ファンタジー/ストーリー4

雪矢酢

文字の大きさ
15 / 27
第一章

十四話 黒幕と硝子の剣

しおりを挟む
ダルガ教の施設から帰還したフラットたちがみたものは破壊されるヘルゲートであった。
敵の主力である機械竜や三人の刺客を破ったフラットたちは防衛の要、ダークパレスへ到着した。


「おう、無事だったか」


武装したガルシアがパレスの入り口にいた。


「アレサとマーガレットさんが負傷している、手をかして」


ニナは負傷者を中へ運ぶように指示した。
ザギたち飛空艇の技師たちも、逃げてきた負傷者を誘導したりと協力している。


「ニナ、悪いけど先に休ませてもらうわ」


「うん、ここは任せて」


アレサは兵士に運ばれていった。


「あれはオメガ、それに…レフト?」


浮遊してきたオメガは鳥人を抱えている。


「負傷している。すまぬが助けてやってほしい」


「ずいぶん高慢な奴だったけど?それでも助けると…」


腕組みしアローを睨み付けるニナ。
兵士たちが駆けつけアローを運ぶがニナは不満そうだ。
オメガはボディーから白煙が出ておりクールダウンが必要なようだ。


「おーいニナ」


フラットを支えレフトがパレスに到着した。


「ああ…オメガ殿…」


フラットは身体を引きずりオメガの元へ向かう。
そんな彼女を受けとめるオメガ。


「ちょっと、いちゃつくなら中でやんなさいよ」


ニナの冷ややかな視線が二人にむけられる。
フラットは顔が真っ赤だ。


「うむ、すまぬがここを頼む」


オメガは二人にそう告げるとフラットを支え中へ。
ニナは首を振りあきれているようだ。


「堅物二人…もうお好きにどうぞって感じだわ…」

「まあまあニナ。そっと見守ろうよ」


そんな会話をしている二人のところへガルシアが状態説明に来た。


「二体の竜が留置所を襲撃しデルタや数名の捕虜を逃亡させた。そっから破壊行為が始まったんだ」


「急襲されたのに住民のスムーズな避難がすごいわ」


レフトは建物こそ破壊されているが、市民の犠牲者が皆無なことに驚いていた。


「さすがヘルゲートって感じね。襲撃に慣れているのかしらね?」


「まあすぐに警報が響いたからな。みんなヤバいって思ったんだろ」


話し込む三人の前に突如空から人が降ってくる。
その異様な光景にニナとレフトは言葉を失う。
その人物が着地するとガルシアはひざまづく。
彼はこの人物を知っているようだ。


「竜が消えたわね、復興機関がやったのかしら?」


「はっ、自分はわかりませんが、おそらくそこの男が…」


ガルシアは起き上がりレフトを差し出す。
よくわからないレフトはガルシアにポンと押され前に出る。


「ヘルゲートを代表し礼を言うぞ」


飛んできたのはカナベルと同じような軍人風の女性。
ニナは何かを言いたそうにレフトの後ろで銃を構える。


…空から人がふってくるなんてことはありえない。


この人は軍服を着ているが正体は魔法使い。
なるほど…この人がフラットさんの言っていた…夫人…か。
ニナはすぐに危険人物と気づいたようだね。


よし、直球勝負といくか…。


「…あなたは…テラー夫人でしょうか?」


レフトのその言葉に女性は真顔になる。


コイツ…私の名を知っているのか…。


そんな思いを秘めゆっくりレフトに近づき話す。


「そうだ、私はテラーだ。そなたはレフトーラであろう…ヘルゲートに戻っておったか…」


「…」


沈黙するレフト。
対峙する二人はお互いに本音を口にしない。
場の空気がはりつめる。


「おい、レフト、このお方は…」


ガルシアがレフトに話しかける。


「下がってガルシア」


その時ニナが大声を出す。
その声に驚くガルシア。


「なんだ、なんだよ?ニナ」


「ふふふ」


夫人は表情が緩み笑顔になる。
そしてレフトの肩に触れようとする。


「触らないでっ!」


またしてニナは大声を出す。
意味がわからないガルシア。


「おいニナ、いい加減にしろ、お前おかしいぞ」


「下がりなさい」


ニナは銃口をテラーに向ける。


「よかろう、受けて立つぞ。復興機関派遣課ニナ」


夫人も銃を取り出し、場は修羅となる。
ガルシアは後退しどうすればいいかわからずにパニック状態となる。


「ニナ…落ち着くんだ」


レフトはニナをかばうように彼女の前に出る。


「あなたからは凄まじい殺気を感じるわ。一体何者なの」


「二人とも銃をしまうんだ」


レフトは二人を仲裁する。
彼を間に挟みニナとテラーは対峙。
テラーは笑みを浮かべ、怯むことなく銃を構えている。
ニナは若干呼吸が乱れており、いつもの冷静さがない。



「ふっ」


テラーは銃を下ろし左手をあげる。
するとニナの後方に剣が召喚され、その鋭い刃が彼女を襲う。


「卑怯なことを…」


ニナはその剣をなんと銃身で受けとめる。
レフトは即座にテラーの目の前へ移動し左手を構えた。


「動かないで下さい」


「ふふふ」



テラーは絶体絶命の状況だが不気味に笑っている。
そんな彼女に躊躇なくニナは腹に蹴りを入れる。


「うぐっ」


「おい、ニナっ!」


その行為にビビるガルシア。


「ガルシア、はやく兵士を呼んできて。彼女を拘束する」


ニナはガルシアに指示する。
だが彼はニナに駆け寄り肩を掴む。


「そんくらいにしとけよ、このお方は…」


「くっ」


ガルシアに気を取られた一瞬の隙にテラーは飛び上がり魔力を解放する。


「さすがだな…戦い慣れておるわ。だがダークパレスはもう包囲されているのだよ」


テラーは両手を掲げ解放した魔力を周囲に飛散させる。
するとパレスを包囲するように四体の竜が召喚される。
竜は雄叫びをあげその場に待機している
テラーは浮上しパレスに向かって宣告をした。


「聞け、ヘルゲートの者よ。投降するのだ、さすれば攻撃はしない。そしてパレスを渡せ。この素晴らしい建造物を破壊したくはない」


「…あのやろう……好き放題言ってくれるわね、久しぶりに怒りがこみ上げてきたわ…」


ニナは銃を整備し弾を込める。


「ニナ、夫人は生かして捕らえるよ。聞きたいことがたくさんあるからね」


「わかっているわ。だけどまずあの竜をなんとかしないと……」


「あ、あわあ…」


ガルシアは腰が抜けたようだ。


「連戦でオメガたちは消耗している。私たちでなんとかするしかないわ」


ニナは二丁の銃を取り近くの竜に照準を定める。
レフトは剣に手をかけてゆっくりと竜に向かう。


「ニナ、ヤバくなったらすぐに逃げるんだ。さすがにパレスを守りつつ竜四体を倒すのは難しい…」


「竜をパレスから離せばいいのよ」


ニナはレフトの言葉を聞き囮になるようだ。


「ニナよせ、竜は飛べるんだ、囮は危険だよ」



ニナの特攻に三体の竜が浮遊し、彼女はすぐに囲まれてしまう。


「くっ…」


レフトが剣を抜刀しようとした瞬間、テラーはその彼に話す。


「レフトーラ、お前が剣を抜けばこの男がどうなるか…」


ガルシアを人質にとられたようだ。


「…」


竜に囲まれたニナ。
意識を失い人質になったガルシア。


…このままではニナが…。
だが動けばガルシアが…。
どうすれば…。


「…わかった」


レフトは剣を捨てた。
そして武装を解いた彼を包囲するように剣を召喚し一斉に攻撃をする。


「ぐっ…」


四本の剣がレフトの四肢をとらえ地面に押さえつける。


「レフトっ!」


ニナが叫び助けに向かうが竜が尻尾を払いニナの腹部を直撃する。


「うぐっ…」


右手をつき吐血するニナ。
そこへ追撃する竜。


「おやおや、レフトーラが先のつもりだったが、順番が変わったわね」


竜は浮上しニナを押し潰すようだ。
空中で待機する竜はテラーの指示を待つ。


「やめろっ」


レフトは拳をにぎるが拘束している剣はより深く刺さり状態を起こせない。


「やれ」


手を振り下ろすテラー。
それを確認した竜は急降下しニナの上に着地した。


「あぁ…ニナ…」


「…」


周囲に伝わる衝撃。
竜の身体はニナの上に着地した。
だがテラーはすぐに異変に気づいた。



「うふふ」



一行が沈黙する中、突然黒い炎が竜を包み一瞬でその身体は分解される。
その不気味な光景にテラーと竜は恐怖した。
召喚されたモノはその召喚したモノの影響を受ける。


「…バカな…突然炎上するとは…」


パレスの入り口にはミミズクとバイオが立っていた。

「かかれ」

ミミズクはパレス後方に潜んでいた兵士に竜の一斉攻撃を命じた。
その統率のとれた奇襲に竜はなす術もなく力尽きた。
残りの二体は急襲を避け急浮上する。
そして地上を一掃すべく火炎ブレスを吐く。


「うふふ、吐瀉物を吐き散らさないで下さいね」


バイオは杖を召喚し反射の魔法を放つ。
火炎ブレスは竜に跳ね返り二体の竜は呆気なく自身の炎で消滅した。


「おのれバイオか……負傷したと聞いたが…」


テラーは退路を探し逃亡をはじめる。
だがミミズクは兵士にその退路を遮断させる。


「…こうなればせめて一矢報いるまでだ」


血迷ったテラーは銃を取りミミズクを狙い撃ちした。
だがその銃弾をミミズクはなんと短剣で受け流す。


「……バカな」


「うふふ、ミミズクさんは凄腕の短剣使いなのですよ」


「おとなしくして下さい」


兵士たちは気絶したニナと、負傷したレフトを手当てする。
ガルシアは重傷でパレスの医務室へ運ばれていった。


「レフトさん、間に合ってよかった」


ミミズクはレフトに小瓶を投げる。
それを飲み回復するレフト。


「ん」


レフトはテラーからおぞましい魔力を感じた。


「ミミズクさん、バイオさん、まだ終わっていない」


「うふふ、また魔力暴走ですか…もううんざりですわ」


「まいったね、これは」


テラーは秘密を守るために自らを化け物へと変異させた。
魔力増強の薬を大量に飲み、その結果、身体が不自然に肥大化した怪物へなってしまったのだ。


「がうう」


そしてテラーはパレスを破壊すべく全魔力を集束。


「仕方ない…」


レフトは剣に手をかける。
レフトの手にバイオは自分の手をかぶせる。


「うふふ、手を触り奥様に怒られてしまいそうですが、手出しは無用ですわレフトーラ様」


「えっ」



するとパレスから黒いフード、黒いローブの全身真っ黒の人物が飛び出し、肥大化したテラーの胴を手にした刀で突き刺す。


「…あの人は機関でニナを…」


「レフトーラ、ありがとう。君のおかげで確信した」


「あなた…は?」


テラーから魔力が飛散していき元の人の姿になった。
兵士は彼女とニナを連れ医務室へ。


「うふふ、解決したようなので我々は一度機関へ戻ります」


「レフトさん、また後で」


「はい…」


みんな、何事も無かったように、忙しそうに去っていた。
そしてパレスの前にはレフトと謎の人物だけとなった。


「私はガイア、トップオブザワールドと名乗ったほうがいいかな?」


「ガイア…トップオブザワールド……するとあなたがヘルゲートの…」


「いろいろ話す前に確かめたいことがある。まあ砕いて言うと……ちょいとツラかしなって感じだ」



レフトはガイアに言われるまま、パレス後方の広場へと連れていかれる。


…トップオブザワールド。
もといガイア。
他とは違う異質な力を感じる。
ニナの魔力暴走、そして今回の夫人の魔力暴走。



「とりあえずこれを受け取ってくれ」


ガイアは二本持つ剣のうち一本をレフトに渡す。


「なるほど……武で語れということですか?」


「ほう、さすが復興機関最強の一角というべきか。鋭いな」


「元ですよ、復興機関には属していない一般市民です。それに最強ではないですから」


「ああ、すまない。そうだったな。まあそんな力を持つ一般市民もどうかと思うがね」


「…手合わせならお受けします」


「ありがたいねえ」


ガイアは全身の力を抜き、だらんとしている。
レフトは剣の具合を確認し身構える。


…この剣はガラス…耐久力が無くて……簡単に折れる。
なるほど……一撃勝負というわけか…。
ガイアさんってなんだかアレサやオメガみたいな戦闘マニア気質だわ。


「ふむ、その様子だと気づいたようだなレフトーラ」


「あなたのような戦闘狂が周りにたくさんいるんですよ」


対峙する二人。
パレスの窓には多数の人がおり、二人の勝負を見守っている。
それはまるで世界の行方を決めるかのようだ。



レフトは剣を両手で持ちガイアをみる。



「いきます」


「くるがいい、勝負だ」


レフトは珍しく先に仕掛ける。


…見極めているのはあなただけではない。
どんな力を持っていようが、凄まじい魔力を持っていようがこの真剣勝負には関係ない。

このガラスの剣で攻撃できるのは一撃のみ。
ならば…先に仕掛けるほかない…。
受けることより、当てることを考えねば…勝てない…。


「その覚悟、見事だレフトーラ」


足を踏み込み間合いをはかるレフト。
ガイアは一瞬笑い自分の剣をいきなり右足の前に突き立てる。


「なっ!」


その奇行にレフトは反射的に左手を剣から離してしまう。
何かを仕掛けてくる。
剣で防げないなら手で受ける他ない、人がもつ防衛本能だろうか。


「勝負あったな」


刺した剣と相手の出方に気がいったレフト。
ガイアはそれが狙いであったのだ。
彼はレフトが右手に持つ剣をまさかのストレートパンチで破壊。
ガラスの刀身は脆く素手で破壊が可能だったのだ。
レフトは剣を砕かれ勢いで怯み体勢を崩してしまう。


「くっ」


「はあっ」


ガイアは左手の拳を引き力を溜め一気にレフトの腹部を狙う。


「くらえっ」

「まだだ」


レフトは崩れた体勢を左足で支え踏ん張り、ガイアが突き刺した剣を左手で抜き逆手持ちにて彼の左ストレートパンチに応戦。




「…」



「…」


ガイアの攻撃が命中すればレフトの内臓は破壊され勝負あり。
レフトの逆手持ち剣はガイアの首をとらえており、命中すればガイアにとっては致命傷である。


お互いにあと一手のところで動きが止まる。


沈黙する二人。
この状況は相手の出方を待つ他ない。
動けば負けなのだ。


そこへアレサとマーガレットが駆けつける。



「ちょっと、こんな時に何やってんのよっ!」


ぶちギレるアレサ。
マーガレットは状況を確認して事態を察した。


「ガイア様、レフトーラ様、どうやらこの勝負は引き分けのようですね…」


「まったくもう…何バカなことやってんのよ」


アレサはため息をつき腕を組む。


「…」


「…」


ガイアはゆっくりと左手をレフトから離す。
レフトも剣を彼から離しマーガレットに渡す。



「ふふ、お互いによく似ておられますね。さあ中へ入ってお茶でもしましょう」


「レフトーラ、一つだけ聞きたい」


「…なんでしょうか?」


「左利きか?」


「はい、そうです」


「ふははっ、そういうことか…こりゃまいったわ」


「……あなたが左足方向に剣を刺していたら……ストレートパンチは直撃していたでしょう…」


「見事だ、全てを話すぞレフトーラ。試すような行為を詫びよう」


「いえ、こちらこそ失礼しました」





当事者の二人は戦いに満足しているようで気づいていないが、アレサとマーガレットは全力で二人を止める覚悟だった。



次回へ続く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

リアルフェイスマスク

廣瀬純七
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...