ファンタジー/ストーリー4

雪矢酢

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第ニ章

九話 世界終焉のシナリオ

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復興機関ヘルゲート支部に届いた手紙はレフトの魔力を奪う罠だった。レフトは魔力を失うも復職したゼノンブールや覚醒したダリアらの活躍により敵の幹部を撃破。そしてマーガレットがドルガを討ったことにより各地にいる悪魔は彼の支配から解放された。だが、邪神ダルガニスと恐れられていた兵器ハーザクメテオは起動してしまった。

ガイア、ミミズク、ゼノンブール、そしてセフィアがパレスにて緊急の話し合いをしていた。


小さな会議室に、ミミズク、ゼノンブール、セフィアが座っている。
そこへガイアが入室する。


「ようこそセフィア、ヘルゲートには慣れたかい?」


「はい…」


陽気なガイアに戸惑うセフィア。


「ふぉふぉ、セフィアよ、分かることを話しておくれ、それから我々が進むべき道を決めようぞ」


ゼノンブールが場を仕切り話を進める。


「ハザークメテオは…ここにある動力を求めて襲撃してきます」


「ほう」


ガイアが反応する。


「動力?そういえば小屋でも言っておったな」


エネルギーを放出する花の存在を知らないミミズクとゼノンブール。


「ヘルゲートにはエネルギーを放出する特殊な花がある。ハーザクなんとかはそれを狙ってくる、そういうことでいいか?セフィア」


「はい、しばらくはどこかおとなしくしているでしょうが、動力が低下してくるとエネルギー求め破壊活動を開始します」


「セフィアさん、ハーザクメテオとは何なのですか?」


ミミズクは核心に迫る問いをする。


「ハーザクメテオはエンデを襲撃するためにつくった殲滅兵器です」


「エンデを襲撃する兵器…ですか」


「なるほど」


ガイアは多少エンデの情報があるのか、セフィアの言葉に動じないが、二人は驚きを隠せない。
セフィアはミミズクの問いに順序よく答えていく。


「大戦で敗した一部の悪魔たちは地下で戦力を蓄えていました。技師だった私はそこでドルガと出会い悪魔の技術に触れました。多くの悪魔や優れた技術者たちの協力を得てハザークメテオは完成しました」


「なるほど…」


セフィアの話に静まる室内。


「質問ばかりして申し訳ないですが、ドルガの目的は?教団の目的は何ですか」


的確な質問をするミミズク。
事態の急展開に沈黙するゼノンブール。


「彼の目的は教団の目的と同じです。それはエンデの支配から世界を解放することだと思います」


「世界を解放?」


「話が壮大になってきおったわい」


「はい、大老様。これはエンデ国が大きく絡んでいますね」


「だなミミズク。ハザークとかいう兵器をブッ壊す組とエンデ組、この二班を構成して対応するか…」



沈黙する室内。
そこへ扉を開けある人物が入室してくる。


「失礼します」


フラットだ。


「おいおい、フラット…お前……」


ガイアはフラットの正体を知っている。
ドラゴンマスターとしての立場を理解しているガイアはフラットを信頼しその側においた。
二人には確かな信頼関係がある。


「ガイア様、私にも少し話をさせて下さい」


「わかった。いいんだな…フラット…」


うなずき席に座るフラット。


「セフィア殿、ハーザクメテオの猶予はどのくらいあるか?」


「……およそ一週間…」


「わかった」


セフィアの言葉に何かを決意したフラット。


「フラット…どういうことだ?」


「はい、私がエンデに行きます」


「…」


セフィア含め皆が驚く。


「メテオが花の動力を得たら世界は滅びます。そしてこのまま何もせず普通の生活をしていても世界は滅びます……ミミズク殿、例の件ですが…」


ミミズクに視線をむけるフラット。


「はい、復興機関は……もう終わりです。最高司令は生存しており……傷つきながらも北を目指し消えたとのことで……」


「オールは生きてたってことか…」


「…本当に最近は話がどんどん進み、ついていくのがやっとじゃわい」


「オールが…エンデに到達したら……これまた世界が滅びます」


またしても衝撃的な内容を話すフラット。


「…」



世界が滅ぶ。
皆はその意味がわからない。




「おいフラット、分かるように…説明してくれるか?」



さすがのガイアも状況が分からずセフィアとフラットに問う。



「それを説明するにはエンデの正体を話す必要があります」


フラットが話す。


「フラットさん、話して下さい。私は断片的にしかエンデを知らない。だから全てを皆さんに説明することができない」


やや感情的になるセフィア。
そんな彼女をなだめるミミズク。
フラットは小さな音声再生機を取り出し起動する。


「エンデはこの世界を管理しています。平和は秩序によってもたらされる。良くも悪くもエンデは尖りも丸みもない平坦な世界をつくりました。生物はその世界で永遠ともいえる時間を過ごし歴史をつくり繁栄しました。ですがその悠久の時は悪魔の出現により終わります」


再生機からの音声に耳をかたむける一同。
聞いたことのある声だ。


「悪魔は最初こそ、この地の生物を支配下としていたが、やがて共存の道を選択をしました。そして世界に生物たちを縛りつける存在がいることを知った悪魔や人は、その存在を滅ぼすべく立ち上がり、原生林を攻めてエンデを目指しました」


大戦の背景が語られる。


「この動きを原生林の危機、国への侵略行為と認識したエンデは、愚かな種を滅ぼし世界をつくりなおすため大陸へ反撃をしました。悪魔や人、大都市などは幻獣やミサイル攻撃により徹底的に破壊されました。その後にエンデは管理と監視を担う二体のホムンクルスベースのサイボーグを世界に遣わせ大陸の復興を助けました。それがフラットとオールです」


音声は淡々と話を進める。


「オールが設立した復興機関は世界を監視、フラットは世界を飛び回り危機管理を徹底した。これにより世界は崩壊からすぐに復興、再び歩み出したようにみえた。ですが地下で力を蓄えていたダルガ教の台頭によりオールは瀕死の重症を負い、フラットはその幹部の前に倒れた。逃亡したオールがエンデに到達し大陸の危機を知人たちに告げた場合、国は再び世界を滅ぼすだろう。これを阻止するにはオールより先にエンデへ到達せねばならない。だが、エンデにはエンデ人しか到達できない。それは原生林全体に見えないシールドが展開しており入り口をロックしているためだ。そしてそのロック解除はエンデ人にしかできない。今こそフラットとともエンデ国を訪れよ、生命体の本質をエンデに見せつけよ、悪魔だろうが人だろうが関係ない。生きることを忘れてはいけない、それをエンデに証明するのだ」



音声はここで終わった。



「フラット、これはオメガ殿だな?」


ガイアは腕を組みフラットに問う。


「はい、文章を読んで頂きました。そのオメガ殿は私の護衛としてエンデへ同行してくれます」


「ふお…」


「オメガ殿が…」


一同が静まりかえる。
エンデに到達した者はいない。


「おいフラット、まさかお前ら片道キップのつもりじゃねえだろうな?」


ガイアはフラットの覚悟を理解した。
誰も到達したことがない国を目指すことは危険であり帰ってこれる保証は一切ない。


それがどれだけ過酷なことか…。


「私は…この国を愛しています」


「ちっ……」


眼をつむるガイア。


「ガイア殿、それにフラットさん、私はここにとどまりあの人がすべきだったことは全てやる覚悟です。これは同じ力を持つ者としての責務」


セフィアが膝をおりガイアに忠誠を誓う。
フラットオメガが決意したように、彼女も自分なりに決意したようである。
魔力を失い一般人となったレフトの代わりを勤めるようだ。


「おいおい、待て。時間は無いが結論を急ぐのはダメだ。レフトーラはレフトーラであり君は君だぜ?」


「トップ様、今こそ世界に号令し、この危機を乗り越えるのですじゃ。これは試練、生物が生存を勝ち取れるかの試練ですじゃ」


「大老様、我々、機関の者は総出でヘルゲートを支援致します」


ミミズクは協力を承諾した。
だが事態はヘルゲートだけの問題ではなくなり世界の存続をかけた戦いが始まろうとしている。
本部が崩壊した復興機関は、その情報が入ってこないのだが各地の支部に影響はなかった。
一部の武力派が本部を占拠しダルガ教の残党と結託。
新勢力となったこの集団は世界の解放を掲げヘルゲートに宣戦布告した。
エンデの世界終焉プログラムが迫る。
この危機をさらに加速させる各地での脅威、地域に眠る暴徒たち。
そして破壊兵器ハザークメテオ。
沈黙を続けるテラー。


あらゆる方面から終焉のシナリオが大陸へと迫る。
フラットとオメガはエンデ国へたどり着けるのだろか。
そして、エンデ国は本当に存在しているのか。

良心を取り戻したセフィアは自責の念や負傷したレフトの代わりに前線へと立つことを決意。
各国の協力を得るため多忙のガイア。
あちこち飛び回るアローなどこの地に住まう者は互いに連携している。






医務室にいたレフトはようやく目を覚ます。
だが魔力が消滅していることに気づき絶望した。



「…まいったね…こりゃ…」




次回へ続く。
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