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第一章
ニ話 暗黒騎士
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白い炎を目指して進むレフト。
何もない空間をひたすら歩き続けているが、突然明るい光りに包まれた。
光りに眼が慣れてくると、ここは道場のような場所だとわかる。
歩きながら転移したようだ。
「…夢なのか、プログラムなのかわからないけど…もう何でも有りだねこりゃ…筆者の都合次第…か…」
道場らしきそこは様々な武器があり、正面には不自然なくらい意味深な黒い鎧がある。
「…なるほど…自分の次は己の内にある黒い部分…といったとこだろうか」
やや皮肉っぽいレフト。
そしてやはりというか…鎧は突然、手足が形成され、骸骨などが装飾された禍々しく邪悪な刀を抜刀し戦闘体制になった。
「…殺気があるね…なるほど…」
冷静さを取り戻したレフトは相手を的確に分析。
邪悪なそれはレフトを敵と認識し襲ってきた。
鎧が相当重いのだろうか、動きは鈍く、一撃は強烈だろうが、レフトは楽々と攻撃を捌き、相手の剣術を圧倒していく。
「その太刀筋……訓練された騎士か…」
レフトは鎧を突き飛ばし距離をとった。鎧は衝撃により後退しよろめきながらも踏み止まった。
「私はレフトーラ」
突然レフトは相手に名乗った。
鎧は言葉を理解できるようで一旦武装を解きレフトに応えた。
「騎士クロス」
「やはり騎士だったか…騎士は争いにこそその剣を使うべきでは?」
「オレはかつて争いに敗れた」
重々しい鎧とは対照的に滑舌がよく、流暢に話す。
「なるほど…敗走により暗黒騎士に堕ちた…」
「暗黒騎士おおいに結構。もともとオレは身も心も真っ黒な騎士だ。さあ好きな武器を取るがいい。お前とは良い勝負ができそうだ」
「…戦うことはできない」
「ほう、それはその左腕が原因か」
「…」
「ふっ…図星か」
クロスはレフトの事情を見抜いていた。ここにはあらゆる武器があり、刀剣だけでもかなりの種類がある。
「接触して感じたが…お前は人とは違う。ここの武器では全力を出せぬか」
「…」
「無礼を詫びるが、化け物のような気配がする」
不安な予感を指摘されたレフト。
言いたい放題のクロス。
「化け物だろうがオレは屈しない。さあかかってこい」
挑発ともとれる物言いだが、レフトは全く戦うつもりはないようだ。
「こないのならこっちからいくぞっ」
クロスは構えてレフトに照準を合わせた。怨念のような邪悪な闘気を纏い、クロスのほうが化け物に見えるほどだ。
ゆっくりと深呼吸し力を抜くレフト。
「かくごっ」
クロスを一気に距離をつめレフトに斬りかかった。
命中の瞬間、クロスは急に動きが止まった。
「…なっ…」
「存在する世界を間違えたようだね」
レフトは止まって動けないクロスから刀を奪うとそれを消滅させた。
「…化け物め…」
「化け物? そうじゃない、ここは自分がつくり出した空間なのよ」
「…何を言っているんだ…」
「もとの世界に戻ったほうがいいよ」
冷静さを取り戻したレフトはこの世界を認識できた。
夢なのかよくわからない空間だが、自分が認識さえすれば危険はない。よって襲われようがそれを消滅させることもできる。
「ふっ…白い炎……ここでも白にやられるとは…これも運命か…」
クロスは笑い消滅した。
「…だいぶこの世界をコントロールできるようにはなってきたが…」
肝心の脱出方法がわからない。
今はとにかく白い炎の方向に進むしかない。
次回へ続く
何もない空間をひたすら歩き続けているが、突然明るい光りに包まれた。
光りに眼が慣れてくると、ここは道場のような場所だとわかる。
歩きながら転移したようだ。
「…夢なのか、プログラムなのかわからないけど…もう何でも有りだねこりゃ…筆者の都合次第…か…」
道場らしきそこは様々な武器があり、正面には不自然なくらい意味深な黒い鎧がある。
「…なるほど…自分の次は己の内にある黒い部分…といったとこだろうか」
やや皮肉っぽいレフト。
そしてやはりというか…鎧は突然、手足が形成され、骸骨などが装飾された禍々しく邪悪な刀を抜刀し戦闘体制になった。
「…殺気があるね…なるほど…」
冷静さを取り戻したレフトは相手を的確に分析。
邪悪なそれはレフトを敵と認識し襲ってきた。
鎧が相当重いのだろうか、動きは鈍く、一撃は強烈だろうが、レフトは楽々と攻撃を捌き、相手の剣術を圧倒していく。
「その太刀筋……訓練された騎士か…」
レフトは鎧を突き飛ばし距離をとった。鎧は衝撃により後退しよろめきながらも踏み止まった。
「私はレフトーラ」
突然レフトは相手に名乗った。
鎧は言葉を理解できるようで一旦武装を解きレフトに応えた。
「騎士クロス」
「やはり騎士だったか…騎士は争いにこそその剣を使うべきでは?」
「オレはかつて争いに敗れた」
重々しい鎧とは対照的に滑舌がよく、流暢に話す。
「なるほど…敗走により暗黒騎士に堕ちた…」
「暗黒騎士おおいに結構。もともとオレは身も心も真っ黒な騎士だ。さあ好きな武器を取るがいい。お前とは良い勝負ができそうだ」
「…戦うことはできない」
「ほう、それはその左腕が原因か」
「…」
「ふっ…図星か」
クロスはレフトの事情を見抜いていた。ここにはあらゆる武器があり、刀剣だけでもかなりの種類がある。
「接触して感じたが…お前は人とは違う。ここの武器では全力を出せぬか」
「…」
「無礼を詫びるが、化け物のような気配がする」
不安な予感を指摘されたレフト。
言いたい放題のクロス。
「化け物だろうがオレは屈しない。さあかかってこい」
挑発ともとれる物言いだが、レフトは全く戦うつもりはないようだ。
「こないのならこっちからいくぞっ」
クロスは構えてレフトに照準を合わせた。怨念のような邪悪な闘気を纏い、クロスのほうが化け物に見えるほどだ。
ゆっくりと深呼吸し力を抜くレフト。
「かくごっ」
クロスを一気に距離をつめレフトに斬りかかった。
命中の瞬間、クロスは急に動きが止まった。
「…なっ…」
「存在する世界を間違えたようだね」
レフトは止まって動けないクロスから刀を奪うとそれを消滅させた。
「…化け物め…」
「化け物? そうじゃない、ここは自分がつくり出した空間なのよ」
「…何を言っているんだ…」
「もとの世界に戻ったほうがいいよ」
冷静さを取り戻したレフトはこの世界を認識できた。
夢なのかよくわからない空間だが、自分が認識さえすれば危険はない。よって襲われようがそれを消滅させることもできる。
「ふっ…白い炎……ここでも白にやられるとは…これも運命か…」
クロスは笑い消滅した。
「…だいぶこの世界をコントロールできるようにはなってきたが…」
肝心の脱出方法がわからない。
今はとにかく白い炎の方向に進むしかない。
次回へ続く
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