小太郎とシェリーのあふりか旅日記

新雪小太郎

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小太郎とシェリーのアフリカ旅日記 第3話

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研究所の玄関に立つ小太郎、シェリー、そしてケイタ。草むらに埋もれかけた「ZEROpoint研究所 アフリカ支部」と書かれた看板は、無機質で冷たい雰囲気を漂わせていた。
「ここにもZEROpoint研究所があるんかいな…どこまで手広くやっとんねん。」
小太郎が呆れ気味に看板を見上げた。
シェリーが呼び鈴のボタンを押すと、独特な音が響き渡る。
「ピンポーーン…長すぎやろ、この音。」
シェリーが眉をひそめると、小太郎も笑いをこらえきれない。
「たぶんこの研究所、めっちゃ暇なんちゃう?この音で人来たのわかるまで時間かかるんや。」
小太郎の冗談に、ケイタもわけが分からないながら楽しそうに笑っていた。
数分が経過しても、誰も応答がない。小太郎がつぶやく。
「まさか、ここ廃墟やったりせんよな?」
すると突然、スピーカーから機械的な声が響いた。
「こちらはZEROpoint研究所です。訪問目的を述べてください。」
シェリーが慌てて答える。
「えっと、飛行機が故障して不時着しました!助けてほしいんですけど!」
一瞬の沈黙の後、声が再び響く。
「確認中です。その場でお待ちください。」
「なんや確認中って…ここは銀行か?」
小太郎が首をかしげると、ケイタが真剣な顔で玄関のドアを見つめた。
数分後、ガチャンという音と共に分厚い金属製のドアが開き、白衣を着た研究員らしき人物が姿を現した。中年の男性で、メガネ越しに彼らをじっと見つめる。
「君たち、どうやってここを見つけた?」
研究員は警戒心をあらわにしながら問いかける。
「いや、見つけたも何も、飛行機が落ちてん。たまたまこの看板が見えたから来ただけや。」
小太郎が肩をすくめて答える。
「…なるほど。だが、ここは一般人が入れる場所ではない。状況が落ち着くまで一旦中で待機してもらおう。」
研究員はそう言い残し、彼らを中へ案内した。
研究所の中は、まるで近未来の施設のように無数のモニターと機械が並び、何かの実験が行われているようだった。シェリーが小声でつぶやく。
「めっちゃSF映画みたいやん。ここ、ほんまに助けてもらえるんかな…?」
その時、ふいに奥のモニターが彼らの目に飛び込んできた。そこにはサバンナの動物たちがモニタリングされ、さらに「エネルギー変換実験中」と書かれた不穏な文字が表示されていた。
「何やこれ…ヤバい研究してる感じせえへん?」
小太郎が顔をしかめる。
ケイタは不安そうな目で研究員を見上げた。そして、この研究所が彼の村に与える恐るべき影響をまだ知らない二人に、そっと耳打ちをした。
「この研究所…危険。村の水…おかしくなった。」
小太郎とシェリーはその言葉に凍りつき、再び研究所の奥深くから聞こえてくる不気味な機械音に耳を澄ませた。冒険は、思わぬ方向へ加速していく
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