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後編
十話 戦士の覚醒
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「あなた…」
「クロバ、この方はセイントフェザー、総合の理事長だよ」
受付が変化した姿をまじまじと見るクロバ。
セイントフェザーは受付に化けてクロバを導いた。
「騙してしまってごめんなさいクローバーさん」
「い、いや、こちらこそ…あの…無礼な……」
「ふふふ、いいのですよ」
「クロバ、ファジを倒してもワイト国は救われないんだ」
「えっ…」
真剣な面持ちのライト。
「邪悪な存在…その正体を突き止めて…倒す…」
「ライト、焦ってはダメ。あなた一人では邪悪に取り込まれワイト国は危機的状況になってしまう」
ライトに冷静になるようなだめるセイントフェザー。
「ですが、このまま放置しては…」
熱くなるライト。
「あなたたち二人はひとまず各協会に戻って下さい」
「なっ」
セイントフェザーの言葉に驚くライト。
「二人が同時に協会を追われたのは邪悪な存在にとってあなたたちは障害なのでしょう」
「ですが…魔法協会に戻れるのでしょうか…」
「ふふ、心配いりません。まだ総合が機能しているので両協会に二人の復帰を伝えます」
セイントフェザーとライトの会話についていけないクロバ。
彼女の精神は崩壊寸前であった。
教官に裏切られ、自分が経験してきた、戦士として生き方を否定されたような仕打ちに心がショックを受けていた。
二人があれこれ話していても上の空である。
「私は…戻りたくないです…」
セイントフェザーに小声で伝えるクロバ。
「クロバ…」
「どうやら協会で何かあったみたいですね?」
セイントフェザーは様子がおかしい彼女を見て話す。
「クロバ…それでここへ」
「……助けてライト…私はもう…」
泣き崩れるクロバ。
「仕方ないですね…ライト、クローバーさんを頼みます」
「セイントフェザー様?」
彼女はクロバとライトに転移魔法を放つ。
「ちょっと…」
「…」
「クローバー聞きなさい」
「は、はい…」
「私はあなたの味方です、信じていますよ」
「…」
セイントフェザーは微笑むと二人は転移。
「ここは…」
二人は薄暗い洞窟内へ転移したようだ。
ひんやりと空気が漂いクロバは身を強ばらせる。
ライトは周囲を警戒しつつ状況確認をする。
「ここ……誓いの…誓いの聖域…」
クロバはライトの腕を掴み震えた声で話す。
「誓いの聖域?」
「うん…一人前の戦士になるため、この聖域の奥で血の誓いをするの…」
「なんとも……戦士らしい…儀式的なやつだね」
誓いの聖域は戦士協会が管理する特殊空間であり、その奥には御神木がある。その神木に自らの血を捧げることで協会の戦士と公認される。
当然だがクロバもこの儀式のようなものを経験していた。
「セイントフェザー様は何故ここへ…」
「…」
「クロバ?」
掴む手の力が強くなる。
「…進みましょう…」
ゆっくり歩き出す二人。
一見深そうな洞窟らしきつくりだが、すぐに御神木が姿を見せる。
「ねえライト、戦士協会の起源は邪を払う集団と言われているの…その者たちは破邪の剣術をいくつかの型に分け後世に伝えた…」
「詳しいね…」
分厚い神木の存在感は圧倒的であるが洞窟内ではどこか異質な雰囲気である。
ライトは神木に近づき注視する。
「戦士は…血を…か…」
「ほう、魔法協会の委員長ライト殿…でしたか」
「なっ」
神木の側には体格のよい老人がおり、ライトに話しかけてきた。
「ふむ」
その人物は一瞬クロバをみてすぐにライトを見る。
無言のクロバ。
「あなたは…」
「面識はないがライト殿の事はディアトラ殿から聞いておる」
「…ジェネラル様……」
戦士協会の理事長ジェネラルは白銀の美しい鎧を身につけておりその威圧的存在感は絶大である。
「人は皆、その見た目で印象が変わる。鎧を脱いだ私はただの老人、君はそう見えただろう?」
「…無礼をお許しください、そのような話をするためここに?」
ライトは老人とは思えぬオーラを感じ無意識に身構えた。
ジェネラルはそんな彼の姿みて微笑む。
「なるほど、ディアトラ殿が手を焼くわけだな」
そう言うとジェネラルは鞘に納められた宝剣を持ちライトと対峙する。
一触即発の状況にクロバは戸惑い頭を抱える。
「魔法使いにしておくにはもったいないな」
「ジェネラル様、もう一度聞きます。あなたは何故ここに?」
「ふふ、それを聞いてどうする?そこのクロバは私がここにいる意味を理解していると思うが?」
クロバを指差すジェネラル。
「クロバ…」
「ライト、ジェネラル様と戦うのは止めて。こんなことして何になるのよ…」
突然取り乱すクロバ。
様々な出来事が彼女の精神を蝕んでいた。
その蓄積された想いがここにきて一気に爆発した。
「ふふふ、見たかね委員長殿、これだよ、私がここにいた理由は戦士クローバーを覚醒させるためだ」
「クロバを覚醒させるため?」
「全ては邪悪な存在と戦うためだ。今はまだこれしか言えぬがクロバを覚醒させるためにはここで血の誓いを解除せねばならんのだ」
「…話が見えないです……戦士協会の…血の誓いとは何なんです?」
核心に迫るライトだが突如大声で叫ぶクロバ。
剣を抜刀し神木に刃をむける。
「クロバ?」
「委員長殿…決断の時です」
「えっ」
ジェネラルはナイフを取り出しライトへ渡す。
「ジェネラル様?」
「クロバを救いたいのならそのナイフで彼女を突きなさい」
「…」
「説明している時間はありません。血の誓いを解除して未知の力を開花させる。クローバーはセイントフェザー様と見守ってきた私たちの希望なのです」
「またセイントフェザー様ですか…あっちこっちにねわしというか…」
「委員長が想うクロバを…どうか…どうか……」
ジェネラルはライトに頭を下げる。
…状況は…まったく…わからない。
とにかくこの無骨なナイフでクロバを…。
彼女は神木に攻撃するつもりみたいだが…。
ライトはナイフを構えクロバを見る。
その時、神木は鋭利な刃物のように変形した枝でクロバを攻撃。
「クロバっ」
「ぐふぅっ…ライト…頼む…クローバーを…」
クロバをかばうジェネラル。
神木は意思があるように枝をざわつかせクロバを攻撃対象として認識した。
「クロバ…」
ライトは眼は閉じナイフを持ちクロバの胸を突く。
「…ライト……」
胸を突かれたクロバは正気に戻ったようにライトを認識。
「…戦士って…よくわからないや…」
後方から神木の枝が複数でライトを攻撃する。
「…うぐっ……」
「…ライト…」
「ライトに同意、どういうことかさっぱりわからない」
腕を組み考え込むカノン。
その様子を見てニコニコ笑うリリ。
「神木は吸血植物なのです。血の誓いとは人を吸血鬼化して身体能力を劇的に上昇させることです。儀式は自身の血液を樹木へ滴して葉を落下させる。その紺碧の葉を噛むことで完了です」
「吸血鬼化って…」
「戦士協会血の誓いによる吸血鬼化は、カノン様がご想像されているイメージと異なります」
「ん?」
「便宜上、吸血鬼と言いましたが実際は吸血鬼化しても人とほとんど変わりませんし見た目では区別できません」
「つまり…単純に身体が覚醒するってことかしら?」
「はい、メリットが多いのですが、人が持つ暴力的な思考が表に出てしまうのが残念なところです」
「…なるほど、クロバの剣術に穴があるのは凶暴さを止める対策みたいなものね」
飲み物を手に取りひと息つくカノン。
「ジェネラルは歴代理事長から受け継いできた破邪の短剣でクロバの吸血鬼化を解除したのです」
「でも上昇している能力を戻すのは何故?実際クロバは戦士として優秀だったのでしょう?」
「能力解除により未知の能力が開花する…」
「…」
「信頼し合える存在がいる、その事はライトにとって危険な研究やらへのストッパーになります」
「…そういうものかしらね…」
「守るべき者がいる人は迷いにくい、私はそう思っております」
「それ……クロバだってそうでしょう…こんなことして黙っている性格にはみえないけど…」
「ええ、カノン様の仰る通りです。戦士クローバーはここでついに秘めたる能力が目覚めます」
「秘めたる能力…」
「魔法戦士です」
次回へ続く。
「クロバ、この方はセイントフェザー、総合の理事長だよ」
受付が変化した姿をまじまじと見るクロバ。
セイントフェザーは受付に化けてクロバを導いた。
「騙してしまってごめんなさいクローバーさん」
「い、いや、こちらこそ…あの…無礼な……」
「ふふふ、いいのですよ」
「クロバ、ファジを倒してもワイト国は救われないんだ」
「えっ…」
真剣な面持ちのライト。
「邪悪な存在…その正体を突き止めて…倒す…」
「ライト、焦ってはダメ。あなた一人では邪悪に取り込まれワイト国は危機的状況になってしまう」
ライトに冷静になるようなだめるセイントフェザー。
「ですが、このまま放置しては…」
熱くなるライト。
「あなたたち二人はひとまず各協会に戻って下さい」
「なっ」
セイントフェザーの言葉に驚くライト。
「二人が同時に協会を追われたのは邪悪な存在にとってあなたたちは障害なのでしょう」
「ですが…魔法協会に戻れるのでしょうか…」
「ふふ、心配いりません。まだ総合が機能しているので両協会に二人の復帰を伝えます」
セイントフェザーとライトの会話についていけないクロバ。
彼女の精神は崩壊寸前であった。
教官に裏切られ、自分が経験してきた、戦士として生き方を否定されたような仕打ちに心がショックを受けていた。
二人があれこれ話していても上の空である。
「私は…戻りたくないです…」
セイントフェザーに小声で伝えるクロバ。
「クロバ…」
「どうやら協会で何かあったみたいですね?」
セイントフェザーは様子がおかしい彼女を見て話す。
「クロバ…それでここへ」
「……助けてライト…私はもう…」
泣き崩れるクロバ。
「仕方ないですね…ライト、クローバーさんを頼みます」
「セイントフェザー様?」
彼女はクロバとライトに転移魔法を放つ。
「ちょっと…」
「…」
「クローバー聞きなさい」
「は、はい…」
「私はあなたの味方です、信じていますよ」
「…」
セイントフェザーは微笑むと二人は転移。
「ここは…」
二人は薄暗い洞窟内へ転移したようだ。
ひんやりと空気が漂いクロバは身を強ばらせる。
ライトは周囲を警戒しつつ状況確認をする。
「ここ……誓いの…誓いの聖域…」
クロバはライトの腕を掴み震えた声で話す。
「誓いの聖域?」
「うん…一人前の戦士になるため、この聖域の奥で血の誓いをするの…」
「なんとも……戦士らしい…儀式的なやつだね」
誓いの聖域は戦士協会が管理する特殊空間であり、その奥には御神木がある。その神木に自らの血を捧げることで協会の戦士と公認される。
当然だがクロバもこの儀式のようなものを経験していた。
「セイントフェザー様は何故ここへ…」
「…」
「クロバ?」
掴む手の力が強くなる。
「…進みましょう…」
ゆっくり歩き出す二人。
一見深そうな洞窟らしきつくりだが、すぐに御神木が姿を見せる。
「ねえライト、戦士協会の起源は邪を払う集団と言われているの…その者たちは破邪の剣術をいくつかの型に分け後世に伝えた…」
「詳しいね…」
分厚い神木の存在感は圧倒的であるが洞窟内ではどこか異質な雰囲気である。
ライトは神木に近づき注視する。
「戦士は…血を…か…」
「ほう、魔法協会の委員長ライト殿…でしたか」
「なっ」
神木の側には体格のよい老人がおり、ライトに話しかけてきた。
「ふむ」
その人物は一瞬クロバをみてすぐにライトを見る。
無言のクロバ。
「あなたは…」
「面識はないがライト殿の事はディアトラ殿から聞いておる」
「…ジェネラル様……」
戦士協会の理事長ジェネラルは白銀の美しい鎧を身につけておりその威圧的存在感は絶大である。
「人は皆、その見た目で印象が変わる。鎧を脱いだ私はただの老人、君はそう見えただろう?」
「…無礼をお許しください、そのような話をするためここに?」
ライトは老人とは思えぬオーラを感じ無意識に身構えた。
ジェネラルはそんな彼の姿みて微笑む。
「なるほど、ディアトラ殿が手を焼くわけだな」
そう言うとジェネラルは鞘に納められた宝剣を持ちライトと対峙する。
一触即発の状況にクロバは戸惑い頭を抱える。
「魔法使いにしておくにはもったいないな」
「ジェネラル様、もう一度聞きます。あなたは何故ここに?」
「ふふ、それを聞いてどうする?そこのクロバは私がここにいる意味を理解していると思うが?」
クロバを指差すジェネラル。
「クロバ…」
「ライト、ジェネラル様と戦うのは止めて。こんなことして何になるのよ…」
突然取り乱すクロバ。
様々な出来事が彼女の精神を蝕んでいた。
その蓄積された想いがここにきて一気に爆発した。
「ふふふ、見たかね委員長殿、これだよ、私がここにいた理由は戦士クローバーを覚醒させるためだ」
「クロバを覚醒させるため?」
「全ては邪悪な存在と戦うためだ。今はまだこれしか言えぬがクロバを覚醒させるためにはここで血の誓いを解除せねばならんのだ」
「…話が見えないです……戦士協会の…血の誓いとは何なんです?」
核心に迫るライトだが突如大声で叫ぶクロバ。
剣を抜刀し神木に刃をむける。
「クロバ?」
「委員長殿…決断の時です」
「えっ」
ジェネラルはナイフを取り出しライトへ渡す。
「ジェネラル様?」
「クロバを救いたいのならそのナイフで彼女を突きなさい」
「…」
「説明している時間はありません。血の誓いを解除して未知の力を開花させる。クローバーはセイントフェザー様と見守ってきた私たちの希望なのです」
「またセイントフェザー様ですか…あっちこっちにねわしというか…」
「委員長が想うクロバを…どうか…どうか……」
ジェネラルはライトに頭を下げる。
…状況は…まったく…わからない。
とにかくこの無骨なナイフでクロバを…。
彼女は神木に攻撃するつもりみたいだが…。
ライトはナイフを構えクロバを見る。
その時、神木は鋭利な刃物のように変形した枝でクロバを攻撃。
「クロバっ」
「ぐふぅっ…ライト…頼む…クローバーを…」
クロバをかばうジェネラル。
神木は意思があるように枝をざわつかせクロバを攻撃対象として認識した。
「クロバ…」
ライトは眼は閉じナイフを持ちクロバの胸を突く。
「…ライト……」
胸を突かれたクロバは正気に戻ったようにライトを認識。
「…戦士って…よくわからないや…」
後方から神木の枝が複数でライトを攻撃する。
「…うぐっ……」
「…ライト…」
「ライトに同意、どういうことかさっぱりわからない」
腕を組み考え込むカノン。
その様子を見てニコニコ笑うリリ。
「神木は吸血植物なのです。血の誓いとは人を吸血鬼化して身体能力を劇的に上昇させることです。儀式は自身の血液を樹木へ滴して葉を落下させる。その紺碧の葉を噛むことで完了です」
「吸血鬼化って…」
「戦士協会血の誓いによる吸血鬼化は、カノン様がご想像されているイメージと異なります」
「ん?」
「便宜上、吸血鬼と言いましたが実際は吸血鬼化しても人とほとんど変わりませんし見た目では区別できません」
「つまり…単純に身体が覚醒するってことかしら?」
「はい、メリットが多いのですが、人が持つ暴力的な思考が表に出てしまうのが残念なところです」
「…なるほど、クロバの剣術に穴があるのは凶暴さを止める対策みたいなものね」
飲み物を手に取りひと息つくカノン。
「ジェネラルは歴代理事長から受け継いできた破邪の短剣でクロバの吸血鬼化を解除したのです」
「でも上昇している能力を戻すのは何故?実際クロバは戦士として優秀だったのでしょう?」
「能力解除により未知の能力が開花する…」
「…」
「信頼し合える存在がいる、その事はライトにとって危険な研究やらへのストッパーになります」
「…そういうものかしらね…」
「守るべき者がいる人は迷いにくい、私はそう思っております」
「それ……クロバだってそうでしょう…こんなことして黙っている性格にはみえないけど…」
「ええ、カノン様の仰る通りです。戦士クローバーはここでついに秘めたる能力が目覚めます」
「秘めたる能力…」
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