[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第30話:決戦! 貴族VSスパイス商人

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「にゃふ~~! 
ついにミュリの出番にゃ!」

いや、ちょっと待て。
まだ戦いが始まった
わけじゃない。

リヒト伯爵のスパイス倉庫で
証拠を押さえた俺たちは、
そのまま商業ギルドへ報告に
向かった。伯爵の不正を
明らかにし、公にするのが
先決だ。

「レオン、なんでそんなに
落ち着いてるにゃ? 
ここはもうバーン! 
と行ってドーン! にゃ!」

「お前の擬音語の意味が
全然わからん。」

「ええっと、つまり
『やるなら今にゃ!』
ってことにゃ!」

「いや、そういうのは
ちゃんと作戦を立てて
からだ。」

「にゃふぅ……
面倒くさいにゃ。」

……こいつ、少しは慎重さ
を学んでくれ。



商業ギルドの動き

「リヒト伯爵の倉庫で
盗まれたスパイスが
見つかった?」

ギルド長のフレデリックが
目を見開いた。彼は普段は
温厚な老人だが、不正には
厳しい男だ。

「ああ、証拠も揃っている。
王宮に納品されたスパイス
と完全に一致するはずだ。」

「にゃっ! ミュリの鼻が
保証するにゃ!」

「猫獣人の嗅覚は確かですが、
正式な証拠にはなりま
せんね……。」

「にゃふぅ……。」

少し落ち込むミュリ。
いや、お前の鼻は確かに
すごいが、今回は公的な
証拠が必要なんだ。

「ギルドとしても、この件は
見過ごせません。すぐに王宮
と連携し、調査団を派遣
しましょう。」

「にゃふっ! 
それなら勝ち確にゃ!」

「まだ油断するなよ。
貴族相手の戦いは一筋縄で
はいかない。」

「にゃ? なら、二筋縄で
いくにゃ!」

「そういう問題じゃない……。」

はぁ……こいつはいつも
こんな調子だな。



リヒト伯爵の反撃

ギルドが動き出した翌日、
俺たちは王宮の役人と
共に再びリヒト伯爵の
屋敷を訪れた。

「おや、また来たのかね?」

伯爵は余裕の笑みを
浮かべている。

「今度は正式な調査だ。
スパイスの在庫を
確認させてもらう。」

「ふむ……だが、残念ながら
倉庫は昨日のうちに整理
してしまってね。」

「……なんだと?」

嫌な予感がする。

「在庫はすべて市場に出した。
だから、君たちが探している
スパイスはもうここには
ないよ。」

「にゃっ!? ずるいにゃ!」

「ずるいも何も、商売という
のはスピードが命でね。」

伯爵はニヤリと笑う。

クソ……完全に先を読まれ
ていた。証拠を隠滅されて
しまったか……!?

「ふっふっふ、これで
君たちは手詰まりだな。」

「にゃ~~~!? 
そんなのアリにゃ?」

「貴族というものはね、
手を打つのが早いのだよ。」

伯爵は勝ち誇った顔を
しているが、まだ終わり
じゃない。

「市場に出したって
言ったな?」

「そうだとも。」

「なら、記録は残ってる
はずだな?」

伯爵の表情が一瞬、
ピクリと動いた。

「にゃっ! つまり……?」

「商業ギルドの取引記録を
確認すれば、スパイスが
どこへ流れたのかわかる。」

「……ふん、やるじゃないか。」

伯爵は肩をすくめたが、
内心は穏やかではないだろう。

「にゃふ~! 
レオンの勝ちにゃ!」

「いや、まだ油断するなよ。」

「にゃふぅ……なんでにゃ?」

「貴族は簡単には
負けを認めない。」

「にゃっ!? なら、
ミュリの猫パンチで……!」

「だから、それは
最後の手段だって……!」



最終決戦:王宮での対決

翌日、俺たちは王宮に
呼び出された。

「リヒト伯爵、
あなたに対する正式な調査
が行われる。」

王宮の役人が告げると、
伯爵は余裕の笑みを
浮かべた。

「やれやれ……私はただ、
商人として正当な取引を
していただけなのだがね。」

「なら、なぜスパイスの
仕入れ元を明かせない?」

俺が問い詰めると、
伯爵の笑みが少し崩れた。

「それは……
企業秘密だからね。」

「にゃ~、怪しいにゃ!」

「ふふ……では証拠を出して
もらおうか?」

伯爵は挑戦的な目を向けて
くるが、俺たちにはすでに
証拠がある。

「王宮に納品されたスパイスと、
リヒト伯爵が市場に流した
スパイス。両方の記録を
確認した結果――」

俺は書類を広げた。

「成分が完全に一致した。」

「にゃふっ! つまり……?」

「盗まれたスパイスが、
リヒト伯爵の手に渡っていた
証拠だ。」

王宮の役人たちがざわめいた。

「ふっ……やれやれ、
面倒なことになったものだ。」

伯爵はため息をついたが、
観念したようだ。

「リヒト伯爵、あなたを
商業詐欺の容疑で拘束する。」

役人たちが伯爵を取り囲む。

「にゃふ~~! 
ついに決着にゃ!」

「まあ、これで一件落着だな。」

伯爵は最後に俺を睨みつけたが、
もう勝負は決している。

「……君はなかなか面白い
男だよ、レオン。」

そう言い残し、
伯爵は連行された。

「にゃふ~~! 勝ったにゃ!」

「お疲れさん。今回は本当に
お前の鼻が役に立ったよ。」

「にゃふっ! じゃあ、
レオン、猫じゃらしを買って
くれるにゃ?」

「いや、それとこれは
別問題だ。」

「にゃ~~! けちんぼにゃ!」

こうして、スパイス戦争は
俺たちの勝利で幕を閉じた。

……が、ミュリの猫じゃらし
問題はこれからも続きそうだ。
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