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第ニ章
八話 決意と使者
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アウトは去った。
「集落へ戻りましょう。キバが心配です」
「そうだね…あの…アウトはアンドロイドではないのか……」
「ベースは人間かと思います。似たような姿をしたものを何回か見たことがありますが…詳しく知るには翠の宿なる場所へ行くしか…」
アレサを担ぎレフトたちは集落へ。
集落の外ではキバと魔法使いらしき人物が交戦中であった。
レフトは負傷したアレサを診療所へ。ヴァンはキバの支援に向かう。
「魔物ハンターティマはもういない。投降するんだ」
ヴァンの言葉に驚く女性。
だが攻撃をゆるめない。
「ティマ様が負けるわけはないっ」
「むっ」
己の限界を越えた魔力を集束させようとしているが、女性の身体は壊れ出した。
至るところから出血し眼が血走る。
キバは抜刀し、その捨て身の攻撃に備える。
「がはっ…」
だが女性は攻撃をする前に身体が崩壊してしまった。暴走した一部魔力は集落へと流れるがキバとヴァンが見事に打ち消した。
文句を言われそうではあるが、彼女も診療所へ……。
診療所含め集落の人々は大忙しである。
レフトたちはホープの提案により集落の建て直しに協力することとなった。ヴァンとキバは破損箇所を修理しつつ周辺に散った残存するモンスターを討伐したりと主に外回りを担当。
レフトは診療所でホープのヘルプである。受付や患者の整理など雑務をこなしている。
そんな時、患者よりアウトらしき人物の情報が入った。
「先生、ちょっと失礼します」
「あいよ、ネネさんわざわざすみません」
レフトはホープに許可をもらいネネという年配女性より話を聞くことになった。
「私の知ることは全てお話しますよ」
一室を借りて話が始まる。
「この集落は大陸西部の荒れ地に近いこともあり、生物が生存するには厳しい土地だったようです」
「ええ、そのようですね。ですが現在、ここは小さいながらも機能的で、快適に生活ができているように見えます」
「はい、住みにくい土地をある人物が開拓した伝承がございます」
「なるほど…」
ネネはさらに続ける。
「もともとこの周辺は邪悪な者たちが支配していたそうです。その者たちは人間に似ており生物を洗脳することができたと伝わっております」
「…」
…悪魔か…。
レフトは口にするのこそ控えたが間違いないだろう。かつてこの周辺は悪魔が牛耳っていたようだ。
その悪魔はおそらくルナのことだろう。ルナは人を支配し理想郷をつくろうとしたが労力がなかった。そこで魔物を操れるティマの祖先と手を組んだ…そんなところであろう。
お互いに用心深いため信用はしていなかっただろうが、協力しなければ生き残れなかった事情があったのだと思う。
「レフトーラさん、どうかされましたか」
「はい、ドラゴンというか…竜をご覧になったことはございますか」
「竜ならここを南下したところに龍人の里があります。別に珍しいものではないですよ」
…えっ……そうなの?
初めて知ったけど…。
竜の里って……もしかしてキバの故郷とか?
「なるほど…情報ありがとうございます」
…行くしか…ないね竜の里へ。
翠の宿が気になるけど…まずは竜の里へ行き、竜のことを学ばなくては…。
竜は世界にとって脅威である。
ヴァンの話だと宝珠は残り三つ、少なくともドラゴンはあと三体存在することになる。
赤い竜はアレサが被害を出さずに討伐してくれた。そのおかげでここは無事だけれども…。
竜がもし世界に放たれたら…。
そして邪悪な存在の支配下になってしまったら…。
各地を破壊し世界は再び滅んでしまうだろう。
アウトはそれを知っているからこそ、ティマを消したのかも知れない。
ネネとの話が終わり、診療所の外でに出る。
「アウトたちがどういう勢力なのか不明だけど……敵ではないと思うんだよな…」
「思い悩んでいるのかしら」
レフトは振り返るとアレサが立っている。休んで回復したのか顔色が良い。
「状況を整理していたのよ」
「そうね。いろんな出来事が次々と起こったものね。静養していた頃が嘘みたいだわ」
「ところでアレサは竜の里や人工魔石を知っているかい?」
「竜の里とはまた懐かしいわね。キバの故郷でしょう?ここから近いはずよ」
「知っていたのね」
「ええ。だけど龍人は世界に関心がない気難しい種族よ。出向いても情報は得られないわ。門前払いされるだけだからわざわざ行く意味はないと思う」
「…まあ…わかる…気がするけど…」
「人工魔石は原生林にある施設で研究されている軍事兵器だったかしら。問題が多くて実用化には至らなかったみたいだけど…」
「これも知っていたのね」
「その施設……確かなんとかの宿だったかしら……大規模な実験に失敗して閉鎖したらしいわ」
「閉鎖したのか」
「詳細はわからないけど、すでに関係者は撤退し、実験サンプルが徘徊して危険だから立ち入り禁止地区になっているはずよ。確か危険地区に指定したのは…」
「復興機関…」
「ええ……レフト知らなかったの?」
「うん」
「シーキヨの軍部には機関からそう報告があったわ」
なるほど…。
ニナの言っていた事がよくわかったよ。
「アレサ…」
「んっ」
「復興機関から離れようと思うんだ」
「えっ…ちょっと…どういうことかしら」
「内部に不穏な動きをする者がいるらしい。だからニナが外に逃がしてくれたのよ…」
「そうね。平和で世界は復興しつつあるけど、ここ最近、おかしな団体やらが目立つわね。単純に悪魔が水面下で暗躍しているだけじゃなさそうだし」
「ティマが何で強力な宝珠を所持していたのかすら判明していないし…もしこの宝珠が悪巧みをする連中の手に渡ったら…」
「ドラゴンは確かに世界を滅ぼしかねないわね。正直、出現した時は絶対野放しにはできないと気を引き締めたわよ」
そんな二人のところへベストタイミングで復興機関の使者が訪れた。
「レフトーラさん、状況を報告するため一度本部へお戻り下さい」
優しそうな機関の使者は書類をレフトに渡す。
…ここで本部へ戻ると、確実に拘束され幽閉される。
レフトはドラゴンや悪魔同様に自分も世界の脅威になると自覚していた。
そして…そんな自分を機関が放置するはずがないことも…。
「機関には戻れません。そうお伝え下さい」
レフトは機関の証を使者へ返却。
使者はやっぱりか…といった様子だ。
「お気持ちはわかりましたが、はい、そうですかというわけにはいきません」
すると使者はいきなり身構えてレフトを拘束にかかる。
「待てっ、戦うなら広いところで相手になる。ここではダメだ」
一触即発であった。
攻撃を仕掛けようとしたのは使者だけではない。
凄まじいアレサの殺気や周辺を巡回していた魔法使いなどが一斉に身構えていたのだ。
「レフト…」
アレサはレフトの手を握る。
「機関にはもう戻らない、そう決めたよ。ダメ…かな」
「ううん、私はどんな決断をしてもあなたについていくわ」
アレサを休ませ、レフトは集落の外で使者の相手をする。
「お勤め結構だが、説得は失敗したと告げれば罰は無いはずだ。ここで争う必要はない」
レフトは使者に戦う意味がないと説得する。
「説得に失敗した場合は即帰還とのことでしたが…」
「やはり。なら素直に下がってくれ」
「私はビル、ここへ来た本当の目的はあなたと勝負するためです」
ビルは二本の剣を抜刀する。
手入れされた鋭い刀身がレフトの姿をとらえる。
「…」
「本来機関の者同士の打ち合いは禁止されています。だが、私はどうしてもあなたに全力をぶつけたかった」
「…わかっていないね」
ビルはレフトに攻撃する。
だがレフトは二本の剣を魔法で破壊する。
怯んだビルはそのまま倒れ込み勝負ありである。
一瞬で決着がついた。
折れた剣を見て高笑いするビル。
「はっはあぁぁっーっ」
「…」
レフトは折れた剣の破片を拾い身構えた。
「これだ…この絶望感、ゾクゾクするねえ」
人格破綻者のようなビルは目が血走り、折れた剣でレフトに斬りかかる。
「ちっ…」
レフトは剣の破片でビルの周囲を何度も切った。
よくわからない行動に立ち止まるビルだったが突然倒れる。
そう…糸が切れた人形のように…。
次回へ続く
「集落へ戻りましょう。キバが心配です」
「そうだね…あの…アウトはアンドロイドではないのか……」
「ベースは人間かと思います。似たような姿をしたものを何回か見たことがありますが…詳しく知るには翠の宿なる場所へ行くしか…」
アレサを担ぎレフトたちは集落へ。
集落の外ではキバと魔法使いらしき人物が交戦中であった。
レフトは負傷したアレサを診療所へ。ヴァンはキバの支援に向かう。
「魔物ハンターティマはもういない。投降するんだ」
ヴァンの言葉に驚く女性。
だが攻撃をゆるめない。
「ティマ様が負けるわけはないっ」
「むっ」
己の限界を越えた魔力を集束させようとしているが、女性の身体は壊れ出した。
至るところから出血し眼が血走る。
キバは抜刀し、その捨て身の攻撃に備える。
「がはっ…」
だが女性は攻撃をする前に身体が崩壊してしまった。暴走した一部魔力は集落へと流れるがキバとヴァンが見事に打ち消した。
文句を言われそうではあるが、彼女も診療所へ……。
診療所含め集落の人々は大忙しである。
レフトたちはホープの提案により集落の建て直しに協力することとなった。ヴァンとキバは破損箇所を修理しつつ周辺に散った残存するモンスターを討伐したりと主に外回りを担当。
レフトは診療所でホープのヘルプである。受付や患者の整理など雑務をこなしている。
そんな時、患者よりアウトらしき人物の情報が入った。
「先生、ちょっと失礼します」
「あいよ、ネネさんわざわざすみません」
レフトはホープに許可をもらいネネという年配女性より話を聞くことになった。
「私の知ることは全てお話しますよ」
一室を借りて話が始まる。
「この集落は大陸西部の荒れ地に近いこともあり、生物が生存するには厳しい土地だったようです」
「ええ、そのようですね。ですが現在、ここは小さいながらも機能的で、快適に生活ができているように見えます」
「はい、住みにくい土地をある人物が開拓した伝承がございます」
「なるほど…」
ネネはさらに続ける。
「もともとこの周辺は邪悪な者たちが支配していたそうです。その者たちは人間に似ており生物を洗脳することができたと伝わっております」
「…」
…悪魔か…。
レフトは口にするのこそ控えたが間違いないだろう。かつてこの周辺は悪魔が牛耳っていたようだ。
その悪魔はおそらくルナのことだろう。ルナは人を支配し理想郷をつくろうとしたが労力がなかった。そこで魔物を操れるティマの祖先と手を組んだ…そんなところであろう。
お互いに用心深いため信用はしていなかっただろうが、協力しなければ生き残れなかった事情があったのだと思う。
「レフトーラさん、どうかされましたか」
「はい、ドラゴンというか…竜をご覧になったことはございますか」
「竜ならここを南下したところに龍人の里があります。別に珍しいものではないですよ」
…えっ……そうなの?
初めて知ったけど…。
竜の里って……もしかしてキバの故郷とか?
「なるほど…情報ありがとうございます」
…行くしか…ないね竜の里へ。
翠の宿が気になるけど…まずは竜の里へ行き、竜のことを学ばなくては…。
竜は世界にとって脅威である。
ヴァンの話だと宝珠は残り三つ、少なくともドラゴンはあと三体存在することになる。
赤い竜はアレサが被害を出さずに討伐してくれた。そのおかげでここは無事だけれども…。
竜がもし世界に放たれたら…。
そして邪悪な存在の支配下になってしまったら…。
各地を破壊し世界は再び滅んでしまうだろう。
アウトはそれを知っているからこそ、ティマを消したのかも知れない。
ネネとの話が終わり、診療所の外でに出る。
「アウトたちがどういう勢力なのか不明だけど……敵ではないと思うんだよな…」
「思い悩んでいるのかしら」
レフトは振り返るとアレサが立っている。休んで回復したのか顔色が良い。
「状況を整理していたのよ」
「そうね。いろんな出来事が次々と起こったものね。静養していた頃が嘘みたいだわ」
「ところでアレサは竜の里や人工魔石を知っているかい?」
「竜の里とはまた懐かしいわね。キバの故郷でしょう?ここから近いはずよ」
「知っていたのね」
「ええ。だけど龍人は世界に関心がない気難しい種族よ。出向いても情報は得られないわ。門前払いされるだけだからわざわざ行く意味はないと思う」
「…まあ…わかる…気がするけど…」
「人工魔石は原生林にある施設で研究されている軍事兵器だったかしら。問題が多くて実用化には至らなかったみたいだけど…」
「これも知っていたのね」
「その施設……確かなんとかの宿だったかしら……大規模な実験に失敗して閉鎖したらしいわ」
「閉鎖したのか」
「詳細はわからないけど、すでに関係者は撤退し、実験サンプルが徘徊して危険だから立ち入り禁止地区になっているはずよ。確か危険地区に指定したのは…」
「復興機関…」
「ええ……レフト知らなかったの?」
「うん」
「シーキヨの軍部には機関からそう報告があったわ」
なるほど…。
ニナの言っていた事がよくわかったよ。
「アレサ…」
「んっ」
「復興機関から離れようと思うんだ」
「えっ…ちょっと…どういうことかしら」
「内部に不穏な動きをする者がいるらしい。だからニナが外に逃がしてくれたのよ…」
「そうね。平和で世界は復興しつつあるけど、ここ最近、おかしな団体やらが目立つわね。単純に悪魔が水面下で暗躍しているだけじゃなさそうだし」
「ティマが何で強力な宝珠を所持していたのかすら判明していないし…もしこの宝珠が悪巧みをする連中の手に渡ったら…」
「ドラゴンは確かに世界を滅ぼしかねないわね。正直、出現した時は絶対野放しにはできないと気を引き締めたわよ」
そんな二人のところへベストタイミングで復興機関の使者が訪れた。
「レフトーラさん、状況を報告するため一度本部へお戻り下さい」
優しそうな機関の使者は書類をレフトに渡す。
…ここで本部へ戻ると、確実に拘束され幽閉される。
レフトはドラゴンや悪魔同様に自分も世界の脅威になると自覚していた。
そして…そんな自分を機関が放置するはずがないことも…。
「機関には戻れません。そうお伝え下さい」
レフトは機関の証を使者へ返却。
使者はやっぱりか…といった様子だ。
「お気持ちはわかりましたが、はい、そうですかというわけにはいきません」
すると使者はいきなり身構えてレフトを拘束にかかる。
「待てっ、戦うなら広いところで相手になる。ここではダメだ」
一触即発であった。
攻撃を仕掛けようとしたのは使者だけではない。
凄まじいアレサの殺気や周辺を巡回していた魔法使いなどが一斉に身構えていたのだ。
「レフト…」
アレサはレフトの手を握る。
「機関にはもう戻らない、そう決めたよ。ダメ…かな」
「ううん、私はどんな決断をしてもあなたについていくわ」
アレサを休ませ、レフトは集落の外で使者の相手をする。
「お勤め結構だが、説得は失敗したと告げれば罰は無いはずだ。ここで争う必要はない」
レフトは使者に戦う意味がないと説得する。
「説得に失敗した場合は即帰還とのことでしたが…」
「やはり。なら素直に下がってくれ」
「私はビル、ここへ来た本当の目的はあなたと勝負するためです」
ビルは二本の剣を抜刀する。
手入れされた鋭い刀身がレフトの姿をとらえる。
「…」
「本来機関の者同士の打ち合いは禁止されています。だが、私はどうしてもあなたに全力をぶつけたかった」
「…わかっていないね」
ビルはレフトに攻撃する。
だがレフトは二本の剣を魔法で破壊する。
怯んだビルはそのまま倒れ込み勝負ありである。
一瞬で決着がついた。
折れた剣を見て高笑いするビル。
「はっはあぁぁっーっ」
「…」
レフトは折れた剣の破片を拾い身構えた。
「これだ…この絶望感、ゾクゾクするねえ」
人格破綻者のようなビルは目が血走り、折れた剣でレフトに斬りかかる。
「ちっ…」
レフトは剣の破片でビルの周囲を何度も切った。
よくわからない行動に立ち止まるビルだったが突然倒れる。
そう…糸が切れた人形のように…。
次回へ続く
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