[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

文字の大きさ
30 / 51

第30話:決戦! 貴族VSスパイス商人

しおりを挟む
「にゃふ~~! 
ついにミュリの出番にゃ!」

いや、ちょっと待て。
まだ戦いが始まった
わけじゃない。

リヒト伯爵のスパイス倉庫で
証拠を押さえた俺たちは、
そのまま商業ギルドへ報告に
向かった。伯爵の不正を
明らかにし、公にするのが
先決だ。

「レオン、なんでそんなに
落ち着いてるにゃ? 
ここはもうバーン! 
と行ってドーン! にゃ!」

「お前の擬音語の意味が
全然わからん。」

「ええっと、つまり
『やるなら今にゃ!』
ってことにゃ!」

「いや、そういうのは
ちゃんと作戦を立てて
からだ。」

「にゃふぅ……
面倒くさいにゃ。」

……こいつ、少しは慎重さ
を学んでくれ。



商業ギルドの動き

「リヒト伯爵の倉庫で
盗まれたスパイスが
見つかった?」

ギルド長のフレデリックが
目を見開いた。彼は普段は
温厚な老人だが、不正には
厳しい男だ。

「ああ、証拠も揃っている。
王宮に納品されたスパイス
と完全に一致するはずだ。」

「にゃっ! ミュリの鼻が
保証するにゃ!」

「猫獣人の嗅覚は確かですが、
正式な証拠にはなりま
せんね……。」

「にゃふぅ……。」

少し落ち込むミュリ。
いや、お前の鼻は確かに
すごいが、今回は公的な
証拠が必要なんだ。

「ギルドとしても、この件は
見過ごせません。すぐに王宮
と連携し、調査団を派遣
しましょう。」

「にゃふっ! 
それなら勝ち確にゃ!」

「まだ油断するなよ。
貴族相手の戦いは一筋縄で
はいかない。」

「にゃ? なら、二筋縄で
いくにゃ!」

「そういう問題じゃない……。」

はぁ……こいつはいつも
こんな調子だな。



リヒト伯爵の反撃

ギルドが動き出した翌日、
俺たちは王宮の役人と
共に再びリヒト伯爵の
屋敷を訪れた。

「おや、また来たのかね?」

伯爵は余裕の笑みを
浮かべている。

「今度は正式な調査だ。
スパイスの在庫を
確認させてもらう。」

「ふむ……だが、残念ながら
倉庫は昨日のうちに整理
してしまってね。」

「……なんだと?」

嫌な予感がする。

「在庫はすべて市場に出した。
だから、君たちが探している
スパイスはもうここには
ないよ。」

「にゃっ!? ずるいにゃ!」

「ずるいも何も、商売という
のはスピードが命でね。」

伯爵はニヤリと笑う。

クソ……完全に先を読まれ
ていた。証拠を隠滅されて
しまったか……!?

「ふっふっふ、これで
君たちは手詰まりだな。」

「にゃ~~~!? 
そんなのアリにゃ?」

「貴族というものはね、
手を打つのが早いのだよ。」

伯爵は勝ち誇った顔を
しているが、まだ終わり
じゃない。

「市場に出したって
言ったな?」

「そうだとも。」

「なら、記録は残ってる
はずだな?」

伯爵の表情が一瞬、
ピクリと動いた。

「にゃっ! つまり……?」

「商業ギルドの取引記録を
確認すれば、スパイスが
どこへ流れたのかわかる。」

「……ふん、やるじゃないか。」

伯爵は肩をすくめたが、
内心は穏やかではないだろう。

「にゃふ~! 
レオンの勝ちにゃ!」

「いや、まだ油断するなよ。」

「にゃふぅ……なんでにゃ?」

「貴族は簡単には
負けを認めない。」

「にゃっ!? なら、
ミュリの猫パンチで……!」

「だから、それは
最後の手段だって……!」



最終決戦:王宮での対決

翌日、俺たちは王宮に
呼び出された。

「リヒト伯爵、
あなたに対する正式な調査
が行われる。」

王宮の役人が告げると、
伯爵は余裕の笑みを
浮かべた。

「やれやれ……私はただ、
商人として正当な取引を
していただけなのだがね。」

「なら、なぜスパイスの
仕入れ元を明かせない?」

俺が問い詰めると、
伯爵の笑みが少し崩れた。

「それは……
企業秘密だからね。」

「にゃ~、怪しいにゃ!」

「ふふ……では証拠を出して
もらおうか?」

伯爵は挑戦的な目を向けて
くるが、俺たちにはすでに
証拠がある。

「王宮に納品されたスパイスと、
リヒト伯爵が市場に流した
スパイス。両方の記録を
確認した結果――」

俺は書類を広げた。

「成分が完全に一致した。」

「にゃふっ! つまり……?」

「盗まれたスパイスが、
リヒト伯爵の手に渡っていた
証拠だ。」

王宮の役人たちがざわめいた。

「ふっ……やれやれ、
面倒なことになったものだ。」

伯爵はため息をついたが、
観念したようだ。

「リヒト伯爵、あなたを
商業詐欺の容疑で拘束する。」

役人たちが伯爵を取り囲む。

「にゃふ~~! 
ついに決着にゃ!」

「まあ、これで一件落着だな。」

伯爵は最後に俺を睨みつけたが、
もう勝負は決している。

「……君はなかなか面白い
男だよ、レオン。」

そう言い残し、
伯爵は連行された。

「にゃふ~~! 勝ったにゃ!」

「お疲れさん。今回は本当に
お前の鼻が役に立ったよ。」

「にゃふっ! じゃあ、
レオン、猫じゃらしを買って
くれるにゃ?」

「いや、それとこれは
別問題だ。」

「にゃ~~! けちんぼにゃ!」

こうして、スパイス戦争は
俺たちの勝利で幕を閉じた。

……が、ミュリの猫じゃらし
問題はこれからも続きそうだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

処理中です...