ファンタジー/ストーリー2

雪矢酢

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第一章

五話 目覚め

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「…ぅん……やだ、寝ちゃったのかしら…」

ムクリと起き上がるアレサ。
だが隣りにいるはずのレフトがいない。

「…レフト…」

寝ぼけていた意識が覚醒する。

「あれ、レフトどこっ」

昏睡状態であったレフトが突然消えた。家の中を探すがどこにも姿は確認できない。
落胆するアレサ、その時玄関のドアが開きレフトが入ってくる。


「心配かけたねアレサ」


「レフト…」


アレサは駆け寄りレフトに抱きつく。
そんな彼女を優しく抱きしめる。
アレサは泣いていた。


しばらく二人だけ時間が止まったようであった。


「どこ行ってたのよ…」

「ごめん、外の空気を…」

何気ない会話の二人。
だがアレサはレフトの変わったオーラにすぐ気付いた。

「…腕が完治したようね」

「そうらしいわ」

急に冷静になるアレサ。
涙を払い、真剣な眼差しをレフトに向ける。

「おそらく今のあなたは悪魔以上の存在よ」

「…そうなの?」

「今まで感じたことのない、より洗練された魔力…」

「えーっ、何それ」

「…」

レフトの応答に沈黙するアレサ。

「よくわからないけど、力が暴走した時は…アレサ、頼むよ」

「…いや、私はそんなこと……」

「ごめん、ちょっと嫌な言い方だったね」

「私こそごめんなさい。今までこんな魔力は感じたことがないから…」

「そこまで強化されたとは感じないのだけど…まあ確かにみなぎる魔力は感じるよ。今、魔封剣を持つのは正直怖いって気持ちはあるね」

「…そうね、なんかそれはわかるわ」

「アレサ聞いてほしいのだけれど」

「何を?」

「…すべきことが終わったら隠居しよう」

「…レフト…」

「今はどうしてもこの力を失うわけにはいかない。だけどいつかきっと…」

「大丈夫、同じこと想っているわ。前に伝えた通り、私は人としてあなたと生きたい」


二人は久しぶりにお互いを確かめ合い今後について話した。


「そうだ、どのくらい寝てたのかな…」

「ああ、五年ちょいよ」

「えっー」

「ホープの言う通りだったわね」

「…道理でか…」

「何かあったの?」

「うん、目覚めて歩こうとしたら…無理だった…」

「…当たり前よ…だってずっと寝たきりだったのよ」

やれやれといった感じで、支度を始めるアレサ。

「どうしたの?」

「身体の汚れは看病していたから大丈夫だろうけど…」

「ありがとう」

「さっきの言葉は訂正するわね」

「えっ訂正?」

「悪魔以上というか、戦闘はまだムリね」

「…リハビリか」

「ええ、少しずつ初めていきましょう」


眠っていたことで身体をつくり直さねば前線に到底立てない。
それはアレサはもちろん、レフト本人もよくわかっていた。


「アレサ、本当にありがとう」


「うふふ、これからはきびしくいくわよ」


「…はぃ…」



精神世界から脱出し、左腕を征したレフト。
これからアレサのきびしいリハビリ?が始まる。


次回へ続く。
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