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アリスが引きこもっていた理由
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アリスが離宮に引きこもっているのは理由があった。
高校を卒業後、彼女は隣国の王子と婚約したが、王子の死去により婚約が無効になった。
次回、遠国の貴族と婚約したが彼が二股をかけたのが発覚、再び婚約が無効になった。
その時、相手のストーカー的な行為を受けた結果、離宮に引きこもることになった。
ただし、この話には裏がある。
「ようこそ、来てくれたわ」
アリスは一人の女性と対面していた。
「いえ、こちらとしても姫様にはごひいきにしていただいてこちらとしてもとても助かっています」
アリスの前にいる女性はルルーシェという国で手広く商いをしている。実はこのルルーシェという国の貴族がアリスの婚約者だった。
しかも、その貴族は目の前にいる女性の夫だった。
アリスに「夫を奪ったにくい女」と罵倒したのも彼女である。
そんな彼女とアリスが和やかに団らんしているのか。
アルファードたちは姉の婚約者が二股をして強引に婚姻を迫ったと思っている。
実際、内容は違う。
毎年、行われる他国との交流舞踏会でアリスを見初めたルルーシェ国の大貴族が妻子がいるのも関わらず、アリスに求婚したのだ。
しかし、自分に妻子がいることは公に知りわたっている。
ルルーシェ国は一夫多妻で裕福なら、妻は何人でも迎えることができる。だけど、アイドリアは一夫一妻制を貫いている。
その国の王女を求めるということは身辺整理をしなくてはいけない。
妻と別れても場合によっては求婚を断るかもしれない。
向こうは王族、こちらは単なる貴族だ。
そこでアリスを確実に手に入れるために彼は一計を講じた。
実の息子を自分の替え玉にあてたのだ。
彼にはアリスと同じ年の息子がいたのだ。
息子の嫁として申し込めば問題ないと考えたわけだ。
ルルーシェ国はアイドリアにとって遠方の国なので、アリスが嫁いできたら軟禁状態にして自分のモノにしようと考えた。
ただし、そんな計画はあっさりと崩れ去った。
「だけど、姫様には迷惑のかけっぱなしです。夫の仕打ちを知りながら私とつきあってくださるのですから」
「あんな男、貴女の夫にふさわしくないわ」
男の計画がもろくも崩れたのは妻からの告発だった。
男は屋敷で働いている侍女にも手を出していた。自分の容姿には自信がないので、妻ゆずりの美貌を持つ息子をダシに好き勝手していたのだ。
さすがに他国の王女まで自分の毒牙にかけようとしている夫を見て妻はキレた。それに王女に何かあった場合、国際問題だ。いくら、夫が王家につながる貴族とはいえやっていいことと悪いことがある。
もし、このことが公になれば自分や息子にも罰せられてしまう。
そんなのはまっぴらごめんである。
夫は自分の企みがアイドリアに気づかれていないと思い込んでいる。
だが、アイドリアは確かにルルーシェからかなり離れている。だからといって、アイドリアは魔道の国。
もし、真実が明らかになった時にルルーシェに対してアイドリアがどういう行動に出るか分からない。
何十年も昔、世界を破滅しようとした魔王を倒したのはそのアイドリアだ。
アイドリアには逆らっていけない。
それが各国の暗黙のルールのはずだった。
それなのに、この男ときたら。
そして、妻は夫を見限ることにした。アイドリアで量産される魔道具がなければ、生活にも支障きたす。
その後、妻の裏切りにより男は貴族の地位を失ったばかりか、国外追放の目にあった。いくら、王家の血筋に近いと言っても男のしでかした行為を見逃すわけにはいかなかった。
幸い、妻は告白したおかげで共倒れにならずに済んだ。
ただし、家は断絶になったが息子にもおとがめなし。
彼女は実家に戻った。
幸い、彼女の家は貴族とは名ばかりの商人だった。
夫とは身分違いだったが、大きな商家で裕福だったので向こうから求婚してきた。
それでも結婚後は家の格とかを持ち出してはさんざん、実家を馬鹿にされ続けていた。
なので、実家に戻り、家業の仕事を手伝っているとなんだか、生き返った気分だ。
そんな彼女の元に一人の女性が訪れた。
「アリス王女、」
彼女は驚いた。アリスは男のあまりにも酷い悪事に心を痛めて離宮にこもっていたはずではないか。
大体、ルルーシェとアイドリアは馬で何か月もかかる。他の国々も通過しなくてはならないのでアリスがアイドリアからルルーシェに向かったというならすぐ伝達が届くはずだ。
「お忍びだからそんなにかしこまらなくてもいいです」
「だけど、ここまでどうやって、」
「魔法で空間をつなげました」
「えっ、」
「あまり、公にしてはいけないのですが、アイドリアでは空間をつなげる魔法を使う魔導師がいます」
「はぁ、」
確かに公になれば世界中が大騒ぎになるだろう。
「あくまでも秘密です。この件は内密にお願いします」
「それで私に、」
ひょっとして、夫の罪が自分に降りかかるのだろうか。
「今回はお礼にきました。私のために夫に逆らってくださってありがとうございます」
「はぁ、」
彼女は目をぱちくりとして王女を見つめていた。
高校を卒業後、彼女は隣国の王子と婚約したが、王子の死去により婚約が無効になった。
次回、遠国の貴族と婚約したが彼が二股をかけたのが発覚、再び婚約が無効になった。
その時、相手のストーカー的な行為を受けた結果、離宮に引きこもることになった。
ただし、この話には裏がある。
「ようこそ、来てくれたわ」
アリスは一人の女性と対面していた。
「いえ、こちらとしても姫様にはごひいきにしていただいてこちらとしてもとても助かっています」
アリスの前にいる女性はルルーシェという国で手広く商いをしている。実はこのルルーシェという国の貴族がアリスの婚約者だった。
しかも、その貴族は目の前にいる女性の夫だった。
アリスに「夫を奪ったにくい女」と罵倒したのも彼女である。
そんな彼女とアリスが和やかに団らんしているのか。
アルファードたちは姉の婚約者が二股をして強引に婚姻を迫ったと思っている。
実際、内容は違う。
毎年、行われる他国との交流舞踏会でアリスを見初めたルルーシェ国の大貴族が妻子がいるのも関わらず、アリスに求婚したのだ。
しかし、自分に妻子がいることは公に知りわたっている。
ルルーシェ国は一夫多妻で裕福なら、妻は何人でも迎えることができる。だけど、アイドリアは一夫一妻制を貫いている。
その国の王女を求めるということは身辺整理をしなくてはいけない。
妻と別れても場合によっては求婚を断るかもしれない。
向こうは王族、こちらは単なる貴族だ。
そこでアリスを確実に手に入れるために彼は一計を講じた。
実の息子を自分の替え玉にあてたのだ。
彼にはアリスと同じ年の息子がいたのだ。
息子の嫁として申し込めば問題ないと考えたわけだ。
ルルーシェ国はアイドリアにとって遠方の国なので、アリスが嫁いできたら軟禁状態にして自分のモノにしようと考えた。
ただし、そんな計画はあっさりと崩れ去った。
「だけど、姫様には迷惑のかけっぱなしです。夫の仕打ちを知りながら私とつきあってくださるのですから」
「あんな男、貴女の夫にふさわしくないわ」
男の計画がもろくも崩れたのは妻からの告発だった。
男は屋敷で働いている侍女にも手を出していた。自分の容姿には自信がないので、妻ゆずりの美貌を持つ息子をダシに好き勝手していたのだ。
さすがに他国の王女まで自分の毒牙にかけようとしている夫を見て妻はキレた。それに王女に何かあった場合、国際問題だ。いくら、夫が王家につながる貴族とはいえやっていいことと悪いことがある。
もし、このことが公になれば自分や息子にも罰せられてしまう。
そんなのはまっぴらごめんである。
夫は自分の企みがアイドリアに気づかれていないと思い込んでいる。
だが、アイドリアは確かにルルーシェからかなり離れている。だからといって、アイドリアは魔道の国。
もし、真実が明らかになった時にルルーシェに対してアイドリアがどういう行動に出るか分からない。
何十年も昔、世界を破滅しようとした魔王を倒したのはそのアイドリアだ。
アイドリアには逆らっていけない。
それが各国の暗黙のルールのはずだった。
それなのに、この男ときたら。
そして、妻は夫を見限ることにした。アイドリアで量産される魔道具がなければ、生活にも支障きたす。
その後、妻の裏切りにより男は貴族の地位を失ったばかりか、国外追放の目にあった。いくら、王家の血筋に近いと言っても男のしでかした行為を見逃すわけにはいかなかった。
幸い、妻は告白したおかげで共倒れにならずに済んだ。
ただし、家は断絶になったが息子にもおとがめなし。
彼女は実家に戻った。
幸い、彼女の家は貴族とは名ばかりの商人だった。
夫とは身分違いだったが、大きな商家で裕福だったので向こうから求婚してきた。
それでも結婚後は家の格とかを持ち出してはさんざん、実家を馬鹿にされ続けていた。
なので、実家に戻り、家業の仕事を手伝っているとなんだか、生き返った気分だ。
そんな彼女の元に一人の女性が訪れた。
「アリス王女、」
彼女は驚いた。アリスは男のあまりにも酷い悪事に心を痛めて離宮にこもっていたはずではないか。
大体、ルルーシェとアイドリアは馬で何か月もかかる。他の国々も通過しなくてはならないのでアリスがアイドリアからルルーシェに向かったというならすぐ伝達が届くはずだ。
「お忍びだからそんなにかしこまらなくてもいいです」
「だけど、ここまでどうやって、」
「魔法で空間をつなげました」
「えっ、」
「あまり、公にしてはいけないのですが、アイドリアでは空間をつなげる魔法を使う魔導師がいます」
「はぁ、」
確かに公になれば世界中が大騒ぎになるだろう。
「あくまでも秘密です。この件は内密にお願いします」
「それで私に、」
ひょっとして、夫の罪が自分に降りかかるのだろうか。
「今回はお礼にきました。私のために夫に逆らってくださってありがとうございます」
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