[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

文字の大きさ
33 / 51

第33話:ライバル商会の陰謀!

しおりを挟む
「にゃ~~ふっ!」

「おい、ミュリ! 
店の中で猫キックの
練習するな!」

レオンの叫び声が店内に
響き渡るが、ミュリは
床を蹴って跳び、クルクルと
宙を舞いながら猫キックの
ポーズを決めていた。

「にゃはは、レオン! 
この蹴りならシュトラウス
商会もひとたまりもない
にゃ!」

「いや、だから……
戦う方向性が違うん
だって!」

シュトラウス商会の
グレゴールが去った翌日、
ミュリは「商売勝負には
戦闘力が必要にゃ!」
という謎理論を展開し、
店の片隅で訓練を始めて
しまった。

「にゃにゃっ! ミュリが
特訓してる間に、レオンは
次の作戦を考えるにゃ!」

「考えてるよ……
そもそも商売で猫キックを
使う場面が来たら、それは
もう戦争なんだよ。」

レオンはため息をつき
つつ、シュトラウス商会
のことを考える。
グレゴールは確かに
ビジネスマンらしい
話し方をしていたが、
あの余裕ぶり……
ただの競争相手って
わけじゃなさそうだ。

(何か仕掛けてくるな、
確実に。)

レオンのマーケティング
経験上、大手企業は
新興勢力を潰すために
手段を選ばないことが
ある。値下げ競争、
偽の悪評、取引先の
引き抜き……
この世界でも同じような
戦い方をしてくる可能性
は高い。

「にゃ? レオン、
また難しい顔してるにゃ?」

「うん、ちょっと嫌な
予感がする。」

「にゃふん……
よし、ならミュリがこの
スパイスを食べて元気
づけるにゃ!」

「いや、今関係ないだろ。」

ミュリはカウンターに
あったスパイスの瓶を
手に取り、パカッと蓋を
開けた。

「にゃ!?」

次の瞬間、モワッとした
香ばしい煙が立ち上り――

「にゃふんっ!? 
レオン!! 鼻が!! 
鼻が熱いにゃ!!」

「お前……まさか、
激辛スパイスの瓶を
開けたのか!?」

レオンも鼻をつく辛さに
目をこすりながら叫ぶ。

「にゃにゃにゃ!? 
くしゃみが止まらない
にゃ!」

「バカ! それは昨日試作
してた超激辛ミックス
スパイスだ!」

「にゃふん……
このスパイス、敵に
投げれば最強にゃ!」

「いや、だから戦う
なって!!」



シュトラウス商会の策略

ミュリのドタバタを
なんとか収めた後、
レオンたちは改めて店
の状況をチェックする
ことにした。だが……

「レオン、大変にゃ! 
王都の市場で、
シュトラウス商会が
新しいスパイスを
売り出してるにゃ!」

「なんだと!?」

市場へ向かうと、
シュトラウス商会の
商人たちがレオンたちの
スパイスとよく似た商品
を並べ、安価で販売して
いた。

(やっぱり来たか……。)

「にゃ~~~、
あのスパイス、ミュリたち
のとそっくりにゃ!」

「品質はどうだ?」

レオンは市場の露店に近づき、
売られているスパイスを手に
取る。
見た目は似ているが……
香りが薄い。

(……なるほど、模倣品か。)

シュトラウス商会がレオンたち
のスパイスを真似して、
粗悪品を大量に安売りしている。

「にゃ!? 
こんなのズルいにゃ!」

「そうだな。だが、
これは商売ではよくある手だ。」

シュトラウス商会の戦略は
明確だった。レオンたちの
スパイスの信用を落とすために、
安い粗悪品をばら撒き、
「ここのスパイスは大したこと
ない」と市場の評判を操作する。

(俺たちのスパイスが広まる前に、
ブランド価値を潰そうって
ことか。)

「にゃ~ん、レオン! 
どうするにゃ!?」

「対抗策を考えるしかないな。」

レオンは腕を組んで考え込んだ。



反撃開始!

「まずは試食販売をやろう。」

「にゃ?」

「市場で直接、お客さんに
俺たちの本物のスパイスを
試食させるんだ。」

「にゃふ~~! 
レオン、天才にゃ!」

レオンたちは早速、スパイスを
使った簡単な料理を準備し、
試食販売を開始した。

「おや? これは……!」

「おいしい!」

「さっき買ったシュトラウス商会
のスパイスと全然違う!」

市場の客たちは次々に
レオンたちのスパイスの香りと
味に驚き、シュトラウス商会の
模倣品との差に気づき始めた。

「よし……!」

手応えを感じたレオンが
ほくそ笑んでいると――

「……面白いことをするな。」

背後から聞こえた低い声に
振り返ると、そこには
グレゴール・シュトラウスが
立っていた。

「にゃっ!」

ミュリの尻尾がピンと立つ。

「さすがに手をこまねいては
いなかったか。」

「そりゃそうさ。俺たちの
スパイスを潰そうってのは
分かってたからな。」

グレゴールは少し驚いた
ように目を細めた。

「ふむ……なるほど。君は、
ただの商売人ではないよう
だな。」

「そりゃどうも。」

レオンはニヤリと笑って
見せる。

「にゃにゃ? 
レオンの本気モードにゃ?」

「ああ、負けてたまるかって
気分だな。」

グレゴールは
少し沈黙した後、薄く笑った。

「……ならば、次の一手を
考えよう。」

そう言い残し、彼は静かに
市場を後にした。

(……次の一手、か。)

レオンたちのスパイス商売は、
ついに本格的な戦いへと
突入する。

「にゃふっ! ますます面白く
なってきたにゃ!」

「いや、こっちは胃が痛いん
だけどな……。」

こうして、レオンたちは
シュトラウス商会との
商売戦争の渦に巻き込まれて
いくのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

処理中です...