[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます 2 〜猫耳少女とふしぎな毎日~

桃源 華

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第三章:村祭りと屋台戦争

第21話猫耳たちの屋台企画会議(大混乱)

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「レオン、村祭りがあるにゃ!」

朝から元気にしっぽをブンブン振り回しながら飛び込んできたミュリの第一声に、レオンはスプーン片手に絶句した。

「……まだ朝のスープも飲み終わってないんだけど?」

「それどころじゃないにゃ! 村の祭りで、屋台出せるんだって! 出店にゃ! チャンスにゃ!」

「え、もしかしてそのテンション……うちも出るのか?」

「当然にゃ!」

というわけで、気づいたら我が家のリビングには猫耳娘たちが勢揃いしていた。

「議題は、“何の屋台を出すか”です」

ノアがきっちり眼鏡を上げ、ホワイトボード(なぜある)に「屋台会議」と書き殴る。いや、板に炭で書いてるだけだが。

「ハーブティー屋台でいいんじゃないか? いつも畑で作ってるし、準備も簡単だろう」

レオンの提案にミュリが即座に手を挙げた。

「却下にゃ! お祭りといえばジャンキーで刺激的なフードにゃ! 揚げ物とか串焼きとか!」

「いや、君、前回油に火をつけて爆発させたよね?」

「今回は……もっと注意するにゃ」

「いや“もっと”じゃない、ゼロを目指してくれ」

その間にもチャチャが不機嫌そうに腕を組む。

「ふん、どうせミュリが派手にやらかすのよ。私なら、“ハーブ・フレア串焼き”が出せるわよ」

「それってただの焦げた肉串じゃ……」

「うるさい! こ、これは香ばしさの演出なのよ!」

するとスイがひょっこり挙手。珍しく発言する気らしい。

「……水ヨーヨー、つくる」

「おお、それ平和! 平和な案出たぞー!」

ノアがメモを取りながら冷静に言った。

「現時点での案:爆発系料理屋台(ミュリ案)、焦げ系串屋台(チャチャ案)、水ヨーヨー(スイ案)」

「まとめ方に悪意あるにゃ!」

そこに、ビビが泥まみれで飛び込んできた。

「おまたせー! 草むしってたら地下水脈ぶち抜いたー☆」

「報告内容がもう事件なんだが……」

「ところでビビ、屋台で何がしたい?」

「え? 草の飴細工!」

「なにその地雷しかない発想!」

レオンが頭を抱える中、リンが珍しくそっと手を上げた。

「べ、別にあたしが言いたいわけじゃないけど、火の演出って、お祭りっぽくない?」

「お前も火をつけたいだけだろ!」

🐈🐾 🐾 🐾

その後も会議は白熱した。

「じゃあ! 試食できるスパイスクイズはどうにゃ?」

「不正解だったら辛いの食べるやつ?」

「違うにゃ! 不正解でも辛いやつにゃ!」

「地獄しかない!」

ノアが落ち着いた声で提案する。

「香り当てクイズも併設すると、来場者が気絶する確率が減ります」

「“減る”って何……てか前提で気絶すな!」

🐈🐾 🐾 🐾

そして最終的に、レオンが無理やりまとめた。

「よし、最終案はこれだ!」
1. 水ヨーヨー(スイ)で和みゾーン
2. 香りクイズ(ノア)で知的ゾーン
3. ミュリの“爆発しない”スパイス焼き(条件つき)
4. チャチャとリンの火加減修行ゾーン(監視員レオンつき)
5. ビビの草ステージ(何かは当日決めよう)

「わーい! やったにゃ!」

ミュリがしっぽをぐるんぐるん回して喜んでいるが、後ろの壁に当たりまくっている。

「……ミュリ、しっぽ自重」

「ご、ごめんにゃ!」

しょぼんとしながら、耳がペタンと折れてしっぽがだらんと落ちる。

「そのテンションの落差すごいな……」

「でも楽しみだにゃ、みんなで出す初めての屋台……」

ミュリがふと、ぽつりと呟いた。

レオンはその言葉に少しだけ頬を緩める。

「そうだな。どうせ出るなら、村一番のにぎやか屋台にしようぜ」

「おーっ!」

猫耳娘たちが元気に返事をして、会議はようやく終結。

ただし——

レオンの心の中には、スパイス爆発と串焼き炎上の映像が早くもチラついていた。

(……本番、大丈夫だよな?)

その問いに答える者はいない。

——混沌の屋台計画、始まる!
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