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第一章
四話 国の決断
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ヘルゲート復興機関支部での魔力暴走事件にて、レフト、ニナ、バイオが負傷した。さらに多くの魔術師らが暴走した魔力の影響により頭痛や体調不良を訴えた。
被害を受け、ヘルゲート支部はその機能を停止するかと思われたが…。
「お待たせしましたミミズク殿」
「これはレオさん、ご対応下さりありがとうございます」
「いえ、では早速レフトさんとニナさんから診させてもらいますね」
こうなることを予測しミミズクは手を打っていたのだ。
彼女の的確かつ迅速な対応こそが、バイオから引き継がれたこの支部の最大の強みだろう。
側にいたオメガはレオに謎の人物からもらった薬を渡す。
「これは気付け薬ですね。それもかなり強烈なやつです」
「うむ、強烈なやつ?」
「はい、よく幻覚症状の患者や錯乱状態から回復した方などに投薬するのですが、これはとにかく希少な薬品で…。これがあればニナさんは無事回復します」
「うむ」
「さすが復興機関ですね。レフトさんの負傷にはびっくりしましたが、この薬があったことのほうが驚きです」
レオは医務室へ急いだ。
ダメージが大きかったバイオは現在集中治療室である。
今日はオメガが提案したアジト殲滅作戦への回答期日でヘルゲートの使者が支部へ来る予定となっている。
ガルシアがその旨をバイオへ報告にいく。
「オメガの提案を受けて本日はダークパレスより…」
「うふふ、ガルシアさん、私はこんな状態ですから役にはたてませんわ。この件はミミズクさんが決断するので彼女のフォローお願いしますね」
「はっ、了解致しました。では簡潔に現状報告します。破損した箇所の修復は済み、レフト、ニナは無事に回復しているとのことです」
「あらまぁ不思議ですね、ニナさんは回復されましたか、よかったわ」
「はい、謎の人物が突如現れニナの魔力を消しました。まだ眠っているようですが、気付け薬にて魔力による後遺症はないそうです」
「謎の人物ですか…その方に感謝ですわね」
「そうですね、長々と失礼しました」
ガルシアは治療室を出る。
「…さて…いよいよダルガ教の件だな」
しばらくして、受付よりヘルゲートの使者が到着したとの連絡が入る。
準備していた会議室に使者を通すと機関の者もすぐに会議へ向かう。
オメガ、ソロモン、ガルシア、そしてリーダーのミミズクも向かう。
「お待たせして申し訳ない」
機関の者たちは挨拶をして入室する。
会議室には正装をしたマーガレットとバルタ、そして学者のような男の三人が待機していた。
「皆さん、お座り下さい、マーガレットさん、バルタさん、ガイさんわざわざありがとうございます」
ミミズクが場を仕切る。
その様子にヘルゲート幹部は深々お辞儀をして着席する。
「へえ、もっと荒々しいのがくると思ったんですが…これは意外です」
ソロモンがオメガにぼそりとつぶやく。
「ソロモン、ヘルゲートに偏見があるようだが、この国の器は大きいぞ」
「…その…ようですね…自分が未熟でした…」
口は笑っているが、目が笑っていないマーガレット。
どっしりと椅子に座るバルタ。
そして、資料を広げ記録をつけようとするガイ。
復興機関で個性が強い者を見てきたつもりであったがソロモンの偏見を打ち砕くヘルゲートの面々であった。
「ミミズク殿、支部でトラブルがあったようですが?」
早速ニナの件について機関を問いつめるバルタ。
「はい、少々バタつきましたがお優しい方の助力もあり解決しました」
「ふふ、お優しい方ですか」
マーガレットが笑う様子をみたバルタは突然立ち上がる。
「マーガレット様、発言よろしいですか?」
「ふふ、相変わらず血の気が多いわね」
「バルタ殿、恥ずかしながらうちのメンバーたちは攻に長ける者が多く、防には弱い傾向があります。今回の件は…」
ミミズクは立ち上がったバルタに支部の内情を説明するが全く聞くつもりはないようだ。
その使者らしからぬバルタの行動に、部屋のみんなは不快感をあらわす。見かねたオメガがバルタとめる。
「うむ、時間が惜しい、バルタ殿はトラブルを起こす部署にダルガ教の殲滅は無理であるとお考えか?」
オメガの言葉にデスクを叩き反応するバルタ。
「そうだ。本当にこの国を守れるのは我々だ。復興機関は雑務をやっておればよいのだ」
沈黙する室内。
熱くなっているバルタに座れという仕草をするガイ。
「ガイ、止めるな。トラブルの規模は不明だが、こんな団体がこの国を守れるとは思えない」
「おいおい、これ以上は止めておけよ。お前一線を越すぞ?喧嘩を売りにきたのなら帰れ」
「…くっ…」
ガイの言葉に渋々座るバルタ。
「ふふ、では本題に。ミミズク様こちらを」
バルタが落ち着いたところでマーガレットは封筒のようなものをミミズクへ差し出す。
「こちらは?」
封筒を手にし皆から注目されるミミズク。
「ふふ、この中にヘルゲートの答えがあります」
封筒を渡すとマーガレットは撤収の合図をする。
ガイは資料を手早く片付けいつでも退出できる様子だ。
「おいおい…」
「…」
その行動に呆然とするガルシアとソロモン。
「うむ、簡潔でよいわ」
「ふふ、それでは皆さんごきげんよう」
オメガの言葉に笑顔でかえすマーガレット。
ミミズクは最初こそ驚いたが、そこはヘルゲート出身者。すぐに冷静になる。
「こんな納得いかねえぞ、ここで中身を確認してやる」
立ち上がったバルタはミミズクから封筒を奪う。
無礼極まりない行動にマーガレットは表情を変えず話す。
「ふふ、我々は答えがどうあろうと関係ないでしょう?バルタ」
ドアに向かうマーガレットとガイ。
ソロモンとガルシアは二人を止めようと席を立つ。
「どうあれ決定事項には必ず従うということですね、ヘルゲートらしい」
ミミズクの発した言葉に足が止まるマーガレットとガイ。
「根底にあるヘルゲートの精神は今も昔も変わっていないようですね」
「ふふ」
「なるほど、ミミズク様はここの出身でしたか…」
なんとも不思議な空気が漂う室内。
ミミズクはマーガレットから何かを感じ、機関のメンバーに指示をする。
「ガルシアさん、ソロモンさん、そしてオメガさん、申し訳ないですが席を外して下さい」
なんとミミズクは突然三人に退出を命じた。
「うむ」
その言葉に速やかに席を立ち部屋を出るにするオメガ。
そのオメガを無言でソロモンが追う。
「失礼します」
ガルシアも一瞬考えたが席を立つ。
「おい、貴様失礼であろう」
バルタがガルシアを怒鳴る。
「あ? ここはミミズク様とバイオ様の言うことは絶対なんだよ」
ミミズクとマーガレットたちに一礼し部屋を出るガルシア。
「…」
言葉を失うバルタ。
「バルタ、我々も外で待つぞ」
ガイがガルシア同様にミミズクとマーガレットに一礼しバルタを連れて部屋を出る。
会議室はマーガレットとミミズクの二人だけとなる。
ミミズクは飲み物を口にして部屋に鍵をかけた。
二人きりの会議室は異様な空気が漂う。
「まず感謝致します。魔力暴走の件、ありがとうございました、ガイアさん」
ミミズクは両肘をつきながら頭を下げる。
するとマーガレットの顔が崩れ、みるみる別人に変わっていく。
「ニナ殿を失うわけにはいかないだろう。こちらこそかの有名なレフトーラに会えて光栄でした」
なんとあの謎の人物がマーガレットに化けていたようだ。さらに驚くことにミミズクとは顔見知りであった。
「奥様はまだ支部にいますので時間があればお会いください、マーガレットさんとしてね」
「ふ、ミミズク殿、相変わらず面白い」
「それはどうもありがとう、では」
「おっと、そうだね本題に入ろう」
穏やかな性格でハキハキと話すその様子はまるで王族のよう印象である。
「結論から言うと我々ヘルゲートはダルガ教をオメガ殿の言う通り危険な集団と判断した。よって討伐にフラットとマーガレットに向かわせることにした」
「危険ですか…」
「そうだ。二人を同行させるが、フラットは立場上、派手に動けないのでレフトーラにも同行を頼みたい」
腕を組み真剣に話すガイア。
難しい表情のミミズク。
「それは難しいわ、レフトさんはもう復興機関では…」
「やはり機関を抜けたというのは事実か…」
と、その時、突如扉がゆっくりと開いた。
「んっ」
「えっ、ロックしたはずよ、誰?」
驚くミミズク。
「おや」
「うむ」
入室してきたのはアレサとオメガ。
「ほう、オメガ殿と奥様でしたか」
「オメガからいろいろ聞いたわよ」
「うむ」
「ちょっと、二人とも、この方は…」
「ガイアってのも悪くないけど、私はトップオブザワールドってほうがしっくりくるわ」
「うむ、解魔刀を扱う者がいたとはな」
ガイアは二人に笑顔で答える。
「ニナ殿を解呪した時、正直、オメガ殿には刀の正体がバレると思っていましたが…できれば内緒にしていただきたい」
「わかったわ、あんたはニナを救い、夫も守った」
「うむ、承知した。討伐の件だがアレサもダルガ教のアジトへ同行してもらう、よろしいか?」
ミミズクはそれを聞き安堵する。
「奥様、ありがとうございます」
まさかの事態に一瞬動きが止まるガイア。
「うむ、レフトをムリヤリ連れていくわけにはいかんのでアレサに頼んだ」
「だけどレフトとニナは回復次第、そのアジトに急行してもらうわ。二人の力が必要だわ」
「うむ、話は以上だ。詳細は後程連絡を」
オメガは自分に不可視の札をつけ退出する。
「良かった」
安心したミミズクにガイアは話す。
「ミミズク、油断は禁物だ。敵の規模はかなり大きい。だが首脳らしき者さえ討ってしまえば烏合の衆だろう」
「そうね、狂った奴の一人はレフトが致命傷を負わせている、これが救いであり最大のチャンスだわ」
「えっ…レフトさんが?」
「アジトの周囲に人家はない、奥様やレフトーラはフルパワーが出せますね」
ニタニタ笑うガイア。
「ちょっと、暴れさせて私たちを悪人にするつもりかしら?」
「まさか。お二人の協力が得られるとは思っていませんでしたので…」
「はい、二人は一般人ながら飛空艇を制圧してくれましたし」
ガイア、ミミズクは夫婦に感謝している。
「できることはやる。ひとまずこれで失礼するわね」
アレサもオメガ同様に部屋を出ていった。
「レフトーラの魔力同様に解魔刀のフルパワーも危険。どうしようか悩んだが…引き受けてくれて本当に良かったぜ…」
「ええ、本当に…。なんだか力が抜けてしまったわ」
次回へ続く。
被害を受け、ヘルゲート支部はその機能を停止するかと思われたが…。
「お待たせしましたミミズク殿」
「これはレオさん、ご対応下さりありがとうございます」
「いえ、では早速レフトさんとニナさんから診させてもらいますね」
こうなることを予測しミミズクは手を打っていたのだ。
彼女の的確かつ迅速な対応こそが、バイオから引き継がれたこの支部の最大の強みだろう。
側にいたオメガはレオに謎の人物からもらった薬を渡す。
「これは気付け薬ですね。それもかなり強烈なやつです」
「うむ、強烈なやつ?」
「はい、よく幻覚症状の患者や錯乱状態から回復した方などに投薬するのですが、これはとにかく希少な薬品で…。これがあればニナさんは無事回復します」
「うむ」
「さすが復興機関ですね。レフトさんの負傷にはびっくりしましたが、この薬があったことのほうが驚きです」
レオは医務室へ急いだ。
ダメージが大きかったバイオは現在集中治療室である。
今日はオメガが提案したアジト殲滅作戦への回答期日でヘルゲートの使者が支部へ来る予定となっている。
ガルシアがその旨をバイオへ報告にいく。
「オメガの提案を受けて本日はダークパレスより…」
「うふふ、ガルシアさん、私はこんな状態ですから役にはたてませんわ。この件はミミズクさんが決断するので彼女のフォローお願いしますね」
「はっ、了解致しました。では簡潔に現状報告します。破損した箇所の修復は済み、レフト、ニナは無事に回復しているとのことです」
「あらまぁ不思議ですね、ニナさんは回復されましたか、よかったわ」
「はい、謎の人物が突如現れニナの魔力を消しました。まだ眠っているようですが、気付け薬にて魔力による後遺症はないそうです」
「謎の人物ですか…その方に感謝ですわね」
「そうですね、長々と失礼しました」
ガルシアは治療室を出る。
「…さて…いよいよダルガ教の件だな」
しばらくして、受付よりヘルゲートの使者が到着したとの連絡が入る。
準備していた会議室に使者を通すと機関の者もすぐに会議へ向かう。
オメガ、ソロモン、ガルシア、そしてリーダーのミミズクも向かう。
「お待たせして申し訳ない」
機関の者たちは挨拶をして入室する。
会議室には正装をしたマーガレットとバルタ、そして学者のような男の三人が待機していた。
「皆さん、お座り下さい、マーガレットさん、バルタさん、ガイさんわざわざありがとうございます」
ミミズクが場を仕切る。
その様子にヘルゲート幹部は深々お辞儀をして着席する。
「へえ、もっと荒々しいのがくると思ったんですが…これは意外です」
ソロモンがオメガにぼそりとつぶやく。
「ソロモン、ヘルゲートに偏見があるようだが、この国の器は大きいぞ」
「…その…ようですね…自分が未熟でした…」
口は笑っているが、目が笑っていないマーガレット。
どっしりと椅子に座るバルタ。
そして、資料を広げ記録をつけようとするガイ。
復興機関で個性が強い者を見てきたつもりであったがソロモンの偏見を打ち砕くヘルゲートの面々であった。
「ミミズク殿、支部でトラブルがあったようですが?」
早速ニナの件について機関を問いつめるバルタ。
「はい、少々バタつきましたがお優しい方の助力もあり解決しました」
「ふふ、お優しい方ですか」
マーガレットが笑う様子をみたバルタは突然立ち上がる。
「マーガレット様、発言よろしいですか?」
「ふふ、相変わらず血の気が多いわね」
「バルタ殿、恥ずかしながらうちのメンバーたちは攻に長ける者が多く、防には弱い傾向があります。今回の件は…」
ミミズクは立ち上がったバルタに支部の内情を説明するが全く聞くつもりはないようだ。
その使者らしからぬバルタの行動に、部屋のみんなは不快感をあらわす。見かねたオメガがバルタとめる。
「うむ、時間が惜しい、バルタ殿はトラブルを起こす部署にダルガ教の殲滅は無理であるとお考えか?」
オメガの言葉にデスクを叩き反応するバルタ。
「そうだ。本当にこの国を守れるのは我々だ。復興機関は雑務をやっておればよいのだ」
沈黙する室内。
熱くなっているバルタに座れという仕草をするガイ。
「ガイ、止めるな。トラブルの規模は不明だが、こんな団体がこの国を守れるとは思えない」
「おいおい、これ以上は止めておけよ。お前一線を越すぞ?喧嘩を売りにきたのなら帰れ」
「…くっ…」
ガイの言葉に渋々座るバルタ。
「ふふ、では本題に。ミミズク様こちらを」
バルタが落ち着いたところでマーガレットは封筒のようなものをミミズクへ差し出す。
「こちらは?」
封筒を手にし皆から注目されるミミズク。
「ふふ、この中にヘルゲートの答えがあります」
封筒を渡すとマーガレットは撤収の合図をする。
ガイは資料を手早く片付けいつでも退出できる様子だ。
「おいおい…」
「…」
その行動に呆然とするガルシアとソロモン。
「うむ、簡潔でよいわ」
「ふふ、それでは皆さんごきげんよう」
オメガの言葉に笑顔でかえすマーガレット。
ミミズクは最初こそ驚いたが、そこはヘルゲート出身者。すぐに冷静になる。
「こんな納得いかねえぞ、ここで中身を確認してやる」
立ち上がったバルタはミミズクから封筒を奪う。
無礼極まりない行動にマーガレットは表情を変えず話す。
「ふふ、我々は答えがどうあろうと関係ないでしょう?バルタ」
ドアに向かうマーガレットとガイ。
ソロモンとガルシアは二人を止めようと席を立つ。
「どうあれ決定事項には必ず従うということですね、ヘルゲートらしい」
ミミズクの発した言葉に足が止まるマーガレットとガイ。
「根底にあるヘルゲートの精神は今も昔も変わっていないようですね」
「ふふ」
「なるほど、ミミズク様はここの出身でしたか…」
なんとも不思議な空気が漂う室内。
ミミズクはマーガレットから何かを感じ、機関のメンバーに指示をする。
「ガルシアさん、ソロモンさん、そしてオメガさん、申し訳ないですが席を外して下さい」
なんとミミズクは突然三人に退出を命じた。
「うむ」
その言葉に速やかに席を立ち部屋を出るにするオメガ。
そのオメガを無言でソロモンが追う。
「失礼します」
ガルシアも一瞬考えたが席を立つ。
「おい、貴様失礼であろう」
バルタがガルシアを怒鳴る。
「あ? ここはミミズク様とバイオ様の言うことは絶対なんだよ」
ミミズクとマーガレットたちに一礼し部屋を出るガルシア。
「…」
言葉を失うバルタ。
「バルタ、我々も外で待つぞ」
ガイがガルシア同様にミミズクとマーガレットに一礼しバルタを連れて部屋を出る。
会議室はマーガレットとミミズクの二人だけとなる。
ミミズクは飲み物を口にして部屋に鍵をかけた。
二人きりの会議室は異様な空気が漂う。
「まず感謝致します。魔力暴走の件、ありがとうございました、ガイアさん」
ミミズクは両肘をつきながら頭を下げる。
するとマーガレットの顔が崩れ、みるみる別人に変わっていく。
「ニナ殿を失うわけにはいかないだろう。こちらこそかの有名なレフトーラに会えて光栄でした」
なんとあの謎の人物がマーガレットに化けていたようだ。さらに驚くことにミミズクとは顔見知りであった。
「奥様はまだ支部にいますので時間があればお会いください、マーガレットさんとしてね」
「ふ、ミミズク殿、相変わらず面白い」
「それはどうもありがとう、では」
「おっと、そうだね本題に入ろう」
穏やかな性格でハキハキと話すその様子はまるで王族のよう印象である。
「結論から言うと我々ヘルゲートはダルガ教をオメガ殿の言う通り危険な集団と判断した。よって討伐にフラットとマーガレットに向かわせることにした」
「危険ですか…」
「そうだ。二人を同行させるが、フラットは立場上、派手に動けないのでレフトーラにも同行を頼みたい」
腕を組み真剣に話すガイア。
難しい表情のミミズク。
「それは難しいわ、レフトさんはもう復興機関では…」
「やはり機関を抜けたというのは事実か…」
と、その時、突如扉がゆっくりと開いた。
「んっ」
「えっ、ロックしたはずよ、誰?」
驚くミミズク。
「おや」
「うむ」
入室してきたのはアレサとオメガ。
「ほう、オメガ殿と奥様でしたか」
「オメガからいろいろ聞いたわよ」
「うむ」
「ちょっと、二人とも、この方は…」
「ガイアってのも悪くないけど、私はトップオブザワールドってほうがしっくりくるわ」
「うむ、解魔刀を扱う者がいたとはな」
ガイアは二人に笑顔で答える。
「ニナ殿を解呪した時、正直、オメガ殿には刀の正体がバレると思っていましたが…できれば内緒にしていただきたい」
「わかったわ、あんたはニナを救い、夫も守った」
「うむ、承知した。討伐の件だがアレサもダルガ教のアジトへ同行してもらう、よろしいか?」
ミミズクはそれを聞き安堵する。
「奥様、ありがとうございます」
まさかの事態に一瞬動きが止まるガイア。
「うむ、レフトをムリヤリ連れていくわけにはいかんのでアレサに頼んだ」
「だけどレフトとニナは回復次第、そのアジトに急行してもらうわ。二人の力が必要だわ」
「うむ、話は以上だ。詳細は後程連絡を」
オメガは自分に不可視の札をつけ退出する。
「良かった」
安心したミミズクにガイアは話す。
「ミミズク、油断は禁物だ。敵の規模はかなり大きい。だが首脳らしき者さえ討ってしまえば烏合の衆だろう」
「そうね、狂った奴の一人はレフトが致命傷を負わせている、これが救いであり最大のチャンスだわ」
「えっ…レフトさんが?」
「アジトの周囲に人家はない、奥様やレフトーラはフルパワーが出せますね」
ニタニタ笑うガイア。
「ちょっと、暴れさせて私たちを悪人にするつもりかしら?」
「まさか。お二人の協力が得られるとは思っていませんでしたので…」
「はい、二人は一般人ながら飛空艇を制圧してくれましたし」
ガイア、ミミズクは夫婦に感謝している。
「できることはやる。ひとまずこれで失礼するわね」
アレサもオメガ同様に部屋を出ていった。
「レフトーラの魔力同様に解魔刀のフルパワーも危険。どうしようか悩んだが…引き受けてくれて本当に良かったぜ…」
「ええ、本当に…。なんだか力が抜けてしまったわ」
次回へ続く。
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