[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第33話:ライバル商会の陰謀!

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「にゃ~~ふっ!」

「おい、ミュリ! 
店の中で猫キックの
練習するな!」

レオンの叫び声が店内に
響き渡るが、ミュリは
床を蹴って跳び、クルクルと
宙を舞いながら猫キックの
ポーズを決めていた。

「にゃはは、レオン! 
この蹴りならシュトラウス
商会もひとたまりもない
にゃ!」

「いや、だから……
戦う方向性が違うん
だって!」

シュトラウス商会の
グレゴールが去った翌日、
ミュリは「商売勝負には
戦闘力が必要にゃ!」
という謎理論を展開し、
店の片隅で訓練を始めて
しまった。

「にゃにゃっ! ミュリが
特訓してる間に、レオンは
次の作戦を考えるにゃ!」

「考えてるよ……
そもそも商売で猫キックを
使う場面が来たら、それは
もう戦争なんだよ。」

レオンはため息をつき
つつ、シュトラウス商会
のことを考える。
グレゴールは確かに
ビジネスマンらしい
話し方をしていたが、
あの余裕ぶり……
ただの競争相手って
わけじゃなさそうだ。

(何か仕掛けてくるな、
確実に。)

レオンのマーケティング
経験上、大手企業は
新興勢力を潰すために
手段を選ばないことが
ある。値下げ競争、
偽の悪評、取引先の
引き抜き……
この世界でも同じような
戦い方をしてくる可能性
は高い。

「にゃ? レオン、
また難しい顔してるにゃ?」

「うん、ちょっと嫌な
予感がする。」

「にゃふん……
よし、ならミュリがこの
スパイスを食べて元気
づけるにゃ!」

「いや、今関係ないだろ。」

ミュリはカウンターに
あったスパイスの瓶を
手に取り、パカッと蓋を
開けた。

「にゃ!?」

次の瞬間、モワッとした
香ばしい煙が立ち上り――

「にゃふんっ!? 
レオン!! 鼻が!! 
鼻が熱いにゃ!!」

「お前……まさか、
激辛スパイスの瓶を
開けたのか!?」

レオンも鼻をつく辛さに
目をこすりながら叫ぶ。

「にゃにゃにゃ!? 
くしゃみが止まらない
にゃ!」

「バカ! それは昨日試作
してた超激辛ミックス
スパイスだ!」

「にゃふん……
このスパイス、敵に
投げれば最強にゃ!」

「いや、だから戦う
なって!!」



シュトラウス商会の策略

ミュリのドタバタを
なんとか収めた後、
レオンたちは改めて店
の状況をチェックする
ことにした。だが……

「レオン、大変にゃ! 
王都の市場で、
シュトラウス商会が
新しいスパイスを
売り出してるにゃ!」

「なんだと!?」

市場へ向かうと、
シュトラウス商会の
商人たちがレオンたちの
スパイスとよく似た商品
を並べ、安価で販売して
いた。

(やっぱり来たか……。)

「にゃ~~~、
あのスパイス、ミュリたち
のとそっくりにゃ!」

「品質はどうだ?」

レオンは市場の露店に近づき、
売られているスパイスを手に
取る。
見た目は似ているが……
香りが薄い。

(……なるほど、模倣品か。)

シュトラウス商会がレオンたち
のスパイスを真似して、
粗悪品を大量に安売りしている。

「にゃ!? 
こんなのズルいにゃ!」

「そうだな。だが、
これは商売ではよくある手だ。」

シュトラウス商会の戦略は
明確だった。レオンたちの
スパイスの信用を落とすために、
安い粗悪品をばら撒き、
「ここのスパイスは大したこと
ない」と市場の評判を操作する。

(俺たちのスパイスが広まる前に、
ブランド価値を潰そうって
ことか。)

「にゃ~ん、レオン! 
どうするにゃ!?」

「対抗策を考えるしかないな。」

レオンは腕を組んで考え込んだ。



反撃開始!

「まずは試食販売をやろう。」

「にゃ?」

「市場で直接、お客さんに
俺たちの本物のスパイスを
試食させるんだ。」

「にゃふ~~! 
レオン、天才にゃ!」

レオンたちは早速、スパイスを
使った簡単な料理を準備し、
試食販売を開始した。

「おや? これは……!」

「おいしい!」

「さっき買ったシュトラウス商会
のスパイスと全然違う!」

市場の客たちは次々に
レオンたちのスパイスの香りと
味に驚き、シュトラウス商会の
模倣品との差に気づき始めた。

「よし……!」

手応えを感じたレオンが
ほくそ笑んでいると――

「……面白いことをするな。」

背後から聞こえた低い声に
振り返ると、そこには
グレゴール・シュトラウスが
立っていた。

「にゃっ!」

ミュリの尻尾がピンと立つ。

「さすがに手をこまねいては
いなかったか。」

「そりゃそうさ。俺たちの
スパイスを潰そうってのは
分かってたからな。」

グレゴールは少し驚いた
ように目を細めた。

「ふむ……なるほど。君は、
ただの商売人ではないよう
だな。」

「そりゃどうも。」

レオンはニヤリと笑って
見せる。

「にゃにゃ? 
レオンの本気モードにゃ?」

「ああ、負けてたまるかって
気分だな。」

グレゴールは
少し沈黙した後、薄く笑った。

「……ならば、次の一手を
考えよう。」

そう言い残し、彼は静かに
市場を後にした。

(……次の一手、か。)

レオンたちのスパイス商売は、
ついに本格的な戦いへと
突入する。

「にゃふっ! ますます面白く
なってきたにゃ!」

「いや、こっちは胃が痛いん
だけどな……。」

こうして、レオンたちは
シュトラウス商会との
商売戦争の渦に巻き込まれて
いくのだった。
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