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死ぬ気で考える言い訳
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「えっと、えぇっと」
私は脳みそをフル回転させて言い訳を考える。しかし、何一つそれっぽいものは考え付かない。
ええい。ままよ。
「わ、私、これでも乙女なのよ。は、恥ずかしいじゃない。婚約者に寝顔を見られるなんて」
言いながら。乙女とは何なんだろう。と、思った。
私のようなおっちょこちょいが乙女なら、山姥は聖女ではないだろうか。
チラリとフェリクスの方を見るが、不穏な空気は消えていた。
とりあえず言い訳を聞いてくれるようだ。うまく誤魔化せば、ちょっと残念な奴と同情して処刑されるのは回避できるかもしれない。
「そ、それに、寝室にいるなんて、びっくりしちゃうわ!」
何となくそれっぽいことを言ってみる。
恥ずかしいからあんな事しちゃったのよ。と。言い訳としてはどうだろうか。
子供とはいえ、異性の寝室にいるというのは問題があると思うのだけれど。婚約者という立場だからセーフという事なのか。
父や母は、なぜこんな事を許したのか。
正直、フェリクスが頼み込んだ気がするのだけれど、それを責める事はできない。
なぜなら、満期を迎える前に首と胴が永久にグッバイするのは嫌だからだ。
「わ、私、寝てる時に目を開けてたかもしれないわ。そんなの見られたくないですもの。は、恥ずかしいわ!」
きゃあ。と言って両手で顔を隠したら、恥じらう乙女の完成形になった気がする。
指の隙間からフェリクスの顔を見ると、ポカンと口を開けたまま私の顔を見ていた。
とりあえずしばらくは、私の首と胴体は仲良くくっついていられるようで安堵する。
「乙女。ふふ、そうだね。ごめん。心配だったから無理をお願いしていさせてもらったんだ」
フェリクスは、何かがツボに入ったのか。それだけ言うと声を上げて笑い出した。
怒った顔や表情の抜け落ちた顔をされるよりも、笑っている方が怖くないので、とりあえず上手な言い訳ができたと私は安堵した。
しかし、次の話を聞いて、私は悲鳴をあげそうになる。
「僕は、成人するまでここで色々と勉強させてもらう予定なんだ」
「……ッつぅ!?」
それは、いったいどういうことなのだろう?
なんで、コイツがうちの屋敷にいるのか、本来なら王都のマリアベルのところにいるのが正解なのに。
「え、マリアベルは?えっ、うちの屋敷にいるの?」
「マリアベルって誰?僕は王都にツテがないからここ以外で過ごせないんだよ」
私が出したマリアベルの名前に、フェリクスは首を傾ける。
なぜ、彼女のことを知らないのか。
私の頭の中は疑問符で埋め尽くされた。
ただ、マリアベルとフェリクスとの間に割って入ったような状況にはなっていないという事だけはわかった。
もしかして、死なない未来が待ってる!?
私は、淡い期待をした。
知らなかった。わたしは、フェリクスが別方面のやばい男だという事に。
私は脳みそをフル回転させて言い訳を考える。しかし、何一つそれっぽいものは考え付かない。
ええい。ままよ。
「わ、私、これでも乙女なのよ。は、恥ずかしいじゃない。婚約者に寝顔を見られるなんて」
言いながら。乙女とは何なんだろう。と、思った。
私のようなおっちょこちょいが乙女なら、山姥は聖女ではないだろうか。
チラリとフェリクスの方を見るが、不穏な空気は消えていた。
とりあえず言い訳を聞いてくれるようだ。うまく誤魔化せば、ちょっと残念な奴と同情して処刑されるのは回避できるかもしれない。
「そ、それに、寝室にいるなんて、びっくりしちゃうわ!」
何となくそれっぽいことを言ってみる。
恥ずかしいからあんな事しちゃったのよ。と。言い訳としてはどうだろうか。
子供とはいえ、異性の寝室にいるというのは問題があると思うのだけれど。婚約者という立場だからセーフという事なのか。
父や母は、なぜこんな事を許したのか。
正直、フェリクスが頼み込んだ気がするのだけれど、それを責める事はできない。
なぜなら、満期を迎える前に首と胴が永久にグッバイするのは嫌だからだ。
「わ、私、寝てる時に目を開けてたかもしれないわ。そんなの見られたくないですもの。は、恥ずかしいわ!」
きゃあ。と言って両手で顔を隠したら、恥じらう乙女の完成形になった気がする。
指の隙間からフェリクスの顔を見ると、ポカンと口を開けたまま私の顔を見ていた。
とりあえずしばらくは、私の首と胴体は仲良くくっついていられるようで安堵する。
「乙女。ふふ、そうだね。ごめん。心配だったから無理をお願いしていさせてもらったんだ」
フェリクスは、何かがツボに入ったのか。それだけ言うと声を上げて笑い出した。
怒った顔や表情の抜け落ちた顔をされるよりも、笑っている方が怖くないので、とりあえず上手な言い訳ができたと私は安堵した。
しかし、次の話を聞いて、私は悲鳴をあげそうになる。
「僕は、成人するまでここで色々と勉強させてもらう予定なんだ」
「……ッつぅ!?」
それは、いったいどういうことなのだろう?
なんで、コイツがうちの屋敷にいるのか、本来なら王都のマリアベルのところにいるのが正解なのに。
「え、マリアベルは?えっ、うちの屋敷にいるの?」
「マリアベルって誰?僕は王都にツテがないからここ以外で過ごせないんだよ」
私が出したマリアベルの名前に、フェリクスは首を傾ける。
なぜ、彼女のことを知らないのか。
私の頭の中は疑問符で埋め尽くされた。
ただ、マリアベルとフェリクスとの間に割って入ったような状況にはなっていないという事だけはわかった。
もしかして、死なない未来が待ってる!?
私は、淡い期待をした。
知らなかった。わたしは、フェリクスが別方面のやばい男だという事に。
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やっぱり怖いんだ(笑)
ヒヤシンスちゃんポンコツ可愛い😍
ああああああああああ
可哀想に、これは怖い(´;ω;`)