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第45話:王宮での最終決戦
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王宮の謁見の間。
金色の装飾が施された
豪奢な空間に、王と
大臣たちが厳かに並んで
いる。俺——レオンは、
その中央で貴族派と
対峙していた。
「陛下! このスパイス
という異国の香辛料は、
人体に害を及ぼす可能性
があります!」
「摂取しすぎれば体に
悪影響を及ぼすと証明
されたのです!」
貴族派の筆頭、
バルデン侯爵が自信満々
に叫ぶ。手には何やら
巻物を持っており、
それを高々と掲げた。
「この記録には、スパイス
を摂取した者が体調を
崩したという証言が多数
記されております!」
なるほど、偽の証拠を
準備したわけか。全く、
どこまでも姑息な手を
使ってくる。
「へえ、それは興味深い
ですね。」
俺は軽く肩をすくめ
ながら、冷静に言った。
「ですが、その証言を
した人物の名を挙げて
もらえますか?」
「そ、それは……」
バルデン侯爵が一瞬言葉
を詰まらせる。ほう、
予想通り、証言者の名は
捏造か。
「まさか、匿名の証言
ばかりじゃないです
よね?」
「……ぐっ……!」
貴族派の者たちは動揺
している。やはり、
俺の推測は当たっていた。
「さらに言えば、スパイス
が体に害を及ぼすという
明確な医学的証拠はあり
ますか?」
「そ、それは……」
貴族派が完全に押し黙る。
——これはチャンスだ。
俺がさらに畳みかけようと
した瞬間。
「にゃふふ~♪
じゃあ、レオンのスパイス
料理を王様が食べれば
いいにゃ!」
ミュリの天真爛漫な声が
響き渡った。
謁見の間が静まり返る。
「……は?」
俺も含め、全員が一瞬
理解が追いつかなかった。
「スパイスが体に悪いか
どうか、実際に食べて
みれば分かるにゃ!」
「陛下、レオンの料理は
おいしいにゃ! それで
確かめるにゃ!」
……ミュリ、お前、
まさかの正論をぶちかま
すな。
「う、うむ……確かに、
それは一理ある……」
王が腕を組んでうなる。
「そうだな。百の言葉より、
一つの体験の方が信用
できる。レオン、そなたの
料理を用意せよ。」
……おお、本当に食べるのか。
「かしこまりました。」
こうして、急遽、王のために
スパイス料理を振る舞うこと
になった。
⸻
王宮の厨房を借り、
俺は持ち込んでいたスパイス
を使って特製の料理を作る。
「にゃふふ~♪
レオン、頑張るにゃ!」
ミュリは無邪気に俺の周りを
うろちょろしながら、
時折つまみ食いをしようと
手を伸ばしてくる。
「こら、ミュリ!
つまみ食い禁止!」
「にゃ~ん……
一口くらいいいにゃ?」
「ダメ!」
まったく、こいつは
どこまで自由なんだ……。
⸻
そして、料理が完成し、
王の前に運ばれた。
「これは……?」
王が目を細めながら
料理を見つめる。
「スパイスを使った
特製の肉料理でござい
ます。体を温め、
消化を助ける効果も
ございます。」
王は静かにフォークを
手に取り、一口食べた。
「……!」
次の瞬間、王の表情が
和らぐ。
「これは……うまい……!
しかも、食べるほどに体が
温まるような感覚がある。」
「にゃふふ~♪
だから言ったにゃ!
レオンの料理は最高にゃ!」
ミュリが得意げに胸を張る。
貴族派は顔面蒼白になって
いる。
「な、なにか細工が……!」
バルデン侯爵が叫ぶが、
王はゆっくり首を振った。
「これは細工などではない。
むしろ、これほどの美味を
疑う方がおかしい。」
「しかし、陛下!
スパイスが有害である
可能性が……!」
「それならば、
私が証明しよう。」
王はさらに料理を食べ
進める。そして、食べ
終えた後、満足げに
頷いた。
「うむ、体調も良好だ。
これ以上、スパイスの
有害性を疑う理由はない。」
「そ、そんな……!」
貴族派は完全に
追い詰められた。
「それどころか、スパイスの
普及は王国にとっても利益
となる。よって、
今後スパイス料理の普及を
推奨する。」
王が正式にスパイスを
認める宣言を下すと、
貴族派の一部は青ざめ、
力なく崩れ落ちた。
「それから、
バルデン侯爵……
そなたが捏造した証拠に
ついては、改めて調査を
行う。」
「……!!」
バルデン侯爵の顔が
一気に引きつる。
「すでに裏では証言を買収
していたことが判明して
おる。そなたには、相応の
罰を与える。」
王の厳しい声が響く。
こうして、貴族派の陰謀は
完全に崩壊した。
俺は心の中でほっと息を
つく。
(……まさかミュリの天然
ボケが、こんな形で役に
立つとはな。)
横を見ると、ミュリが満面
の笑みを浮かべていた。
「にゃふふ~♪
これでスパイスは堂々と
使えるにゃ!」
「……お前、実は全部計算
してたんじゃないか?」
「にゃ? 計算? それって
美味しいのかにゃ?」
——やっぱり、ただの
天然だった。
俺は深々とため息をつき
ながらも、ミュリの無邪気
な笑顔に、つい頬を緩めて
しまうのだった。
⸻
こうして、スパイス料理は
正式に王国に認められ、
獣人たちの商売の未来も
開けた。
しかし、俺の戦いはまだ
終わらない。次は、獣人と
人間が真に共存できる
商業都市の実現に向けて、
新たな挑戦が始まるの
だった——。
金色の装飾が施された
豪奢な空間に、王と
大臣たちが厳かに並んで
いる。俺——レオンは、
その中央で貴族派と
対峙していた。
「陛下! このスパイス
という異国の香辛料は、
人体に害を及ぼす可能性
があります!」
「摂取しすぎれば体に
悪影響を及ぼすと証明
されたのです!」
貴族派の筆頭、
バルデン侯爵が自信満々
に叫ぶ。手には何やら
巻物を持っており、
それを高々と掲げた。
「この記録には、スパイス
を摂取した者が体調を
崩したという証言が多数
記されております!」
なるほど、偽の証拠を
準備したわけか。全く、
どこまでも姑息な手を
使ってくる。
「へえ、それは興味深い
ですね。」
俺は軽く肩をすくめ
ながら、冷静に言った。
「ですが、その証言を
した人物の名を挙げて
もらえますか?」
「そ、それは……」
バルデン侯爵が一瞬言葉
を詰まらせる。ほう、
予想通り、証言者の名は
捏造か。
「まさか、匿名の証言
ばかりじゃないです
よね?」
「……ぐっ……!」
貴族派の者たちは動揺
している。やはり、
俺の推測は当たっていた。
「さらに言えば、スパイス
が体に害を及ぼすという
明確な医学的証拠はあり
ますか?」
「そ、それは……」
貴族派が完全に押し黙る。
——これはチャンスだ。
俺がさらに畳みかけようと
した瞬間。
「にゃふふ~♪
じゃあ、レオンのスパイス
料理を王様が食べれば
いいにゃ!」
ミュリの天真爛漫な声が
響き渡った。
謁見の間が静まり返る。
「……は?」
俺も含め、全員が一瞬
理解が追いつかなかった。
「スパイスが体に悪いか
どうか、実際に食べて
みれば分かるにゃ!」
「陛下、レオンの料理は
おいしいにゃ! それで
確かめるにゃ!」
……ミュリ、お前、
まさかの正論をぶちかま
すな。
「う、うむ……確かに、
それは一理ある……」
王が腕を組んでうなる。
「そうだな。百の言葉より、
一つの体験の方が信用
できる。レオン、そなたの
料理を用意せよ。」
……おお、本当に食べるのか。
「かしこまりました。」
こうして、急遽、王のために
スパイス料理を振る舞うこと
になった。
⸻
王宮の厨房を借り、
俺は持ち込んでいたスパイス
を使って特製の料理を作る。
「にゃふふ~♪
レオン、頑張るにゃ!」
ミュリは無邪気に俺の周りを
うろちょろしながら、
時折つまみ食いをしようと
手を伸ばしてくる。
「こら、ミュリ!
つまみ食い禁止!」
「にゃ~ん……
一口くらいいいにゃ?」
「ダメ!」
まったく、こいつは
どこまで自由なんだ……。
⸻
そして、料理が完成し、
王の前に運ばれた。
「これは……?」
王が目を細めながら
料理を見つめる。
「スパイスを使った
特製の肉料理でござい
ます。体を温め、
消化を助ける効果も
ございます。」
王は静かにフォークを
手に取り、一口食べた。
「……!」
次の瞬間、王の表情が
和らぐ。
「これは……うまい……!
しかも、食べるほどに体が
温まるような感覚がある。」
「にゃふふ~♪
だから言ったにゃ!
レオンの料理は最高にゃ!」
ミュリが得意げに胸を張る。
貴族派は顔面蒼白になって
いる。
「な、なにか細工が……!」
バルデン侯爵が叫ぶが、
王はゆっくり首を振った。
「これは細工などではない。
むしろ、これほどの美味を
疑う方がおかしい。」
「しかし、陛下!
スパイスが有害である
可能性が……!」
「それならば、
私が証明しよう。」
王はさらに料理を食べ
進める。そして、食べ
終えた後、満足げに
頷いた。
「うむ、体調も良好だ。
これ以上、スパイスの
有害性を疑う理由はない。」
「そ、そんな……!」
貴族派は完全に
追い詰められた。
「それどころか、スパイスの
普及は王国にとっても利益
となる。よって、
今後スパイス料理の普及を
推奨する。」
王が正式にスパイスを
認める宣言を下すと、
貴族派の一部は青ざめ、
力なく崩れ落ちた。
「それから、
バルデン侯爵……
そなたが捏造した証拠に
ついては、改めて調査を
行う。」
「……!!」
バルデン侯爵の顔が
一気に引きつる。
「すでに裏では証言を買収
していたことが判明して
おる。そなたには、相応の
罰を与える。」
王の厳しい声が響く。
こうして、貴族派の陰謀は
完全に崩壊した。
俺は心の中でほっと息を
つく。
(……まさかミュリの天然
ボケが、こんな形で役に
立つとはな。)
横を見ると、ミュリが満面
の笑みを浮かべていた。
「にゃふふ~♪
これでスパイスは堂々と
使えるにゃ!」
「……お前、実は全部計算
してたんじゃないか?」
「にゃ? 計算? それって
美味しいのかにゃ?」
——やっぱり、ただの
天然だった。
俺は深々とため息をつき
ながらも、ミュリの無邪気
な笑顔に、つい頬を緩めて
しまうのだった。
⸻
こうして、スパイス料理は
正式に王国に認められ、
獣人たちの商売の未来も
開けた。
しかし、俺の戦いはまだ
終わらない。次は、獣人と
人間が真に共存できる
商業都市の実現に向けて、
新たな挑戦が始まるの
だった——。
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