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【女性】アイの決意
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アイはフレイやサンダーをあっさりと倒したがその身体は限界だった。事実、二人はかなりの実力者であったが、アイの戦闘能力が桁違いに上だった、それだけだ。
「…ちょっとムリしすぎちゃったかな…」
再生していた骨が砕けたようで立つことはもちろん、物を持つことすら困難になっていた。
私は黒い国の人間。
黒い国の問題は私の問題。
スルの事は好きだが、これは私個人の問題であり、甘えるわけにはいかない。
クロスをとめなくてならない。
ライトが亡くなったので、もはや彼をとめる人間はあの国にはいない。クロスの精神面を含め、コントロールしていた人物が消えたことにより、殺戮の騎士になってしまう。
白い国は強国で皆優しい。
私はこの国で生きたい、スルと一緒に生きたい。
なぜだろう…涙がとまらない。
スル…
私にできることは…クロスを…。
いや…争いを終結させること…かな。
…考えたこともなかったわ。
争いの終結なんて…。
子供の頃からやりたいことができず、ただ目の前の課題をひたすらこなしてきたけど…もう私は自分に嘘はつきたくない。自分のことは自分で決めたい。
一度黒い国に戻らなくて…。
…スルには…心配をかけたくない。
アイは身体が悪化しないように全身を包帯で固定し骨が砕けないように応急措置をした。
その時、コンコンと部屋をノックする音が聞こえた。誰がきたようだ。急な訪問者に焦るアイ。
「失礼します」
訪問者はコトだった。
「…やはりムリをしておられましたか」
「…」
コトは無言で近寄り、包帯を巻くのを手伝った。
「身支度されているようですが黒い国へ行かれるのですね」
「…ええ…クロスをとめなくては」
「なるほど、事実上その人物が権力者のようですね。そこを叩けば争いは終わるかもしれない、そうお考えでしょうか」
「コトさん、クロスは強いわ。身体が万全であっても私は勝てないと思う」
「アイ様の戦闘能力以上となると…スル様も勝てないでしょう。果たして両国にそんな人物はいるでしょうか」
アイはコトの実力を見抜いていたのだ。コトさんは強い…誰よりも。
だがこの人は執事であり兵士ではない。ましてや軍人でもない。そんな人物を戦に参加させたくないというのが本音だ。争いを起こしてばかりの我々軍人を憎んでいるのだろうか…そんなことも考えている。
コトは強いが力を貸して下さいとアイは言えない。
「アイ様、スル様は心からあなたを想っています。黒い国へ行くとお伝えになれば必ず同行してくれるはずです」
「それが危険なのよ。スルには危ないことはしてほしくないの」
「ですが…スル様とてそれで納得するとは思えませんが…その旨はお伝えになりましたか」
「いいえ…言えなかったの」
「なるほど」
「コトさん、聞いてくれますか」
「はい」
「黒い国へ戻るのには勝算があるからなの」
「はい、それはなんとなくわかります」
「私はクロスと結婚をするわ」
「ふむ」
突然の発言にも動じないコト。
「クロスはこの結婚を拒めないわ」
「どうぞ、続けて下さい」
「この争いで四将校の三名を失い多くの兵士は逃亡した。結果、侵略は失敗に終わったといえるわ」
「そうですね。最初は大規模で警戒しましたが、物分かりの良い方がいたようで被害は最小限でした」
「うん、だけどあの国にとってはそれが大打撃なのよ。何の成果も無しに帰国した兵士らは皆処刑されてしまうの」
「なんと…」
「兵士の士気をいかにして上げるかがあの国の課題なの」
「なるほど、みえてきました」
コトはアイの計画を理解したようだ。
「つまりクロスはアイ様との結婚により兵士の士気を高めようとする、だからこの急接近が罠だとわかっていても断れない、そういうことでしょうか」
「うん、さすがコトさん。クロスは私を疑うでしょうが必ず承諾するわ。スルにはいくら偽りだとしてもクロスとのやりとりをみせたくないの。私は全てを終わらせてスルの元へ帰ってくる」
「アイ様のお気持ちはわかりますが、この計画は同意しかねます」
「…」
「その計画は博打のようで、クロスの気持ち一つでアイ様が命を落とす可能性があります。その結果スル様が悲しみます」
「…私は…」
「二人の未来を想うならこのタイミングで地方へ逃亡し隠居するのがベストです」
「それは…」
「もちろんそれができないのはよくわかります。ですので私も一緒に黒い国へ行きます」
「えっ…コトさん…」
「クロスの私兵たちのように私もアイ様の私兵としてガードをします」
「そんな…コトさん」
「私もみんなで暮らしたい。アイ様スル様どちらも欠けることなく。館はバンたちがいますし、スル様は兵士のお仕事があるでしょう」
アイの決意にコトも決意した。
コトは執事で戦闘員ではないが、その実力は大陸最強クラスで唯一、クロスと単騎で渡り合える、アイはそう推測していた。
「コトさんが一緒ならきっと…」
「防衛に成功した勢いで白い国はついに動き出すでしょう」
「…ええ、今まではどちらかというと黒い国が侵略をして奪い、それを白い国が取り返したり、本来の状態に戻すなどしていた印象だわ。昔と違い領土拡大はほとんどしていないと思う」
「はい、争いは国力を消耗します。黒い国は常に敵がいないと国家を維持できない状況にあるのでしょう。強者と示すには争いで勝利するのが手っ取り早いでしょうから」
「そうね、訓練して出世するのが絶対正義でしたから…」
「白い国も黒い国も問題があるとは思いますがまず争いを終結させるのが最重要ですね。行きましょう」
バンに主旨を伝え出発する二人。
アイの計画が動き出した。
黒い国では…
軍部にクロスが呼び出されていた。
「あれほどの大軍を率い、内部の助力もあった。そして精鋭の三人も出撃した。それでこの敗走」
「はっ。私が現場を離れたことが原因であります」
「それは軍部がそなたを呼び戻したから敗走したということか」
「私が現場を離れた。それが原因です」
軍部は三人。
三人とも屈強な肉体で、いかにも武力で出世したという感じだ。クロスの一点張りに呆れた様子だ。
「もうよい、お前は実力者だが、軍部では野心があり危険と判断した」
突然の宣告にも動じないクロス。
「牢に連れていけ」
すぐさま兵士たちがクロスを拘束する。
抵抗しないクロスが妙に不気味だ。
「貴様のように力で支配する時代は終わったのだ。これから先は白い国とも協力していかねばならん」
「…」
「平和的とまでは言わんが少しずつ歩みよっていかねばならんだろう。領地や資源には限りがあるのだからな。何か反論はあるか」
軍部はクロスに問うた。
「ぬるい」
「んっ」
「そんな考えだから兵の士気は下がるのだ。軍部の堕落が国力を低下させた原因であろう。幹部は丸ごと処刑すべきだ」
「なっ…」
絶句する三人。
すると兵士は急にクロスの拘束を解く。
「お、おぃ…」
慌てる軍部の三人に複数の兵士が警棒のようなもので足を殴打する。
必死に抵抗する三人だが、さすがに兵士の数に屈する。
滅多打ちにされた足の骨は砕け、立つことができない。
「いくら我々を痛めつけてもブラク大臣が貴様を裁くぞ」
「それはどうかな」
その時奥から声が聞こえてくる。
そしてゆっくりと姿を現す。
「…バカな…大臣殿?」
「クロスがこの国を再び強国にし、国民を導くでしょう」
黒い国は方向転換を迫られていたが、クロスが事実上、国の実権を握ったことにより和平の選択は消えた。
「少々遅れましたが軍を含め、ついにこの国を動かす時がきました」
ブラクはクロスに心酔していた。
軍を掌握したクロスの課題はいかにして士気を上げるかということだ。
そんな時に恐怖の騎士こと、アイが帰国したとの知らせが届いた。
死んだと思っていた人物がいきなり帰国したとなると、さすがのクロスも動揺した。
侵略戦から逃亡した兵士の一部はアイの存在を確認しており上部へ掛け合ったのだが…信ずる者はいなかった。恐怖の騎士は丘の戦いで死んだ、そう思われていたのだった。
「…暗殺…します…か…」
ブラクはクロスに提案する。
亡き者にしてしまえばよいのだ。
兵士たちが浮き足立ち混乱するのならそれが最善策だと進言する。
「まず話を聞こう。処分はいつでもできる」
あの状況から本当に生存することが可能なのか。
さまざまな思考が複雑に絡まり、アイたちはついに黒い国へ入国した。
黒い国へ入国したアイとコト。
軍を支配し白い国を滅ぼそうとするクロス。
「…ちょっとムリしすぎちゃったかな…」
再生していた骨が砕けたようで立つことはもちろん、物を持つことすら困難になっていた。
私は黒い国の人間。
黒い国の問題は私の問題。
スルの事は好きだが、これは私個人の問題であり、甘えるわけにはいかない。
クロスをとめなくてならない。
ライトが亡くなったので、もはや彼をとめる人間はあの国にはいない。クロスの精神面を含め、コントロールしていた人物が消えたことにより、殺戮の騎士になってしまう。
白い国は強国で皆優しい。
私はこの国で生きたい、スルと一緒に生きたい。
なぜだろう…涙がとまらない。
スル…
私にできることは…クロスを…。
いや…争いを終結させること…かな。
…考えたこともなかったわ。
争いの終結なんて…。
子供の頃からやりたいことができず、ただ目の前の課題をひたすらこなしてきたけど…もう私は自分に嘘はつきたくない。自分のことは自分で決めたい。
一度黒い国に戻らなくて…。
…スルには…心配をかけたくない。
アイは身体が悪化しないように全身を包帯で固定し骨が砕けないように応急措置をした。
その時、コンコンと部屋をノックする音が聞こえた。誰がきたようだ。急な訪問者に焦るアイ。
「失礼します」
訪問者はコトだった。
「…やはりムリをしておられましたか」
「…」
コトは無言で近寄り、包帯を巻くのを手伝った。
「身支度されているようですが黒い国へ行かれるのですね」
「…ええ…クロスをとめなくては」
「なるほど、事実上その人物が権力者のようですね。そこを叩けば争いは終わるかもしれない、そうお考えでしょうか」
「コトさん、クロスは強いわ。身体が万全であっても私は勝てないと思う」
「アイ様の戦闘能力以上となると…スル様も勝てないでしょう。果たして両国にそんな人物はいるでしょうか」
アイはコトの実力を見抜いていたのだ。コトさんは強い…誰よりも。
だがこの人は執事であり兵士ではない。ましてや軍人でもない。そんな人物を戦に参加させたくないというのが本音だ。争いを起こしてばかりの我々軍人を憎んでいるのだろうか…そんなことも考えている。
コトは強いが力を貸して下さいとアイは言えない。
「アイ様、スル様は心からあなたを想っています。黒い国へ行くとお伝えになれば必ず同行してくれるはずです」
「それが危険なのよ。スルには危ないことはしてほしくないの」
「ですが…スル様とてそれで納得するとは思えませんが…その旨はお伝えになりましたか」
「いいえ…言えなかったの」
「なるほど」
「コトさん、聞いてくれますか」
「はい」
「黒い国へ戻るのには勝算があるからなの」
「はい、それはなんとなくわかります」
「私はクロスと結婚をするわ」
「ふむ」
突然の発言にも動じないコト。
「クロスはこの結婚を拒めないわ」
「どうぞ、続けて下さい」
「この争いで四将校の三名を失い多くの兵士は逃亡した。結果、侵略は失敗に終わったといえるわ」
「そうですね。最初は大規模で警戒しましたが、物分かりの良い方がいたようで被害は最小限でした」
「うん、だけどあの国にとってはそれが大打撃なのよ。何の成果も無しに帰国した兵士らは皆処刑されてしまうの」
「なんと…」
「兵士の士気をいかにして上げるかがあの国の課題なの」
「なるほど、みえてきました」
コトはアイの計画を理解したようだ。
「つまりクロスはアイ様との結婚により兵士の士気を高めようとする、だからこの急接近が罠だとわかっていても断れない、そういうことでしょうか」
「うん、さすがコトさん。クロスは私を疑うでしょうが必ず承諾するわ。スルにはいくら偽りだとしてもクロスとのやりとりをみせたくないの。私は全てを終わらせてスルの元へ帰ってくる」
「アイ様のお気持ちはわかりますが、この計画は同意しかねます」
「…」
「その計画は博打のようで、クロスの気持ち一つでアイ様が命を落とす可能性があります。その結果スル様が悲しみます」
「…私は…」
「二人の未来を想うならこのタイミングで地方へ逃亡し隠居するのがベストです」
「それは…」
「もちろんそれができないのはよくわかります。ですので私も一緒に黒い国へ行きます」
「えっ…コトさん…」
「クロスの私兵たちのように私もアイ様の私兵としてガードをします」
「そんな…コトさん」
「私もみんなで暮らしたい。アイ様スル様どちらも欠けることなく。館はバンたちがいますし、スル様は兵士のお仕事があるでしょう」
アイの決意にコトも決意した。
コトは執事で戦闘員ではないが、その実力は大陸最強クラスで唯一、クロスと単騎で渡り合える、アイはそう推測していた。
「コトさんが一緒ならきっと…」
「防衛に成功した勢いで白い国はついに動き出すでしょう」
「…ええ、今まではどちらかというと黒い国が侵略をして奪い、それを白い国が取り返したり、本来の状態に戻すなどしていた印象だわ。昔と違い領土拡大はほとんどしていないと思う」
「はい、争いは国力を消耗します。黒い国は常に敵がいないと国家を維持できない状況にあるのでしょう。強者と示すには争いで勝利するのが手っ取り早いでしょうから」
「そうね、訓練して出世するのが絶対正義でしたから…」
「白い国も黒い国も問題があるとは思いますがまず争いを終結させるのが最重要ですね。行きましょう」
バンに主旨を伝え出発する二人。
アイの計画が動き出した。
黒い国では…
軍部にクロスが呼び出されていた。
「あれほどの大軍を率い、内部の助力もあった。そして精鋭の三人も出撃した。それでこの敗走」
「はっ。私が現場を離れたことが原因であります」
「それは軍部がそなたを呼び戻したから敗走したということか」
「私が現場を離れた。それが原因です」
軍部は三人。
三人とも屈強な肉体で、いかにも武力で出世したという感じだ。クロスの一点張りに呆れた様子だ。
「もうよい、お前は実力者だが、軍部では野心があり危険と判断した」
突然の宣告にも動じないクロス。
「牢に連れていけ」
すぐさま兵士たちがクロスを拘束する。
抵抗しないクロスが妙に不気味だ。
「貴様のように力で支配する時代は終わったのだ。これから先は白い国とも協力していかねばならん」
「…」
「平和的とまでは言わんが少しずつ歩みよっていかねばならんだろう。領地や資源には限りがあるのだからな。何か反論はあるか」
軍部はクロスに問うた。
「ぬるい」
「んっ」
「そんな考えだから兵の士気は下がるのだ。軍部の堕落が国力を低下させた原因であろう。幹部は丸ごと処刑すべきだ」
「なっ…」
絶句する三人。
すると兵士は急にクロスの拘束を解く。
「お、おぃ…」
慌てる軍部の三人に複数の兵士が警棒のようなもので足を殴打する。
必死に抵抗する三人だが、さすがに兵士の数に屈する。
滅多打ちにされた足の骨は砕け、立つことができない。
「いくら我々を痛めつけてもブラク大臣が貴様を裁くぞ」
「それはどうかな」
その時奥から声が聞こえてくる。
そしてゆっくりと姿を現す。
「…バカな…大臣殿?」
「クロスがこの国を再び強国にし、国民を導くでしょう」
黒い国は方向転換を迫られていたが、クロスが事実上、国の実権を握ったことにより和平の選択は消えた。
「少々遅れましたが軍を含め、ついにこの国を動かす時がきました」
ブラクはクロスに心酔していた。
軍を掌握したクロスの課題はいかにして士気を上げるかということだ。
そんな時に恐怖の騎士こと、アイが帰国したとの知らせが届いた。
死んだと思っていた人物がいきなり帰国したとなると、さすがのクロスも動揺した。
侵略戦から逃亡した兵士の一部はアイの存在を確認しており上部へ掛け合ったのだが…信ずる者はいなかった。恐怖の騎士は丘の戦いで死んだ、そう思われていたのだった。
「…暗殺…します…か…」
ブラクはクロスに提案する。
亡き者にしてしまえばよいのだ。
兵士たちが浮き足立ち混乱するのならそれが最善策だと進言する。
「まず話を聞こう。処分はいつでもできる」
あの状況から本当に生存することが可能なのか。
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