[完結]クミホの恋はつづくよ~天狗の恋は神さえ惑わす時~

桃源 華

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第2章:結婚適性試験スタート!

12話:ビジネスパートナー適性

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「夫婦とは
人生の共同経営者である」

大天狗が腕を組み、
堂々と語る。

「つまり、二人が互いに
支え合い、成長し、
共に利益を生み出す関係
でなければならぬ」

「ちょっと待って、
それってつまり——」

くみほが
ピンときた瞬間——

バン!

目の前に巨大なビジネス
シミュレーションボード
が出現した。

「架空の企業を経営して
もらう」

「いや、
何でそうなるの!?!?
!?」

「これが次なる試練、
“ビジネスパートナー
適性”じゃ」

くみほは天を仰ぎながら、
となりのくらまを見た。

「くらま、アンタこれ
得意そうじゃない?」

「まぁ、投資の仕事を
しているからな」

「ずるい! 
こっちのスキルが
負けてるじゃん!」

「なら、
お前の秘書スキルを
活かせばいい」

くらまの冷静な指摘に、
くみほはハッとする。

(……そうか、
ビジネスなら私も
得意分野!)

「よーし、やってやる!」



ビジネス
シミュレーション開始!

「お主らには、
資本金1億モフ(謎の単位)
を与える」

「モフって何!?」

「細かいことを気にするな」

くみほとくらまは、
与えられた資本金を使い、
架空の企業を立ち上げる
ことになった。

「まず、何の事業をするか
決めるのじゃ」

くみほは腕を組み、考える。

「うーん……じゃあ、
カフェ経営とか?」

「却下だ」

「え、何で!? 
すごく安定してそう
じゃん!」

「確かに安定はするが、
利益率が低い。
初期投資もかかり
すぎる」

「むぐぐ……」

くみほのアイデアは
即座にくらまに却下
される。

「じゃあ、アンタの案は?」

「金融事業だ」

「絶対つまんない
やつ!!!」

「堅実だ」

「もうちょっと夢のある
ビジネス考えようよ!!」

「夢だけでは経営は
成り立たん」

「むぐぐぐ……」

くみほは考え込む。

(私の得意分野は……
人を動かすこと? 
それなら……)

「よし! モフモフ関連
ビジネスをやろう!」

「……は?」

「ほら、
『癒しのモフモフカフェ
&リラクゼーション』
とか! みんなモフモフ
大好きでしょ!?」

「たしかに……
市場ニーズはあるかも
しれん」

「でしょ!?」



経営方針でバトル開始

くみほとくらまは、
「モフモフ
リラクゼーションカフェ」
を設立することに決定。

だが、問題は経営方針
だった。

「私の秘書スキルを活かして、
従業員のマニュアルを
徹底する!」

「それでは個性がなくなり、
顧客が飽きる」

「じゃあ、アンタの案は?」

「投資を募り、
フランチャイズ展開する」

「ええええ!? 
そんなに拡大
しちゃうの!?」

「成功するなら、
最初から規模を大きく
する方が効率的だ」

「ちょっと待ってよ、
私はお客さんとの距離が
近い、小規模な
アットホームな感じが
いいんだけど!」

「それでは利益が出にくい」

「むぐぐ……」

お互いに譲らず、
シミュレーション上で
激突する二人。



最強の組み合わせに
気づく瞬間

だが、しばらくやり合う
うちに、くみほは気づいた。

「……あれ?」

「何だ?」

「アンタのフランチャイズ
展開を、小規模のアット
ホームな形にすれば、
両方の強みが活かせる
んじゃない?」

くらまは少し驚いた顔を
した後、静かに頷く。

「確かに、それなら投資家
の関心も引きつけられる」

「でしょ!? やっぱり、
二人の意見を合わせるのが
一番強いんじゃない?」

くらまは少し考え込み、
やがて「……悪くない」
と呟いた。

「意外と、いいコンビ
かもね」

くみほが冗談っぽく笑うと、
くらまは少しだけ口元を
緩めた。

「おぬしら、意外と息が
合っておるな」

善狐様がにやりと笑う。

「いやいや、仕事の話だけ
ですから!」

「ほう、本当にそうか?」

「ぐぬぬ……」

大天狗はそんな二人を
見て、満足そうに頷く。

「よし、合格じゃ」

「やったー!」

「では、次の試練に進もう」

「えっ、もう?」

「次は——
子育てシミュレーション
じゃ」

「ちょっと
待てーーーー!!!?!?」

•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆

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