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転生したアリスの事情
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「もうあちこちで噂になっています」
ベットから起き上がりつつ、マイルは言った。
勿論、ベットの中でまどろんでいる王子にだ。
「アリスが私が生んだ子で王子が娘と認知したと」
「そのようだね」
「噂を流したのは王子ですね」
「さぁてね」
(あの二人、ベットを共にする仲なのになんで結婚しないんだろう)
アリスは不思議だった。
王子の猛烈なアタックにとうとう、マイルが屈したわけではない。
二人は以前から男と女の関係だった。
亜梨子が生きていた日本では男女の関係なら結婚すべきだという風潮があった。お互い、愛し合っているのなら結婚したらいいのにと思う。
(子供ができちゃうのに)
「アリスも案外、子供なんだな」
(言っておくけど、今の私は赤ん坊なんだけど)
「そんなに簡単に子供はできないんだよ。マイルは魔導師だぜ」
(それって何か関係があるの)
どうやら、この世界では魔法は万能らしい。
(お互い、好き合っているし一緒になってもいいのに)
「王妃になると魔法の研究する暇が無くなるから嫌なんだと」
(そんな理由ですか)
アリスはなんだか脱力してきた。そもそも、王子と結婚というのは一種のシンデレラストーリーではないか。
亜梨子のいた世界では平民と王族では結婚できない。せいぜい、愛人になるくらいだ。
それなのに、マイルは平民でありながら王子から求婚されている。しかも、周囲から誰も反対の声をあげないのだ。
しかも、マイルは王太后のお気に入りである。
結婚する前から姑に気に入られている。それだけでもかなり、恵まれているではないか。
「アリス、今日もご機嫌じゃないの」
すっ。
サンの姿が消えたと思ったら、マイルがアリスのベビーベットをのぞき込んできた。
ひょいと彼女を抱き上げると、「天気がいいから少し、お外に出てみようか」
(結婚は嫌とか言っているけど、子供の扱いがうまいんだよね)
「貴女のお母さん、一体、どこに行ったんだろうね」
(もう死んでます)
「それにしてもいい天気ね」
ひゅん。
「!」
木に矢が突き刺さる。
「誰っ、」
「赤ん坊をよこせ」
二人の前に黒づくめの男が現れた。
「アリスをなんで、」
「アディオス王子に王位についてもらっては困るのだ」
「ひょっとして、アリスを人質に王子を倒そうと考えているの」
「我が国は魔力を持たぬ者を王位につけてはならぬのだ」
「はぁ、」
マイルはアリスを抱きしめながら男をにらみつけた。
「二代も魔力を持たぬ王が続いては魔道国であるアイドリアのメンツがたたぬ」
「何、馬鹿なことを言っているのよ」
バン。
マイルは手のひらに魔力をこめた。
「大体ねぇ、アディオス王子しか王位を継げる人がいないんじゃないの」
「お前、ただの女官じゃなくて宮廷お抱えの魔導師よ」
「そうよ。別に王が魔力を持っていなくても王宮には魔導師が守っているのよ」
ボン。
真っ黒になって倒れて男を見て、「全く、何でこんな簡単なことを判っていないのよ」
(全くね)
アリスを拉致しようとした男はあっさりと衛兵に引き渡された。
どうやら、他国からの干渉があったらしいとアディオス王子の即位する日が早まることになった。
「そりゃ、仕方がないさ。この国は魔導師の国。魔力を持っていない王だと不安になるんだろ」
(変なの)
「元々、この国にはシンクという凄い魔導師の王子がいたんだ。だけど、数十年前に魔王がこの国を侵略しようとした後にいなくなってしまったんだと」
(この世界には魔王がいるの)
なんだか、おっかない。
「シンク王子が魔王を退治し、世界に平和が訪れた。ただ、王子自身、この世界を出ていってしまってね。王は再び、跡継ぎを作らなくてはいけなかったんだ」
(……)
「元々、王には魔力がないし。膨大な魔力を持つシンク王子の即位が待ち望まれていた。しかし、今度、王になるアディオス王子には魔力がない。国民ががっかりするのも当然だろ」
(そんなことを言われてもこっちには関係ないし)
アリスはため息をついた。
実際、あのまま男性に拉致されていたら自分はどうなっていたのだろう。
考えただけでもぞっとする。
「王子とマイルが結婚すれば連中はすぐ黙り込むさ。とにかく、王家の人間に魔力を持つ奴がいればいいんだから」
すっ、サンが消えた。
「だから、何で私と結婚したいんですか」
突然、マイルがアリスの部屋に入ってきた。
「ひょっとして、私が魔力持ちだからですか。そんな理由で結婚を迫られてもこちらからお断りです」
「いや、それは…」
(全く、王子もじれったい奴だな。マイルに心底、惚れているくせに)
(サン、貴方って姿を消せるの)
(俺を誰だと思っている)
(ただの覗きの火の精霊)
(あのなぁ、)
アリスにサンは色々と話してくれた。
王子にとってマイルが初恋の相手だった。
(女好きだと女官たちが噂していたけど)
なんでも王子のかっこつけのようだったらしい。王子の回りの女の子は彼の身分につられていた。
王子と分かっていてもマイルは態度を全く変えなかった。
あくまでも、生徒と教師との間を貫いたんだそう。
その後、いろいろとあって結局、マイルは王子の求婚を受け入れた。
求婚理由にアリスの事情があったのは言うまでもない。
ベットから起き上がりつつ、マイルは言った。
勿論、ベットの中でまどろんでいる王子にだ。
「アリスが私が生んだ子で王子が娘と認知したと」
「そのようだね」
「噂を流したのは王子ですね」
「さぁてね」
(あの二人、ベットを共にする仲なのになんで結婚しないんだろう)
アリスは不思議だった。
王子の猛烈なアタックにとうとう、マイルが屈したわけではない。
二人は以前から男と女の関係だった。
亜梨子が生きていた日本では男女の関係なら結婚すべきだという風潮があった。お互い、愛し合っているのなら結婚したらいいのにと思う。
(子供ができちゃうのに)
「アリスも案外、子供なんだな」
(言っておくけど、今の私は赤ん坊なんだけど)
「そんなに簡単に子供はできないんだよ。マイルは魔導師だぜ」
(それって何か関係があるの)
どうやら、この世界では魔法は万能らしい。
(お互い、好き合っているし一緒になってもいいのに)
「王妃になると魔法の研究する暇が無くなるから嫌なんだと」
(そんな理由ですか)
アリスはなんだか脱力してきた。そもそも、王子と結婚というのは一種のシンデレラストーリーではないか。
亜梨子のいた世界では平民と王族では結婚できない。せいぜい、愛人になるくらいだ。
それなのに、マイルは平民でありながら王子から求婚されている。しかも、周囲から誰も反対の声をあげないのだ。
しかも、マイルは王太后のお気に入りである。
結婚する前から姑に気に入られている。それだけでもかなり、恵まれているではないか。
「アリス、今日もご機嫌じゃないの」
すっ。
サンの姿が消えたと思ったら、マイルがアリスのベビーベットをのぞき込んできた。
ひょいと彼女を抱き上げると、「天気がいいから少し、お外に出てみようか」
(結婚は嫌とか言っているけど、子供の扱いがうまいんだよね)
「貴女のお母さん、一体、どこに行ったんだろうね」
(もう死んでます)
「それにしてもいい天気ね」
ひゅん。
「!」
木に矢が突き刺さる。
「誰っ、」
「赤ん坊をよこせ」
二人の前に黒づくめの男が現れた。
「アリスをなんで、」
「アディオス王子に王位についてもらっては困るのだ」
「ひょっとして、アリスを人質に王子を倒そうと考えているの」
「我が国は魔力を持たぬ者を王位につけてはならぬのだ」
「はぁ、」
マイルはアリスを抱きしめながら男をにらみつけた。
「二代も魔力を持たぬ王が続いては魔道国であるアイドリアのメンツがたたぬ」
「何、馬鹿なことを言っているのよ」
バン。
マイルは手のひらに魔力をこめた。
「大体ねぇ、アディオス王子しか王位を継げる人がいないんじゃないの」
「お前、ただの女官じゃなくて宮廷お抱えの魔導師よ」
「そうよ。別に王が魔力を持っていなくても王宮には魔導師が守っているのよ」
ボン。
真っ黒になって倒れて男を見て、「全く、何でこんな簡単なことを判っていないのよ」
(全くね)
アリスを拉致しようとした男はあっさりと衛兵に引き渡された。
どうやら、他国からの干渉があったらしいとアディオス王子の即位する日が早まることになった。
「そりゃ、仕方がないさ。この国は魔導師の国。魔力を持っていない王だと不安になるんだろ」
(変なの)
「元々、この国にはシンクという凄い魔導師の王子がいたんだ。だけど、数十年前に魔王がこの国を侵略しようとした後にいなくなってしまったんだと」
(この世界には魔王がいるの)
なんだか、おっかない。
「シンク王子が魔王を退治し、世界に平和が訪れた。ただ、王子自身、この世界を出ていってしまってね。王は再び、跡継ぎを作らなくてはいけなかったんだ」
(……)
「元々、王には魔力がないし。膨大な魔力を持つシンク王子の即位が待ち望まれていた。しかし、今度、王になるアディオス王子には魔力がない。国民ががっかりするのも当然だろ」
(そんなことを言われてもこっちには関係ないし)
アリスはため息をついた。
実際、あのまま男性に拉致されていたら自分はどうなっていたのだろう。
考えただけでもぞっとする。
「王子とマイルが結婚すれば連中はすぐ黙り込むさ。とにかく、王家の人間に魔力を持つ奴がいればいいんだから」
すっ、サンが消えた。
「だから、何で私と結婚したいんですか」
突然、マイルがアリスの部屋に入ってきた。
「ひょっとして、私が魔力持ちだからですか。そんな理由で結婚を迫られてもこちらからお断りです」
「いや、それは…」
(全く、王子もじれったい奴だな。マイルに心底、惚れているくせに)
(サン、貴方って姿を消せるの)
(俺を誰だと思っている)
(ただの覗きの火の精霊)
(あのなぁ、)
アリスにサンは色々と話してくれた。
王子にとってマイルが初恋の相手だった。
(女好きだと女官たちが噂していたけど)
なんでも王子のかっこつけのようだったらしい。王子の回りの女の子は彼の身分につられていた。
王子と分かっていてもマイルは態度を全く変えなかった。
あくまでも、生徒と教師との間を貫いたんだそう。
その後、いろいろとあって結局、マイルは王子の求婚を受け入れた。
求婚理由にアリスの事情があったのは言うまでもない。
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