[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます 2 〜猫耳少女とふしぎな毎日~

桃源 華

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番外編

猫耳ハーブ団SP1話 猫耳温泉旅館へようこそ!

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「……なあ、なんで俺たち、こんな
山奥に来てるんだっけ?」

レオンがぽつりと呟いた。深い森を
抜けた先、見えてきたのは湯気
立ちのぼる小さな宿屋。その看板
にはこう記されていた。

『猫耳温泉旅館・湯ノ原』
~癒やしと混沌をご一緒に~

「ふふっ、旅の疲れを癒すには、
やっぱり温泉ですよ♪」
と、言い出したのは猫耳チームの
長女(?)、チャチャだった。

「でもこの旅館……ボロくないか?」
「しっ!レオン、それ失礼!」

ミュリが真顔で口を押さえてくる。

案内役の少女が現れた。金色の瞳に
白い猫耳、ちょっと眠たげな声。

「……ようこそ、湯ノ原へ。
女将のリリと申します。ええと、
源泉がいまちょっと気まぐれで、
湯が……冷たいですが、お心で
温まってください」

「源泉が冷たいって、それもう
ただの水じゃないか!?」
「静かに。ミュリ、お湯沸かして
こい」
「えっ!? わたし!? ……
わ、わかりました!全力で
沸かします!」

──この時、誰も想像して
いなかった。温泉が爆発する
なんてことは。


🐈🐾 🐾 🐾

「んん~~~っ!やっぱり風呂は
いいなあ!」

案の定、温泉はぬるかった。
そこでスイが水精霊を召喚し、
ミュリが火で沸かし、ビビが
なぜか入浴剤(自家製ハーブ入り)
を投入して……
最終的に湯船が七色に光り始めた。

「レオン、これ……大丈夫?」
「知らん。見なかったことにしよう」

しかし、事件はここからだった。

「……ふにゃ? なんか、
ボコッて音したにゃ」

チャチャの指差す先。湯船から……
泡がぼこぼこと。

「おい、ちょっと待て。
あれ、マズくないか?」

──ドカァン!!

「ぎゃああああ!? 
温泉が爆発したぁ!!」

浴場が一面ハーブまみれに! 
浴衣姿の猫耳たちが、湯けむりの
中をバタバタと走り回る。

「どどどどーすんのよこれ!?
リリちゃん!?温泉どうなってんの!?」
「……たぶん、下の薬湯タンクと混ざりました。副作用で爆発するんです」

「いやそれ副作用って言わないから!!」

🐈🐾 🐾 🐾

旅館の一室。被災者たちが雑魚寝中。

「……で、結局お湯には入れず、爆風だけ浴びた、と」
「でも……肌、すべすべになった……」
スイは満足げに手をさすっていた。

「ふーん……。でも温泉って、こんな感じなの?」
ミュリはキョトンと首を傾げる。

「違う。たぶん、違うぞ」

チャチャが湯上がり(?)に配った“ハーブ牛乳”だけが妙にうまかったのがせめてもの救いだった。

「旅館の女将さん、なんで続けてるのかな……」

レオンがつぶやくと、女将のリリがそっと顔を出す。

「……猫耳たちが、また来るって言ってくれるからです」

その言葉に、場が少しだけ静まった。

そしてミュリが、ぽつりと言う。

「じゃあ……また来ようか。爆発しない季節に」

「……季節で変わるのか!?」

🐈🐾 🐾 🐾

深夜。レオンが一人、星空を見ながら湯けむりの立つ川辺に立っていた。

ふと、足元に置かれた札を見る。

『今夜の源泉:やや爆発気味』

「ややってなんだ、ややって……」

レオンの苦悩は、まだ続く──。

🐈🐾 🐾 🐾 🐈🐾 🐾 🐾
第2章 新キャラ 猫耳ハーブ団
ミュリの仲間達⬇️にゃ🐈‍⬛🎀
https://kakuyomu.jp/works/16818622173856934382/episodes/16818622177180128138
🐈🐾 🐾 🐾 🐈🐾 🐾 🐾
★ようこそ!気まぐれ異世界へ★
https://kakuyomu.jp/users/tougen_hana/news/16818622177742117726
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