[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第43話:王都の食文化改革

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王都の食文化が大きく
変わろうとしていた。

これまで塩とハーブ中心
だった王都の料理に、
レオンたちが広めた
スパイスが本格的に
浸透しつつある。

「最近、どの食堂でも
スパイス料理が出る
ようになったな」

市場を歩きながら、
レオンは商人たちの
会話に耳を傾ける。

「おうよ! スパイスを
使うと料理が段違いに
うまくなるし、お客の
評判もいい!」

「うちの店じゃ、
新作のスパイスシチュー
が大人気だぞ!」

(ふっふっふ……
ついにここまで来たか)

レオンは心の中で
ガッツポーズを決める。

もともと王都の料理は、
どちらかというと薄味が
主流だった。しかし、
スパイスの登場により、
食堂や屋台の料理の幅が
一気に広がったのだ。

そして、それは貴族たち
の食卓にも影響を与えて
いた。



王宮の厨房でも
スパイス革命!

「……これは、なんと
素晴らしい味だ……!」

王宮の厨房で、新たに
開発されたスパイスを
使った宮廷料理が試食
されていた。

試食しているのは国王
と王族たち。

料理長が緊張しながら言う。

「今回、新たに取り入れ
ましたスパイスですが、
味に奥行きを生み出し、
素材の旨味を引き立てる
効果がございます」

「ほほう……」

王がスプーンを手に取り、
一口食べる。

「……うむ、美味い!!」

「本当に! な
んて香り高いの!」

王妃も目を輝かせ、
隣の王子も驚いた
表情で頷いた。

「宮廷料理に
新たな時代が来たな……!」

(よし、これで王宮でも
スパイスの価値が
証明された!)

レオンは遠くの厨房から
こっそりと様子を見守り
ながら、ほくそ笑む。

「にゃふ~♪ 
みんな美味しいって
言ってるにゃ!」

ミュリが満足そうに
尻尾をふりふりしながら、
レオンの横でぴょんぴょん
跳ねている。

「だろ? これでスパイスが
王都の食文化にしっかり
根付くはずだ」

「にゃ~! ミュリも王宮で
お店を出すにゃ!」

「無理だからな?」

「にゃ!? じゃあ、
お城の入口で『ミュリの
もふもふスパイス屋台』
をやるにゃ!」

「お前、それ王宮警備に
即撤去されるぞ」



王都最大の食堂との提携!

スパイスの普及を決定的
なものにするため、
レオンは王都最大の食堂
「金獅子亭」と提携する
ことにした。

食堂の主人は、貫禄のある
初老の男性だった。

「スパイスを使った料理を
正式にメニューに加えたい、
だと?」

「はい。すでにスパイス料理
は市場で人気になっています。
ここ『金獅子亭』が導入すれば、
王都の食文化に革命を起こせる
はずです」

主人は腕を組んで考える。

「たしかに……
最近、うちの常連客からも
スパイス料理を出して
ほしいって声が増えてる。
だが、問題は……」

「問題?」

「貴族の連中がどう思うか、だ」

レオンはニヤリと笑った。

「実は、王宮の厨房でも
スパイス料理が導入されて
いるんですよ」

「なに!? 王宮が!? 
それなら……!」

「ええ、王都最大の食堂である
『金獅子亭』がスパイス料理を
取り入れれば、間違いなく
時代の最先端になりますよ」

「……よし、乗った!」

こうして、スパイス料理が
王都の最大食堂の正式メニュー
に追加されることになった。



貴族派、激怒!!

しかし、この動きに猛反発した
のが、貴族派の面々だった。

「こんな異端な料理を認めるなど、
もってのほかだ!!」

「スパイスなど異国の文化! 
我々の誇りある食文化を
乱す気か!」

「獣人たちが関わっているのも
気に食わん! 今すぐ撤回させろ!」

貴族派は怒り狂い、王宮へ抗議に
押しかけた。



レオンとミュリも呼び出され、
貴族派の面々と対面すること
になった。

「お前たちのせいで、スパイス
料理が王都中に広まってしまった
ではないか!」

「料理は文化! 我々は古き良き
伝統を守るべきなのだ!」

(あー……面倒なことに
なったな……)

レオンがどう説得しようかと
考えていると……

ミュリが突然、にゃふっと
笑いながら一言。

「にゃ~? でも美味しいにゃ?」

「なっ!?」

「にゃふふ~♪ 貴族様たちも、
スパイス料理を食べたらきっと
好きになるにゃ!」

「ぐぬぬ……!」

怒りで顔を真っ赤にする貴族派。

(あかん、ミュリの天然ボケが
完全に火に油を注いだパターンだ……!)

「スパイスなど不要だ!」

「にゃ~? でも王様も食べて
『美味しい!』って言ってた
にゃ?」

「!!!」

(やばい……ミュリが無意識に
核心を突いてる……!)

貴族派の面々は顔を見合わせ、
悔しそうに拳を握りしめる。

「……くっ……王宮が認めた
ならば、我々は口を出せぬ……」

「だが、こんな異端な文化が
広まること、断じて認めんぞ!」

そう捨て台詞を残し、
貴族派は撤退した。



王都のスパイス文化、確立へ!

「にゃふふ~♪ なんか分かんない
けど、勝ったにゃ!」

「……お前、もうちょっと
発言を考えろ」

「にゃ?」

(まぁ……結果オーライか……)

こうして、王都の食文化改革は
ついに確立したのだった。
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