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第一章:異世界でもう一度、スローライフ
第8話天然ミントと天然少女
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「レオ~ン! たいへんたい
へんっ!」
ミュリの叫び声が畑じゅうに
響いた。耳がピンと立ち、しっぽ
がブンブン振り回されている。
こういう時はだいたい——
「また何かやったのか?」
レオンは鍬を立てかけ、腰に
手を当てた。
「ちがうの! 今度はあたしじゃ
ないの! 犯猫は……あのコよ!」
ミュリが指さした先、畑の奥で
何やら土に埋もれながら、ひとり
でミントをわしゃわしゃ触ってる
少女がいた。
「……あれ、誰だ?」
「村の子じゃないよ。さっき、
ミントの香りに釣られて、ふら
ふら~って現れたの!」
ミュリがしっぽをぶんぶん
振って説明する横で、その少女
はミントの葉に顔をうずめて
うっとりしていた。
「はぁ~~、しあわせ~~。
この香り、好き~~……」
「……こりゃあ、手強そうだな」
レオンはため息をひとつ。
しばらく様子を見ることにした。
🐈🐾 🐾 🐾
「名前は?」
「ユイっていうの~。ミント
って、きもちい~~」
しゃがみこんだままユイは
返事した。灰色の髪、ボサボサ
のしっぽ、ちょっとくたびれた
ワンピース姿。見るからに世間
知らずな天然系。
「なにしてたの? どこから
来たの?」
「……森~。ちょっとだけミント
の香りがしたから、ふら~って
歩いてたら、ここに着いたの~」
「ミントの香りで迷い込むって、
虫かっ!」
レオンのツッコミに、ミュリが
「にゃははっ」と笑った。
「で、どうする? ミント、全部
この子が摘み取っちゃいそうだよ?」
「……やめて~。ミントはだいじに
育ててるの~」
ユイは抱きしめていたミントの
束を、しぶしぶ手放した。
「おぉ、言えばわかるじゃん。
いい子だね」
「うん、ミントはだいじにした
いの~」
「やっぱ虫か!」
🐈🐾 🐾 🐾
「それでね、レオン。ユイって
子、ちょっとハーブに詳しいっ
ぽいの!」
「ほう。見た目はふわふわして
るけど、実はハーブ通か?」
試しにユイに質問してみると——
「ねぇ、このミント、スペア
ミント? ペパーミント?」
「……モフモフミント~~」
「ねぇよそんな種類!」
畑が笑いに包まれた。
「でもね、ユイの言うこと、
ちょっと合ってるの。葉の形
と香りからすると、実は
ペパーミントじゃなくて、
アップルミントなんだって!」
驚くレオンに、ミュリが
得意げに説明する。
「天然だけど、鼻と舌だけは
本物なんだな……」
「たぶん、草の精霊とおとも
だちなんだよ。たぶん!」
「適当なこと言うな!」
🐈🐾 🐾 🐾
その日から、ユイはミュリ
たちのハーブ畑に「住みつい
た」。
住みついた、というよりは、
ミントの匂いに釣られて毎朝
ふら~っとやってきて、ミント
の中でゴロゴロする。そして、
気がついたらお茶を飲んでいる。
「ユイ、今日はなにしてるの?」
「ミントとお話してるの~。
今日はちょっと、葉っぱの気分
が落ちてるんだって」
「……それ、雑草じゃない?」
「うん。元気な雑草だった~」
「やっぱ敵だよ、草!」
遠くからビビの声が飛んで
きた。
🐈🐾 🐾 🐾
「ユイ~。あたしが作った
ミントティー、飲んでみて!」
「……」
ユイがそっと湯呑を受け取り、
一口。
「にが~い……けど、あったか
い~……しあわせ~……」
「やったーっ! 褒められ
たーっ!」
ミュリのしっぽが空を舞う。
「……でもちょっと苦いって
ことは、煮出しすぎじゃない
か?」
「え?」
レオンの指摘に、ミュリの
耳がぺたんと下がり、しっぽ
がだらーんと床に落ちた。
「しょぼ~ん……」
「う、ううん、でも!
気持ちは、いっぱい込めたん
だよっ!」
「それは……伝わったの~」
「わ~い! 回復した~!」
しっぽが復活し、ミュリの
テンションも元通り。
🐈🐾 🐾 🐾
こうして、また一人、
ハーブ畑に「問題児」が増え
た。
でも、不思議とユイのいる
場所は、草もよく育ち、虫も
こない。彼女の天然ぶりには、
ちょっとだけ魔法のような力
があるのかもしれない。
「なあ、ミュリ。ひょっとし
て、ユイって——」
「うん。もしかしたら、草の
妖精かも?」
「ううん。たぶん、ミントの
化身だよ」
「いや、それ虫だって!」
そんなわけで、レオンと
ミュリ、そして猫耳少女たち
のスローライフに、今日も
天然の風が吹いた。
へんっ!」
ミュリの叫び声が畑じゅうに
響いた。耳がピンと立ち、しっぽ
がブンブン振り回されている。
こういう時はだいたい——
「また何かやったのか?」
レオンは鍬を立てかけ、腰に
手を当てた。
「ちがうの! 今度はあたしじゃ
ないの! 犯猫は……あのコよ!」
ミュリが指さした先、畑の奥で
何やら土に埋もれながら、ひとり
でミントをわしゃわしゃ触ってる
少女がいた。
「……あれ、誰だ?」
「村の子じゃないよ。さっき、
ミントの香りに釣られて、ふら
ふら~って現れたの!」
ミュリがしっぽをぶんぶん
振って説明する横で、その少女
はミントの葉に顔をうずめて
うっとりしていた。
「はぁ~~、しあわせ~~。
この香り、好き~~……」
「……こりゃあ、手強そうだな」
レオンはため息をひとつ。
しばらく様子を見ることにした。
🐈🐾 🐾 🐾
「名前は?」
「ユイっていうの~。ミント
って、きもちい~~」
しゃがみこんだままユイは
返事した。灰色の髪、ボサボサ
のしっぽ、ちょっとくたびれた
ワンピース姿。見るからに世間
知らずな天然系。
「なにしてたの? どこから
来たの?」
「……森~。ちょっとだけミント
の香りがしたから、ふら~って
歩いてたら、ここに着いたの~」
「ミントの香りで迷い込むって、
虫かっ!」
レオンのツッコミに、ミュリが
「にゃははっ」と笑った。
「で、どうする? ミント、全部
この子が摘み取っちゃいそうだよ?」
「……やめて~。ミントはだいじに
育ててるの~」
ユイは抱きしめていたミントの
束を、しぶしぶ手放した。
「おぉ、言えばわかるじゃん。
いい子だね」
「うん、ミントはだいじにした
いの~」
「やっぱ虫か!」
🐈🐾 🐾 🐾
「それでね、レオン。ユイって
子、ちょっとハーブに詳しいっ
ぽいの!」
「ほう。見た目はふわふわして
るけど、実はハーブ通か?」
試しにユイに質問してみると——
「ねぇ、このミント、スペア
ミント? ペパーミント?」
「……モフモフミント~~」
「ねぇよそんな種類!」
畑が笑いに包まれた。
「でもね、ユイの言うこと、
ちょっと合ってるの。葉の形
と香りからすると、実は
ペパーミントじゃなくて、
アップルミントなんだって!」
驚くレオンに、ミュリが
得意げに説明する。
「天然だけど、鼻と舌だけは
本物なんだな……」
「たぶん、草の精霊とおとも
だちなんだよ。たぶん!」
「適当なこと言うな!」
🐈🐾 🐾 🐾
その日から、ユイはミュリ
たちのハーブ畑に「住みつい
た」。
住みついた、というよりは、
ミントの匂いに釣られて毎朝
ふら~っとやってきて、ミント
の中でゴロゴロする。そして、
気がついたらお茶を飲んでいる。
「ユイ、今日はなにしてるの?」
「ミントとお話してるの~。
今日はちょっと、葉っぱの気分
が落ちてるんだって」
「……それ、雑草じゃない?」
「うん。元気な雑草だった~」
「やっぱ敵だよ、草!」
遠くからビビの声が飛んで
きた。
🐈🐾 🐾 🐾
「ユイ~。あたしが作った
ミントティー、飲んでみて!」
「……」
ユイがそっと湯呑を受け取り、
一口。
「にが~い……けど、あったか
い~……しあわせ~……」
「やったーっ! 褒められ
たーっ!」
ミュリのしっぽが空を舞う。
「……でもちょっと苦いって
ことは、煮出しすぎじゃない
か?」
「え?」
レオンの指摘に、ミュリの
耳がぺたんと下がり、しっぽ
がだらーんと床に落ちた。
「しょぼ~ん……」
「う、ううん、でも!
気持ちは、いっぱい込めたん
だよっ!」
「それは……伝わったの~」
「わ~い! 回復した~!」
しっぽが復活し、ミュリの
テンションも元通り。
🐈🐾 🐾 🐾
こうして、また一人、
ハーブ畑に「問題児」が増え
た。
でも、不思議とユイのいる
場所は、草もよく育ち、虫も
こない。彼女の天然ぶりには、
ちょっとだけ魔法のような力
があるのかもしれない。
「なあ、ミュリ。ひょっとし
て、ユイって——」
「うん。もしかしたら、草の
妖精かも?」
「ううん。たぶん、ミントの
化身だよ」
「いや、それ虫だって!」
そんなわけで、レオンと
ミュリ、そして猫耳少女たち
のスローライフに、今日も
天然の風が吹いた。
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