[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます3〜旅と鍋と猫耳と〜

桃源 華

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第2章:野外生活は爆弾だらけ

第5話 爆裂スパイス、チャチャの怒り爆発

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昼下がりの野営地。
 いつものように鍋を囲む一行の横で、黒猫耳のチャチャが袋を抱きしめていた。

「……ついに手に入れたのよ。この世で
最も刺激的なスパイス……《爆裂ペッパー》!」
「また変なの持ってきたにゃ!」
 ミュリがにゃっと驚き声をあげる。

「スパイスって……名前からして危ない
だろ、それ」
 レオンが眉間を押さえる。

「危なくなんかないわ! 舌が爆発的
に喜ぶのよ!」
「爆発的って言ったな!?」

🐈🐾 🐾 🐾

 チャチャは鍋にスパイスを投入。
 シュウウウウウ……! と煙が
立ち上がり、あたりに鼻をつく香り
が広がる。

「く、くさっ! 鼻が燃えるにゃ!」
「ごほっ、ごほっ! 視界が赤い……!」
 ミュリとビビがのたうち回る。

「ふふん、これぞ至高の香り……!」
 チャチャはうっとりと湯気を
吸い込む。

🐈🐾 🐾 🐾

「……ちょっと待て、その煙、布が
焦げてねえか?」
 レオンが慌てて見やると、スイの
持ってきた桶の縁がじりじり溶け
ていた。

「……燃える水?」
 スイが淡々と呟く。

「燃える水って落ち着いて言ってる
場合か!」

🐈🐾 🐾 🐾

 完成した料理は真っ赤に輝く
「爆裂カレー」。
 鍋の表面からは火花が散り、
じりじりと大地が焦げ始めている。

「だ、誰が食うんだよこれ……」
「もちろん私! そしてあなたたちも!」
 チャチャが力強く器を差し出す。

「にゃ~……ミュリ、勇気出すにゃ!」
 ミュリが恐る恐る一口。

「ひぃぃぃっ!! 舌が燃えてる
にゃ!!」
 そのままバケツの水へ顔面ダイブ。

「スープが! 桶の水まで辛くなった
にゃ!」

🐈🐾 🐾 🐾

 続いてビビも挑戦。
「わ、わたしだって……負けない!」
 一口食べた瞬間、目から炎のような
涙が吹き出す。

「うぎゃあああ!! でも……体力湧い
てきたぁぁ! 草刈り二百本いけるぅぅ!」
 そのまま草むしりを開始。森の地面
がどんどん禿げていく。

「やめろーっ! 芝生が消えてくーっ!」
 レオンが絶叫するも止まらない。

🐈🐾 🐾 🐾

 ノアは研究熱心に試食。
「ふむ……この刺激は……! 脳が覚醒
する! 新しい薬草理論が……!」
 ガガガッとノートに書き殴る手が
止まらない。
「待て待て! お前の手まで燃え
てるぞ!!」
 レオンが慌てて水をぶっかける。

🐈🐾 🐾 🐾

 そして最後にスイ。
「……水」
「いや、それはカレーだ!」
 ずずず……。

「……悪くない」
 そのまま無表情で二杯目。
「お前の味覚どうなってんだ!?」

🐈🐾 🐾 🐾

 大混乱の最中、ミュリが叫んだ。
「チャチャ! 辛すぎるにゃ! 
どうしてこんなの作ったにゃ!」

「辛すぎる? 馬鹿言わないで! 
これは芸術! スパイスの極致な
のよ!」
 チャチャの猫耳がぴんっと逆立ち、
目がぎらぎらと光る。

「わたしのスパイスを、笑ったわね……?」
「いや笑ってねえ! 泣いてるんだ!」
 レオンの必死の弁解も虚しく、
チャチャの怒りが爆発する。

🐈🐾 🐾 🐾

「見なさい! この爆裂ペッパーの
真の力を!」
 チャチャは袋いっぱいのスパイス
を鍋に投入。

 ドゴォォォォォォン!!

 大爆発。
 鍋は吹き飛び、野営地は真っ赤な
煙に包まれた。
 木々は丸焦げ、地面は焦土、レオン
の胃はキリキリ。

「お前ぇぇぇぇぇ!! どこが料理
だこれはぁぁぁ!!」
「ふふふ……最高のスパイス……完成……!」
 チャチャは恍惚と笑みを浮かべ、
焦げた大地を見つめていた。

🐈🐾 🐾 🐾

 一時間後。

「……結局、昼飯抜きか」
 レオンはがっくり肩を落とす。

「舌が……まだヒリヒリするにゃ……」
「目の中まで辛い……」
「草刈りしすぎて腕が動かない……」
 ミュリ、ビビ、ノアが三者三様に
ぐったり倒れている。

 一方、スイは無言で桶に水汲み直し、こくりと飲んだ。
「……普通の水、おいしい」

「だろ!? 結局は普通が一番なん
だよ!!」
 レオンが叫んだが、チャチャは
まだ遠い目でつぶやいていた。

「……もっと辛くできるはず……」

 その呟きに、レオンの胃がまた
きりきりと痛み出したのだった。

🐈🐾 🐾 🐾 🐈🐾 🐾 🐾
キャラ紹介は、目次≡の⬇️
📘特別編 ミュリの仲間たち
( 。・ω・。)ノ 凸ポチッ
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