僕の恋愛スケッチブック

美 倭古

文字の大きさ
26 / 57

23-2.Merry X'mas

しおりを挟む
 暖房にスイッチが入る音で目が覚めた直人は、自分の傍らで感じる温もりにホッとする。
 この星で1番慈しむ人の柔らかい肌を愛でながら一日を始められる毎日に、夢ならずっと目覚めないで欲しいと祈る。
「メリークリスマス、直」
 陽一の柔らかい唇を感じた後、耳元で囁かれる。
「陽さん、メリークリスマスです」
 直人が応えると陽一は額を合わせ再び唇を奪う。
「最近、ちょっと怖いんです」
「どうして」
「だって、あまりにも幸せだから」
 顔を赤らめながらも不安げな面持ちで応える。
「実は俺も」
「陽さんも?」
「うん。だからさ、しっかりと二人でこの幸せを捕まえておけるように」
 陽一は話しながら綺麗なリボンの付いた小箱を直人に差し出す。
「直、クリスマスプレゼント」
 陽一からのプレゼントに喜色満面の直人は、横になっていた身体を慌てて起こす。
「陽さん! 嬉しい! 開けてもいいですか?」
「勿論」
 陽一も微笑みながら直人と同様に上体を持ち上げると直人と向き合った。
 直人はリボンを解くと蓋を開け、中に納まっていたケースを取り出す。
「陽さん! これって」
 興奮気味の直人がケースを開けると、ホワイトゴールドのベースに洒落たデザインが彫られた指輪が2つ並んで入っていた。
「ペア―リング! 僕と ・・いいんですか?」
「うん」
 頬を薄紅色に染めた陽一は、指輪をケースから取り出すと直人の左手指にはめる。
「直、愛してるよ」
「陽さん・・ 」
 直人は嬉しさのあまり目に涙を溜めながら、ケースに残されたもう1つの指輪を手に取ると陽一の指にはめる。
「僕も、陽さんを心から愛しています」
 喉を震わせながら言葉にすると涙が頬に流れる。
 陽一は、直人の手のひらにある指輪ケースをそっと除けると1つ軽いキスをした。次に両手で直人の頬を包み込むと激しいキスに変わる。
「プハァ、はぁ、はぁっ」
 何度味わっても陽一の舌の感触に未だ酔いしれる直人は、アッという間にトロトロ気分に落ちてしまうと簡単に押し倒された。
 陽一は、仰向けになった直人の上に重なると首筋から鎖骨まで舌を這わせる。
「アっ、ああッ、陽さんっ」
 陽一から贈られた指輪により心が満たされていた直人の身体は、既に高揚感の頂点に達しており甘い声が身体から湧き出る。
「あっ、ンっ、アッ、ああっ、陽さん」
「乳首すごく感じるんだね」
 直人の右乳首は陽一の舌でクルクルと回されながら時折キュと吸われる度に、直人は声を上げてしまう。
 陽一は直人の左乳首を指で優しく触れながら身体を下げていくと、直人の股間へと舌を這わせ直人の下着を下げた。
「あっ 陽さん?」
 陽一は直人に応えず彼のペニスに手を添えると口に含ませた。
「陽さん ・・あっ、ダメ、シャワーしたの昨日なのに・・ アッアッあああ、ダメ、そんなにしたら ・・ダメ」
 陽一は、頭を上下させながら、時折直人のペニス突起を思い切り吸い上げ、根本から亀頭まで舌を這わせる。
「あああッ、ダメぇっ、まだイキたくない、陽さんのちょうだい・・お願い」
 直人の望みに応えるように攻めていた直人の性器を解放すると、ジェルを手にたっぷりとたらし中指を直人のアナルにユックリと挿入する。
「アっ、あああッッ」
「昨日しなかったから、ちゃんとほぐそうね」
 陽一は、中指を直人の中で丁寧に動かすと直人の腰が反りあがった。
「陽さん ・・お願い、もう我慢できない、陽さんのおっきいの、もうくださ・・い」
 直人は、緩んだ口元から唾液を漏らし好色の眼差しを陽一に向ける。
「直は・・おねだりが上手だね ・・先に1回イカせてあげようと思ったのに」
 抑えきれない情欲に陽一は自身のペニスを取り出すと、直人のアナルの入口にそっと押し当てる。
「あ ・・陽さん、早く」
「うん」
 ヒクヒクさせる直人の蕾に陽一の勃起した性器が優しく吸い込まれていく。

「あっン、アアアっつ、よ・・うさんッ、んんんっ、深いぃ、アア」 
 陽一のペニスが奥深くに辿り着くと少しずつピストン運動を始め、徐々にその速度を早めていく。
「ああ、陽さん、気持ちいい、すごくいい、はぁはぁっつ、愛してます、陽さんっ」
 直人は陽一の首に腕まわすと自身に引き寄せ陽一と舌を絡ませる。
「はぁはぁッッ、直、愛してるよ、はぁ、はぁっはぁッ」
 陽一は、直人の開いていた左足を右足と合わせ身体を横向きにさせると、彼の更に奥深くに別の角度から何度も突き上げた。
「アッアアアアっ、気持ちいい、陽さん」
 陽一は、左手で直人のペニスを上下させる。
「陽さん、ダメ、そんなことしたら、僕、イッちゃう」
「イッていいよ。直の可愛い顔見せて。はぁはぁっ」
 耳元で囁くと直人の背後から唇を重ねる。
「アッン、イイっつ、もうダメ、ごめんなさい。また先にイッちゃう ・・あアアっ イっイク、イクッ、アアあぁっ」
 直人は絶頂に達すると指輪の付いている左手で、脈打つ直人のペニスに手を添えている陽一の左手を強く握る。
「はぁはぁ ・・陽さん、愛してる ・・僕本当に幸せです、ありがとう」
「直・・ 俺も誰よりも直を愛してる」
 横向きの直人の肩に沢山のキスをすると自身のペニスを直人から取り出す
した。
「アっ ・・陽さん、ごめんなさい」
「え?」
「だっていつも僕が先にイかされてしまうから」
「直のもう復活しつつあるよ ・・ハハ」
 陽一の左手は直人が射精した後も指で突起部位を弄っていたのだ。
「陽さんの硬いのが僕のお尻に当たってるから ・・今度は陽さんをイカせたい」
 直人はクルリと上体を回転させ陽一と向かい合うと、自分から舌を陽一の口に入れる。
「ン、ははぁっ」
 2つの舌が絡み合い互いの唾液を吸い合う音が辺りに鳴り響く。
「プはぁっ」
「はぁっ」
 舌を引き出した直人は陽一の肩に手を添え勢いよく仰向けにさせると、陽一の耳の中に舌を入れた後、首筋を攻める。
「アッ 直、まだBL読んでる?」
「チュウ・・いえ チュウ・・なんでですか?」
「だって上手だから・・」
「陽さんの真似です ・・チュウ」
 直人が陽一の乳首を吸い上げる。
 「あッ ンっ」
 
 暫く陽一の身体を舐めまわした直人は上体を起こすと、ユックリと陽一の硬い部位を自身に吞み込ませる。
「あっ ンっん もう少し アアアっっ はぁっ ンンンっ 全部入った」
「うん。根本までしっかり喰いつかれたよ。ハァ」
「陽さん動かないで、僕がイカせるから」
 妖艶な笑みで直人は告げると、身体を後ろに反らせ両手をベッドに着き腰を振り始める。
 直人の動きと共に軋むベッドとイヤらしい音が部屋中に奏でられる。

「アっ、はぁっはァ、はぁッ、アアっ、気持ちいい ・・陽さんも?」
「ンっ、アっ、直、直、うん、すごく気持ちいいいよ、ンんっ」
「良かった、はぁっはぁ、ア、ンっ」
 直人は笑顔で応えると、自身の腰を陽一の腹上で更に激しく上下前後に移動させる。
「直が可愛すぎて、俺もう我慢できないよ」
「え?」
 陽一は、直人の腰を両手で掴むと両膝を立て、直人の身体の中央に自身の男根を押し込んだ。
「陽さん、アっアアア だめ、そんなことしたら、ウッンンンっ あああ」
 陽一は上体を起こし直人の尻を掴むと腰を上下に動かす。直人もそれに応じるように身体を後ろに反らすと、前後運動で陽一のペニスを攻めた。

「直の中、最高だよ ・・ンっはぁっはぁ、気持ちいいよ」
「アアっ 良かった んっアああ 僕も・・ ンっ、陽さんのオッキイのが中で反ってて、気持ちいい所に当たる ・・アアア、どうしよう、もうイキそう、 ンっあっ」
「直、キスして」
 直人は反らしていた身体を戻すと陽一の唇に吸い付いた。それと同時に指輪が光る2つの手が強く握り合うと、陽一が腰の勢いを増加させ直人を突き上げる。
「あ、アアっ、だめ、ンンっあ、僕、もう、ダメぇ、アアア」
「直、はぁっハァッ 俺も」
「陽さんっ、何か違うっ アアっ 違うものが出そう、ダメ んんんっ ダメ」
「直、大丈夫、はぁっ 全部開放していいから、直の絶頂するとこ見せて、俺ももう出そう、ンンっ、はぁっ」
「陽さん、あああっ、違うっ、オシッコが出そう、だからダメ、陽さんにかけたくない、あああっ ダめぇっ、あっっっ、どうしよう、そんなに突いたら、出ちゃう、ダメっ」
 いつもと違う快感に襲われた直人は背徳感から昂る気分を抑えようとする。
「直、俺を見て。それ、潮吹きだから大丈夫、気持ちいい証拠だよ。俺、すっごく嬉しい」
「陽・・さん、アアっ、ダメ、もうダメっ 出ちゃう、アアっあああああっっっ」
「直、俺も、んんんッッッ」
 直人が勢いよく精液ではないサラリとした液体を身体の底から開放する。
 
 直人のペニスに添えてあった陽一の手が上手にそれらを受け止めたが、滝のように陽一の腹に流れ落ちる。
「アアアっ はぁはぁっ」
 いつもよりも長い絶頂感に直人は陽一に全体重を預けてしまう。
「直、上手にできたね」
 予想を絶する快楽に溺れた直人は失神しそうになる自分を、陽一の声と心音で必死に覚醒と繋ぎ留める。
「陽さん・・ごめんなさい。こんなに汚しちゃって」
 少し我を取り戻した直人は恥ずかし気に言葉を零すと、顔を更に深く陽一の身体に埋める。
「そんなこと気にしない。直が快楽を味わえた方が嬉しいからさ」
「物凄く気持ちいいのに ・・頭が爆発して自分を失いそうで少し怖かった。でも陽さんが声を掛けてくれたら急に安心して、そしたら大きな開放感がやってきて」
「そっか、そんな感じなんだ」
「陽さんは経験ないですか?」
「無いかな? でも俺、イケない事の方が多かったのに直には簡単にイカされてしまう。それだけで凄く幸せ」
「陽さん ・・嬉しい」
 直人は蹲っていた顔を上げると陽一にキスをした。
「後で、アトリエに行きましょうね。僕からのクリスマスプレゼントがあるから」
「本当に? 直の絵かな? 楽しみだな~」
 直人は、再び陽一の肩に顔埋めると、彼の頭をいつものように陽一が撫でる。
 そして、二人は指輪の付いた手の指をより一層強く絡ませた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

【完結】毎日きみに恋してる

藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました! 応援ありがとうございました! ******************* その日、澤下壱月は王子様に恋をした―― 高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。 見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。 けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。 けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど―― このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。

ショコラとレモネード

鈴川真白
BL
幼なじみの拗らせラブ クールな幼なじみ × 不器用な鈍感男子

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

ジャスミン茶は、君のかおり

霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。 大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。 裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。 困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。 その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...