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結局全部買うことに決めちゃいました。袋に詰めてもらった商品を受け取って代金を支払うと外に出ると早速食べてみることにしました。まずはクロワッサンからいってみましょうか。一口齧るとサクッとした食感と共にバターの香りが口の中に広がります。続いてハムサンドを食べてみることにしましょう。こちらもなかなかイケますよ!次はクリームパンを食べてみますかね。うーん最高です!どれもこれも美味しくて止まりませんよ!あっという間に完食してしまった私は幸せを感じながらお腹をさすりました。ごちそうさまでした!さて、そろそろ仕事に戻りましょうかね。そう思って立ち上がると背後から声をかけられました。振り向くとそこにはリリィールの姿があったのです。どうやら私を探していたみたいですね。何の用でしょうか?不思議に思っていると彼女はこう言いました。「ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな?」と言われたので了承すると近くの喫茶店に入りました。そこで向かい合って座ると彼女は真剣な表情で話し始めました。その内容とは、先日畑を荒らした犯人が見つかったということでした。犯人は何と魔族だったのです!リリィールの話によると、最近この辺りに出没している盗賊のような連中の仕業だそうで、金品を奪うだけではなく作物まで盗んでいくというとんでもない奴らなのだとか……許せませんね……!そいつらのせいで私たちは困っているわけですから当然といえば当然の反応でしょう。というわけで私たち二人で捕まえることにしました。場所は街の外れにある森の中です。そこにアジトを構えているらしいのですが、今まで一度も見つかったことがないそうなので油断はできないでしょうね。気を引き締めていかなければなり
ませんよ!覚悟を決めるとさっそく行動を開始しました。街を出て森へと向かう途中でリリィールがこんなことを言い出しました。「あのさ、ボクたち二人じゃ戦力不足だと思うんだよね」確かにその通りかもしれないですね……いくら魔法が得意とはいえ相手は複数人いるはずですし、こちらは二人だけですからどう考えても不利ですよね……どうしましょうか……考えているとリリィールは続けてこう言いました。「だから助っ人を呼んでおいたよ!」と言って指差した先には人影が見えました。よく見るとそれは見覚えのある人物でしたので驚いてしまいました。そこにいたのはなんとエレンだったのです!彼女は私達の姿を見つけるなり駆け寄ってくると挨拶代わりに抱きついてきました。そして耳元で囁いてくるではありませんか!「久しぶりね、元気にしてた?」って聞かれてドキッとしてしまいましたよ!恥ずかしいですけど嬉しいですね!それにしてもどうしてここにエレンがいるのでしょうか?疑問に思った私は尋ねてみましたが、返ってきた答えは意外なものでした。なんと彼女もリリィールの仲間の一人だというのです!つまり彼女も魔族だということですよ!これには驚きましたね……まさかエレンまで仲間だったなんて思いもしませんでしたからね……でも納得がいったような気がしますよ。たしかに考えてみれば思い当たる節がいくつかありましたしね……例えばエレンの魔法が暴走した時のことなんですけど、あれは明らかに異常でしたね……普通はあんなことになるはずがありませんからね……そう考えると辻褄が合うんですよねぇ……とにかくこれで三人になったわけなので心強いですね!そうと決まれば善は急げといいますし、早速行きましょうかね!私達はエレンを先頭に歩き出すのでした……
しばらく歩くと森が見えてきました。いよいよ敵の本拠地に乗り込むわけですね……緊張し
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