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第一章
十一話 恐妻家
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「う…ん…おはようアレサ」
「おはよ」
ベットから起き上がるレフト。
「また寝てしまったようで……」
「いいのよ。身体はどうかしら?」
「調子は良さそうだ。ゆっくり休ませてくれてありがとう」
「良かったわ。ちょっと待ってね」
荷物を片付けてぱぱっと清掃するアレサ。
レフトは手際よく朝食を準備した。
小さなパンと飲み物のシンプルな食事だ。
「あら、座ってていいのに」
「ああ、たまにはね」
「ふふ」
レフトは座り飲み物を手に取る。
すぐにアレサも座り二人で朝食の時間だ。
「そういえば…」
「ん、屋敷の件?」
「うん、レオさんたちやモンスターはどうなったのかと…」
「レオならそろそろここへ来るわ」
「えっ」
「人間お得意のややこしい人間関係よ。でも解決したわ」
「人間関係?」
アレサはむしゃむしゃとパンを食べている。
ため息をつきレフトもパンに手を出すと、ドアをノックする音が響く。
「…」
「…」
「…」
「…わかった…」
レフトは玄関に向かう。
来客はアレサの言う通りレオである。
「レフトさん、お身体は大丈夫ですか?」
「大丈夫です。みんなのおかげでよく寝れました」
「ははぁ…アレサさんもいます?」
「ああ、ごめん、中へどうぞ」
「はい、失礼します」
すたすたと入りアレサに深々お辞儀するレオ。
「おはようございますアレサさん」
「ちょっとなによ、普通に挨拶なさいよ」
「…えっ」
「し…失礼しました…」
「と、とりあえず座ってちょうだい」
椅子に座るレオとレフト。
レフトは何がなんだかわからないようだ。
レオはアレサから圧倒的な闘気を感じて以来、ずっとこんな調子だ。
「すまん…何があったか説明してくれるかい?」
レフトが二人の顔をみて話す。
レオはアレサの顔を確認した。
「話したいならあなたから伝えればいいじゃない」
「ありがとうございます」
レオは満面の笑みで話し始めた。
アレサは勝手にどうぞっといったとこだろう。
仮に彼女が話した場合…。
この集落には幻獣の加護がある。
そしてダグは幻獣を始末しようとしたが阻止された。
以上。
簡潔に伝達する軍人らしい報告書にもなるような内容だ。
「では…」
レフトは興味津々だ。
「アレサさんが全部片付けた」
…。
「ん…」
…。
沈黙。
圧倒的な沈黙とはこの事だろう。
「レオさん?」
思わず聞き返すレフト。
「はい、なんでしょうか」
「片付けた?」
「はい、全てを片付けました」
「全て?」
「はい、そうですよねアレサさん?」
アレサの目付きが変わる。
レオはそれにすぐ気づいたのだが…。
「なんで私にふるのよ。あんたが話すって言ったんでしょうが……まさかこうくると思わなかったわよ」
「すみません…ですが…俺は事実を……」
「もういいわ…ありがとレオ」
一気に疲労を感じるアレサ。
「なんだか最近、私ばかり忙しいわね…」
「…アレサ…ごめんね」
レフトがアレサの手をにぎり抱きしめる。
「ちょっと…レフト…人前で…」
「ああ…」
「お構い無く」
その時レオは悟った、レフトさんはアレサさんのことを心底理解している。これが…愛と…。
「何かもう聞かなくていいかな…」
レフトは今、平和が戻ってきているので詮索はやめた。
「それじゃあ支度ができたら昼過ぎに上流の小屋でお願い致します」
「わかったわ。レフトも連れていくわ」
そういうとレオは去った。
「上流の小屋か」
「ええ、支度して行きましょう」
次回へ続く
「おはよ」
ベットから起き上がるレフト。
「また寝てしまったようで……」
「いいのよ。身体はどうかしら?」
「調子は良さそうだ。ゆっくり休ませてくれてありがとう」
「良かったわ。ちょっと待ってね」
荷物を片付けてぱぱっと清掃するアレサ。
レフトは手際よく朝食を準備した。
小さなパンと飲み物のシンプルな食事だ。
「あら、座ってていいのに」
「ああ、たまにはね」
「ふふ」
レフトは座り飲み物を手に取る。
すぐにアレサも座り二人で朝食の時間だ。
「そういえば…」
「ん、屋敷の件?」
「うん、レオさんたちやモンスターはどうなったのかと…」
「レオならそろそろここへ来るわ」
「えっ」
「人間お得意のややこしい人間関係よ。でも解決したわ」
「人間関係?」
アレサはむしゃむしゃとパンを食べている。
ため息をつきレフトもパンに手を出すと、ドアをノックする音が響く。
「…」
「…」
「…」
「…わかった…」
レフトは玄関に向かう。
来客はアレサの言う通りレオである。
「レフトさん、お身体は大丈夫ですか?」
「大丈夫です。みんなのおかげでよく寝れました」
「ははぁ…アレサさんもいます?」
「ああ、ごめん、中へどうぞ」
「はい、失礼します」
すたすたと入りアレサに深々お辞儀するレオ。
「おはようございますアレサさん」
「ちょっとなによ、普通に挨拶なさいよ」
「…えっ」
「し…失礼しました…」
「と、とりあえず座ってちょうだい」
椅子に座るレオとレフト。
レフトは何がなんだかわからないようだ。
レオはアレサから圧倒的な闘気を感じて以来、ずっとこんな調子だ。
「すまん…何があったか説明してくれるかい?」
レフトが二人の顔をみて話す。
レオはアレサの顔を確認した。
「話したいならあなたから伝えればいいじゃない」
「ありがとうございます」
レオは満面の笑みで話し始めた。
アレサは勝手にどうぞっといったとこだろう。
仮に彼女が話した場合…。
この集落には幻獣の加護がある。
そしてダグは幻獣を始末しようとしたが阻止された。
以上。
簡潔に伝達する軍人らしい報告書にもなるような内容だ。
「では…」
レフトは興味津々だ。
「アレサさんが全部片付けた」
…。
「ん…」
…。
沈黙。
圧倒的な沈黙とはこの事だろう。
「レオさん?」
思わず聞き返すレフト。
「はい、なんでしょうか」
「片付けた?」
「はい、全てを片付けました」
「全て?」
「はい、そうですよねアレサさん?」
アレサの目付きが変わる。
レオはそれにすぐ気づいたのだが…。
「なんで私にふるのよ。あんたが話すって言ったんでしょうが……まさかこうくると思わなかったわよ」
「すみません…ですが…俺は事実を……」
「もういいわ…ありがとレオ」
一気に疲労を感じるアレサ。
「なんだか最近、私ばかり忙しいわね…」
「…アレサ…ごめんね」
レフトがアレサの手をにぎり抱きしめる。
「ちょっと…レフト…人前で…」
「ああ…」
「お構い無く」
その時レオは悟った、レフトさんはアレサさんのことを心底理解している。これが…愛と…。
「何かもう聞かなくていいかな…」
レフトは今、平和が戻ってきているので詮索はやめた。
「それじゃあ支度ができたら昼過ぎに上流の小屋でお願い致します」
「わかったわ。レフトも連れていくわ」
そういうとレオは去った。
「上流の小屋か」
「ええ、支度して行きましょう」
次回へ続く
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