[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第49話:新たな目標

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王都では、獣人たちの商業権が
正式に認められたことで、
街の風景が大きく変わり
始めていた。

「いらっしゃいませー! 
獣人が作るスパイス入りパン、
新作です!」
「この香辛料を使ったスープ、
冷えた体に最高ですよ!」

市場には獣人商人の姿が増え、
商業ギルドの店にも獣人が
働く姿が見られるように
なった。王都の食文化は
ますます多様になり、人々は
新しい味を楽しんでいる。

「……ここまで来たか」

レオンは街を歩きながら、
しみじみとした表情を
浮かべる。

(王都では、もう獣人と
人間が一緒に商売するのが
当たり前になりつつある)

だが、それはあくまで
王都の話だった。



地方に残る獣人差別

「しかし、地方ではまだ獣人を
受け入れない領主も多いのが
現実です」

商業ギルドの会議で、
幹部の一人が苦々しく言う。

「スパイスの流通経路も、
王都を出ると獣人の商人が
取り引きできない地域が
多いです」

「つまり、地方では獣人差別
が根強く残ってるって
ことか……」

レオンは眉をひそめる。

(王都での成功は大きな一歩
だったが、それだけでは
不十分だ)

王都の貴族たちはスパイス
の価値を理解し、商業発展
のメリットを享受すること
で獣人を受け入れた。
しかし、地方の領主たちは
未だに古い価値観に縛られ
ている。

(このままだと、獣人たちは
王都に集中し、地方との
格差が広がるだけ……)

レオンは新たな課題を
前に、深く考え込んだ。



新たな目標「商業都市の建設」

「……だったら、獣人と人間が
平等に働ける新しい街を作る
しかないな」

レオンの言葉に、ギルドの
幹部たちは驚いた表情を
見せる。

「レオン殿、
それは……まさか、新たな
商業都市の建設をお考え
ですか?」

「ああ。今の王都の中だけで
獣人が受け入れられても、
根本的な解決にはならない」

「しかし、新たな都市の建設
となると、莫大な資金と
労力が必要になりますぞ」

「資金なら、すでにスパイス
事業で大きな利益を上げて
いる。貴族派の影響力も
弱まった今なら、国からの
支援も取り付けやすいはずだ」

レオンは断言する。

(地方で獣人差別が続くなら、
新たな街を作り、そこを
モデルケースにすればいい)

「つまり、
『獣人と人間が共に働き、
生活できる街』を作るって
ことにゃ?」

突然、ミュリが話に
割り込んできた。

「そういうことだ」

「にゃふ~♪ じゃあ、
ミュリのもふもふ
スパイス店も全国展開
するにゃ!」

「お前はすぐ商売のこと
を考えるな……」

レオンはため息をついたが、
ミュリの発想は決して
間違ってはいない。



ミュリの謎の野望

「にゃふふ~♪ もし、
ミュリのお店が全国に
できたら……もふもふ
スパイスがどこでも
食べられるにゃ!」

「お前の目的は
そこなのか……」

「あと、各地のもふもふ
した獣人さんたちが、
おいしいものを作るにゃ!」

「……それは、
まぁ悪くないな」

実際、スパイス事業が
地方に広がれば、獣人たちの
雇用も生まれる。そうなれば、
差別を乗り越える大きな一歩
になるだろう。

「レオン、にゃふふ~♪ 
一緒にがんばるにゃ!」

「お前がそう言うと、
なんか無茶な展開になりそう
なんだよな……」

レオンは頭を抱えながらも、
決意を新たにするのだった。

(新たな目標は決まった。
次は、どうやって実現する
かだな……)

こうして、「獣人と人間が
共存する商業都市」の
建設計画が、本格的に動き
出したのだった。
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