫んでいるのが読唇術で分かった。
『アスカ……! なんてことだ……! 拷問されているんだね……! 待っててくれ、僕が必ず助け出すから!』
(……違う、そうじゃない)
私は心の中でツッコミを入れたが、カイルは正義感に燃える顔で走り去ってしまった。
(……面倒なことになったわ)
過保護な魔王と、勘違いヒーロー気取りの王子。
板挟みになった私の「平穏な労働環境」は、ますます遠のくばかりだった。
「どうした、アスカ。タルトが嫌いになったか? なら、口直しにマカロンを……」
「……もう、どうにでもなれです」
私はやけくそで口を開けた。
甘いマカロンの味とともに、私の独立心(プライド)が少しずつ溶かされていくような気がした。
このままでは本当に「ダメ人間」にされてしまう。
危機感を抱きつつも、ジークフリートの満足そうな笑顔を見て、強く拒絶できない自分もいて。
(……時給アップ交渉、絶対に成功させてやるわ)
私は心の中でそう誓い、マカロンを噛み砕いた。
「なんだ」
「ペンを取っていただけますか? 私の右手の、わずか十センチ先にあるのですが」
「ダメだ。動くな」
宰相執務室。
いつものように書類の山と格闘……しようとしている私の手は、何者かによってガッチリとホールドされていた。
私の手を握っているのは、もちろんジークフリート宰相だ。
彼は自分の椅子を私の椅子の真横――というより、ほぼ密着する位置――に移動させ、私の左手を自分の左手で握りしめ、右手で私の業務を監視していた。
「手を伸ばすと筋肉に負荷がかかる。ペンが必要なら私が取る。ほら、はい」
彼は私の代わりにペンを取り、恭しく私の右手に握らせた。
「……ありがとうございます。では、インクを……」
「待て。インク瓶の蓋は重い。手首を痛める可能性がある」
彼は素早くインク瓶の蓋を開けた。
「……過保護が過ぎませんか?」
私がジト目で睨むと、ジークフリートは真顔で答えた。
「昨夜の件で、私は反省したのだ」
「反省?」
「君は危うく戦場へ飛び出すところだった。私が目を離した一瞬の隙にだ。……君は目を離すと死ぬ生き物(ハムスター)のように脆いと認識を改めた」
「誰がハムスターですか。私は戦車(タンク)並みの耐久力を誇る公爵令嬢ですよ」
「却下だ。君は綿菓子より繊細だ。……これからは、呼吸以外の全ての動作を私の許可制とする」
「呼吸以外!?」
私は愕然とした。
これが、昨夜の「スタンピード騒動」の後遺症だった。
あの時、私が現場へ行こうとしたことで、ジークフリートの精神(メンタル)に深刻なバグが発生したらしい。
その結果が、この異常なまでの「過保護モード」だ。
「さあ、仕事の続きだ。……おっと、ページをめくるのは私がやる。紙の端で指を切ったら大変だ」
ペラッ。
彼が私の目の前の書類をめくる。
「……閣下。これでは作業効率が五分の一以下です。私の時給に見合う成果が出せません」
「構わない。君が安全なら、国が滅びてもいい」
「極論はやめてください」
私はため息をつこうとしたが、それすらも「肺に負担がかかる」とか言われそうなので飲み込んだ。
周囲を見渡す。
執務室の文官たちは、私たちから目を逸らし、「壁のシミになりたい」というオーラを出しながら黙々と作業している。
唯一、部屋の隅で雑用(筋トレ)をしているレイナだけが、興奮した様子でこちらを凝視していた。
「ハァハァ……束縛プレイ……! 愛の重さが物理的な拘束力に変換されていますわ……! 閣下の前腕筋群の血管が、独占欲で浮き出ているのが最高です!」
(……あいつ、後でシメよう)
私は心に誓いつつ、現状の打開策を模索した。
「閣下。そろそろ休憩にしませんか? 一五時です」
「そうだな。糖分補給が必要だ」
ジークフリートはパチンと指を鳴らした。
待機していたメイドが、ワゴンを押して入ってくる。
そこには、最高級の紅茶と、フルーツタルトが載っていた。
「わあ、美味しそう。では……」
私がフォークを手に取ろうとした瞬間。
ガシッ。
またしても腕を掴まれた。
「……なんですか?」
「フォークは凶器だ。先端が尖っている」
「刺しませんよ、自分を」
「私がやる」
ジークフリートはフォークを取り、タルトを一口サイズに切り分けた。
そして、それをフォークに刺し、私の口元へ差し出した。
「……あーん」
執務室の空気が止まった。
文官の一人が、羽ペンをへし折った音が聞こえた。
私は顔を引きつらせた。
「……閣下。ここは職場です。しかも公務中です」
「補佐官の健康管理は上司の義務だ。さあ、口を開けて」
「自分で食べられます」
「拒否権はない。……君が食べないなら、口移しで……」
「食べます! 食べますから!」
私は慌てて大口を開け、タルトを放り込まれた。
甘酸っぱいベリーの味が広がるが、羞恥心のせいで砂を噛んでいるようだ。
「……美味しいか?」
「……はい、とても(屈辱的に)。ごちそうさまでした」
「まだ残っているぞ。ほら、次は紅茶だ」
彼はティーカップを私の口元に運ぶ。
まるで介護だ。あるいは、ペットの餌付けだ。
「……閣下。正直に言います。仕事になりません」
私は紅茶を飲み下し、キッパリと告げた。
「このままでは、私は『給料泥棒』になってしまいます。私のプライドが許しません」
「泥棒で結構。君がただそこにいて、呼吸をしてくれているだけで、私にとっては数億の価値がある」
「……」
ダメだ。話が通じない。
この男、完全に論理回路がショートしている。
愛が重いとは聞いていたが、まさか物理的に業務を妨害してくるとは計算外だった。
その時。
コンコン、と扉がノックされた。
「……失礼します」
入ってきたのは、騎士団長のベルナールだった。
彼は筋骨隆々の大男で、レイナの実の兄でもある。
「宰相閣下。昨夜のスタンピード鎮圧に伴う、功労者への報奨金リストをお持ちしました」
「ああ、そこに置いてくれ」
ジークフリートは私にタルトを食べさせるのに夢中で、騎士団長の方を見ようともしない。
ベルナールは、私とジークフリートの異様な距離感(ほぼゼロ距離)と、あーんされている状況を見て、眉をひそめた。
「……閣下。少々、アスカ様との距離が近すぎるのでは?」
「近い? まだ遠いくらいだ。本当は私の膝の上に座らせたいのだが、アスカが嫌がるので我慢している」
「……公私混同も甚だしいですが」
「これは安全保障だ。アスカを守るための防壁(シールド)として私が機能している」
ベルナールは呆れたように首を振った。
そして、妹のレイナを見つけた。
「おい、レイナ。お前もこんなところで何をしている。実家から『娘が帰ってこない』と連絡が来ているぞ」
「お兄様! 見て! 今の閣下の上腕二頭筋の収縮! タルトを運ぶ繊細な動き(ファインモーター)! これぞ『剛』と『柔』の融合よ!」
「……帰るぞ」
「イヤァアア! ここは楽園なの! 帰りたくない!」
レイナが柱にしがみつく。
カオスだ。
執務室は完全にカオスだ。
私は頭痛を覚えた。
「……閣下。少し外の空気を吸いたいです。トイレに行かせてください」
「トイレか。よし、行こう」
ジークフリートが立ち上がる。
「……はい?」
「ついて行くと言っただろう」
「個室の中まで入る気ですか!?」
「まさか。扉の前で待機する。もし君が便器に吸い込まれそうになったら、すぐに助け出せるようにな」
「吸い込まれません!!」
私は叫んだ。
もう限界だ。
このままでは、過保護という名の檻の中で、私は事務処理能力を失ったただの愛玩人形になってしまう。
私は立ち上がり、ジークフリートを指差した。
「閣下! 業務改善命令を出します!」
「なんだ」
「私との距離を最低一メートル空けてください! そして、私の食事と移動の自由を保証してください! さもなくば……」
「さもなくば?」
ジークフリートが、スッと目を細めた。
その瞳の奥に、怪しい光が宿る。
「……辞表を出しますか? それは受理しない。絶対にだ」
「ぐっ……」
「それとも、ストライキか? 構わないぞ。仕事をせずに、私の腕の中で一日中眠っていればいい」
「……っ!」
勝てない。
今の彼には、どんな論理も通じない。
「愛」という名の無敵モードに入っている。
私はガックリと椅子に座り込んだ。
(……どうすればいいの。このままでは、本当に何もできない)
私が絶望していると、窓の外から視線を感じた。
ちらりと見ると、中庭の茂みの陰から、金髪の男がこちらを覗いていた。
カイル王子だ。
彼は双眼鏡のようなものを手に持ち、涙を流しながら震えている。
(……あ、見られてる)
カイルの視点から見れば、この状況はどう映っているのだろうか。
ジークフリートが私に覆いかぶさり、無理やり食事をさせ、逃げようとすると腕を掴んで離さない。
そして、私が涙目(悔し泣き)になっている。
……完全に、「監禁・虐待」の現場だ。
カイルが口元を押さえ、何やら叫んでいるのが読唇術で分かった。
『アスカ……! なんてことだ……! 拷問されているんだね……! 待っててくれ、僕が必ず助け出すから!』
(……違う、そうじゃない)
私は心の中でツッコミを入れたが、カイルは正義感に燃える顔で走り去ってしまった。
(……面倒なことになったわ)
過保護な魔王と、勘違いヒーロー気取りの王子。
板挟みになった私の「平穏な労働環境」は、ますます遠のくばかりだった。
「どうした、アスカ。タルトが嫌いになったか? なら、口直しにマカロンを……」
「……もう、どうにでもなれです」
私はやけくそで口を開けた。
甘いマカロンの味とともに、私の独立心(プライド)が少しずつ溶かされていくような気がした。
このままでは本当に「ダメ人間」にされてしまう。
危機感を抱きつつも、ジークフリートの満足そうな笑顔を見て、強く拒絶できない自分もいて。
(……時給アップ交渉、絶対に成功させてやるわ)
私は心の中でそう誓い、マカロンを噛み砕いた。
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