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第ニ章
一話 動き出す者たち
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復興機関に届いた手紙はすぐにダークパレスへ持ち込まれた。
内容がこの国にとって重大のため、緊急召集にて関係者がパレス入りする。
手紙を持ち込んだ復興機関のミミズク、そしてヘルゲートからはガイアとマーガレットが緊急で集う。
「テラーを引き渡すというのはわかるが…」
ガイアが二人に問う。
混乱を避けるため、まずは三人が意見を交換して、ある程度、話の方向性を決めるようである。
「敵は罠が大好きなようですね、ふふ」
「毎度毎度こんな見え透いた罠を仕掛けるとはね
え…」
「市民であるレフトさんをこれ以上巻き込むのはどうかと思います…ですが……もし彼と奥様の協力が得られるなら…」
ミミズクは二人を巻き込みたくない、というのが本音だが…。
「ミミズクの言うことはわかる。だが、この武装集団を殲滅するにはレフトーラとアレサさんの力は必須だろうよ。ほっとくとヘルゲートだけでなく大陸全土に攻撃を仕掛ける可能性がある…」
その時、部屋にアレサとガイ、それに謎の老人が突如入室してきた。
「ありゃ、珍しい組み合わせじゃねえか…」
「ふぉふぉ、首脳が揃っておったか」
「手紙で名指しをされているレフトが不在って…」
「申し訳ありません……止めたのですが…」
ガイが三人に謝罪する。
アレサとゼノンブールは強引に部屋へ入ってきたようである。
「大老、お帰りなさいませ、ふふ」
「ゼノン様、力と知恵をお貸しください」
ミミズクとマーガレットはゼノンブールの前でひざまずき眼を閉じる。
「バカもの、よさぬか」
二人を席に座らせるゼノン。
その様子にこの老人がヘルゲートでは重要人物なのだと理解するアレサ。
「じいさん、助かるぜ、迎えに行ってくれてありがとよガイ」
「ガイ、テラーの証拠をつかんだとか?」
「は、夫人はダルガ教という危険集団の密偵でした」
「密偵か…そうなるとヘルゲートの情報は敵に流れている…そうじゃな?」
うなずくガイアとマーガレット。
部屋は沈黙する。
「そんでその集団からよ、復興機関に手紙が届いたそうだわ」
ガイアはデスクに手紙をひろげる。
ゼノンとアレサは手紙を確認し納得したようだ。
「こりゃ罠じゃ」
「…私もそう思うわ……またかって感じだわ」
呆れているアレサにミミズクが話す。
「奥様、今回もこの罠にわざと引っ掛かるというのはどうでしょうか…」
遠慮しつつもバイオの作戦を伝えるミミズク。
アレサを説得し二人の協力を得ようとのことだろう。
「なるほどな、敵の懐に飛び込んで刃を突き立てるということか……えげつない作戦じゃが…」
「私は賛成ですわ。レフトーラ様の後方支援を奥様と私が引き受けますわ、ふふ、どうでしょう?」
「ちょっとマーガレット」
「フラット様はもう戦えません、そしてオメガ様はメンテナンス中。さらにはニナさんも治療中ということで動ける者は限られております。危険な罠だとしても私たちが後方に控えておけばいつでも飛び出せます。レフトーラ様を囮にするのは心苦しいですが…」
いつになく真剣なマーガレット。
その様子にアレサは応える。
「わかったわマーガレット、一緒に行くわ」
マーガレットはアレサを見つめうなずいた。
ガイアは腕を組み二人を見つめる。
書類に記録をするガイ。
「仕方ないのう。ワシもお前たちと行こうぞ」
「えっ」
「おお、ありがてぇな、じいさん」
ガイアはその一言を待っていたようだ。
「皆が一つになり立ち向かう時じゃな、ぜひ協力させてくれ、アレサ殿」
「ゼノンブール、前線は過酷よ。もし危険を感じても、バカな真似はしないでよ?」
アレサはゼノンブールの身体を心配している。
年配者は命を粗末にする傾向があるからだ。
見た目こそアレサは若いが、実際はゼノンブールの年齢の倍以上は生きている。
「だそうだ、わかったかじいさん、特攻とかして自爆とかは止めろよ?」
「トップ様、承知しました。アレサ殿やマーガレットがおればワシは安心して戦えますぞ」
「ふふ、大老、よろしくお願いいたします」
…なるほど。
この老人は何か特殊な能力があるようね。
ガイアが無策で老人を前線に配置するなど考えられないわ。
「奥様、この作戦はヘルゲートだけでなく大陸の命運がかかっています。お願いばかりで申し訳ないですが…」
ミミズクはアレサに頭を下げる。
その彼女に近づき頭をあげさせる。
「やめてミミズク。あなたやガイアには立場がある。それぞれ役割があるのよ、だから戦いは私たちに任せてちょうだい」
「奥様聞いて下さい、敵はこの罠でレフトさんを無力化するつもりでしょう」
「そうね、魔力を封印されるか…剣を破壊されるか…レフトにとってはつらい戦いになるでしょうね」
「どんな状態になろうが連れて帰ってきて下さいね。私はかつてレフトさんに命を救われました。今度は私が救います」
「わかったわ。ミミズク、あなたとはもう少し早く出会いたかったわ」
「奥様、私もそう思います」
こうしてヘルゲートは敵の罠を承知の上で動き出した。
奇襲作戦や飛空艇の爆撃で拘束した捕虜たちはテラーを除き皆、友好的だった。
捕虜から得た情報によると混血児デルタは教団とは別の考えがあるようでその理解者がいるらしい。
そして四天王とは別に双竜という双子の幹部や教団を取り仕切る影の参謀なる者が存在しているようである。
アレサたちが準備を進めるなか、フラットはパレスの外を運動がてら散歩していた。
「…動きがあったか」
あわただしいパレスに何かを察するフラット。
彼女は相棒である竜を敵に討たれ、さらに特殊な竜剣さえも失くした。
宣告こそないがこの状況は戦力外であろう。
「うむ、散歩であるか」
そこへ同じくメンテナンス中のオメガが駆け寄る。
「オメガ殿か」
「敵がレフトとテラーを引き渡せと要求してきたらしい」
「レフトーラを?何故…」
「うむ」
「…完全に巻き込んでしまったな」
「うむ、これは宿命だろう」
「ふ、宿命か……レフトーラといい、あなたといい、本当に…不思議だよ」
止まっていたフラットはゆっくりと歩き出す。
「付き合ってくれるか?オメガ殿…」
「うむ」
オメガはうなずき一緒に歩き出す。
「私の想いを…聞いてくれぬか?」
うつむきながら話すフラット。
「聞こう」
その言葉に喜ぶフラット。
彼女は普段、感情を表には出さぬよう努力しているが、疲労や急な出来事などで感情的になることは多い。
「私は……エンデから来たんだ…」
「うむ」
「驚かないのか?」
「あなたは人の心とアンドロイド特有の各種耐久があり、エンデと関係があるとみえたのだ」
「ふ…それはあなたとて同じだろう?」
「そうだ、皆には黙っているがオレもエンデの技術が造り出したアンドロイドなのだ」
「…」
「理由は不明だがエンデから来たという者が瀕死のオレを極秘に改造しアンドロイドとして再生してくれたんだ」
「オメガ殿はエンデがどういう国かご存知か?」
「いや、高度な技術があることはわかるが…詳しくは知らない」
「私はエネルギーを放つ花と召喚宝珠を持ち、エンデからこの大陸を管理する者として派遣されたんだ」
フラットの衝撃的な正体が明かされた。
謎だったエンデが少しずつだが判明していく…。
二人は人がもつ「愛」を知ることができるのか…。
次回へ続く。
内容がこの国にとって重大のため、緊急召集にて関係者がパレス入りする。
手紙を持ち込んだ復興機関のミミズク、そしてヘルゲートからはガイアとマーガレットが緊急で集う。
「テラーを引き渡すというのはわかるが…」
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「敵は罠が大好きなようですね、ふふ」
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え…」
「市民であるレフトさんをこれ以上巻き込むのはどうかと思います…ですが……もし彼と奥様の協力が得られるなら…」
ミミズクは二人を巻き込みたくない、というのが本音だが…。
「ミミズクの言うことはわかる。だが、この武装集団を殲滅するにはレフトーラとアレサさんの力は必須だろうよ。ほっとくとヘルゲートだけでなく大陸全土に攻撃を仕掛ける可能性がある…」
その時、部屋にアレサとガイ、それに謎の老人が突如入室してきた。
「ありゃ、珍しい組み合わせじゃねえか…」
「ふぉふぉ、首脳が揃っておったか」
「手紙で名指しをされているレフトが不在って…」
「申し訳ありません……止めたのですが…」
ガイが三人に謝罪する。
アレサとゼノンブールは強引に部屋へ入ってきたようである。
「大老、お帰りなさいませ、ふふ」
「ゼノン様、力と知恵をお貸しください」
ミミズクとマーガレットはゼノンブールの前でひざまずき眼を閉じる。
「バカもの、よさぬか」
二人を席に座らせるゼノン。
その様子にこの老人がヘルゲートでは重要人物なのだと理解するアレサ。
「じいさん、助かるぜ、迎えに行ってくれてありがとよガイ」
「ガイ、テラーの証拠をつかんだとか?」
「は、夫人はダルガ教という危険集団の密偵でした」
「密偵か…そうなるとヘルゲートの情報は敵に流れている…そうじゃな?」
うなずくガイアとマーガレット。
部屋は沈黙する。
「そんでその集団からよ、復興機関に手紙が届いたそうだわ」
ガイアはデスクに手紙をひろげる。
ゼノンとアレサは手紙を確認し納得したようだ。
「こりゃ罠じゃ」
「…私もそう思うわ……またかって感じだわ」
呆れているアレサにミミズクが話す。
「奥様、今回もこの罠にわざと引っ掛かるというのはどうでしょうか…」
遠慮しつつもバイオの作戦を伝えるミミズク。
アレサを説得し二人の協力を得ようとのことだろう。
「なるほどな、敵の懐に飛び込んで刃を突き立てるということか……えげつない作戦じゃが…」
「私は賛成ですわ。レフトーラ様の後方支援を奥様と私が引き受けますわ、ふふ、どうでしょう?」
「ちょっとマーガレット」
「フラット様はもう戦えません、そしてオメガ様はメンテナンス中。さらにはニナさんも治療中ということで動ける者は限られております。危険な罠だとしても私たちが後方に控えておけばいつでも飛び出せます。レフトーラ様を囮にするのは心苦しいですが…」
いつになく真剣なマーガレット。
その様子にアレサは応える。
「わかったわマーガレット、一緒に行くわ」
マーガレットはアレサを見つめうなずいた。
ガイアは腕を組み二人を見つめる。
書類に記録をするガイ。
「仕方ないのう。ワシもお前たちと行こうぞ」
「えっ」
「おお、ありがてぇな、じいさん」
ガイアはその一言を待っていたようだ。
「皆が一つになり立ち向かう時じゃな、ぜひ協力させてくれ、アレサ殿」
「ゼノンブール、前線は過酷よ。もし危険を感じても、バカな真似はしないでよ?」
アレサはゼノンブールの身体を心配している。
年配者は命を粗末にする傾向があるからだ。
見た目こそアレサは若いが、実際はゼノンブールの年齢の倍以上は生きている。
「だそうだ、わかったかじいさん、特攻とかして自爆とかは止めろよ?」
「トップ様、承知しました。アレサ殿やマーガレットがおればワシは安心して戦えますぞ」
「ふふ、大老、よろしくお願いいたします」
…なるほど。
この老人は何か特殊な能力があるようね。
ガイアが無策で老人を前線に配置するなど考えられないわ。
「奥様、この作戦はヘルゲートだけでなく大陸の命運がかかっています。お願いばかりで申し訳ないですが…」
ミミズクはアレサに頭を下げる。
その彼女に近づき頭をあげさせる。
「やめてミミズク。あなたやガイアには立場がある。それぞれ役割があるのよ、だから戦いは私たちに任せてちょうだい」
「奥様聞いて下さい、敵はこの罠でレフトさんを無力化するつもりでしょう」
「そうね、魔力を封印されるか…剣を破壊されるか…レフトにとってはつらい戦いになるでしょうね」
「どんな状態になろうが連れて帰ってきて下さいね。私はかつてレフトさんに命を救われました。今度は私が救います」
「わかったわ。ミミズク、あなたとはもう少し早く出会いたかったわ」
「奥様、私もそう思います」
こうしてヘルゲートは敵の罠を承知の上で動き出した。
奇襲作戦や飛空艇の爆撃で拘束した捕虜たちはテラーを除き皆、友好的だった。
捕虜から得た情報によると混血児デルタは教団とは別の考えがあるようでその理解者がいるらしい。
そして四天王とは別に双竜という双子の幹部や教団を取り仕切る影の参謀なる者が存在しているようである。
アレサたちが準備を進めるなか、フラットはパレスの外を運動がてら散歩していた。
「…動きがあったか」
あわただしいパレスに何かを察するフラット。
彼女は相棒である竜を敵に討たれ、さらに特殊な竜剣さえも失くした。
宣告こそないがこの状況は戦力外であろう。
「うむ、散歩であるか」
そこへ同じくメンテナンス中のオメガが駆け寄る。
「オメガ殿か」
「敵がレフトとテラーを引き渡せと要求してきたらしい」
「レフトーラを?何故…」
「うむ」
「…完全に巻き込んでしまったな」
「うむ、これは宿命だろう」
「ふ、宿命か……レフトーラといい、あなたといい、本当に…不思議だよ」
止まっていたフラットはゆっくりと歩き出す。
「付き合ってくれるか?オメガ殿…」
「うむ」
オメガはうなずき一緒に歩き出す。
「私の想いを…聞いてくれぬか?」
うつむきながら話すフラット。
「聞こう」
その言葉に喜ぶフラット。
彼女は普段、感情を表には出さぬよう努力しているが、疲労や急な出来事などで感情的になることは多い。
「私は……エンデから来たんだ…」
「うむ」
「驚かないのか?」
「あなたは人の心とアンドロイド特有の各種耐久があり、エンデと関係があるとみえたのだ」
「ふ…それはあなたとて同じだろう?」
「そうだ、皆には黙っているがオレもエンデの技術が造り出したアンドロイドなのだ」
「…」
「理由は不明だがエンデから来たという者が瀕死のオレを極秘に改造しアンドロイドとして再生してくれたんだ」
「オメガ殿はエンデがどういう国かご存知か?」
「いや、高度な技術があることはわかるが…詳しくは知らない」
「私はエネルギーを放つ花と召喚宝珠を持ち、エンデからこの大陸を管理する者として派遣されたんだ」
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次回へ続く。
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