[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます 2 〜猫耳少女とふしぎな毎日~

桃源 華

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番外編

ノアSP2話 ノアの研究所、爆発三秒前

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「……静かにしてくれ、レオン。
今、臨界点を計算している」

朝っぱらから、ノアの声が村に
響いていた。

「なあノア、聞きたいんだが――
この“黒い湯気”は安全か?」

レオンが眉をしかめて指さしたのは、
ノアの研究小屋からもくもく
立ちのぼる紫がかった煙。
その匂いはなんというか……
刺激臭+草原の香り+ちょっと
焦げた肉。

「……安全だと信じたい」

「信じたいじゃなくて、確かめて
からやれ!!」

🐈🐾 🐾 🐾

事の発端は、ノアが最近凝りだした
「ハーブの魔導活用」。

「このハーブ、調合次第で爆発的な
熱量を発するんだ」
「魔術触媒として、料理にも
応用可能かも知れない」
「つまり、スパイスで村の暖房が
賄える」

「その発想、ほぼテロじゃねーか!!」

だがノアは聞かない。
そして今日も研究小屋では、
「調合→加熱→爆発寸前」の
三拍子が鳴り響いていた。

🐈🐾 🐾 🐾

その頃、猫耳たちがやってきた。

「ねえノアー! 今日のおやつ、
また燃えたやつ~?」

「ミュリ、それは“焼いた”
とは言わないにゃ……」

「この前、チャチャのスイーツに
入れてみたら、魔力が暴走して
空飛んだのよね☆」

「どんだけ危険スイーツだよ!?」

「……今回は爆発は抑えてるはず」
ノアが眉ひとつ動かさず、淡々と
言った。

「“はず”って言うな、“確実に”
にしてくれ!!」

🐈🐾 🐾 🐾

研究所の中は相変わらずカオス
だった。

床一面に広がる謎の草。
瓶詰めされた「発光ハーブ」や
「自己増殖するパセリ」らしきもの
が棚を埋め尽くし、
中央では怪しく光るフラスコが、
ふつふつ音を立てていた。

「……これが“ハーブγ+ハーブβ
+熱の魔石”の混合体だ」

「……はいはい、で、あと何秒で
爆発するんだ?」

「おおよそ……三秒後」

「やっぱり爆発するじゃねーか!!」

🐈🐾 🐾 🐾

どん!!

という音とともに、研究所の屋根
がふっとんだ。

「……成功だ。出力は安定していた」

「見ろ、屋根が飛んでるぞ。空に!!」

ビビがケラケラ笑いながら鍬を
持って現れた。

「屋根、畑に落ちたぞー! 
耕すぞー!」

「やめろ! それだけは耕すな!」

スイもひょっこり現れ、屋根の
破片をじっと見ている。

「……これ、器になるかも」

「なんでお前は何でも食器に
再利用する気なんだよ!」

チャチャ:「まあ……こんな日常も、
悪くないわね☆(ぼんっ)」

レオン:「なんでお前が最後に
締めようとして爆発した!?」

🐈🐾 🐾 🐾

その後――

「研究所、立て直す?」とレオンが
聞くと、

ノアは小さく首を振った。

「……このまま、屋外研究所で
しばらくいく。風通しがいい」

「いや、ちがう。通しすぎなんだよ
風を!!」

ミュリがぴょこっとしっぽを
揺らしながら言った。

「でも、また爆発しても……
ノアの研究、おもしろいにゃ♪」

「……おもしろいの基準がもう
おかしいんだよ、この村は」
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