21 / 37
ある日のこと
しおりを挟む
ある日のこと
真之介が木刀を振っていると、
不意に「ひょこっ」と塀の向こうから顔を出す影があった。
近所のガキ大将・タケルだ。
「おーい! またお前、朝から剣の練習か! なぁ、必殺技とか出ぇへんの?」
真之介は苦笑いしながら木刀を下ろす。
「出ぇへん。ドラマやないんやから」
タケルは聞く耳を持たず、
「ええから! ほら、『新撰組・永倉流 秘奥義!』みたいなん教えてぇな!」
と、空に向かって変なポーズを決める。
そこへ、後ろからふいに声が飛んだ。
◆じっちゃんの“恐怖の一喝”
「おいタケル、剣を必殺技ごっこに使うな言うてるやろがッ!」
タケルは魂が抜けたように固まり、
孫は吹き出しそうになって必死にこらえた。
新八は杖をつきながら近づき、タケルに指をさす。
「ええかタケル。秘奥義ならあるぞ」
タケルの目がキラキラ輝く。
「な、なんや! やっぱあるんやな!?」
新八は深くうなずき、
すっと真顔で言い放った。
◆永倉新八・秘奥義
朝ごはんちゃんと食べるの術やと
新八はきっぱりと叫んだ。
タケル:「………は?」
真之介:「(ぶはっ)」
タケルはぽかんとした顔で固まり、
新八はまるで名刀を抜いたかのように胸を張る。
「朝飯を抜いたら集中力が落ちる。
集中力が落ちたら怪我する。
怪我したら修行はできん!
つまり!
朝飯こそ秘奥義の根源や!」
タケルは微妙な顔で
「……め、めっちゃふつう……」と呟いた。
新八は腕を組んだまま鼻を鳴らす。
「侮るな。わしはな、飯を三杯食うて戦場に行った男や!」
タケル:「それただの大食いでは……?」
真之介:「(またぶはっ)」
新八の“訓示のあとに必ずオチがつく”法則
その後も新八の教えは続く。
「ええか真之介よ。
剣の極意は心を澄ませること――」
真之介がうなずくと、新八は続けて言った。
「そして、心を澄ませるには…庭の落ち葉を全部拾うことや!」
真之介:「また労働やんか!」
新八:「心の修行や!」
結局、真之介とタケルは一緒に落ち葉拾いをする羽目に。
だがタケルは不満げに言う。
「永倉流の修行って……地味やなぁ!」
新八は笑って杖をつきながら言った。
「派手やなくてええ。
地味なことを毎日続けるんが、一番強い剣になるんや。」
孫は胸の奥がじんわり温かくなる。
タケルは「なるほどなぁ」と言いながらも、
最後にこう付け加えた。
「……やっぱ必殺技は欲しいけどな!」
真之介が木刀を振っていると、
不意に「ひょこっ」と塀の向こうから顔を出す影があった。
近所のガキ大将・タケルだ。
「おーい! またお前、朝から剣の練習か! なぁ、必殺技とか出ぇへんの?」
真之介は苦笑いしながら木刀を下ろす。
「出ぇへん。ドラマやないんやから」
タケルは聞く耳を持たず、
「ええから! ほら、『新撰組・永倉流 秘奥義!』みたいなん教えてぇな!」
と、空に向かって変なポーズを決める。
そこへ、後ろからふいに声が飛んだ。
◆じっちゃんの“恐怖の一喝”
「おいタケル、剣を必殺技ごっこに使うな言うてるやろがッ!」
タケルは魂が抜けたように固まり、
孫は吹き出しそうになって必死にこらえた。
新八は杖をつきながら近づき、タケルに指をさす。
「ええかタケル。秘奥義ならあるぞ」
タケルの目がキラキラ輝く。
「な、なんや! やっぱあるんやな!?」
新八は深くうなずき、
すっと真顔で言い放った。
◆永倉新八・秘奥義
朝ごはんちゃんと食べるの術やと
新八はきっぱりと叫んだ。
タケル:「………は?」
真之介:「(ぶはっ)」
タケルはぽかんとした顔で固まり、
新八はまるで名刀を抜いたかのように胸を張る。
「朝飯を抜いたら集中力が落ちる。
集中力が落ちたら怪我する。
怪我したら修行はできん!
つまり!
朝飯こそ秘奥義の根源や!」
タケルは微妙な顔で
「……め、めっちゃふつう……」と呟いた。
新八は腕を組んだまま鼻を鳴らす。
「侮るな。わしはな、飯を三杯食うて戦場に行った男や!」
タケル:「それただの大食いでは……?」
真之介:「(またぶはっ)」
新八の“訓示のあとに必ずオチがつく”法則
その後も新八の教えは続く。
「ええか真之介よ。
剣の極意は心を澄ませること――」
真之介がうなずくと、新八は続けて言った。
「そして、心を澄ませるには…庭の落ち葉を全部拾うことや!」
真之介:「また労働やんか!」
新八:「心の修行や!」
結局、真之介とタケルは一緒に落ち葉拾いをする羽目に。
だがタケルは不満げに言う。
「永倉流の修行って……地味やなぁ!」
新八は笑って杖をつきながら言った。
「派手やなくてええ。
地味なことを毎日続けるんが、一番強い剣になるんや。」
孫は胸の奥がじんわり温かくなる。
タケルは「なるほどなぁ」と言いながらも、
最後にこう付け加えた。
「……やっぱ必殺技は欲しいけどな!」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる